ニコンFEのカメラ修理

今日は「うるしの日」だそうですよ。
うるし塗りの食器って温かみがあって良いですよねぇ
お安いものから高級なものまでいろいろなものがありますが
昔、実家に本格的な輪島塗があったのですが
やはりそれなりに高級な漆塗りの食器は使うのが
恐れ多いほど美しいです。
今は自炊することもずいぶん減ったから
(何せ時間が足りない)
食器類もいい加減だし
何なら鍋からそのまま食べるほうが多いのですが。。。
(ほら、取っ手が取れてそのまま食器っぽく使えるヤツとか)
実家から引き継いだそれなりの食器が
実は奥底に眠っているのですよねぇ。。。
確か輪島塗もあったぞ。。。
たまにはきちんとした食器で
きちんとした食事を優雅に味わいたいものですねぇ
そういえば今は亡き、うちのばあさんは
「うるしの木の下を通っただけでもかぶれる」体質で
漆塗りの食器も避けていたなぁ。。。
しっかり硬化した漆器であれば漆塗りの食器で
かぶれることはまずないとは思うのだけど。。。
私は全然平気な体質でウルシの木も普通に触ってたなぁ
そういえば私の生まれ育った地域では
ヤマウルシやハゼノキのことを「カブレノキ」(かぶれるから)と
呼んでました。。。(苦笑)
どちらもこの時期の山では紅葉して
山の美しさを引き立ててくれる木ですね。

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
FEもコンスタントに修理来のあるカメラです。
当店の場合はFやF2よりもFEのほうが多く
ニコマートとか多いですが
FEがニコン機の中で最も多く依頼の入るカメラです。
電子制御シャッター機ということで
敬遠されがちな部分もあるとは思いますが
起こるトラブルのほとんどは機械的なものです。
確かにまれに電子制御部分のトラブルを抱えているものもあり
それでも直る場合もあるのですが
中には修理不能なものもっございます。
でもその確率はかなり低いものと思っています。
前身のニコマートEL系に比べると
オリンパスOM系ほどではないですが随分コンパクトになり
取り回しも良くなりました。
EL時代から評価の高かった追伸式の露出計は受け継がれ
FEになってからさらに使いやすくなりました。
電子制御シャッター機なので当然、絞り優先AEも搭載します。
私は個人的には普段マニュアルで撮ることがほとんどなのですが
それでも絞り優先AEがあると便利な場面はたくさんあり
全体の撮影の1/4くらいはオートも使います。
取り回しの良さと使いやすさでいうと
かなりお勧めの1台です。

お預かりのFEは巻上が全くできません。
シャッター羽根の位置関係から判断すると
シャッターはリリーズ状態です。
。。。ということはシャッターは切れたのに
巻上ロック機構が固着して解除されない可能性が高いと思われます。
実はFE/FM系で比較定期多いトラブルです。
巻上ロック機構を強制的に解除してやれば
とりあえずは巻き上げられるようになります。
でもそれだけではまたロックするのが関の山なので
巻上機構部を入念に清掃し注油を行います。
FE/FMは巻上周りのトラブルが比較的多く
今回のように巻上ロックだったり
ミラーチャージ不良で巻き上げたと同時に
シャッターが切れてしまったりとか
巻上完了済みなのに巻上軸が戻ってこなくなり
シャッターが切れないとか。。。がよくある症状です。
比較的関連しあっている部分なので
予防も含めてその辺りのチェックと整備も行います。

もちろんシャッタユニットの整備、
各電気接点の清掃整備も行います。
今回は露出計が妙に不安定な動きを見せているので
その修理も並行して行います。
シャッタースピード、露出計精度、オート精度は
最終的に電気的に調整します。
全体的にかなりアンダー目の動きになっていたので
その辺りも今回の調整で改善されます。
先日、FGの修理も行いましたが
やはりクラスが一段絵のFEはFGと比べると
いろいろなところがしっかりできています。
でもその分FGは軽いのですよねぇ
一長一短ありますがどちらも良いカメラです。
どちらも中身を見比べることができると
いろいろ思うところも多くそれもまた楽しいですね。

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