ペンタックスMXのカメラ修理

今日は9月1日、「防災の日」ですね。
1923(大正12)年の9月1日午前11時58分
関東大震災が発生したことに由来しています。
関東地方をM7.9の大地震が襲い
死者・行方不明者14万2800人、
家屋全半壊25万戸、焼失家屋44万戸という大災害となったそうです。
地震の場合はもういつくるかわからないし
場合によってはどうにも防ぎようがない部分がありますよね
でも先月も豪雨や長雨がありましたが
これからは台風シーズンでもありますので
雨風による災害にも気を付けなければいけません。
台風の場合は来ることがある程度事前にわかりますから
甘く考えずに注意して行動しないといけませんね。
幸い私の住んでいる地域は川の氾濫とか
土砂崩れとかの可能性は低いと思われますが
考えられないような天候になることも
最近はめずらしくないので気を付けなければいけませんね
本当に温暖化とかいろいろな要素があるのでしょうが
近年、予想を上回る災害が思いもよらぬところで
起こることも多いので他人事ではありませんね。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
「MX」は最初に登場した「ペンタックスMシリーズ」のカメラですが
「Mシリーズ」の中では唯一の機械制御シャッター、且つ
布幕横走りシャッター機です。
軽量・コンパクト化をシリーズ全体で推し進める上で
効率が良いのはやはり「縦走りシャッター+電子制御」という
考えになったのだと思います。
その方法が間違いないのはその後に
コンパクトな電子シャッター機が次々と各メーカーから出ていることからも
よーくわかりますね
ただ、機械式シャッターは整備性や
基本的にシャッターそのものには電池を必要としない点
長い年月が経っていても「比較的」修理が容易な点等々
数々の魅力があるのも事実です。
目に見える機械でシャッターが制御される様子は
普通は実際には目にできませんが
やはり精密さを身近に感じますし機械としての魅力も大きいと思います。
機械制御でコンパクトな一眼レフと言えば
パイオニアは文句ナシに「オリンパスOM-1」ですが
その「OM-1」を強烈にライバル視して開発されたのが
この「MX」です。
幅・高さ・厚さともすべて0.5mmずつ
OM-1より小さくなっていることからもかなり意識していることがうかがえます。
ただし、機械制御シャッターでこれだけコンパクト化を進めるためには
OM-1同様、かなりの工夫が必要であり
その工夫が時には整備性に大きな影響を与えていることもあります。
OM-1もそうですがMXも分解整備・修理をする立場で言えば
なかなか厄介なカメラです(苦笑)

お預かりしている「MX」は
たまにミラーアップしたままになってしまうようです。
横走りシャッター機のミラーアップの原因は
多くの場合、ミラー駆動部そのものよりも
シャッター幕の走行不良が原因です。
今回も場合もシャッタースピード及び幕速を測定してみると
先幕・後幕のバランスが大きく崩れており
後幕の走行が正常ではないことにより
最後のミラーダウン機構へ
きちんとリンクできないことが原因と思われます。
シャッタースピード調整も含み
過去に何度も分解されて調整が行われたと
思われる形跡が残っていますが
近年は整備されていないものと思われます。
モルトだけは比較的近年貼りなおされている形跡がありますが
このモルトがまた場所がおかしい上に
異様に過剰に貼られておりあまり良い状態とは言えません

装着しているレンズは当店のテストレンズです。

とにかくいろいろと中途半端で動きも良くない状態だったので
全体的に整備を行い、
いろいろな部分の調整をやり直しました。
もちろんシャッターの動きは非常にスムーズになり
ミラーアップももう起こりません。
露出計もできる限り調整を行い
通常の使用に全く問題ない精度に調整いたしました。
これで当分の間は安心して撮影に使っていただけると思います。

動作部分の調整をかなり見直しているので
通常より長めに様子見をして動きをチェックしています。
ここまで問題ないようなのでこれから最終チェックを行い
問題なければ完成となります。

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