リコーフレックスⅦSのカメラ修理

今日も11月恒例の「いい〇〇の日」が
たくさん制定されています。
「いい歯の日」、「いい歯ならびの日」
「いいおっぱいの日」、「いいお肌の日」
「いいパックの日」、「いい泡の日」。。。などなど。。。
そんな中。今日は「刃物の日」でもあるそうです。
これも「いい(11)は(8)もの」の語呂合わせですね。
仕事柄、刃物も毎日使います。
さすがに包丁まではないですが
主にカッターナイフですかね。
普通のカッターナイフはもちろん
モルト用にロータリカッターも使います。
細かいものを細工するための薄刃のカッターも使います。
カッターだけではなくハサミも普通のものから
小さな精密ハサミも使います。
あ、ガラス切りも一応刃物かな。。。
たまに彫刻刀も使うかな。。。
どれにも共通しますが
切れ味が悪くなったら即交換です。
刃物だけではなくはんだこてのこて先とかもそうですが
劣化したものを誤魔化して使っているとロクなことになりません。
取り返しのつくちょっとした失敗くらいならいいですが
怪我の元になることもあり、取り返しのつかない失敗の原因にもなります。
以前、ドライバーの話でも書いたような気がしますが
道具は最高級品でなくてもよいので
(そりゃ使い心地は良いですし良い道具に越したことはありません)
ある程度のキチンとした道具を頻繁に交換しながら使うことが基本です。
劣化した道具を使うことほど危なっかしいことはないと思います。
何の分野でもそうだと思いますが
そういう部分はケチってはいけないのですよね。。。
あ、当然、きちんと手入れをすることで
道具そのもののコンディションを保ち長持ちさせることも当然です。

さてさて

本日は「リコーフレックスⅦS」のカメラ修理を行っています。
リコーフレックスシリーズは
プレスボディで基本の重量が軽いことに加え
必要最小限の装備で非常にコンパクトに作られた二眼レフです。
ダイキャストボディで撮影に便利な機能をいろいろ追加した
王道の二眼レフにはそれはそれで良さもメリットもありますが
その対極を行くシンプルさを追求した二眼レフということもできます。
当然、フィルム装填は赤窓式で巻き止めも二重露光防止機能もありません。
シャッターユニットもシンプルなもので
今回のⅦSはB+5速ですが3速のモデルも存在します。
ピント合わせもレンズボードの繰り出しとかではなく
前玉回転式で前玉に付けられたギアを直接回すことで行います。
撮影のための機能が最低限のため
その後の便利なフィルムカメラに慣れていると
戸惑うことも多いとは思いますが
撮影の原理がわかっていて操作にも慣れてくると
どの操作も当たり前に必要な操作だというのがわかってきます。
ただ、意図しない二重露光や未露光は
うっかりするとやらかしてしまうかもしれません。

お預かりの「リコーフレックスⅦS」は
前玉回転式のピントギアの設定が狂ってしまっているようで
繰り出し側(最短撮影距離側)に回していくと
ギアが止まる前に外れてしまいます。
おそらく分解品でピントギアは
適当に組んでいるだけのものと思われます。
シャッタユニットに固着跡があり
ガバナも一時期固着していたものと思われますが
その際に部品の変形も発生しているようです。
レンズは若干のコーティング傷みがあり
清掃では取り切れない部分もありますが
それほど撮影に大きな影響が出るほどではありません
ファインダーミラーはいつものごとく
クモリ・劣化が酷いので交換で対応します。
細かい問題はいろいろとありますが
とにかくある程度分解してしっかり清掃・調整を行って
キチンと組みなおせば本来の動きに戻せる状態です。

で、画像は一通り整備が完了した状態のものです。
リコーフレックスは当時、日本のカメラ生産量の半分以上を
リコーフレックスが占める、と言われるほどの大ヒット商品です。
その大ヒットの要因はシンプルに効率よく作ることで実現した
当時としては価格破壊的なお求めやすさです。
。。。とはいえ、この時代のカメラは
いわゆる高級嗜好品の代名詞です。
つまり安かろう悪かろうでは許されないものがあったと思われます。
リコーフレックスは機能はシンプルですが
その分持ち運びしやすくきちんとキレイに撮影でき
当時の高級品の佇まいは十分に醸し出していると思います。
上の画像を見ていても眺めているだけでも
何だかワクワクしてくるカメラだと思います。
これでブローニーフィルムならではの良い画質で
しっかり撮れるのですからそれは素晴らしいですよね。

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