今日は「趣味の日」だそうですよ。
「し(4)ゅみ(3)」(趣味)と読む
語呂合わせが由来となっています。
仕事と同様に趣味にも情熱を注ぐ大人を応援することが目的だそうです。
ここを見ている方は当然ながら
カメラや写真を趣味にしている方がほとんどだと思われますが
仕事以外に何か自分の本当に好きなことに
没頭できるのは良いことですよね。
趣味であれば好きな時に集中してコストも時間も
自分の好きなだけかけられますし
逆に気が向かなければ少し離れてもよいですし…
私の場合は日頃気分転換で撮っている写真はともかく
カメラ弄りというか修理整備は
仕事にしてしまったので
単純に楽しむだけでは済まなくなってしまいました(笑
趣味…というか好きなことを仕事にしてしまうのは
人によっていろいろな考えや思いがあると思うので
ここではあえて触れないでおきます(苦笑)
趣味と一括りで言っても
その人それぞれでアプローチがいろいろあって
単なる気分転換や暇つぶしレベルのものから
膨大なエネルギーや時間・コストを
無尽蔵に費やすものまで千差万別ですが
何にしても楽しむことが大切だと思います。
さてさて
本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットモデル「SP」の後継機…というよりは
改良機といえるカメラだと思います。
1973年発売のカメラです。
先行発売されたSMCタクマーレンズとの組み合わせで
開放測光に対応したカメラです。
SMCタクマーレンズはねじ込み部こそM42マウントと同様ですが
ボディ側と連動する装着時定点と絞り連動爪を設けることによって
SPFやESシリーズとの組み合わせで開放測光を可能にしています。
先日のフジカSTシリーズのブログでもSTマウントの
話で同様のことを書きましたがこうなってくると
従来のM42マウントからは少し離れた規格となってしまいます。
SPFの場合、従来のM42マウント装着時には
絞り込み測光で従来のSPと同様に使うことができます。
少し話がそれますがM42マウントは確かにユニバーサルマウントで
世界中のメーカーから同マウントのレンズが製造されていますが
絞りピンの長さや自動絞りへの対応等で
各メーカー独自の解釈をしている部分も多いので
特に海外製品のレンズを装着する場合は
相性等の問題もあるようなので
注意が必要かと思います。
ペンタックスの場合、タクマーレンズを使っている分には
従来のM42だろうとSMCタクマーだろうと測光方法の違いはあれ
装着自体に心配はないのですが…
お預かりしている「SPF」は
まずシャッターを切るとかなり高い確率でミラーアップしたままとなり
プリズムはお約束の横一線の腐食
そして露出計は不動と
長い間島こまれたままのSP系によくあるトラブルが
一通り発生ているような状態の個体です。
電池室には昔の水銀電池MR9が入ったままになっており
一見液漏れもなくダメージは少なそうですが
やはり電池から出るガスの影響もあり
端子や配線はかなり腐食しています。
マイナス側端子は少しピンセットで引っ張っただけで
簡単に折れてしまいました。
そうはいってもどれもよくあるトラブルで
プリズムは交換で対処するしかありませんが
どこかに致命的な破損等があるわけではなく
一通りの整備を行い機械的動作部はとにかく動きを良くしていき
電気的な接点やハンダは導通を確保できるように
整備していくことで通常の動きを取り戻すことができます。
シャッターや巻上、ミラー機構部等はSPと何ら変わりません。
ただ露出計にかかわる部分は全てもはや別物です。
その上、SPFの露出計はよくある単なる電流計ではなく
両端から引っ張り合うような少し変わった構造のものです。
それなりに回路を把握していないと
何かトラブルがあった場合の修理には対応しにくいと思います。
さすがにSPFも何度も何度も整備を行っている機種なので
大体頭に入っていて回路図を引っ張り出すようなことは
今ではあまりありませんが…
とはいえ毎度のことですが油断は禁物です。
慎重に整備を行って仕上げていきたいと思います。
↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。