ペンタックスKMのカメラ修理

今日は「スイカの日」らしいですよ。
真夏のあっつい日に冷えたスイカは最高のご馳走ですねぇ
日付はスイカの縞模様を綱に見立てて
「な(7)つのつ(2)な(7)」(夏の綱)と読む語呂合わせからだそうです。
でも夏の果物といえば桃を買うことはあっても
スイカは長らく口にした覚えがないなぁ…
子供の頃は夏の果物と言えば定番だったし
海でスイカ割りもやったなぁ。。。
山のキャンプとかだと
網に包んで渓流で冷やすとまた一段と美味しい気がするのですよねぇ
だけどおっさんのひとり暮らしでは
丸のスイカ買ってもとてもじゃないけど食べきれないし
カットしてあるスイカも何だか割高で手が伸びないのでですよねぇ(笑
とりあえずコンビニでスイカバーでも買って食べるかな…

さてさて

本日は「ペンタックスKM」のカメラ修理を行っています。
「ペンタックスKシリーズ」は
それまでペンタックスが採用していた
ユニバーサルマウント「M42マウント」と決別し
新規のバヨネット式のKマウントを採用した一眼レフカメラのシリーズです。
1975年6月に「K2」「KX」「KM」の3機種が同時発売されました。
その末弟にあたり「KM」はKシリーズの中では
普及機的位置づけのカメラです。
上位機種でもある「KX」もM42マウントで大ヒットした「SP」系の
機構を受け継いだカメラですが
この「KM」はSPの後継機「SPF」をそのまんまKマウントに
置き換えたようなカメラです。
ファインダーを覗いてもシンプルな露出計指針が左端にあるだけの
見慣れた光景です。
電池をいない状態で指針が真ん中付近にあるのもSPFと同様です。
さらにSPFと同様にレンズキャップをすると
自動的に露出計電源がオフとなる「フォトスイッチ」まで
SPFと同様です。
正確に言うとSW的に遮断するのではなく
独立したフォトスイッチ用のCdSにレンズキャップ等で光が当たらなくなると
抵抗値が非常に大きくなり電流が流れなくなるいう仕組みです。
シャッター、巻上、露出計回路、細かい部分は多少変更されているにせよ
基本的にはSPFをそのままKマウント化したカメラです。
あ、電池だけはさすがに水銀電池ではなく
SR(LR)44に変更されています。

実績もあり熟成されている「SP系」がベースとなるカメラの為
整備性は良くそれほど致命的なトラブルを抱えている個体も少ないと思います。
ただし以前のSP同様にシャッターや巻上、ミラー駆動部は
長年の汚れや油切れによって動作不良を起こしている可能性が高く
未整備の個体はなかなかそのまま快適に使えるというわけにはいきません。
お預かりしている「KM」も
シャッターを切るとミラーアップしたままになってしまうという
よくあるトラブルを抱えてしまっています。
ミラー駆動部の動作不良もありますが
シャッター幕の動作不良も原因になっているようです。
当然のことながら高速シャッターの精度は全く出ておらず
先幕と後幕のバランスが大きく崩れてしまっているような状態です。
加えて、「SP系」の定番トラブルでもある
「プリズム腐食」も発生しています。
「Kシリーズ」になっても相変わらずプリズムの周りに
ぐるりと遮光材が貼られておりこれが加水分解を起こして
蒸着を剥がしてしまいます。
ここはKシリーズになった際に変更してほしかったポイントですねぇ

これからミラーボックスも分離して
本格的に分解整備に取り掛かっていきます。
もちろんSPF同様、開放測光なので
絞込測光の「SP」に比べると配線も多く
それなりに分解に手はかかりますが
それでも整備性は悪くないほうです。
あちらこちらで汚れによる動作不良が起きているような状態なので
ひとつひとつ丁寧に清掃整備を行っていきます。

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