ニコンFEのカメラ修理

今日は「パソコン記念日」なのだそうですよ。
1979(昭和54)年のこの日に日本電気(NEC)が
パーソナルコンピュータPC-8001(PC-8000シリーズ)を
発売したことに由来しています。
PC-8000シリーズはまさに最初のパソコンブームの
火付け役でしたねぇ…
私ももう少し後になってから高校生になった頃に
後継機のPC8001mkⅡSRを無理言って買ってもらいました…
あまりうまく使いこなせなかったのですが…(苦笑)
そりゃ今のパソコンとは全く別世界のモノでした
OSはベーシックだしグラフィックは基本的に
640×200 8色だし…時代の流れを感じますね…(笑
あれから40年ほどの時間が経過し
今やパソコンは毎日の仕事に欠かせません。
このブログだってパソコンで書いていますし
納品書だって売上管理だって事務処理は全てパソコンです。
今年の2月にパソコンが壊れるトラブルがありましたが
修理の間の1週間ほどは本当にカメラ修理作業以外の
全てがストップしてしまい大変な思いをしました。
これほどまでにパソコンが不可欠な存在になるとは
40年前には思っていませんでしたねぇ…
「なんでもできる!」みたいな可能性だけは感じてはいましたが…
そう考えると時間や時代っていつのまにか経ってますねぇ…

さてさて

今日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
「FE」の登場はPC-8001登場前年の1978年です。
偶然にも同じような時代なのですね。
それまでのニコマートシリーズから
全面的に改良され新登場したのがFE/FMシリーズです。
FEはニコマートでいうところの「ELシリーズ」の後継機となります。
「EL」時代にはまだまだ発展途上のイメージがあった
電子制御機ですが「FE」になると一気に洗練されたイメージとなります。
適度にコンパクトで端正なデザインのボディに
コンデンサレンズを持たなくても十分に明るいファインダー
そして2針追伸式で現在設定のSSも一目でわかる
非常に優秀な露出計、さらにAiレンズ対応で
絞り値もレンズ刻印直読でファインダー内で確認できます。
ファインダースクリーンも下から簡単に取り外しできるようになり
用途によって交換することも可能になりました。
それでいて開放測光に連動はできませんが
Ai連動爪を畳むことによって旧非Aiレンズの装着も可能です。
電子制御機なので当然、絞り優先オート露出も搭載します。
オート時に必須な露出補正ダイヤルももちろん装備されます。
キャッチフレーズは「シンプル・ニコン」で
確かにシンプルに使うことも可能ですが
意外にこの時代で考えられる機能はてんこ盛りに搭載されていて
いろいろな場面に対応して撮影をこなせるカメラです。

お預かりしている「FE」は一通りは動作してはいるのですが
いくつか問題を抱えた状態のようです。
まず、1/1000、1/500は動作はしてもまったくシャッターが開きません。
完全に閉じた状態で動作してしまう感じです。
1/250に関しても10回切ると3~4回は完全に閉じたまま切れてしまいます。
先幕の動きが機械的に非常に悪いのかとも考えましたが
機械式1/90で測定してみると幕速のバランスは問題ありません。
…ということは電気的制御に問題があるか
マグネットの吸着に問題があるのかと思われます。
ちょっと厄介な状態かもしれません。
オート制御も問題があって露出計の表示は
まずまずの値を示しているのですが
実際の露光量はかなりアンダーです。2段前後アンダーなようですね。
絞り優先なので選択されるシャッタスピードの制御に
問題があるようです。高速シャッターはあてにならない状況なので
安定している1/125や1/60付近を選択するはずの状況で
こんな状態です。これも電気的な問題かもしれません。

電子制御シャッターは各接点の導通の安定性と
マグネットの吸着性が肝なので
そのあたりの整備を中心に行っていきます。
もちろん電子部品そのものの不調の可能性もあり
その場合には修理はほぼ不可能かとも思われますが
今回は電子部品そのものの問題ではないのではないかと思います。
もともとFEは妙な分解品や水没品でもない限り
電子部品そのものの不調は少ないカメラです。

まだこれから取り掛かるところで
いろんなトラブルの可能性はありますが
まずはひとつひとつできることkら行っていき
状況を確認しながら進めていきたいと思います。

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