今日はこれといった記念日の少ない日ですが…
「世界ラジオデー」だったりしますね。
ユネスコが制定した国際デーのひとつです。
中学生になる少し前あたりからだったかな
やたらとラジオ聴くのが楽しい時期がありました。
最初はAMラジオが中心で
好きな芸能人が出てるラジオドラマとかを聴いたり
オールナイトニッポン聴き始めたのもこの頃です。
そのうちFMラジオでエアチェックするのが主になり
その頃録ったカセットテープはまだ大事に保管してありますし
まだ普通に聴くこともできます。
そういえば少し前に思い出したように夜中に
やたらとAMラジオが聴きたくなって
小さなラジカセを出して枕元で流していたりしたのですが
夜中にチューニングダイヤル回して
受信できる局を探していると何だか懐かしい気分になれました。
こういった昔は普通にやっていて
今はしなくなった行為をひさしぶりにやってみると
記憶を開くトリガーになるのですよねぇ
その時も忘れかけていたいろんな当時のことを思い出しました。
私はフィルムカメラを弄ることが毎日の習慣になっているので
それは当たり前の行為で懐かしくもなんともないのですが(笑
フィルムカメラの操作でも
同じように感じる方も多いかもしれませんね。
さてさて
今日は「フジカV2」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラで
1950年代からの「フジカ35」の流れを汲む
最終モデルとなるモデルです。
巻上レバーこそ一般的なボディ上部に配置されましたが
背面配置のピント調整ダイヤルや
側面に配置された巻き戻しクランク等
フジカ35らしい部分が多く残ったカメラです。
露出計受光体は時代を反映してセレンではなく
CdSが採用されています。
露出計と連動してシャッタースピード優先オートが搭載されています。
レンズは非常に評価の高いフジノン4.5cmF1.8が搭載されています。
もちろんレンジファインダー搭載ですが
ファインダー内表示もなかなか凝っていて
設定したSSもファインダー内に表示されます。
そしてシャッタユニットは前モデルの
フジカ35オートMのコパルマジックではなく
シチズンMLTが使われています。
しかしながらこのシチズンMLT、レンズシャッター機としては
非常に珍しい1/1000シャッターを搭載しています。
やはり一癖も二癖もあるちょっと変わったカメラであることに
間違いはないかと思います。
この「V2」も以前のオートMほどではないのですが
なかなか整備の大変なカメラです。
フジカ35の系譜はシリーズを通じて
若干華奢にできている部分も多く
発売から60年前後経過する現在においては
各部の部品音経年劣化がなかなか厳しい状態のモノが多いのです。
今回のV2はお預かりの時点で
絞り羽根固着、露出計不動、距離計に大きなズレありといった状態でした。
絞り羽根の固着は定番の油滲みによるもので
シャッターユニットにも大きな問題はなかったのですが
露出計周りは単なる電池室周りのトラブルだけではなく
内部の抵抗が全くダメだったりCdSの劣化が
思ったより酷かったりとなかなか大変な状態でした。
どうしても露出計に関してはできる限りの調整とはなってしまいますが
実用上に問題ない程度には何とかまとめることができました。
画像は一通りの整備が完了した状態でのものです。
CdS受光部の窓と連動するASA設定ダイヤルが
デザイン上もアクセントになっており
パッと見た目でV2とわかる大きな特徴になっていますね。
自慢の4.5cmF1.8レンズはカビがそれなりにあったものの
清掃整備後は非常にクリアになっており
その写りが非常に楽しみだと思います。
ご依頼者様には存分にお楽しみいただければと思います。
もう少しだけ様子見の時間をおいてから
最終チェックを行い、問題なければ完成となります。
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