ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「かき氷の日」だそうで
食べ物の記念日があれば
すぐに食いつくところなのですが。。。(笑)
もうひとつ「はんだ付けの日」でもあるのですね。
電子制御カメラの修理時にはもちろん大活躍ですし
機械制御であっても露出計が搭載されていれば
はんだごてを使わないわけにはいきません。
カメラの修理もいろんな工具を使いますが
はんだごては必須のアイテムです。
でも修理を始めた中利の頃は結構苦手としていました(汗)
今でも得意というほどではないですが
まぁ問題なく使えているのではないかと思います。
私の使っているはんだごてはホーザンのHS-11という
11Wの小さなはんだこてです。
残念ながら数年前に生産中止になってしまっているのですが
こて先等の消耗部品がまだ入手可能なので
その間はこれを使い続けたいと思います。
某カメラメーカー工場での指定はんだこてだったのですよね。
11Wなんてはんだこてはこれ以外にはないと思うので
これは使えなくなると次期はんだこての選定には苦労しそうです。
まぁもうしばらくは大丈夫そうな気がしますが。。。
おそらく私は一般的に思われるよりは頻繁にこて先は交換します。
はんだのノリが悪くなったり
溶けるのに時間がかかるようになってきたら即交換です。
少し磨けばもう少し持たないことはないのですが。。。
特に細かいフレキ上のはんだ作業が多いときは
少しでも気になったらすぐに交換します。
やはり上手い下手よりもちゃんとした状態でちゃんとした道具を
ちゃんと使うというのが大事なのではないかなぁ。。。と良く思います。
ちなみに使い古したこて先を新品に交換すると
こんなにはんだ作業って楽だったっけ?と驚愕します。
はんだこてをつかう方でこて先をしばらく変えていない方は
是非、積極的にこて先を変えてください。
作業効率が激変します。

さてさて

本日は「ニコンフF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
ボディはF2共通のものですが
組み合わされるファインダーによってF2はいろいろ変化するカメラです。
フォトミックファインダーというのは
露出計が内蔵されたファインダーのことです。
フォトミックAは最初の無印フォトミックファインダーを
Ai化したものです。もちろん露出計を連動させるには
Aiレンズとの組合わせが必須ですが
Ai連動爪を格納することもでき非Aiレンズでも装着は可能です。
ベースが最初のフォトミックなので露出計は指針式です。
ちなみにLEDを使用するSやASやSBだと
LED制御の不具合があると修理不可能な場合が多いです。
やはり露出計は指針式のほうがメンテナンス的には安心度が高いです。
(昔は指針式は衝撃に弱く壊れやすいなんて話が
まことしやかに話されていましたが衝撃に弱いのは
LED制御だって同じだと思います)
フォトミックファインダを使うとSSや絞り値が
ファインダー内で確認できるようになり
これだけでもフォトミックを使う意味があると個人的には思います。
Ai化されているのでSS表示は従来通りですが
絞り表示はレンズの刻印を直読する対応に変わりました。
ここだけは非Aiのフォトミックのほうが見えやすいですね。。。

お預かりしているF2フォトミックAはボディ側・ファインダー側共に
いくつか問題を抱えています。
まずは明らかに巻上が油切れでちょっと重苦しい手ごたえと
少々異音がしている状態です。
シャッター幕軸にも油切れの兆候が見られ
1/2000、1/1000はシャッターを切っても開かない状況です。
1/500でやっと半分開き、1/250で開ききりますが結構な露光ムラで
1/125でやっとそれなりに写るかなという感じです。
低速は低速で問題を抱えており
1/8まではよいのですが
それ以上のSSが1秒まで全て1/8で切れてしまいます。
この症状、FやF2でたまにありますね
ガバナとのリンク部分んぼ動作不良が原因だと思われます。
露出計はお預かり時には2段オーバーくらいではありますが
とりあえず動作していると認識していたのですが
今確認すると全く動きません。
どうやらF2お約束の電池室端子留め部の破損があるようです。
ファインダー単体でチェックすると動作はしているのですが
少々オーバー気味な上に不安定です。摺動抵抗部の汚れが原因かと思われます。

いろいろありますがどれもよくあるトラブルですので
ひとつずつ対処しながら整備を進めていきます。
ニコンのフィルムカメラというのは本当にしっかり作られていて
ダイキャストの精度も高いので内部モルトや
ワッシャが非常に少ないのです。
ただF2はミラーボックス横にちょっと大きなモルトが貼られています。
(写真では黒潰れしてしまって見えないのでですが)
これは遮光用ではなくミラー駆動のスプリングが
共鳴してしまうことを防ぐためのものです。
これがないと個体差もあるのですがシャッターを切った後に
キーンという共鳴音が残ることがあります。
もちろん実際の動作にが全く問題はないのですが。。。
もちろんここのモルトも交換しておきます。
分解するたびに思いますが
FとF2の機械的部分の精度の高さは本当に惚れぼれします。。

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ミノルタフレックスのカメラ修理

今日は「天ぷらの日」だそうですよ!
揚げたてサクサク熱々の天ぷらは
めちゃくちゃ美味しいですよねぇ~
揚げたてを食べさせてくれるお店なんて
長らく行っていないような気がします。
カウンターで目の前で頼んだネタを
さっと揚げてくれるようなお店にたまには行きたいですねぇ~
そういうお店でお腹いっぱい食べると
下手なお寿司屋さんより高くなったりしますが。。。
やっぱり海老が一番かなぁ。。。
いや、キスやコチみたいな白身魚も外せないし
野菜類ももちろん美味しいし。。。
揚げ物だからビールが合いますが
日本酒でもいいですよねぇ。。。
あぁ、おなかすきました。。。(笑)

さてさて

今日はミノルタフレックスのカメラ修理を行っています。
ミノルタの二眼レフといえば
国産を代表する機種でもあるオートコードが有名ですが
オーとコードはミノルタとしては
最後の二眼レフのシリーズで
今回のミノルタフレックスは最初にシリーズにあたるわけです。
その歴史は古く1937年の「ミノルタフレックスⅠ型」にまで遡り
これが国産としても最初期の二眼レフとなります。
ミノルタフレックスは何度も仕様変更を重ねながら
1953年にも次期モデルのミノルタコードの登場まで
生産され続けました。
もちろん同じミノルタフレックスでもいろいろなモデルが存在し
この時代のカメラはどのメーカーもそうですが
見かけ上はどれも同じモデル名で非常に判別が難しくなっています。

お預かりしているミノルタフレックスはおそらく
「ⅡB」型だと思われます。
レンズがテッサータイプのロッコール75mmF35
シャッターがコーナンラピッドで最高速は1/500という主要部分は
前モデルの「Ⅱ」と同様ですが
フィルム装填がスタートマーク合わせのセミオートマットになり
自動巻き止めが装備されました。
さらに裏蓋ロックが回転式になり、
ファインダーピントグラス中央部には凸レンズが組み込まれ
ピント合わせが容易になりました。
コーナンラピッドは構造的にセイコーラピッドにも似ていて
最高速の1/500には強力な1/500専用バネを利用します。
そのため1/500mを使う際にはチャージ前に1/500に合わせておきます。
リリース時にも1/500に入れるのは重いですが
チャージ後は重いなんてものじゃなく無理しても入りません。
トラブルの元なのチャージ後には1/500に入れようとはしないことです。
セイコーシャの場合も同様です。
そのコーナンラピッドのシャッターですが
シャッター音だけ聞いていると普通に動作しているように聞こえます。
しかしながらシャッタを見ていると音が良いのですが
シャッター羽根は全く開いていません。
レンズシャッターでは定番の羽根固着のようです。
加えてレンズの状態がかなり良くありません。
カビはもちろんですがクモリが酷く
レンズそのものの変質であれば
清掃ではあまり改善されないことも予想されます。
ファインダーミラーは二眼レフはいつものことですが
劣化が非道の出」こちらは交換で対応いたします。

まだ現状チェックを行っただけで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
まずはシャッタユニットとテイクレンズ周りです。
機械的な問題は何とかなりそうですが
レンズが少々心配です。
できる限りの処置を行い
何とか必要に十分耐えるレベルにはしたいと思います。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大暑」です。
ここから「立秋」までは厳しい暑さが続くということですが
残念ながら関東地方はまだ梅雨明けもしていなくて
今日もはっきりしない曇り空です。
でも陽射しがないとはいえしっかり蒸し暑さはありますので
これから今年も暑くなりそうですね
先日もツイッターで少し書きましたが
昔は「夏がくる」と思っただけでワクワクしたものですが
いつからか全くそんな気持ちはなくなってしまいました(苦笑)
暑いのはもともと苦手なこともあり
今では6月半ばくらいから「早く秋にならないかな」と思っています。
まぁ、そりゃぁ、若いころは「夏」といえば
イベント盛りだくさんだったし
友達となんやかんや計画して遊びに行くことも多かったし
それはそれは楽しい季節だったような気がします。。。
それだけ年齢を重ねてしまったのですねぇ
これから1ヶ月半くらいは
標高の高い(2000m以上)の涼しいところで
のんびり暮らしたいですねぇ。。。
まぁそうも言ってられないので
今日もエアコンガンガン入れて仕事します!(笑)

さてさて

今日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っていきます。
1976年発売の絞り優先AE専用機です。
「ME」の発売される1ヶ月前に「MX」が発売され
「Mシリーズ」がスタートしたのですが
「MX」はシリーズ中唯一の横走りシャッターで機械制御
他の「Mシリーズ」のカメラとは異なるカメラです。
そうなるとこの「ME」こそが
「Mシリーズ」を代表するカメラではないかな。。。と個人的には思います。
最新の電子技術を搭載し無りなくカメラを小型化し
プラスチックを多用して軽量化も進めます。
操作系もシンプルにまとめた「ME」は
狙い通りのヒット作となります。
その後、より表現の幅を求めるユーザ層向けに
マニュアル露出と1/2000を搭載した「MEスーパー」へと発展していきます。
MEはヒット作だけあって現存する個体数も非常に多いのですが
過去のヒット作にありがちな
個体数の多さ故の中古市場での不遇な扱いも目立つカメラです。
使い心地も良くてオートも正確かつ安定してて
(整備されて本来の姿ならば、という条件付き)
非常に良いカメラだと思うのですが。。。
とはいえ、当店としては修理依頼はコンスタントに多いカメラでもあり
電子制御カメラとは言え電子部品のトラブルは少ないカメラなので
個人的にも非常に好きなカメラです。

MEといえばミラー駆動部のゴムブッシュ劣化に起因する
ミラーアップが定番のトラブルなのですが
今回、お預かりのMEにはその症状は今のところ見られず
一見会長にシャッターは切れています。
オート専用機なので露出計の精度とオート制御が肝なのですが
肝心の露出計の挙動が不安定です。
いいときにはそこそこの値(アンダー気味ですが)を見せているのですが
たまに「over(赤文字)」側に振り切ってしまいます。
いったんこうなるとしばらく戻りません、
もちろんこうなっているときはシャッターを切っても
大幅にアンダーで写真hが真っ暗です。
おそらく絞り連動の摺動抵抗か
ASA感度連動の摺動抵抗に問題があるものと思われます。
もちろん分解の際に
定番のミラーアップトラブルへの処置も行います。

まだ上カバーを外しただけの段階です。
フィルム室もそうですがモルトは全滅です。
ペンタックスは元来、内部モルトを多く使用するメーカーですが
Mシリーズは特に多いと思います、もちろん全て交換です。
加えて分解時に注意しておかなくてはいけにのが
これもペンタックスは元々そういう傾向ですが
あらゆるところに調整用のワッシャが多いのです。
MEあたりは数えきれないほど分解しているので
ほぼ頭に入っていますがワッシャがあると知らずに
無警戒に開けてしまうと再組立ての時に大変です。
ME系は他にもいろいろ気を付けるポイントも多いので
そういうところはしっかり押さえながら慎重に進めていきます。

今回はボディの跡に28mm/50mm/135mmレンズの
清掃もセットで行います。
この3本があれば整備後はかなり幅広い撮影に対応できますね。
ご依頼者様、もう少しお待ちくださいね。

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ニッカ5型のカメラ修理

今日は「ハンバーガーの日」だそうですよ。
1971年(昭和46年)のこの日に
銀座・三越デパート1階にマクドナルドの
日本1号店が開店したことに由来しています。
いろいろ賛否両論ありますが
マックのハンバーガー美味しいですし好きですよ
ポテトも美味しいのですよねぇ。。。
一時期、モスがてりやきバーガーを先駆けて販売して
非常に勢いのあった頃に(ずいぶん昔ですよ30年前くらい)
モスによく通っていた時期もあったのですが
あのホクホクした厚ぼったいポテトが馴染めなくて
すぐにマックに戻ってしまったことがありました(笑)
今は昔みたいに頻繁に行きませんが
たまに無性に食べたくなって出かけたついでに寄ることも多いです
ポテトとドリンクたくさん欲しいから
LLセットが多いかな。。。昔はそれだけじゃ足りなくて
単品でバーガーを追加していたのですが
今はLLセットだけでもちょっと重いかな(苦笑)
あ、あと今は季節じゃないですが
三角チョコパイも美味しいですよねぇ。。。
うーん、明日あたり中野か新宿のマック行ってこようかな。。。

さてさて

本日は「ニッカ5型」のカメラ修理を行っています。
最近、ニッカの修理多いですね
この類のカメラのお手本は本家・バルナックライカですが
戦時中とかにライカの入手が非常に困難になったことから
軍からの要望もありライカコピーが作られるようになり
戦後になると各メーカー独自の工夫を凝らして
単なるライカコピーとは言えない領域に進化したと思います。
当店ではライカを筆頭とする海外メーカー製のカメラは
基本的には取り扱わないので
このタイプのカメラというと
ニッカ、キヤノン、レオタックスとかになります、
どのメーカーも時代が進むにつれて
独自の進化を遂げています。
しかしながらどのメーカーのバルナックタイプも
シャッター幕の劣化が深刻です。
今回もリボンが切れてシャッターがまともに動作しない状態です。
シャッター幕自体は過去に交換されている形跡があるのですが
(それでも結構昔だと思われます。)
前回のニッカもそうでしたが接着剤の処理が悪く
リボンは完全に外れており幕も剥がれかけです。
どちらにしても完全に幕は張りなおしですので
幕交換で今回も対処します。
他にも巻上ノブの組間違いやら一部部品の欠損が
発見されましたので
その辺りも修正しながら分解整備を行いました。

何だか一見妙なアングルの写真になってしまいました(汗)
いややはりニッカ5といえばこの裏蓋が
最大の特徴だからと思ったのですが。。。
バルナックタイプのカメラといえば
やはりフィルム装填が面倒というのが短所のひとつで
これは普通に装填しようとすると
スプロケットにフィルム上側のパーフォレーションが
引っかかってしまうためで
やはり無難な対処法は10cmくらいフィルムを細く切ることです。
他にもカードか何かを差し込んでおいて装填することか
タイムを使ってシャッターが開いた状態で
装填するとかいくつかの方法があります。
しかしながらニッカ5の場合は底板を外した状態で
裏蓋を開けることできるので
しっかし目でスプロケットへの噛みこみを
確認しながら装填できるのですね。これは安心感が段違いです。
いくらフィルムを切ったりカードを使っても
目で確認できないから不安だし失敗の可能性も結構あります。
それがニッカ5だと失敗する可能性が劇的に減ると思います。
それから前にも書きましたが
ニッカ5だと分解しなくても測定器でシャッタースピードや
露光量が計測できるのですよねぇ。。。これは本当に助かります(笑)

話がそれましたがお預かりのニッカ5型は
非常に安定した動きをするようになり
シャッタースピードも高速~低速まで
ばっちり精度も出るようになりました。
もう少し時間をおいてから最終チェックで完成となります。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は「やまなし桃の日」だそうですよ。
まさに桃の出荷のピークですね。
スーパーに行っても山梨産の桃が
たくさん売られています。
数日前にやっと今年の初の桃を買って帰りました。
ついでに勝沼産の辛口の白ワインも買って帰り
両方とも軽く冷やしてから
非常に美味しくいただきました!
桃や梨に白ワインは合うのですよねぇ~
まだ数は少ないですが梨も少しだけ売っていました。
なかなかお高かったので旬を待ちますが。。
今は桃の最盛期ですからたくさん楽しむことにしましょう
山登りに頻繁に言っていた頃は
八ヶ岳や南アルプスの帰りに
この時期は果樹園直営店とかで桃をたくさん買って帰っていました。
桃を食べると夏が来たなぁ。。。と感じますね!

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売の中級機ですが
使い心地のよさで現在でも非常に人気のあるカメラです。
デビュー前年の1973年にフラッグシップのX-1が発売され
翌年にXEが出たことにより
これ以降のミノルタ一眼レフは電子制御シャッター機の
Xシリーズに徐々に移行してくことになります。
(機械制御のSR系もこの時点ではまだ併売されていて
根強い人気を誇っていました
1973年SR-Tスーパー発売、1975年SR505&SR101発売)
かなり前衛的なデザインのX-1よりも
現在となってはXEのほうが魅力的に見えるのでは。。。と個人的には思います。
X-1はフラッグシップ機らしく交換式ファインダーや
豊富に用意されたファインダースクリーン、
信頼性の高い横走りシャッター等、もちろん魅力的な部分も多いのですが。。。
XEは縦走りシャッター機ですがシャッターユニットも
専用の「コパルライツシャッター」を搭載します。
当時提携関係にあったライツ社とコパル、ミノルタ3社で開発したものです。
ミラーチャージ部分等なかなか凝った造りのシャッタユニットです。
XEの美点の一つでもある巻上の滑らかさは
このシャッターユニットに因るところが非常に大きいと思います。
こんぼXEをベースにして
ライカR3が生まれたのも有名な話ですね。

使い心地等の魅力の多いXEですが
比較的初期の電子制御機ということもあり
正直言ってトラブルは多いカメラです。
電子部品の劣化が原因のこともあり
颯の場合は当店でも修理不能と判断することもございます。
ただ、比較的電子基板内の問題は少ないとは思います。
お預かりしているXEは電子シャッターは
全てミラーアップしてしまう状態です。
「X」・「B」の機械制御シャッターだけが動作する状態です。
要は電池切れのときと同じ状態です。
一見、電池室はキレイなのですが
端子部分には随分前のものと思われますが
液漏れの跡も見られます。電池室裏のハンダか配線が
腐食してしまっているものと思われます。

それよりもXEをお預かりするとまず気になるのが
プリズムの状態です。
今回はファインダーで見る限りは腐食は見当たらないのですが
XEはそれで安心はできません。
何も処置されずに劣化したモルトもそのままで
プリズムを降ろす際に
蒸着が一緒に剥がれ落ちてしまうようなものもあり
油断ならないのです。
今回も案の定、プリズムに接しているモルトは
加水分解でベタベタでプリズム前面の塗装にダメージもありました。
ただ今回は運よく蒸着面には達していないようです。
これ以上腐食が広がらないように処置をして
モルトの代わりに腐食しない素材を使って補修します。
XEの腐食のないプリズムは今や貴重品です。
当店にも腐食の全くないプリズムの在庫は既にありません。

上の画像にピンボケで写っていますが
巻き戻しクランク下の摺動抵抗にかかわる
露出計トラブルが多いのもXEの特徴ですが
今回も完全に振り切っているわけではないですが
露出計が妙にアンダー気味です。
一見、抵抗面はキレイに見えるのですが
これも本来のキレイさではありません。
本来は白っぽい金色なのですが
それに比べるとちょっと茶色っぽい感じです。
電気的調整でも何とかなりそうですが
抵抗をきちんと磨いてからの微調整で処置したいと思います。
いろいろ問題も多いXEですが
きちんと本来の姿で動作している個体は
本当に気持ち良いのですよねぇ
私も個人的に使う個体を2台持っています。
(最近あまり出番がないのですが。。。(苦笑))

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オリンパスOM-1のカメラ修理

7月18日。。。何となく響きが良いから
記念日もたくさん制定されているかと思いきや
話のネタになりそうな記念日がないですねぇ。。。(汗)
制定されている記念日ではなくて何かないの?と思って探していたら
今日は浜田麻里さんの誕生日なのですね。
さすがに最近の楽曲は聴いていないけど
今でも現役で歌ってっらっしゃるのですね!
私が高校生~20代半ばくらいまでは
「これでもか」というくらい聴いていました。
初期の作品は当時の仲間と作っていた
バンドでコピーした曲もたくさんありました。懐かしいですねぇ
特にデビューアルバムのインパクトは強烈でした。
今聴くと良い意味で「古臭い」のですけどね
後にB’zでブレイクする松本さんが
サポートメンバーとして参加しているアルバムも何枚かありました
ハードロック色がだんだんと薄れていっても
またそれは違った魅力が聴き続けていたけど
「Persona」より後の作品は聴いていないのですよねぇ
これを機会に最新アルバム買って聴いてみようかな。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
毎月のように何台かは修理・整備を行うカメラです。
それだけ今でも人気があり使っている方が多いということですね。
同じようなことを何度も書きますが
この時代にこの軽量コンパクトな一眼レフというのは
本当に例がなく革命的なカメラです。
今となっては同じような小さな一眼レフは
何台かありますし、特に電子制御化されて
外装がエンプラになってからはOM-1より軽いものもあると思います。
でも質感や使い心地を考えると
やはりこのジャンルの一眼レフはOM-1が一番かな。。。とは思います。
他メーカーが同時代にこの大きさ軽さになっていないということは
当然、オリンパスはOM-1に相当の工夫や独自の構造を採用しています。
そのためどうしても50年以上経過した現在となっては
強度の足らないところや不具合が出やすくなっているのも事実です。
OM-1の楸瑛・整備依頼が多いのはそういう部分もあるかもしれません。
それでも基本的には整備を行うことで
トラブルは回避できるカメラだとも思います。

お預かりしているOM-1は
まずは定番のプリズム腐食です。
こればかりは温溜とがプリズム周りに貼られている以上
定期的にモルト交換を行わなければ避けられないトラブルですね。
加えてこれも定番の露出計不動
今回は端子や配線のトラブルではなくSW部の接触不良のようです。
シャッターは一見、普通に動作しているように見えたのですが
測定器にかけてみるとシャッタスピードが異様に不安定です。
同じシャッタースピードでも切るたびに
大き値が変化し、ひどいときだとシャッターが開かないときもあるようです。
各部の汚れによる動作不良もあったのですが
後幕蹴とばし部の部品に変形も見つけられました。
部品の変形を修正し、幕軸、三連ギア部等の清掃を入念に行ったところ
シャッタスピードがようやく安定し
その上で若干の幕速の調整を行い問題ない精度を出すことができました。
スローシャッターもガバナの粘りに加え
蹴とばし部の変形の影響もあって
ガバナが作動せず普通のSSで作動してしまう現象が見られたのですが
それも改善しています。

写真hが一通りの整備が完了した後のものです。
外装もできる限りキレイに磨き上げました。
装着されているレンズはGズイコーオートS50mmF1.4ですが
今回はレンズのほうもカビ取り清掃等を行っています。
OMシステムのズイコーレンズは
毎回なかなか苦労の多いレンズです。
まず非常に開きづらい構造で作られています。
とにかくレンズを外すためのリング類が回らないのです。
今回はそれほどではありませんでしたが
前玉ユニットを抜くために1日以上かかることも多いのです。
さらに後玉に変質によるクモリがあるものも多く
これはもうどうにも取れません、
今回もうすーいクモリが後玉に残りましたが
これは残念ながらここまでが限界のようです。
ただ、実際の撮影にはほとんど影響のないレベルにはなっています。
OMの。。。というかズイコーレンズ
は二眼レフやスプリングカメラの時代の頃から
クモリに苦労させられることが多いですねぇ。。困ったものです(汗)

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キヤノンFTのカメラ修理

今日は「東京の日」だそうですよ。
1868年(慶応4年)のこの日に
明治天皇により「江戸」が「東京(とうけい)」に改称されたのだそうです。
最初は読みが「とうけい」だったのですね。
当時は戊辰戦争の真っただ中で遷都そのものは反対もあり見送られ
正式に首都になったのは廃藩置県が行われた
1871年(明治4年)のことなのだそうです。
ちなみに「東京都」になったのはさらにずっと後で
太平洋戦争中の1943年(昭和18年)なのだそうです。
今は特に毎日全国的に話題に事欠かない東京ですが
やはりこれだけ人口が集中しているというのは
長所短所ありますよね。。。
私なんかはその長所にかなり恩恵を受けているほうだと思います。
この仕事をやる上で正直な話、東京以外では
相当今より苦しいことになると思います。
これだけ人がいるから今となっては少数派のフィルムカメラ使いの方が
それなりにいらっしゃって
フィルムの需要や現像の需要があり
私のような修理屋も
何とかやっていけているのですよね。
生まれ育った地元や、あるいはもっと他の地方で
少しのんびり開業することも
ほんの少しは考えたのですが
いくらネットが発達して宅配便等で仕事が受けられるとしても
やはり実店舗が都内の比較的アクセスの良いところにないと
話にならない。。。と開業当時は考えたのです。
まぁそれはそれで正解だったとは思いますが
意外と楽ではありません。。。(笑)
仕事だけではなくて
カメラや写真趣味の方にはもちろんですが
何かしらちょっとディープな趣味を持っている方なら
やはり東京は非常に楽しい街です。
いくらネットショッピングが発達しても
やはりお店でいろいろなアイテムを見られるのは
それだけでも非常に楽しいですものね!
あぁ。。。早く落ち着いた日常に戻ってほしいものです。。。

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
以前は圧倒的に「FTb」の修理が多かったのですが
最近は「FT」の修理依頼も多いような気がします。
1966年発売のカメラで
FLマウントを採用している「Fシリーズ前期」を
代表するカメラだと思います。
シャッターの構造は基本的には「Fシリーズ」全体で
ほぼ同様です。F-1もFTからの発展形と言ってよいと思います。
もちろん最高級機は構造は同じでも
部品の精度や質が異なるのですが。。。
TTL測光機でキヤノンお得意の中央部部分測光は
このFTから始まりました。
コンデンサレンズの中にハーフミラーを国込み
ファインダー中央部12%部分のみの光を
コンデンサレンズの真後ろにあるCdSに導く
独時の構造です。この構造は後のFTbやF-1にも受け継がれます。
その反面、まだレンズ側が絞り情報伝達機能を持たない
FLレンズのため測光は絞込測光で行います。
絞込レバーが露出計のon/offも兼ねて機能します。
この時期のキヤノン機といえばフィルム装填時の
「クイックローディング」も売りの一つですが
FTにももちろん装備されボディ前面には「QL」の文字が
誇らしげに配置されています。
モデル名も正式には「FT QL」だったかと思います。

お預かりしているFTは
シャッターは動作しているのですが
その動作音がちょっとひどいです。
シャッターの動作不良を起こした「Fシリーズ」特有の
高周波の耳障りな音が混じった「ギャン」といった感じの音です。
当然、シャッターはまともに精度は出ておらず
1/1000、1/500、1/250ではシャッター開き切りません。
1/1000は全く開きません。当然これで写真を撮っても真っ暗です。
横走りシャッター機ではありがちなトラブルですが
キヤノンFシリーズの場合はシャッター音に
わかりやすく出る場合が多いので
測定機にかけなくてもある程度予想がつきます。
FXでもF-1でもEXシリーズでも同様です。
幕軸や調速カム、幕ブレーキ付近の汚れや
油切れによる動作不良が原因です。
本来の調子であればこの時代のキヤノン機は
非常にアタック音の強く歯切れのよい
「カコン!」というシャッター音がします。
音量は大きめですが気持ちの良い音です。
なかなか実際に聴いてみないと伝わりませんが。。。(苦笑)

露出計周りは一応動作していますが非常に不安定です。
バッテリーチェックは全く作動しません。
SW周りの接触不良だと思われます。
で、お決まりのプリズム腐食もございます。
まぁどれも想定内のトラブルなので粛々と直ししつつ
一通りの整備を行っていきます。
ところでFTは絞込測光なので
FTbやF-1と違って動く〇指針はなく
露出計の本体の指針のみがSSと光の強さに連動して動きます。
で、〇指針の代わりに固定の〇マークがファインダー内にあり
そこに指針を合わせる方法で露出を合わせます。
その〇マークは単純にコンデンサレンズ表面に
プリントされたものです。
気を付けなくてはならないのがコンデンサレンズを清掃するときに
いつものように溶剤で拭いてしまうと
〇マークが消えてしまいます。非常に注意が必要です。
以前見た分解品のFTにはコンデンサレンズ上に
マジックか何かで丸が手書きされているものを見たことがあります。
失礼ではありますが思わず笑ってしまいました
無警戒に清掃すると簡単に消えてしまいます。
それぞれの機種で警戒しておかないといけない部分があるので
やはりこういう部分は経験値が必要かとも思います。

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ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

今日は「後の藪入り」なのだそうです。
かつてのいわゆる「奉公人」の休日です。
「藪入り」というのが1月16日で正月休み
で、この「後の藪入り」が7月16日でお盆休み
当時の奉公人は1年でこの2日間しか休みがないのが
一般的だったそうです。
現在のブラック企業も顔負けの休みの少なさですねぇ(汗)
仕事の密度は今に比べるとのんびりした部分もあるかもしれませんが
この時代は個人の余暇っていうものは
丁稚とか女中さんにはなかった時代ですものね。。。
比べてはいけないかもしれませんが
現在はやはり随分豊かにはなったのですよねぇ
まぁ、それも「きちんとした会社で働いていれば」という
枕詞が付くような気がしますが。。。(汗)
私みたいな個人事業主だとまた考え方が全く変わらざるを得なくて
「やったらやったぶんだけ収入で
やらなくてもいいけどその分ダイレクトに収入に響く」となると
「休みよりも仕事」ってなっちゃいますよねぇ(苦笑)
月半分ほど働いていれば左うちわで食っていけるのであれば
そんなに働きませんが
実際は時間を惜しんでやって何とか食っていける。。。って感じですし(汗)
まぁ手間仕事なんてそんなものです。
それでも好きな仕事をマイペースでやっていけるのであれば
感謝しなくてはいけませんね!

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
あれ、つい数日前にもエレクトロGTやったよね?と
思われる方もいるかもしれません。
その通りなのですが先日の「エレクトロ35GT」は
「35G」のブラックモデルで1969年発売なのですが
今回の「GT」は「GS」のブラックボディで1970年発売です。
色ごとにモデル名を変えるのは良いのですが
シルバーを「G」から「GS」に変えたのであれば
ブラックもGSTとかに変更すればわかりやすいのに。。(苦笑)
なので今回のGSベースのGTはGT(S)とかGT後期とか
呼ばれる場合もあるようです。
わかりんくいのでシルバーボディで設枚しますが
「G」と「GS」は結構仕様が異なります。
最大の変更点はレンズで45mmF1.7のスペックは変わりませんが
「ヤシノンDXレンズ」から新コーティングの
「カラーヤシノンDXレンズ」へと変更になっています。
撮り比べたことはないのでわかりませんが
これは結構な変更ですよね。レンズの銘板にも
さも自慢げに「COLOR(←ここだけ緑文字)-YASHINON DX」と刻印されています。
他、ASA感度設定がASA500までだったのがASA1000までに
バッテリーチェックランプがボタンのすぐ横から
フィルムカウンター部に移動されています。
まぁそうはいっても基本的な構造は全く変わらないのですが。。。

お預かりのGT(S)はレンズにカビが盛大にあるものの
動作は一応できているかな。。。と思っていたのですが
例の巻上時の「カチン(レリーズ芯棒が戻る音)音」がしません
ゴムブッシュが潰れているようです。
ここがダメだとオートがほとんど効かなくなるのですが
今回のGT(S)はそれだけではなく
バルブが効きません(普通に高速シャッターになってしまう)
うーん、ちょっと嫌な予感がするなぁ。。。と思っていたら
予感は的中でゴムブッシュを交換して
周辺の接点を清掃してもオートが全く効かず
どんなに暗くてもわずかに赤ランプ(明るすぎるときに点灯)が点き
相変わらずバルブが効きません。
バルブが効かないのは他のカメラだと羽根の粘りや
シャッター駆動部が原因の場合が多いのですが
エレクトロの場合は制御側に問題があることがほとんどです。
まぁ、でもこのくらいではまだ動じません。
シャッタユニット側の接点ではないのであれば
今度はレンズ(受光体)及び絞り制御側の接点を清掃していきます。
さらに絞り設定を伝えるために
鏡胴内に固定抵抗がずらっと並んでいる場所があるのですが
(その固定抵抗の間を接点が通り摺動抵抗のような役割をしている)
その抵抗のハンダ付けを全部やり直します。
ここまで行ってやっとオート制御がまともに働くようになりました。
バルブもきちんと動作します。
まぁ電子制御カメラはいったんトラブルと手間がかかりますね。

作業時は余計なことは考えていなかったので
写真を撮るのを忘れました(苦笑)
写真は整備が完了した後のものです。
もともとボディの状態は良かったので
非常にキレイなエレクトロになりました。
動きも安定しているので全く問題ございません。
気持ちよく使っていただける状態になったと思います。

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オリンパスペンFのカメラ修理

7月15日、、、いわゆる「新盆」なのですね。
お盆というと私も昔から
8月13日~16日というイメージなのですが
都内の多くの地域では7月15日を中心とした
その前後なのですね。
元々旧暦7月15日前後だったものが
明治時代の改暦で新暦の7/15で行うところと
旧暦の時期に合わせて1ヶ月ずらして
8/15前後とした地域にわかれてしまったとのことです。
全国的には8/15前後に行われる旧盆が圧倒的に多いのですね。
会社のお盆休みも大抵のところが旧盆ですし
帰省ラッシュが起こるのも旧盆ですものね。
今年はさすがに気軽に帰省といった状況ではないのですが
お店のお盆休みは旧盆に合わせていただく予定です。
私の地元、広島だとお盆はみんな
「盆灯篭」を担いでお墓参りに行くのですよねぇ。。。
これもまた風物詩ですね。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフという他に例のないカメラなのですが
ペンFシリーズというと
露出計やセルフタイマーが装備された
「ペンFT」の朱里・整備依頼が多く
「ペンF」は少々久しぶりですね。
個人的には巻上がダブルストロークの「ペンF」のほうが好みです。
当然巻上も軽く(未整備品は重いものも多いですが)
巻上角も小さいため巻上が非常に気持ちよいのです。
ペンFTのシングルストロークも悪くはないのですが
やはり感触もペンFのダブルのほうが良いですし
巻上角が非常に大きくストラップ金具に
引っかかってしまうことも多いのですよね。。。
ファインダーも露出計のためにハーフミラを間に置く
ペンFTよりもペンFのほうがクリアで明るいです。
整備性も当然ペンFのほうが良好です。
基本的なシャッターとかミラー駆動部とかの
構造は同一なのですが
そのリンク部分が異なっていたりして
意外とペンFとFTに共用部品は少ないです。
ファインダーもスクリーン部が異なるので
プリズムやスクリーンもそれぞれでは共用できません。

ペンF&FTに共通して多いのが
ミラーアップしたままになってしまうというトラブルです。
今回もやはりそのトラブルを抱えてしまっています。
症状は同じようなミラーアップでも
実は原因は単一ではなくていくつかのパターンが存在します。
最も多いのが単純にミラー駆動部の動作不良で
何らかの原因でミラー駆動のバネテンションも
抜けてしまっている場合が多いです。
それからシャッターユニット側ガバナ機構の動作不良に起因するものも多いです。
いわゆるスローガバナですが
ペンF系はロータリシャッターという
ちょっと変わったシャッターを採用していて
最高速の1/500以外はシャッターが全開となった位置で
シャッタースピードに応じて瞬間的にシャッタの動作を止め
それから再び開放してシャッタを閉じる動作に移ります。
そのためガバナには負荷がかかりやすく
ミラーアップ以外にもいろいろなトラブルの原因になりがちです。
もちろん定期的に整備を行っていれば
堅牢性に問題があるわけではございません。
で、今回はロータリシャッターの駆動軸の動作不良が原因のようです。
いずれの理由だったとしてもミラーボックスを降ろしての
分解整備が必要です。
当然駆動軸以外のシャッターユニットの整備も行います。
ペンF系はシャッターブレーキのゴムが劣化して
いろいろなトラブルの元凶になる場合も多く
分解時には必ずチェックを行います。

写真は一通り整備が完了した後のもので
装着しているレンズは当店のテスト用レンズです。
外観もお預かり時より格段にキレイになっていますが
巻上もシャッター動作も非常に軽快です。
オエンFはハーフ判なので当然小さいですが
操作感も軽快でひじょうに心地良いのが魅力です。
ペンタ部の出っ張りがないのも
横に長いのもその特異な構造がもたらしたものですが
デザイン的にも非常に魅力的な1台です。

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ヤシカエレクトロ35GTのカメラ修理

年発売開始いうことで
「ナイスの日」だそうです。
私も皆さんも思わず「ナイス!」ということが
たくさんあると良いですね!
で、その「ナイスの日」と同じように
「ナイススティックの日」が制定されています。
山﨑パンが作っているパンなのですが
コンビニやドラッグストア、スーパーでも
よく見かけると思います。
30cmほどのロールパンに甘いクリームが挟み込まれていて
たまに無性に食べたくなるのですよねぇ。。。
結構以前からあるような気がしますが
いつからだろう。。。と調べたら1977年発売開始なのですね
(余談ですが最近何か調べると1977年ってことが多くて
そのたびに「カルメン’77」が脳内再生されるのですが。。。(笑))
そんなに昔からあったのですねぇ。。。
いわれてみれば高校生の頃にも
よく食べていた記憶が。。。
実は昨日も近所のスギ薬局で買って食べました(笑)
思っている以上に「ナイススティック」ファンのようです。。。

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35GT」のカメラ修理を行っています。
一昨日、エレクトロ35の最終モデルである「GX」の
ブログを書きましたが
今回は比較的初期のモデルである「GT」です。
「GT」というと往年のスポーツカーを
いろいろ思い浮かべてしまう世代ですが。。。(苦笑)
この時代のエレクトロは標準的なシルバーボディと
ブラックボディのモデル名を区別していて
シルバーボディが「エレクトロ35G」で
ブラックが「エレクトロ35GT」とされていました。
もちろん中身は全く同じです。
初代エレクトロのマイナーチェンジモデルで
各接点を金メッキ化し、巻上レバー等の形状も変更されていますが
基本的には初代エレクトロと大きな違いはありません。
レンズは写りの評価が高いヤシノンDX45mmF1.7です。
大口径レンズに電子制御の絞り優先AEというのが
やはりエレクトロシリーズの最も大きな特徴ですね。
使用電池はエレクトロのために開発されたと言われている
HM-4N積層水銀電池です。
さすがに入手不可能なので電池アダプタ+4LR44で
使うのが無難だと思います。

お預かりのエレクトロGTは
まず電源が全く入りません。
完全電子制御のシャッターなので
電源が入らないとまともにシャッターは切れません。
もちろん「B」も作動しません。
電池室にかなり緑青が付着しているので
おそらくマイナス側のリード線は腐食していると思われます。
心配される電子基板関連は分解前の時点では
何も確認ができませんが
エレクトロは意外と電子基板内のトラブルは少ないので
大丈夫ではないかと思われます。
以前にも何度かここで書きましたが
エレクトロシリーズは前機種
巻き上げる途中で「カチン」とレリーズの芯棒が戻る音がします。
特に前期のエレクトロに多いのですが
このレリーズ芯棒部のゴムブッシュが劣化して潰れていると
この「カチン」音がしなくなります。
さらにこの音がしない状態だと
絞り優先オートは接点の関係上、まともに動作しません。
エレクトロでは定番のトラブルで
今回の「GT」もこの「カチン」音がしない状態でした。

予想通り電池室裏マイナス側のリード線は腐食のため
完全に断線していました。
電源の入らない主な原因はこれですね。
例のレリーズ部ゴムブッシュは劣化して
ほんのわずかしか残っていない状態でした。
もちろん古いものはキレイに除去して交換します。
シャッターユニットに直接電源をつない
動作確認だけ先に行ったのですが
精度はともかくとしても動作にそれほどの問題はないようです。
レンズ後玉にはかなり深く侵食したカビがあり
清掃したものの若干のカビ跡が残りました。
ただ、実際の撮影にはほぼ影響ないレベルだと思います。
ファインダーもそれなりに曇っていましたが
こちらは運よくハーフミラーの蒸着面には
ほぼダメージのない状態でした。
ハーフミラーを汎用品に交換すると
エレクトロ独特の青みがかったファインダーが無色になってしまうのですよね。
好みの問題もありますがあの青くてちょっと暗い感じの
ファインダーがエレクトロらしいと思ってしまいます。
ある程度、問題点の洗い出しと修理の方向性が固まったので
後は一気に整備・調整を行っていきます。

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