ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「立冬」ですね。
いよいよ冬に向かって日に日に寒くなってきました。
今日は「立冬」に関係して
(いよいよ寒くなってきたので
温かいものを食べましょうという意味)
鍋関連の記念日が多い日です。
「鍋の日」、「もつ鍋の日」
「鍋と燗の日」とかが制定されていますね。
鍋と燗だなんてそんな無敵な組み合わせは反則です(笑)
今夜は鍋に熱燗で。。なんて考えただけで仕事になりません
「もつ鍋」もいいですがやはりこれからの季節の鍋は
「牡蠣鍋」ですよねぇ。。。土手鍋が定番かもしれませんが
私は基本水炊きでポン酢でいただくのが好きです。
白菜やキノコ類に豆腐に牡蠣。。。これだけあれば十分です。
で、鍋が熱々なので酒はぬる燗くらいでいいかもしれません。。。
まぁ、冷やでも全く良いのですが。。。
やはりメインは鍋なのでお酒は純米酒のほうが合うような気がします。
あぁ、すっかり区分は鍋モードになってきました。
今夜も冷えそうですし
とっとと仕事は終わらせて鍋と酒に酔いしれましょう(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っております。
なんだかんだいってSPの修理も毎月のようにありますね。
M42マウント機を代表するカメラでもありますし
発売当時から優れたコストパフォーマンスと使いやすさで
大人気だったカメラですが
今でも大人気なカメラです。
大ヒットしたカメラなので現存台数が多く
手に入れやすいということも魅力の一つだと思います。
SP以前のペンタックス機だと露出計も装備されず
やはりとっつきにくい。。。というのもあるでしょうし
SP以前のSVやS2だとシャッター幕の劣化の激しい個体も多く
その点でもSPのほうが安心度が高いかと思われます。
。。。とはいえ、発売から50年以降経過するカメラです。
なかには整備されている個体もありますが
大半の個体は新品時から使いっぱなしのものが多く
さすがにそうなるとモルト類・油脂類の劣化のため
いろいろなところで問題が出ている状態だと思われます。
致命的な破損等がなければ修理は可能なカメラではあるので
しっかり整備してやれば現在でも安心して使えるともいえるカメラです。

お預かりしているSPは
比較的キレイな外観のブラックボディです。
ご依頼者様が最近入手したものとのことです。
整備することを前提で手に入れたとのことで
早速拝見させていただくと
まずはファインダー内横方向に黒い線が見えます。
定番のプリズム腐食です。
SPはプリズム台座からの光漏れを防ぐ為に
プリズムの外周にぐるりと遮光材が貼ってあるのですが
これが加水分解を起こしプリズムの蒸着まで剥がしてしまうのです。
定期的に遮光材の交換をしておけば発生しないのですが
なかなかそこまで行っている個体は少なく
SPの多くの個体で発生しているトラブルです。
プリズム再蒸着という手段もありますが
当店では再蒸着は行っていないので
中古良品のプリズムと交換で対応します。
プリズム腐食が放置されているということは
これまで数十年間は未整備だと推測されます。
巻上の感触から判断しても油切れの兆候はありますが
シャッタースピードを測定してみると
やはり幕速のバランスは大きく崩れていて
高速シャッターの精度は全く出ていない状況です。
露出計は動作していますが精度は若干ずれてしまっています。
今回は1.5Vで再調整します。

装着しているレンズは当店のテストレンズです。
外装もできる限り磨き上げました。
非常にキレイな状態になっていると思います。
シャッターが安定して
精度が出ていることはもちろんですが
巻上のフィールが明らかに軽やかになったと思います。
この辺りは感覚的なものであり
個体差・環境差にもよるので
どういう感じが正解というものが表せないのですが
今回は明らかに預かり時よりは良くなっていると思います。
プリズム交換しスクリーン清掃もしているので
もちろんファインダーもクリアです。
露出計電池はLR41をスペーサーを使って装着しており
精度も全く問題ないレベルになっております。
これなら自信をもって
今後、安心して快適に使っていただけると思います。

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