キヤノンFXのカメラ修理

今日は「CMソングの日」だそうですよ。
1951(昭和26)年のこの日に
初めてCMソングを使ったラジオCMが中部日本放送(CBC)
新日本放送(NJB)でオンエアされたことに由来しています。
小西六写真工業株式会社(現:コニカミノルタ株式会社)の
「さくらフイルム」のCMでしたが
歌の中に社名・商品名は入っていませんでした。
このCMのために作られた
あえて会社名や製品名を出さない
日本で初めてのCMソング「ボクはアマチュアカメラマン」ですね。
毎年この日にこの記念日の話を取り上げるから
確認もあって年に1回はこの曲を聴くんですよね(笑
5番まであるのですがたまに聴くと本当に面白いです。
何番の歌詞もアリがちな撮影の失敗ですが
どれも本当に起こったら結構真っ青です(笑
youtubeとかでフルコーラス聴けるので興味のある方は
探してみてください。
CMソングと言えばまだ私が多感だった80年代
カネボウや資生堂といった化粧品メーカーの
季節のCMキャンペーンソングに
ヒット曲や名曲が多かったですねぇ
ザッと思い出すだけでも結構浮かびます。

さてさて

本日は「キヤノンFX」のカメラ修理を行っています。
1964年発売のカメラです。
「キヤノンFシリーズ」の1号機でもあり
「キヤノンFLマウント」を初採用したカメラでもありますね。
シャッターや巻上、ミラー駆動等の機械的構造は
この後に出る「Fシリーズ」のカメラは基本的にこの「FX」が
ベースになっています。
「Fシリーズ」共通のあの歯切れの良い独特なシャッター音は
この「FX」から始まったわけですね。
後のTTL測光及び開放測光に対応するために
シャッターに連動して瞬時に絞り込み
即開放に復帰する「自動絞り機能」を持っていますが
「FX」に搭載される露出計はまだ外部測光のものとなります。
上カバー巻き戻し側の肩に受光部を配置し
その受光部の窓を切り替えることにより
高輝度域と低輝度域の2段階に切り替え可能となっています。
そして上カバー上にシャッタスピードダイヤル連動の
指針窓を配置しそこで絞り値を読み取って
手動でレンズ側の絞りをセットします。
使用電池はこの時代なので本来は水源電池です。

お預かりしている「FX」はまず巻上ができません。
シャッターも切れません。
シャッターが切れないのか巻上ができないのかで
トラブルの原因は変わってきますが
幕の位置から判断してどうやら巻上がロックされて
できない状態のようです。
応急処置的に強制で巻き上げてシャッターを切ってみると
シャッターもかなり動きが悪く
「Fシリーズ」で調子が悪い個体特有の
ギャインといった異音混じりのシャッター音が確認できました。
巻上が普通にできるようになっても
シャッターの精度はまともに出ていないと思われます。
心配されるプリズム腐食は今回の「FX」は
珍しく軽微な状態でできる限りの清掃で
撮影に支障がないファインダーに復帰できそうです。

まだ現状確認を行っただけの状態です。
巻上ロックの原因はやはり積年の汚れや古い油脂類による
ロック機構の動作不良によるものです。
これから分解整備を行い機械起動部は徹底的に
洗浄清掃注油を行います。
トラブルの多い電池室は電池はキチンと抜いて
保管してあったようで電池室内の端子や
裏のハンダ・配線にダメージはないようです。
SW部はさすがに経年劣化もありますので
ここもしっかり磨いて導通を確認した上で
調整を行っていきます。

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