ニコンFE2のカメラ修理

今日は「レインボーブリッジの日」だそうです。
首都高11号提台場線ですねぇ。。。
クルマでもバイクでも数えきれないほど通っていますが
昼も夜も眺めがいいのですよねぇ
夜はレインボーブリッジ自体も
ライトアップされてキレイですが
(少し前にも真っ赤にライトアップされましたねぇ(苦笑))
台場側から登ってくると都内の夜景がすごくキレイなのですよねぇ
止まることができないので一人では写真には撮れませんが。。。
東日本最大級の「つり橋」であるレインボーブリッジですが
力学的にはかなりバランスの悪い設計なのだそうです。
言われてみれば「あぁ、たしかに。。。」と思うのですが
ケーブルで繋がれた中央のアーチ部に比べて
陸側のケーブルアーチが非常に短いのですね。
他の同様なつり橋(明石海峡大橋等)と比べてみれば歴然です。
陸側の土地が非常に狭く
ケーブルを架けるための十分なスペースが取れないことと
海上のアーチ部分を狭めてスペースを取ろうにも
ここの海峡は船の交通量も非常に多いため
橋脚と橋脚の間を狭めるわけにもいかなかったそうなのです。
見た目にはバランスが悪いのですが
短い陸側のケーブルのテンションを強く張ることによって
バランスを取っているのだそうです。
これ今回調べていて初めて知りました。。。
身近に思えていても知らないことがたくさんあるのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「ニコンFE2」のカメラ修理を行っています。
1983年に発売となったFEの後継モデルです。
フォーカルプレーンシャッター機としては史上初の
1/250シンクロを実現したカメラです。
幕速を非常に高速化することにより実現されたもので
副産物として最高速は1/4000となりました。
測定器で測っても幕速は驚異の2ms台半ばです。
(幕が端から端まで走行する時間を指します)
といってもなかなか伝わらないと思うので
同じ縦走りシャッターのFEで5ms台前半です。
横走りになると実際に走る距離も長いので
もっと遅くなり速い機種でも10ms前後
古い機種であれば13ms前後といったところでしょうか。。。
この幕速を実現するちゃめにシャッター幕(羽根)は
より軽量なチタン製とし、さらに軽量化を図るため
ハニカム状に肉抜きをした羽根になっています。
このシャッター羽根だけでもすごさが伝わります。
ただ、このハニカム加工のチタン羽根シャッターは
シャッター羽根そのものの強度に問題はないのですが
それをかしめて留めている部分の強度に問題があり
ある日、突然羽根が外れてしまうというトラブルが多発しています。
その後、別の部分の技術の進化で通常の平坦な
アルミ羽根でも幕速が確保できるようになり
(その際にカシメ部分の強度見直しも行われているようです)
メーカーでシャッタユニット交換を行うと
通常のアルミ羽根シャッターに交換されていたそうです。
。。。というわけでFE2の初期モデルと
FM2(ニューではない)の初期モデルのみで
このハニカム加工のチタン羽根が使われています。
今回、お預かりのFE2もこのタイプです。
正気言って扱いに気を遣うカメラです。
普通に使っていても羽根が外れる可能性が少しでもあるかと思うと。。。(汗)
(実際はそれほどではないとは思ってはいますが。。。)

お預かりしているFE2は一通りは動作していて
大きなトラブルはなさそうです。
ただモルトは全滅です。
FM/FE系といえばニコマート時代から
接眼レンズの下に大きな座布団のようなモルトが貼られていますが
ここも加水分解でベタベタになっています。
SSの精度はまずまずですが
露出計・オートは一段以上オーバー傾向です。
これも調整でもっと精度を出していきたいと思います。
他機械的駆動部分の整備を一通り行います。

写真は一通りの機械的部分の整備が完了して
組み立てを行い電気的な部分の調整を行う段階でのものです。
意外と見た目的には基盤回りは幾分シンプルになったとはいえ
FEとそれほど変わりません。
元々の設計が優れていたのでしょうね。
80年代の電子制御機ですが比較的この時代のものとしては
整備性が良く機械的な部分と電気的な部分のバランスが絶妙な
カメラだと思います。
個人的に好きなカメラの一つで
整備を行えば自分用に使おうと思っている個体を
1台確保しているのですが
自分のカメラはなかなか整備しないのですよねぇ(汗)
いい加減に使える状態にしてやらないと
カメラがかわいそうですね。。。近日中にそれも行います(苦笑)

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ニコマートELのカメラ修理

今日は「愛酒の日」なのだそうです。
酒をこよなく愛した歌人・若山牧水の
誕生日にちなんだ記念日です。
一日一升程度の酒を呑んでいたといい、
死の大きな要因となったのは肝硬変だそうです。
夏の暑い盛りに死亡したのにもかかわらず
死後しばらく経っても死体から腐臭がしなかったため
「生きたままアルコール漬けになったのでは」と医師を驚嘆させた、
との逸話があるそうです。
いやいやすごすぎます。私もお酒は好きですが
こんなには飲めません。
毎日、一升なんてそりゃアルコール耐性の高い方でも
肝臓やられて当然ですよねぇ。。。
私なんてそれどころかここのところ
めっきりお酒に弱くなってしまったようで
少し飲みすぎるともう眠くって眠くって
起きていられない状態になってしまいます。
最近は「あとは寝るだけ」の状況で
1合程度(肴次第では2合)の少し上等な日本酒と
それに合う季節感のある肴があれば十分です。
まぁ、もうじじいですし身体も万全ではないですから
お酒もほどほどにしなくてはいけませんね(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
ニコマートブランドはニコンFがフラッグシップだった時代に
中級機を担う一眼レフモデルに与えられたもので
機械制御シャッター機の「ニコマートFT系」
電子制御シャッター機の「ニコマートEL系」の大きく2分されます。
これがのちの「ニコンFM/FE」系になっていくわけですね。
「FM/FE系」だと「当店の場合」は
FEが圧倒的に修理件数も多いのですが
ニコマートはEL系はかなり少ない印象です。
初期の電子制御機で電子部品もかなり古くさいものが多く
そなあたりのトラブルが起こると
修理不能になる可能性もかなり高い。。。というのが正直なところです。
分解してみるとわかりますがFE。。。いやEL2あたりと比べても
「あ、これは古いな」と一目でわかる基板が搭載されています。
それでも同時期の他メーカー電子制御機に比べると
電気的なトラブルが圧倒的に少ないのは
さすがニコン。。。といったところでしょうか。。。
「FE」の修理ブログの際に私がよく絶賛する
「視認性の非常に良い露出計」はELの時代から既に搭載されており
単純に真ん中に合わせるだけの「FT系」の露出計に比べると
数段洗練されたものです。
現在のSSを示すグリーンの指針と明るさに応じて動く黒い指針を合致させて
露出を合わせます。逆光時や特殊な状況下で
意識的にマニュアルで露出を補正するにも非常に使いやすい露出計です。
機械的な部分は「FT系」も全く共通で
この時代にはお馴染みのシャッタユニット「コパルスクエア」を搭載します。
ただELで一番困るのはこの特殊な位置にある電池室でしょうね、
これはあらかじめ知っていないとまずわからないと思います。

お預かりの「EL」は電池を入れると露出計は動作します。
値も少しズレてはいますがまずまずの値です。
ただし、シャッターが全く切れません。
シャッター羽根の位置を確認するとチャージはできているようです。
それでもレリーズボタンを押しても
「パタン」とミラーアップするだけでシャッターは全く動きません。
これがFEだとシャッタユニットに電源がきていない
あるいはマグネットの制御がおかしいのでは?という可能性もありますが
ELの場合はたとえ電池が入っていなくても
シャッターは一定速で切れるのが正解です。
つまり今回のトラブルは電気的に云々という以前の問題で
機械的にまず切れないといった状態です。
結果から言えばミラー駆動部の動作不良で
シャッタユニットへの連携が全くできず
シャッタ動作へのキックができない状態でした。
心配された電気系は大きな問題もなく
この状態であればまだまだ安心して使えそうです。

トラブルの原因は把握できたのでもう少し分解を進めたら
後はしっかり整備清掃して組み立てるという感じです。
ある程度組み立てた時点で電気的調整も行います。
余談ですがFM/FEだと意外かもしれませんが
FEのほうが個人的に分解組み立ては楽なように感じます。
でもニコマートはELのほうが圧倒的に厄介です(苦笑)
古い基板だからリード線も非常に多いですし
一度は外さなくてはいけない場所も多いのです。
もちろんハンダ付けは劣化で脆くなっている部分もあるので
分解の際にいつのまにか
外れてしまっていた。。。なんてこともあるので
やはり最新の注意が必要です。
まぁそれでもさすがニコン機で手順さえしっかり正しく行えば
しっかり整備できるように作られているのはさすがです。

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ミノルタX-7のカメラ修理

今日は「チンチン電車の日」だそうですよ。
いわゆる「路面電車」ですねぇ
実は6月10日も「路面電車の日」だったりするのですが。。。
私は広島(正確には呉市)の出身なので
広電の「チン電」にもなじみが深く
広島市内に在住してた時期は
身近に使っていました。
規模は全然違うのですが利便性で言えば
都内で使う「地下鉄」に近いものがあると思います。
ただ雰囲気としてはバスに近いのかな。。。
広島の「チン電」もグリーンムーバー以降
近代的な車両が多いのですが
未だに数は少なくなったとはいえど
昔の車両(一番古いものは戦前の車両)がまだまだ
元気に普通に走っているのです。
これってすごいですよねぇ
昨年、1日かけていろいろ乗ってみたのですが
己斐や宮島口方面には行けなかったので
また世の中が落ち着いて
季節の良いころに乗りに行こうと考えています。

さてさて

本日は「ミノルタX-7」のカメラ修理を行っています。
絞り優先AE専用のエントリー機で
ミノルタらしい使い心地の良さが売りのカメラです。
カメラ本来の素性の良さもさることながら
大ヒットした要因はやはり宮崎美子さん出演の
「今のキミはピカピカに光って~♪」のCMの力が
非常に大きかったのではないかと思います。
私、その頃、小学校高学年ですが
やはり強烈に覚えていますもの(笑)
(正確にいうと宮崎美子さんの姿が焼き付いているだけで
X-7の印象は吹っ飛んでいるのですが。。。(苦笑))
それに加えてセットで思い出すのが
このCMをパロディにした志村けんさんのコントですよねぇ
最後にお腹のお肉掴んで「宮崎美子~!」って
叫ぶのだよねぇ。。。時代ですなぁ(笑)
今は本当に便利な世の中でこういった昔のテレビ番組の中身も
ネットで簡単に見れちゃうのですねぇ
今回もこのブログ書くためにCMから志村さんのコントから
宮崎美子さんは「全員集合」に出て志村けんさんと
コントやっている動画まで見ましたが
いやぁ。。。面白くってキリがなく見てしまいます。。。

X-7といえば現存している個体の
8割くらいはプリズム腐食を
起こしているのではないかと思うほど
プリズム腐食の多いカメラで有名ですが
今回、お預かりしているX-7はプリズムは平気そうです。
ただ、これもX-7でよくあるトラブルなのですが
巻き戻し部の電源ダイヤルがグラグラになっていて
電源が全く入りません。
ダイヤルを留めているカニ目円盤のネジの噛み合う相手が
プラスチック製で経年劣化もあって脆くなり
ネジ切れてしまうのです。よくあるトラブルです。
新品の頃は強度も十分あったのだと思いますが
さすがに発売開始から40年経過するものですから
さすがにこの頃のプラスチックはそれほど強度がありません。
交換しか手段はないですが所詮中古部品なので
優しく扱わないとまた同じことになる可能性も秘めています。
このあたりは割り切って付き合うしかないと思いますが。。。

この部分ですね。ダイヤル側内側の黒い部分は
本来。本体側の巻き戻し軸部と一体です。

この最も内側の黒い部分が切れてしまっています。
ここまで外すためだけでも
基盤を底側からめくってこないといけないので
なかなか大変です。
ここも金属製であればこんなことにはならないのでしょうが
そこはコストとの兼ね合いで難しいのでしょうね
こういう部分の積み重ねで
あの価格が実現できていたわけでしょうし。。。。

一見、平気そうに見えるプリズムもこの後で
降ろしてチェックしてみたところ
やはり腐食の原因となりモルトは当時のままで
もはや加水分解でベタベタでこのまま放置しておくと
間違いなくプリズムは腐食してしまいます。
。。。というか外側のの塗装面には既に
結構なダメージが出ています。
これも加水分解しない材質のものに交換して
プリズムもできる限り補修しておきます。
まぁ、この状態ならこれ以上、この部分の腐食は
進まないかな。。。といった状態です。

まだまともに電源が入らないから
本来の動きができるかどうかチェックできていない状態です。
ここまで既に分解しているので
さらに分解を進め先に一通りの整備を行い
ある程度、仮組したところで動作チェックを行います。
元はエントリー機ですが
分解整備の難易度はなかなか高いカメラなのです。

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キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

昨日は作業スケジュール上の都合により
ブログの更新をお休みしていたのですが
昨日が「蚊の日」で今日が「献血の日」だそうです。
何だか血液つながりで面白いですねぇ
私はもはや血糖値の高いドロドロの血な上に
薬物投与も行っているため
献血は既にできないのです。残念です。。。
ちょっと興味があって調べてみたのですが
比較的近年まで日本でも「献血」ではなく
「売血」が行われていたのですねぇ
特に民間商業血液銀行が多く存在した
1950年代から1960年代前半にかけては
売血が盛んだったそうです。
収入を得るために短いスパンで売血を繰り返す人も存在し
赤血球の数が回復しないうちに売血をお行い
その血液が黄色く見えたことから
「黄色い血」なんて言葉もあったそうです。
おまけに売血者の多くは低所得者層で
そのころにはそういった人たちに
覚せい剤の静脈注射の回し打ちも横行しており
ウィルス性肝炎も蔓延していたそうです。
「黄色い血」の意味には肝炎の症状である「黄疸」の意味も
含まれているそうです。
これ以上詳しく書いていると長くなりすぎるので割愛しますが
「ライシャワー事件」をきっかけに売血は急激に減少し
現在の献血制度が確立されていtったのだそうです。
これが私の生まれる少し前、50年ちょっと前のことなのですね
意外と最近の話で少し驚きました。。。
現在の国内の輸血用血液は全て献血で賄われています。
献血、大事ですよねぇ。。。昔はたまに行っていたのですが。。。

さてさて

今日は「キヤノンAE-1プログラム(以下AE-1P)」の
カメラ修理を行っています。
1981年に発売開始のカメラで
大ヒットしたAE-1(1976年)の後継機です。
キヤノンAシリーズは全てのモデルが最初の「Aシリ-ズ」である
「AE-1」をベースに作られていて
特に機械的な動作部分の構造はほぼ基本的に共通です。
ただしそれを制御する電子機器部分は急激に進化した時代でもあり
「AE-1」→「A-1」→「AE-1P」と
急激に洗練されている印象を受けます。
「AE-1P」というとその名の通り
「AE-1にプログラム露出モードが追加されたもの」と
単純に思われがちですが
ファインダー表示や露出制御、スクリーン上でのピントのキレ
電子制御部分の安定性等々、中身はかなり進化しています。
この時代の5年の差(AE-1の5年後にAE-1Pが登場)は
かなり大きいと思います。
修理する立場で言えばAE-1Pになると
おいそれと手が出せない部分も多いのですが
連動糸も一切なくなり整然と電子部品が配置された
中身を見ると「もはや全くの別物」といった印象です。
・・・とはいえ機械部分のベースはAE-1です。
となるとトラブルの定番はまずはシャッター鳴きです。
今回お預かりのAE-1Pも3回シャッターを繰ると
2回は「ギャイン!」といった感じの派手なシャッター鳴きが起こります。
ここでも何度も書いていますが
「シャッター鳴き」とはいいますが原因はミラー駆動部の
ギアの油切れ及び動作不良です。
症状が進むと異音だけでなくミラーの上がる動きが明らかに遅くなり
最悪の場合、ミラーが動かなくなりシャッターが切れなくなります。
油切れ。。。ということもありますが
多くの場合、それ以前に汚れが原因の場合がほとんどなので
きっちり分解して」清掃を行った上で注油を行います。
加えてミラーボックスの反対側になる
オート露出時の絞り制御機構も動きが悪く
絞り制御が不安定で露出も不安定になるため
こちらmの並行して清掃整備を行っていきます。

まだ上下カバーを外しただけの状態です。
他に明らかな問題がないかチェックしながら分解を進めていきます。
分解前の検査時に高速シャッターも不安定なのが発覚しているので
マグネットの清掃や幕軸の清掃ももちろん行います。
やはりこの時代の電子制御機になると
整備を行う以前の分解作業だけでもなかなか厄介です。
当然、組み立ても同様です。
私が仕事として受けられるのはこのカメラくらいまでが限界で
これ以上新しいものになると
ちょっと現実的に無理かな。。。と思っています。

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ペンタックスMEスーパーのカメラ修理

今日は8月19日ということで
「バイクの日」です。
風切って走って涼しそう。。。と思われるかもしれませんが
これだけ暑いと全く涼しくなんてありません。
ヘルメット被っているし
この時期だとしてもやはりそれなりの装備で乗らなくてはいけないので
プロテクターの付いたメッシュジャケットくらいは着込みますし。。。
バイクが本当に気持ち良いのは
春夏の本当に限られた短い時期だけですねぇ
まぁそれでも真夏や真冬に乗る気持ちも十分わかりますが。。。(笑)
バイクもですがオープンカーもこの時期は見た目以上につらいです。
ヘルメット不要で軽装でよい分、バイクよりはマシですが
灼熱の日差しは走っていても十分に暑いです。
ただし、オープンカーはバイクよりも冬場はかなり快適です。
しっかり防寒着着ていれば真冬でもかなり気持ち良いですし
シートヒーティングなんて装備されていれば最高です!
バイクはどんなに防寒着着込んでも強烈に寒いです。。。
。。。やはりこの季節はキンキンにエアコンの効いた
エンジンも車体も大きなゆったりした車がいいですねぇ。。。
その快適な車内から強烈な日差しの海を
他人事のように眺めながらドライブなんて最高ですねぇ
いかん、全く「バイクの日」の話じゃなくなってきてます(汗)
リハビリ次第ですが再び普通にバイク乗れるようになったら
今更ですが「限定解除(大型免許)」を取りに行きたいですねぇ。。。
1回くらいはリッターバイクを所有してみたいものです。

さてさて

本日はペンタックスMEスーパーのカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトでシンプルな絞り優先AE専用機として
大ヒットした前身の「ME」にマニュアル露出モードと
1/2000のシャッタスピードを与え
さらにピントのキレの良い「ブライトマットスクリーン」を搭載し
何でもできるカメラに仕立て替えたモデルです。
シャッタスピードはこの時代で一般的なSSダイヤルではなく
プッシュボタンで選択する方式です。
正直なところ好みが分かれる部分だと思いますが
ペンタックスはこのプッシュボタン式を後のAシリーズや
中判の345シリーズでも採用しています。
まぁ、慣れてしまえばなんてこともないのですが。。。

基本的な構造はMEと共通のため
MEと同じようにミラーアップしたままになるトラブルや
巻き上げてもミラーチャージがされないトラブル
巻上が滑ってしまうように
巻き上がった瞬間にシャッターが切れてしまうトラブルが多発します。
これkらのトラブルの原因は大抵の場合
ミラー駆動部に使われているゴムブッシュの劣化や変質が原因です、
ガムみたいに粘着質になって動きを妨げてしまうのです。
ゴムブッシュが使われている箇所はミラボックス側面に
1~3ヶ所で生産時期によって変わります、
またはメーカー修理で腐食しないプラスチックブッシュに
交換されている個体もあります。

今回、お預かりしているMEスーパーは
シャッターはチャージ状態でちゃんとロックされ
待機しているのですが
ミラーがチャージロックできず巻き上げても
リリース位置に戻ってしまいます。
そのためレリーズボタンを押してもミラーアップすらできず
何もできない状態です。
原因はやはりゴムブッシュの劣化によりチャージロック部が
動作しないことです。
ここはいつものことなのでなんてことはないのですが
それに加えて露出計が全く動作しません。
こういう場合は電源周りを真っ先に疑うのですが
今回は電池室にも配線にも問題はありません。
電子基板の入り口で計測してもしっかり電圧は来ています。
もちろんオート制御もマニュアルでのSS設定もできず
常に最高速1/2000で切れる状態です。
さすがこうなってくると基板内トラブルの可能性が高いです。
ME系は比較的基板の交換が容易なため
手持ちの部品から合いそうな基板を探して交換してみようと思います。
(MEもそうですが生産時期により
微妙に違う基盤が何種類も存在します)

今回はめずらしく基板トラブルもありましたが
ミラー駆動部の機械的メンテナンスを行っていれば
他のトラブルはかなり少ない安定したカメラです。
使い心地やシャッタ音も良いですし
もう少し評価が高くても良いカメラだと思います、
ただ、ミラー周りのトラブルは未整備だと
必ずと言っていいほど発症します。
そのためジャンク箱にミラアップしたままのMEやMESを
やたらと見かけます。。。何だか切ないですねぇ。。。
きちんとその辺りの整備をしてやれば
MXどころかLXにも負けないカメラだと
個人的には思っているのですが。。。

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ミノルタSR-7のカメラ修理

今日は8月17日で
「パイナップルの日」だそうですよ
めねんちゃくちゃ暑い日が続く中
冷えてジューシーなパイナップルは本当に合いますね!
実は8月1日にも「パインの日」で
同じようなことを書いていますが
美味しいから何度でも書きますよ(苦笑)
さすがに私みたいな一人暮らしだと
丸ごとのパイナップルは持て余しますが
どこのスーパーにもカットしたパイナップルが売っていて
本当に気軽に買ってすぐ食べられます。
この季節だと桃の上品な甘さも捨てがたいのですが
パイナップルの濃い甘さはわかりやすく美味しいです!
明日は定休日だし今日も後でスーパーに
桃やカットパインを買ってこようと思います。
真夏の果実ってどれもこれも本当に美味しいですよねぇ。。。

さてさて

本日はミノルタSR-7のカメラ修理を行っています。
1962年発売のカメラです。
世界初のCdS受光素子を使った露出計を内蔵したカメラです。
まだいわゆるTTL測光ではなく外光式で
受光素子用の窓が巻き戻し側前面に付いています。
前身モデルはSR-3で何故一気に「7」になったかというと
マイナーチェンジを含めれば
通算7代目のミノルタ一眼レフカメラだという理由と
(いやこれ結構無理があるような気が。。。
毎年のように小さな仕様変更してたから7代目より多いと思いますが。。。。)
同じ時期に発売されたレンズ一体式カメラ「ハイマチック」が
米国の宇宙船「フレンドシップ7号」に持ち込まれ
撮影に使われたことをアピールする狙いがあったそうです
(こっちが主な理由でしょうねぇ)
ちなみにハイマチックは初代の次がいきなり「7」です(笑)
これ以来、ミノルタにとって「7」のモデル名は
ちょっと特別な存在になっていきます。

お預かりしている「SR-7」はシャッターが切れません。
少し前までは普通に作動していたとのことなのですが。。。
巻き上げてレリーズボタンを押すと
どこかで「カシュン」と何かアクションは起きるのですが
ミラーも上がらず、シャッターも動きません。
分解する前にある程度不具合箇所の予想をつけておきたいので
いろいろとチェックしていると
絞込レバーが動かないことが原因のようです。
レンズに連動する絞込レバーをレリーズボタンを押した状態で
指で押し込んでやると「カシャン」とミラーが上がり
シャッターが切れました。
レリーズと連動して絞込レバーの解除はされるようなのですが
肝心の絞込レバーを引っ張るバネが折れたか外れたかしているようです。
こんなところのバネがトラブルのはめずらしいですね
まぁ50年近く経過するカメラなので何が起こってもおかしくはないのですが。。。
しかしながらこのバネのいる場所がちょっと厄介なところです。
シャッターユニットの下にあるので
結構な分解を行わないとアクセスすらできません。
どちらにしても分解する部分ではあるのですが。。。。

SR-7はこう見えて分解組み立ては
前モデルの「SRー3」や次モデルの「ニューSR-7」より
非常に厄介です。
オリンパスほどではないですがミノルタも
独自性の高い構造をしているカメラが多く
このSR-7で採用している
「ユニット式横走りシャッター」もそのひとつです。
ミラボックスを外すとシャッタユニットまで一緒に外れます
さらに外光式露出計の連動糸もあるのでなかなかややこしいです。
このユニット式の横走りシャッターは
さすがにこの時代では無理も多かったのか
「SR-1」の一部モデルからいろいろ試行錯誤していたのですが
「ニューSR-7」では採用されず
その後のSR-Tシリーズでも採用されることはありませんでした。
しかしながら「X-700」の時代には再び採用し
横走り機なのにユニット化され
生産効率を非常に高めたのではないかと思われます。
(通常ユニット化されるのは縦走りシャッタ機が一般的)
頑固にあきらめていなかったのですねぇ。。。
この姿勢には見習うところがあると思います。
ただ、この時代のSR-7の整備性にはちょっと問題ありますよ(笑)
肝心の絞込レバーバネは外れてしまっているようです、
その周辺の部品の動きも非常に悪いので
何かのタイミングで外れてしまったのではないかと思われます。
シャッターユニット、巻上部の整備を
入念に行ってから再組立てしていきます。

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キヤノンⅡBのカメラ修理

今日まで「お盆休み」の肩も多いのではないでしょうか
ちょうど日曜日ですし16日は送り火の日ですものね
ここでも何度か書いていますが
私は霊魂とか死後の世界なんてもの+宗教は
全く信じていないので
今となってはお盆の行事ごとそのものには
全く興味はありませんが
やはりお盆と言えば子供の頃の
夏休みのクライマックスだったような気がします。
じいさんが8人兄弟の長男だったので
私が幼いころにはお盆になると狭い借家の実家に
親戚が結構来るのですよね
よく知らない人やたまにしか会えないおじさんとか
家の中が一気ににぎやかになって楽しかった覚えがあります。
そういう意味ではお盆行事も悪くないかもしれません。
今となっては私の甲斐性のなさもあり
親戚付き合いどころか
親族が誰もいなくなってしまいましたが。。。(笑)

さてさて

今日は「キヤノンⅡB」のカメラ修理を行っています。
キヤノンがレンジファインダーカメラメーカーとして
礎を築いたのはやはり一連のバルナックコピー機だと思います、
その中でも「ⅡB」はその後のキヤノン機の大きな特徴ともなる
変倍ファインダーを初めて搭載したカメラです。
1946年発売のS2型で一眼式ファインダーを搭載し
それだけでも使い勝手が大きく進んでいましたが
(通常このタイプのカメラの多くは
ビューファインダーとレンジファインダーを別個とする
二眼式が普通でした)
その3年後の1949年発売の「ⅡB」で
凹凸レンズとプリズムを駆使した可変ファインダーを搭載します。
倍率は50mmレンズ装着時に使用する0.67倍
100mmレンズに対応する1.0倍
135mmレンズに対応する1.5倍の3段階切り替えが可能です。
一眼式ということもあり望遠レンズ装着時には
特にピント合わせが行いやすいと思います。
ギミック的にも楽しいですし実際に非常に便利です。
これ以降、バルナックタイプのキヤノン機は
この変倍ファインダーが基本的に採用されます。
シャッターの最高速は1/500で
低速側も1秒まで装備され十分現在でも通用するスペックです。
組み合わされて発売されていたレンズは
キヤノンセレナー50mmF1.9で
新型の大口径レンズでした
今回お預かりしているⅡBにもこのレンズが付いています。

キヤノンでもニッカでもレオタックスでもそうですが
この時代のバルナックコピーのカメラと言えば
基本的に幕交換が前提となります。
一度も幕交換が行われていないもはもちろんですが
一度は交換されているにもかかわらず劣化してるものも結構存在するようです。
今回は一度も交換された過去のない個体のようで
シャッター幕はガチガチのシワシワで
とてもまともに動く状態ではございませんでした。
今回はちょっとした罠(?)が仕掛けてあって
新しい幕の貼り位置も採寸も全く問題ないのに
最高速でシャッターが開かなくなるという現象が起きました。
よくよく調べてみると調速カムの後幕蹴とばし部分が
過去に細工されていてこのせいで開かなくなってしまっているようです.
正しい状態になるように細工しなおして
事なきをえましたが、おそらく幕がある程度硬化して
SS精度が出なくなったときに無理矢理合わせたのだと思われます。
いまやもちろんそんな小細工は必要ありません。

シャッター幕以外にもう一つ大きな問題があり
下カバーに何かが噛みこんでいるらしく
全く開きません。
スプールを無理矢理反対側に突っ込んでしまったのかとか
予想していましたが噛みこんでいたのは
切り出した長巻フィルムを入れるための
純正パトローネでした。
挟み込んで回らなくなった開閉レバーを
相当な力で回そうとしたのかレバー内側は激しく変形していました。
いつも書きますが力任せはやめましょう(苦笑)
大抵の場合でトラブルを深刻化させるだけです。。。
レバー変形部は何とか修正できましたが
このキヤノン純正パトローネはもう使用しないほうが良いと思います。

同じようなフォーカルプレーンシャッターでも
ミラー駆動が存在しないので当たり前なのですが
非常に上品な「コトン」といったシャッター音は
本当に気持ち良いですね。
日頃、一眼レフを扱うことがやはり多いので
この感覚は本当に新鮮です。
私は日本人で国産品びいきだから
いくら本家がライカだとわかっていても
この時代の国産レンジファインダー機は大好きです。
バルナックタイプも実用品として
個人的に1台持っておきたいと以前から思っていますが
なかなか縁がないですね。やっぱりキヤノンが良いかな。。。

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ミノルタSR505のカメラ修理

今日は「山の日」で祝日ですが。。。
「焼き鳥の日」でもあるのですよ!
夏の暑い日でも焼き鳥は美味しいですよねぇ
もちろんキンキンに冷えたビールが必須ですが。。。(笑)
基本的にはたれより塩で味付けされたものが好きで
特に皮が大好きです。カリカリになっているとさらに好きです!
もちろん、正肉(もも・むね)、ハラミ、ボンジリ
ネギマ、ナンコツ、ハツ、ズリ、レバー。。。
どの部位も押しくて苦手なものはありません
まぁこれが本当にビールに合うのですよねぇ
ちなみに明日11日(火)から当店もお盆休みで
15日(土)までお休みをいただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが
休み中どこかで焼き鳥も食べに行ってこようと思います。
あまり集団のお客さんがいなさそうな
ちょっと高級なお店でも行ってみようかな。。。(苦笑)
売上。。。というか回収があまりよろしくないので
閉めている場合でもないのですが
この時期は開けていても変わらないですしねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタSR505」のカメラ修理を行っています。
1975年発売のカメラです。
1973年には「X-1」、1974年には「XE」が発売され
ミノルタとしてもSRシリーズから
Xシリーズへ大きく舵を切る時期のカメラです。
このSR505が最後のSRシリーズのカメラとなり
最後のミノルタ機械制御シャッター機ともなるわけです。
基本構造は大ヒット&ロングセラーであった
SR-T101とほぼ同様ですが
ポジション的には「SR-Tスーパー」の後継という位置づけになります。
同時に「SR101」も発売されており
こちらが「SR-T101」の後継機というポジションです。
SR-Tスーパーからの変更点はフィルムシグナルの追加と
XE同様の背面メモホルダーが追加されました。

基本構造がSR-T101ですから
同じように非常に頑丈なカメラです。
シャッターまで動かなくなることはそれほどありません。
でもいつも書きますが
さすがに40年以上経過しているカメラなので経年劣化は
あって当たり前です。
シャッターが動作しているといっても
痛くて動きにくい関節をやっとの思いでうごかして歩いている
おじいさんのような状態だと思ってください。
決して見た目ほど良い状態ではないはずです。
お預かりしているSR505もシャッターの動作はしているものの
先幕と後幕のバランスは崩れていて高速での精度は全く出ていません
後幕が特に動きにくそうで明らかに幕速が遅い状態です。
場合によってはミラーアップしたままになるのではと思われます。
外観は非常にキレイなので大切に使われていた個体だと思われます。
プリズム・ファインダー内はモルト屑の混入や
多少のカビはありますが清掃で普通に対処すればキレイになりそうです。
ちょっと心配なのが露出計で
動作はしているのですがLV15とLV12の値が本来3段異なるはずなのに
1.5段分ほどしか指針が変化しません。
この症状、SR-T系に割とよくある症状で
CdS周りのハンダ付けの劣化が原因の場合が5割
CdS自体の劣化が原因の場合が4割
まれにある底面の可変抵抗の劣化が原因の場合が1割といった感じです。

精悍な黒のSR505、かっこ良いですね。
先にシャッターや巻上周り、ミラー駆動部の整備を行い
再組立てした応対での写真です。
露出計精度不良の原因はどうやらハンダ付け劣化が原因のようです。
CdS周りのハンダ付けをすべてキレイに除去し
ハンダ付けをやり直したところ明らかに状態が好転しました
あとは若干の調整で何とかなりそうです。
高速シャッターの精度や巻上の感触も明らかに良くなりました。
やはりSR系もX系に負けず操作感が良いのは
ミノルタらしいと言えると思います。
実は今回のご依頼者様からはXEも同時にお預かりしています。
SRシリーズからXシリーズへの移り変わり
当時はどんな風に感じていたのでしょうね
興味深いところです。
その時代、私は生まれてはいますがまだ5~6歳ですからね
さすがに実感としてはわかりません(笑)

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は8月9日
長崎に原爆が落とされた日ですね。
私は広島出身なので
8月6日は毎年特別な1日ですが
長崎の方にとっては今日が本当に特別な日で
決して風化させてはいけない出来事であると思います。
広島に平和記念公園や原爆ドームがあるように
長崎にも平和公園と平和祈念像があります。
私が訪れたのはまだ子供の頃でしたが
平和祈念像を目の前にして
非常に感動して写真を撮ったことをよく覚えています。
そういえばあの頃のネガどこに仕舞ったのか。。。
捨てるわけはないのでどこかにあるはずなのですが
今のうちにデジタル化しておかなくては。。。。
プリントはしっかりアルバムに貼ってあります。
あんまりしんみりしてばかりでもいけないので
8月9日ですから「野球の日」ですよ
カープが少し本来の戦い方ができている感じで
毎日ちょっと気分良いです!
とか、ここでこんなこと言っていると負けるのですよねぇ。。。(汗)
とりあえず今夜もがんばれ!応援します!

さてさて

本日はオリンパスOM-1のカメラ修理を行っています。
今月ももちろんコンスタントにOM-1の修理が入っています。
機種別でカウントするとOM-1が圧倒的に多いと思います、
(実際にカウントしてはいないので感覚的にですが)
次に多いのはミノルタSRT系とニコンFEあたりですかね。。。
オリンパスはペンF系も多いですね。
軽量コンパクトなボディのおかげで
「フィルム一眼レフは使ってみたいけど
あまり大きくて重いのはちょっと。。。。」と考えられている方の
ニーズを当時、一気に引き受けたカメラでもあります。
デビューは1972年でこの時代の一眼レフは
OM-1以外は大きくて重いものばかりでした。
3年後になるとライバルともいえるペンタックスMXが
ほぼ同じ大きさ(ほんの少しだけ小さい)で登場し
80年代が近くなると外装プラスチック+電子制御縦走りシャッターで
同じような大きさのOM-1より軽いカメラもいろいろでてきます
でもやはり軽量コンパクトな一眼レフと言えば
このOM-1がパイオニアで未だに使いやすく質感も高いと思います。
ただし、ここでも何度か書きましたが
当時他メーカーが全くできなかったことをやったわけなので
多少、耐久性に劣る部分もあるのは事実です。
新品で売っていた当時では全く問題にならないレベルの話ですが
さすがに50年近く経過していればそのあたりも目立ってきます。
ただメンテナンスを行えば何とかなる場合も多いので
未整備のまま無理に使い続けるのは
できるだけ避けていただきたいカメラとも言えます。

お預かりしているOM-1は
レリーズボタンを押してもミラーがポンと上がるだけで
シャッターが全く動き始めません。
まず底板を外して強制的にシャッターを切ってみると
精度はさておきシャッターそのものは
問題なく動作できるようです。
レリーズしたときのミラーの動きも妙に緩慢なので
ミラー駆動部に動作不良に加え
シャッターとのリンク部分に問題があるようです。
ある程度原因がつかめたところで分解整備に取り掛かるのですが
このミラー駆動部の動作不良が結構頑固で
機械的な駆動部・エアダンパーの清掃
ゴムブッシュの交換等を経てやっと普通に動作できるようになりました。
シャッターは動作してはいたものの
やはり幕軸や三連ギアの動きはイマイチで精度が出ていませんでした
ミラー駆動部がこれほど動作不良なのだから
他の部分も同じように動作不良なのは当然ですね
これもトラブルの多い露出計は動作してはいたのですが
電池室からの配線がお決まりの腐食で
断線寸前だったためこれも交換して対応いたしました。

写真は一通り整備が完了した後のものです。
外観も動作も見違えるようになりました。
非常に軽快に巻き上げられてシャッターも
OM-1らしい上品な音で動作します。
付属していたMCズイコーオートS50mmF1.4も清掃を行い
非常にクリアなになりました。
同じようなコンセプトのカメラは他にもありますが
やはり操作したときの質感は
OM-1が何とも上品で
「良いものを使っている感」が感じられて
気持ちよいです。
少し様子見をした後に最終調整&最終チェックで完成となります。
ご依頼者様にもこの操作感を是非楽しんでいただきたいと思います。

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ペンタックスSPFのカメラ修理

今日は8月8日、パチパチということで
「そろばんの日」なのだそうです。
私が子供の頃には近所に当たり前のように
「そろばん塾」があって
私も小学校3年から小学校卒業まで通ったなぁ
先生がちょっと面白いおじさんで
学校と同じくらい楽しかったですねぇ
今でも簡単な暗算は頭の中にそろばんの玉が浮かびますし
なんなら右手が自然と玉をはじきます
当時も暗算は得意なほうでしたが
そろばんは本当に習っていて役に立ったと思います。
そういえばそろばんは右手でやってたのです
(本来、書くのも何もかも左利き)
答えを書くのも数字だけなら何とか。。。という感じで
右手で書いていました。今は無理だと思いますが。。。
「伝票」が苦手だったなぁ。。。(笑)
(左手で伝票をめくりながら右手でそろばんで足し算をしていく)
でも小学生の間に全珠連2級までは取ったのですよ
「そろばん習うのは小学生の間だけ」という暗黙のルールがあって
卒業と同時にそろばん塾も卒業していくのでよねぇ。。。
あぁ、いろいろ思い出してきた
また余計な記憶の引き出しが開いてしまったようです(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSPF」のカメラ修理を行っています。
大ヒットしたSPを開放測光化したモデルです。
もちろん従来のM42マウントでは
絞り情報の伝達ができないので
開放測光を行うには「SMCタクマーレンズ」を使う必要があります。
従来のM42レンズ使用の場合が絞込測光で対応します。
当時は絞込測光器と開放測光機が市場で混在している状態で
どちらが良いのか?という論争もあったようですが
やはり時代は開放測光機へと傾いていきます。
SPFはシャッター等の基本的構造はSPと同様ですが
当然ながら露出計周りは全くの別モノで
SPに比べると非常に複雑になっています。
(単純に考えればマウント周りから絞り情報に伴う
電気信号が1系統増えるだけではあるのですが。。。)
基本的なスペックはSPと同一とはいえ
微妙に部品の互換性はありません。
代表的なのはプリズムでSPよりSPFのプリズムのほうが少し大きく
ここも互換性がありません。
SPもSPFもプリズム腐食の多いカメラなので同一だと
少し助かるのですが。。。

お預かりしているSPFは
頻繁にミラーアップしたままになってしまいます。
SPでも共通してみられるよくあるトラブルです。
シャッター後幕の走行がきちんと完了していないために
起こる症状です。
高速シャッターで計測してみると後幕の幕速が
極端に遅い状態です。やはり幕軸の汚れや油切れが原因と思われます。
この症状が出ているときにとりあえず後幕のテンションを上げて
対処している個体をたまにみかけますが
それはバネに無駄な負荷をかけ続けるだけで
後々、ロクな結果になりません。
事実、この個体も軸の清掃を行った状態で幕速計測を行うと
明らかに引っ張りすぎで幕速が異様に速くなりました。
一時的に幕速を上げることで対処していたのだと思われます。
バネは当然引っ張りすぎると伸びてしまうこともあり
そうなるといくら調整しても正しい精度は得られなくなってしまいます。

最大の売りである開放測光可能な露出計は
全く動きません。
SPFの露出計はちょっと変わっていて
普通の露出計は構造的には電流計で
流れる電流の大きさにより指針が振れるわけですが
SPFの露出計はコイルを二つ重ねたような構造で
何も負荷のかかっていないとき(電源がないとき)は
指針はほぼ真ん中にいます。
その真ん中にある指針をCdSからくる電流と
絞り・SS情報からくる電流で引っ張り合うのです。
で、バランスが取れた真ん中に指針が来る時が
適正露出となるわけです。
電源のないときに真ん中にいるのは
ちょっと紛らわしいとは思いますが。。。(苦笑)
不動の原因は電池室周りの配線かな。。。と予想しましたが
その辺りに問題はありませんでした。
。。。となると露出計本体の断線?と思いましたが
それでもなく。。。CdSにも問題はなく。。。
どうやら基盤内に問題が隠れていそうです。
これはちょっと厄介かもしれません。。。

写真は本格的に露出計を調べる前に撮ったもので
上カバーを外してプリズムを降ろしただけの状態ですが
この状態でもSPとは電気回路が全く異なり
複雑になっているのがよくわかります。
もう少しシンプルにできていても良いような気もしますが
こういう構造もペンタックスらしいといえばらしいかもしれません。
露出計の件は時間がかかりそうなので
まずはいったん全部基盤も露出計も外しておいて
シャッターや巻上の機械的部分を先に整備しようと思います。
それで基本的な部分を仮組した状態で
露出計をどうするか考えていきたいと思います。

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