キヤノンAE-1のカメラ修理

今日は「オープンカーの日」だそうですよ。
日付は「4月」が桜の舞う中を走れる
オープンカーにとって最高のロケーションの時期であることと
オープンカーは「五感」に訴えかける車であることから
4月5日にとのことです。
花粉症でさえなければオープンカーには最高の季節ですね!
私も過去に2シーターオープンに乗っていたことがありましたが
雨の日以外はやたらめったら1年中幌開けてました(笑
で、一般的に辛そうだと思える「冬」は
近年のオープンカーは
ある程度対策して着込んでおけば意外と快適なのですよ
特にシートヒーティングのあるクルマで
窓さえ上げておけば風の巻き込みもほぼないですし
背中と足元は暖かくて顔にわずかにあたる風だけが冷たくて
かなり気持ち良いのです。
冬が辛いのはやはり圧倒的にバイクのほうで
もはや桁違いに寒いです。
それでもバイクはバイクでまた魅力的なのですが…
オープンカーがつらいのは一見快適そうに見える「夏」で
走っていてもめちゃくちゃ暑いですし
渋滞になんかに巻き込まれた日には地獄です…(苦笑)
でもヘルメットも必要なく風を直接感じられる
オープンカーはやはりいいものです。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1」のカメラ修理を行っています。
カメラの電子化を一気に進めることとなる
「Aシリーズ」の一号機として1976年に発売されたカメラです。
その3年前に発売された「EF」と同様に
シャッター優先オート露出を搭載しますが
こちらは全速のシャッターが電子制御で
オートの制御等もカメラには
世界初搭載のマイクロコンピュータ制御によって行います。
それでいて生産の効率化もさらに進められ
部品点数も300点以上削減されているそうです。
実際、50mmF1.4付きで81,000円と
機能を考えるとかなりのコストパフォーマンスです。
「AE-1」の登場により
さらに進んだカメラの高機能低価格化に
ついてこれなくなったいくつかの中堅メーカーが
一眼レフ市場から撤退したともいわれています。
それでもシャッターはEFとは異なり
従来ながらの布幕横走りなのです。
駆動部自体は思ったよりもこれまで培ってきた
機械的な技術で制御の電子化を進めたカメラと言えます。
それでもまだSSダイヤル連動に連動糸が使われていたりと
まだ過渡期であることも確認できます。

相当数の大ヒット商品なので現存数も非常に多いカメラです。
その分、トラブルを抱えている個体も多いのですが
電子部品関連のトラブルは比較的少なく
トラブルの多くは機械的駆動部に発生しているものがほとんどです。
今回お預かりしている「AE-1」は
定番のシャッター鳴きこそないものの
まず電池蓋のロック部が破損しており電池室が閉まらず
シャッター幕の走行不良でミラーアップしたまま固着しています。
さらに露出計の値がかなりおかしなことになっているので
嫌な予感を抱えつつ上カバーを開けてみると
連動糸にトラブルがあり正常に露出計連動できていない状態でした。

それまでのキヤノンのカメラとは明らかに異なる造りですが
意外と整備性は良いカメラです。
ただ正しい手順がわかっていないと
とんでもないトラブルを引き起こてしまうカメラでもあります。
電池室の蓋は一部破損部品を交換し
連動糸のトラブルも対処を行い
他はいわゆる機械的動きを良くする整備を一通り行い
電気的な調整を行っていきます。
もちろん定番のシャッター鳴きの予防も行っておきます。
この「AE-1」も長らく眠っていた個体かと思われますが
今回の整備修理で再び大活躍できるように復活です。

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