ミノルタA3のカメラ修理

今日は「飛行機の日」だそうですよ。
1903(明治36)年のこの日に
ライト兄弟が動力飛行機の初飛行に成功したことに由来します。
あの有名な複葉機、ライトフライヤー号ですね。
4000ccの直列4気筒エンジンを搭載していました。
一気筒あたり1000CC!なのですね。
でも12馬力程度しかなくて飛行機の重量は338kg
いや、軽いのでしょうが
この数値だけ見ているとよく飛んだな。。。という感じがします。
実はライトフライヤー号は完全に自力のみで飛ぶことはできず
離陸には簡易的なカタパルトを用いたそうです。
いや。。。わくわくするけど同時に怖いですよねぇ(汗)
そういえば飛行機なんてもう10年以上乗っていないかも。。。
パスポートも切れちゃってるし。。。
もうあまり飛行機で出かけるようなこともないでしょうねぇ。。。
北海道あたりに行くならやっぱり飛行機かな。。。
ちなみに一時期広島帰省の時に
飛行機を使っていたこともあるのですが
飛行機自体で飛んでいる時間は短くても
搭乗までに時間がかかることと
広島空港の地理的な場所が遠いこともあって
結局新幹線で帰るのと
時間的に変わらない。。。ということになり
もう最近は新幹線ばかりです。
あ、ちなみに青春18きっぷで在来線で帰ると
16時間くらいかかります(笑)
東京から九州だとさすがに飛行機がいいでしょうねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタA3」のカメラ修理を行っています。
ミノルタAシリーズは
ミノルタ初のレンズシャッター35mm判カメラです。
1955年の「A」に始まりその後、「A2」、「A3」。。。
「A5」まで続きます。
何だかコピー用紙みたいですね(笑)
そういえば最近は写真のプリントサイズも
A4やA3、B4なんて指定できるそうですが
やっぱりプリントサイズは昔の印画紙サイズに倣って
「半切(はんせつ)」、「四つ切り」、「六つ切り」
「キャビネ(カビネ)」ですよねぇ。。。
いや、今や時代遅れなのはわかってますよ(苦笑)
本題に戻ります。。。
今回お預かりしているのは1959年発売の「A3」です。
「A2」までの丸っこいデザインとは決別し
一般的な四角いカメラとなりました。
レンズはロッコールTD45mmF2.8ですが
一部ロッコールTE45mmF2.8搭載機もあるようです。
シャッターはシチズンMVLで最高速は1/500です。
操作方法等やデザインも含めて
AシリーズはA,A2とこのA3では全く考え方が異なります。
A3は良い意味で操作方法も一般的なものとなりました。
露出計を持たないシンプルな距離計カメラです。
距離計二重像はハーフミラーで投影されますが
一般的な全面ハーフミラーではなく
視野中心の台形部分にのみハーフミラーを蒸着し
フレームはアルバダ式で投影します。
このあたりはちょっと変わった構造です。

お預かりのA3はまずシャッターが切れません。
正確にいう巻上ロックがかかりっぱなしで
巻上ができません。強制的にロックを外して巻き上げても
シャッターチャージしきらずに巻上が完了してしまいます。
で、再び巻上ロックがかかるので
どちらにしてもシャッターを切ることができません。
ある程度、分解して強制的にシャッターを切ってみると
とりあえずは切れるのですがやはり羽根に粘り等はあり
スローガバナは固着してしてしまっているようです。
さらにフィルムカウンターが中で外れてしまっていて
上カバー内側でグラグラに遊んでしまっている感じです。
ちなみにA3のフィルムカウンターは上カバーに取り付けられていて
スプロケット軸上部と噛み合ってカウントアップしていく方式です。
これもちょっと独特ですね。

シャッターユニットのチャージしきれない問題は
ちょっと思ったよりやっかいそうです。
ボディ側にチャージアームの調整はあるのですが
そこでチャージできる位置に調整すると
今度は巻上ロックがかからずにどこまでも巻き上げられてしまいます。
まぁ、理屈はわかっているので
うまい具合に何とか調整していきましょう
他、シャッターユニット部の清掃整備、カビだらけのレンズ清掃
ファインダー調整清掃を行います。
このカメラも50年代のロッコールにありがちな
後玉ユニットのコーティング劣化によるクモリの非常に多いカメラです。
今回はそれほど問題になるほどではありませんが
やはり後玉のコーティングには劣化が見られます。
コーティング劣化そのものは改善できませんが
できる限りの清掃で対応いたします。
ある程度の整備が完了して仮組してみると
やっと軽やかに巻上できてシャッターが切れるようになりました。
ミノルタらしい気持ちの良い巻上です。
ここまでくればもう大丈夫ですね。
後は通常の整備を慎重に行っていきます。

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