ミノルタX-7のカメラ修理

今日は10月3日…
「と(10)ざん(3)」(登山)と読む語呂合わせで
「登山の日」です。
山はいいですよねぇ…特に森林限界を超える
標高2500m以上の山は日常では味わえない
眺望と空気感を楽しめますよねぇ
さらにおススメはテント泊で
山ならではの夜明けやご来光を一度味わうと
かなり病みつきになると思います。
この仕事を始めた頃からなかなかまとまった時間が取れなくて
年に1・2回くらいしか山に行けなくなってたところへ
昨年、頭がイカレたこともあって
もう足場の悪い登山道はまともに歩けなくなってしまったので
山に登ることはもうないかと思いますが
以前登った時の写真を見返すたびに
そのときの気分に何となくでも浸れることができます。
やはり写真は撮っておくものですね!
一度登った山はそれから下から見上げただけでも
何だか特別なものに見えてくるのですよ。
登るのはもう無理でもたまに山梨あたりに行って
麓から甲斐駒や北岳を見ると何だかワクワクドキドキしてしまいます。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のエントリークラスの絞り優先AE専用機です。
毎回書きますが宮崎美子さんのCMでカメラよりも
あのCMが一世を風靡してしましました。
私もX-7のCMだったかどうかはうろ覚えでも
あのCMはめちゃくちゃ強烈に記憶に残っています
当時の宮崎美子さんもよく覚えていますが
さらにそれをパロディにして「全員集合」でコントにしていた
志村けんさんの姿がもっと強烈に記憶に残っていたりします(笑)
この時代は各社ボディ本体4万円ほどの
絞り優先AE専用機がラインナップされていました。
ミノルタはX-7、ニコンEM、オリンパスOM10、
ペンタックスMV1…等々
販売台数がかなり見込めるクラスとあって
各メーカーかなり力が入っていてそれぞれ魅力的なモデルばかりです。
そんな中でもX-7はミノルタらしい使い心地の良さと
明るくてキレの良いファインダーが魅力のカメラです。
カタログスペックに具体的に出にくい部分なのですが
この時代のミノルタカメラの使い心地は
本当にどのカメラも気持ちよいものばかりですね。

そんなX-7も発売から40年以上経過しています。
ミノルタXシリーズは電子系に難のあるカメラが多く
トラブルと修理不可能なパターンも多いのですが
X-7は多少機能がシンプルなせいか
比較的、電子制御関係のトラブルは少ないと思います。
ただし現存するX-7の8割以上は
プリズム腐食のトラブルを抱えているものと思われます。
X系のカメラの多くがそうですが
プリズムの前面に遮光用のモルトプレーンが貼られていて
そのモルトが加水分解を起こすことにより
プリズムの蒸着を剥がしていってしまうわけです。
ファインダーから覗くと真ん中少し下寄りに
大きな横方向に伸びる黒い帯が出てきてしまいます。
プリズム内でのトラブルなので写真には影響しませんが
ファインダーの視野を遮る範囲も広く
そのままではとてもとても普通に撮影できる状態ではありません。
今回、お預かりしているX-7も
まだ黒い帯は少し薄目ではありますが
ファインダー内の1/3近くを黒い帯が覆ってしまっている状態です。
他の動作は大きな問題はないのですが
オートがやたらとアンダー目になってしまっているようです
これは抵抗の調整等で改善できる範囲かと思われます。

80年登場の電子制御機なので
プリズム交換と言っても
上カバー外して留め具を外せば
すぐにプリズムが降ろせる…なんてわけにはいきません。
上カバー脱着も少々めんどうなカメラですが
そこからプリズムを覆っているフレキを外すことから
始めなければなりません。
さらにそのフレキは底部のフレキや電池室とも
直接繋がっているのでこれがまたなかなか大変です。
細かい作業が多いのでかなり神経も使う作業です。
慎重にひとつひとつ行っていけば
それほど困難な箇所があるわけではないのですが
とにかく手間がかかります。
プリズム載せ替えもそうですが
ここから並行して慎重に各部の整備・調整も行っていきます。

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