ペンタックスS2のカメラ修理

今日は「鉄道の日」だそうですよ。
日本国有鉄道が1922(大正11)年に「鉄道記念日」として制定しています。
かなり歴史のある記念日ですね。
1872(明治5)年10月14日(旧暦9月12日)に
新橋駅(後の汐留貨物駅、現:廃止)~横浜駅(現:根岸線桜木町駅)を
結んだ日本初の鉄道が開業したことに由来しています。
私はそれほど鉄道マニアではありませんが
少年時代にいわゆる「ブルートレインブーム」があったので
昔の寝台特急とかL特急とかは好きでしたし
模型も少し持っていたりします。
でも当時は呉在住だったこともあり
なかなか実際にそういう車両を見ることはなかったのですよねぇ
図鑑や図書館で借りてくる本や鉄道模型のカタログをみて
「カッコいいなぁ」と思っている程度でした。
そういえばこの鉄道の日に関連して
大宮鉄道博物館が2007(平成19)年のこの日に開館しているのですよね
ここもそのうち行ってみよう行ってみようと思いながら
未だに訪れていないという…(苦笑)
まぁ近日中に行ってみます!
以前から行ってみたいと考えているところは
首都圏にもたくさんあるのだけど
意外と足が重いのですよねぇ…(笑

さてさて

本日は「ペンタックスS2」のカメラ修理を行っています。
1959年発売のカメラです。
元々ペンタックスAP(アサヒペンタックス最初の一眼レフ)や
当時の最高級機「ペンタックスK」の普及機として発売されました
製造設備や生産工程の大幅な見直しによって
従来機種に対して大幅な低価格化を実現しヒット商品となっています。
普及機ということでシャッタースピードの最高速は1/500秒ですが
最高級機「K」よりも進んだ「一軸不回転式シャッターダイヤル」が採用され
かなりその後の標準的仕様のカメラに近づいてきています。
フィルムカウンターが自動リセットではなかったり
完全自動絞りではなかったりとまだこの時代ならではの部分もありますが
TTL露出計等がまだ装備されていないので
慣れてしまえばそれほど使いにくいことはないと思います。
基本的にはシンプルで丈夫なカメラで
これだけあれば撮影するには十分!と再確認させてくれるカメラでもあります。

しかしながら発売から60年以上経過するカメラです。
この時代のカメラで一番心配されるのは
シャッター幕の状態なのですが
今回お預かりしているS2に関しては
今確認できる部分に関しては何とか大丈夫な模様です。
「今確認できる部分に関して」という意味は
巻上がロックされていて
一切巻上ができず先幕の状況がまだ確認できていないからなのです。
巻上ロックの動作不良かとは思われますが
それ以外にもおそらくほぼ全ての動作部分で
動作不良(固着や粘り)があるものと思われます。
外観は非常にキレイな状態で
大切に仕舞い込まれていたものだと思われますが
さすがに何十年も動かしていないものと思われます。
装着されている半自動絞りのオートタクマー55mmF2も
レンズは比較的キレイな状態で
保管環境は悪くなかったものと推測されますが
さすがに絞り羽根には粘りが見られ
スムーズに開閉することができません。
絞り羽根はこの時代ならではの10枚で豪華仕様ですが
それだけ整備・清掃するのはこれまた大変です。

まだ現状チェックを行っただけの状態です。
分解してまずは巻上ロックの解除から行っていきたいと思います。
とりあえずシャッターが動くようにして
シャッター幕の状態やその他の動きの状態も確認したいと思います。
S3やSVまでのいわゆるアサヒペンタックス系のカメラは
見た目にもレトロ感があっていいですね。
よほど変わった撮影をしなければ
フィルムカメラってこのくらいのシンプルさでいいのですよねぇ
一眼レフなのでそれでもそれなりに機械的には
複雑ではあるのですが…
なにはともあれしっかり整備して
ご依頼者様に存分に使っていただきたいと思います。

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