ニコンF2フォトミックのカメラ修理

今日は2月20日…キリの良い日付で
記念日制定もそれなりに多い日なのですが…
どうもこれと言ってピンとくるものがないですねぇ(苦笑)
じゃ2月20日の過去の出来事を…と思って調べてみると
ここのブログでもよく話題になる
マーキュリー・アトラス6号(コールサイン:フレンドシップ7)が
1962年2月20日に打ち上げられています。
このフレンドシップ7に
アンスコオートセット(初代ミノルタハイマチックのOEM品)の
改造品が搭載され「世界初の宇宙に行ったカメラ」となったわけですね。
ミノルタはこの1件以降、ハイマチック7やSR-7を
発売し、ミノルタにとって「7」が特別な数字になりました。
フレンドシップ7に載った宇宙飛行士ジョン・グレンが
1963年に来日した際にはミノルタから
製造番号77777777のハイマチックがプレゼントされたそうです。
フレンドシップ7はワシントンD.Cの国立航空博物館に
現在も展示されていてその写真も見たのですが
さすがに時代を感じますし
よくこんなもので宇宙まで行って帰ってこれたなぁ…と思ってしまいます(苦笑

さてさて

ここまでフレンドシップ7に関することを書いたので
今日の修理はハイマチック…いやせめてミノルタ機かと思うところですが
最初のタイトルにあるように
今日は「ニコンF2フォトミック」のカメラ修理を行っています。
そんなうまいタイミングで都合よくスケジュールはされておりません(笑
「ニコンF2フォトミック」の発売は1971年なので
初代ハイマチック発売の10年後、フレンドシップ7の発射から9年後になりますね。
伝説の一眼レフとなった「F」の後継機F2の
露出計内蔵フォトミックファインダー搭載モデルです。
「F」の時代にも「フォトミックファインダー」及び搭載モデルは存在しましたが
あくまでも派生モデル的位置づけでした。
デザイン的にも好みはあるとは思いますが
一体感といった意味ではやはり少しちぐはぐした印象でした。
これが「F2」の時代になると内蔵露出計もかなり一般的な存在となり
F2ではフォトミックファインダー装着モデルの方が
露出計レスの従来のアイレベルファインダー搭載機よりも
メインの存在になってきています。
フォトミックファインダーが装着されることが前提で
電池室から「F」時代のファインダー側からボディ底部に移設され
電源SWは巻き上げレバー連動となります。
電池室がなくなったこともありフォトミックファインダーも
随分コンパクトになりました。
それでも少し頭でっかち感はあるのですが
F2フォトミックのレベルであれば「ニコンらしい武骨さ」で
逆にカッコ良いと思えてしまいます。
少なくとも個人的には「F2フォトミック」のデザインは私は好みです。
露出計内蔵なのが最大の特徴ではありますが
フォトミックファインダーにはアイレベルとは異なり
ファインダー内にSSと絞り値が表示されるようになっています。
個人的にはこれが一番のフォトミックのメリットではないかと思っています。
絞り値表示に関しては直読式になってしまう「Ai方式」のフォトミックより
「非Ai」のフォトミックの方が視認性に優れています。

お預かりしている「F2フォトミック」は
ボディ側はスローシャッターでのガバナの粘り
高速シャッターの精度不良と
油切れが主な要因とみられるトラブルを抱えている状況です。
しかしながらこれらは通常の整備清掃の上での
調整で解消できるのがわかっているので
心配はしていないのですが
少し気がかりなのがフォトミックファインダーの露出計です。
バッテリーチェックはほぼ正常に動作しているのですが
通常の露出計だと明るさに関わらず常に
針が振り切ってしまう状況です。
F2フォトミックに限りませんが
この時代の露出計でこうい症状が出る場合は
多くの場合がブラシ等で接触する摺動抵抗の
汚れ・劣化が原因のことがほとんどです。
少し余談ですが「F」フォトミックでこの症状が出ていれば
かなりの確率で摺動抵抗上の抵抗体が剥がれ落ちてしまっていて
ほぼ抵抗のない状態になっていて修理不能となります。
F2フォトミックでは抵抗体もF時代に比べればかなり丈夫になっていて
抵抗体が剥がれ落ちている可能性は低く
おそらく汚れが原因だとは思われますが
抵抗自体がダメで修理不能の可能性もそれなりにあり
かなり心配な状態です。
…というわけで今回はボディは後回しにして
フォトミックファインダー側から整備していきます。

結論から言うと何とかなりそうです。
あまり強烈な溶剤等で清掃すると
この作業自体で抵抗体を剥がしてしまう恐れがあるので
かなり慎重に少しだけ抵抗体の清掃を行いますが
症状に明らかに改善の様子が見えたので
抵抗体自体は無事でブラシや抵抗体表面の汚れが
指針振り切りの原因のようです。
とりあえずは少し安心しました。
まだ抵抗体のほんの一部で試してみただけなので
これから本格的に清掃整備に取り掛かります。
その上でできる限りの精度が出せるように調整を行っていきます。
そして改めてボディ側の整備にも取り掛かります。
古いものですからしかたないのですが
やってみないことにはわからないことも毎日多く
なかなか神経をすり減らします(苦笑)

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