ニッカ5型のカメラ修理

今日、6月1日は「写真の日」です。
さぁ、カメラを持ってステキな写真を撮りに出かけましょう!
私も。。。と言いたいところですが
土曜日にお店を閉めるわけには。。。(汗)
しかしながら写真及びカメラの世界も
ここ数十年で本当に様変わりしてしまいました。
私の育った家ではじいさんが写真・カメラ好きだったこともあって
比較的幼い時期から
写真が撮れる理屈とかの基本的部分は覚えましたが
その頃から考えると、こんな何でも簡単に撮れる時代が来るとは
思っていませんでした。
。。。などと思ってはいますが
私の使っている機材や環境だと昔の写真撮影の考え方そのままで
まったく変わってはいないのですが。。。(笑)

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
ニッカカメラそのものが現在には存在しないメーカーですが
当時のカメタの主流だったバルナックライカコピーを
製造していたメーカーです。
1942年の「ニッポン」というカメラから始まり
戦後になってから「ニッカ」として
いくつものモデルを製造販売していました。
1958年にヤシカの完全子会社となり
1966年にヤシカに完全吸収合併となりました。

今回のニッカ5型は1955年に発売されたモデルです。
デザインは典型的なバルナックタイプですが
ボディはダイキャスト製です。
シャッターは1秒-1/1000の倍数系列です。
隅々までしっかり造りこまれていて
非常に質感の高いカメラです。
5型の特徴としてはフィルム装填のために
底カバーを外すと裏蓋も開けることができ
フィルム装填が非常に簡単・確実になりました。
バルナックタイプのフィルム装填は
慣れていても手こずることが多々ありますので
これは非常に良い機能だと思います。
修理を行う側としても
裏蓋が開くことで分解することなく
そのままシャッタースピードの測定等ができるので
非常に助かります。
通常のバルナックタイプだと外側カバー部から
中身を引き抜いてからではないと
測定ができずかなり不便なのです。

この時代のバルナックタイプのカメラは
基本的にシャッター幕の劣化が起こっていることがほとんどです。
今回もシャッター幕はゴム引きが一旦溶解し
また固まっているような状態で
幕が巻かれている部分は幕同士でくっついてしまっている状態の上
硬化していてとてもシャッターが走行できる状態ではありません。
この時代のカメラは例えシャッターが動作してるとしても
シャッター幕の硬化で精度が全く出ていないことも多いので
幕が交換されていない個体はまず間違いなく
シャッター幕交換が前提となります。

幕交換は日頃の整備の中でも重整備な部類となります。
写真は一通りの整備が終わったもので
これから最終チェックを行って完成となります。
装着されているニッコール5cmF2のレンズ清掃も行い
非常に気持ちよく使っていただける状態になっています。
Lマウントなのでいろいろなレンズが使えるのですが
当時、ニッカに標準装着されていたレンズは
ニッコール(当時の日本光学・現ニコン)です。
ライバルのレオタックスが
トプコール(東京光学)を標準装着してたので
ここでも「海のニッコー、陸のトーコー」の
ライバル関係が見られたわけですね

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