プリモフレックスのカメラ修理

今日は「リクエストの日」だそうですよ。
「な~み~だ~のりくえ~すと♪さいご~の~り~く~え~すと~♪」が
思い浮かびますね(歳が出ているなぁ(笑))
ラジオ聴くこともめっきりなくなったので
最近はわかりませんが昔はリクエスト番組も多かったですよねぇ。。。
小学校~中学校の頃に何度かハガキでリクエストも出したことがあるなぁ。。。
まぁ、今とは違ってレコードを買うか借りるかしないと
音源がなかなか手に入らなかった時代だから
本気でかけてほしいと思っている曲をリクエストしてました。
で、番組はしっかりエアチェックする。。。
残念ながら読んでいただいたことはありませんが。。。(苦笑)
大人になって少しばかり自由なお金があることもありますが
今は何でも音源が手に入りますねぇ。。。
私もipodクラシック(古いな(汗))は
多感な時期に聴いていた懐メロで溢れています(笑)

さてさて

本日は「プリモフレックス」のカメラ修理を行っています。
プリモフレックスは東京光学(後のトプコン)が作っていた
二眼レフカメラです。
この時代のカメラはモデル名が銘板でわかったとしても
同じ名前で色々な種類があって
なかなか判別が難しいのですがプリモフレックスも同様です。
私も型番そのものにはそれほど詳しくないのですが。。。(汗)
今回のプリモフレックスはフィルム装填は赤窓式(巻止めなし)
レンズは3枚玉のトーコー75mmF3.5
シャッターユニットも東京光学製で最高速は1/200
そのあたりから判断してⅠ型かと思われます。

今回のプリモフレックスもかなり長い間放置されていたものと思われます。
古い二眼レフでピントノブ・レンズボードドが固着して
ピント合わせが全く動かないというのはよくある話ですが
今回は固着した状態で思い切り回そうと試みたのか
ピントノブがするすると空回りしている状態です。
二眼レフのピント(レンズボード)固着はなかなか苦労するものに
たまに巡り会うのですが
今回は正にその典型的な例で少々、溶剤を入れようが
力を込めてよい状況で思い切り回してみようが
暖めてみようが、ビクとも動かない状況でかなり参りました。。。
結局、溶剤を入れてかなり時間をかけてとりあえず動くようにしました。
まずは動くようにしないと整備に取り掛かれません。
で、動くようになってから分解してみると
見事に固着した真っ黒なグリスが出てきました。。。
レンズボードだけではなく稼動部分は全て
ひたすら洗浄・清掃して、注油あるいはグリスアップを行います。
レンズにももちろんかなりのカビが発生しており
こちらもカビ取り清掃していきます。
最後になりましたがシャッター羽根はお約束の粘りがありましたので
こちらも清掃の上、整備調整を行いました。

レンズにもともとあった若干の拭き傷と
コーティング傷みは残りましたが
実際の撮影には支障のないレベルだと思われます。
外装はできる限りの清掃ですがなかなか良い状態だと思います。
肝心の動きはピントノブやシャッター、ファインダーの見えも含め
全く問題ない状態になりました。
トーコー3枚玉は写りに定評のあるレンズです。
きっとステキな写真をたくさん撮ることができると思います。
おそらく何十年ぶりかになるのだと思いますが
外の風景をこれか存分に切り取っていってほしいと思います。

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ニコマートELのカメラ修理

今日は「マーガリンの日」だそうですよ。
お菓子作りや料理に使う方も多いとは思いますが
まぁ、一人暮らしのおっさんが使うのはパンに塗るくらいです(笑)
。。。そりゃね、やっぱりバターが美味しいとも思いますが
マーガリンだって十分以上に美味しいし
ある程度、冷蔵庫で保存することを考えたら
やはりマーガリンのほうが圧倒的に使いやすいですよね。
普段、あまりトーストとか食べないのですが
たまに無性に焦げ目のついた焼き立てのトーストに
バカみたいにたくさんマーガリンを塗りたくって食べたくなるのですよねぇ。。。
そのために食パンとマーガリンをたまに買うのですが
数日続けるとブームが終わってまた当分食べないので
マーガリンがそのまま半分以上残した状態で
賞味期限を迎える。。。ということをここ何回か繰り返しているな。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ニコマートEL」のカメラ修理を行っています。
同じニコマートでもFT系の修理はコンスタントに入ってくるのですが
EL系は比較的少ないです。
FTとELは同時期のカメラと思われがちですが
ELはFT系に比べるとだいぶデビューは遅く
最初のFTがデビューしたのが1965年であるのに対して
ELは1972年発売なのですね。
FTnが1967年でFT2が1975年なのでちょうどその間でデビューしたことになります。

ELは初期の電子制御シャッター機ということもあり
修理不能の場合も正直言ってたまにございます。
FT系とEL系は基本的には同じコパルシャッターユニットを使った
兄弟機なのですが制御の違いだけではなく
結構細かい違いもいろいろあります。
電子制御だから当然と言うこともできますが
絞り優先オートを備え、4秒までのスローシャッターが使えます。
(ちなみに非Aiレンズでオートが使えるのはELとELWのみ)
単純に指針を真ん中に合わせるだけのFT系の露出計に比べ
その後、FE系にも引き継がれる露出計は
ファインダー内情報は2針式で
露出計が指す値と現在セットされているSSが
一目で確認できる秀逸なものです。
スクリーンが完全に固定式でスクリーン清掃のためには
プリズムを必ず降ろす必要のあるFT系と異なり
ELはミラー側からコンデンサレンズごと取り出すことができます。
(手馴れていない方が簡単にできるほど楽なアクセス方法ではないですが。。。)
ただ苦心の結果、仕方なくこうなったのだろうなぁ。。。と思うのは
電池室の場所。。。
ミラーボックスの下側に4LR44(4SR44)を格納します。
初めてELを触ったとき教えてもらうまでは
探しても探しても全く電池室が見つけられなかったのが
今でも鮮明に思いだされます(笑)

お預かりしているELは
ご依頼者様のお父さまが使われていたものだそうです。
おそらくここ最近は全く使われていなかったものと思われますが
保存状態は悪くなく一応、一通り動作しています。
オート。露出計共に結構アンダー気味な上に
不安定な挙動を示します。
でもこれだけ動作するようであれば
電気関係上の致命的トラブルはないと考えてよいと思います。
(それでもこの時代の電子制御機は
何が起こるかわからない部分はありますが)
ニコマートはファインダースクリーン枠まわりに
結構な量のモルトを使っていますが
それが既に腐食してボロボロでファインダー内は屑だらけです。
ファインダー内のみならまだ良いのですが
結構あらゆるところに屑が入り込んでいると思われます。
羽根汚れによるシャッター羽根の若干の動作不良もあるようなので
やはり全体的に分解整備が必要な状況です。

まだ現状チェックを行って上カバーを外しただけの状態です。
詳しくは省略しますが上カバーを外す際も
ちょっと一癖あってなんの予備知識も持たずに取り掛かると
それなりに時間がかかることになると思います。
一箇所回しにくいところがあるのですよねぇ。。。
今回もちょっと時間がかかりました。。。
プリズム上に鎮座する電子基板を見ていると
やはり時代を感じますね。
後のFE系とは異なりバルブ露出時にも電気で制御します。
電池がない状態でもシャッターは動作しますが
無条件に1/90で動作します。
これから本格的に分解整備に取りかかり
一通りの点検整備一式を行っていきます。

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コーワシックスのカメラ修理

今日は「津軽弁の日」だそうですよ。
津軽弁そのものには全くご縁はないのですが
方言っていいですよねぇ。。。
私は広島・呉出身なので
やはり広島弁に馴染みがありますが
感情を込めて話しやすいのは
やはり多感な時期に使っていた地元の言葉だったります。
。。。とはいえ普段はほとんど出ていないと思いますが。。。
(さすがに言葉尻には出ていないですが
微妙なイントネーションはやはり違うと未だに言われる(笑))
そういえば。。。
昔、「みちょる、たっちょる、すわっちょる、呉のちょるがまたきちょる」って
呉の人が「ちょる」を多発することをからかった言葉があったのですが。。。(笑)
今、聞くとなかなか面白いですねぇ。。。
でもさすがに今では「ちょる」ってあまり地元の人でも使わないと思いますが。。。

さてさて

本日は「コーワシックス」のカメラ修理を行っています。
コーワは「コルゲンコーワ」とかでお馴染みのあの医薬品メーカーのコーワです。
ケロちゃん、コロちゃんのカエルのマスコットでも有名ですよね。
現在でもスポッティングスコープや
フォーサーズ用レンズのプロミナーブランドで
レンズを作っています。
1950年代~70年代にかけては
カロフレックス(二眼レフ)、カロワイド、コーワSW等
魅力的なカメラをいろいろ生産していました。
コーワシックスはレンズシャッター式の6x6判一眼レフカメラです。
いくつか種類があるのですが
今回お預かりしているのは最初の1型と呼ばれるモデルです。
発売は1966年です。
発売当初から220フィルムにも対応しています。
19mm~500mmまで豊富なレンズ群やアクセサリー群も
用意されシステムカメラとしても非常に魅力的なラインナップです。
レンズシャッター機なのでシャッター機構は当然レンズ側で
いずれのレンズもセイコーSLVシャッターを搭載し
1/500~1秒・Tのシャッタースピードです。
レンズシャッターなのでもちろん全速シンクロが可能です。

お預かりしているコーワシックスは
アルミ製のシルバーの外装色がまた魅力的な
85mmF2.8の標準レンズが付いていますが
レンズが外れなくなってしまったようです。
当然、シャッターを切ることもできません。
レンズシャッターの一眼レフではお約束ですが
コーワシックスもシャッターがチャージされた状態でなくては
レンズの取り外しができません。
で、コーワシックスは巻上機構が固着するトラブルが比較的多く
今回のようにレンズも外せないシャッターも切れないという
パターンになることも多いのです。
さらにその状態で無理に巻き上げたりレンズを外そうと
ガチャガチャやっているとラチェットの爪が破損したり
ギアが欠けてしまったり収拾の付かない状態になることもあるので
同じような症状のある場合は決して無理に動かさずに
修理に出していただければと思います。
今回のコーワシックスはご依頼者様が基本的に非常に
扱いの丁寧な方で固着した状態で無理なことを全くしていないようで
分解して確認してみたところ部品の破損等もなく
ホッと胸をなでおろしました。

巻上部・ミラー駆動部の清掃整備、ファインダー清掃、モルト交換
レンズシャッターの清掃整備、ヘリコイド分解グリスアップ等々
一通りの点検整一式を行いました。
非常に軽快に動作する状態になったと思います。
グリップが装着されているので少々大きく見えますが
6x6判一眼レフとしては非常にコンパクトです。
私が個人的に使っているRB67に比べると
大きさは雲泥の差です。
使い心地もよく根強いファンが多いのが納得できるカメラです。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「あかりの日」だそうですよ。
「あかり」のありがたみを再認識する日だそうです。
停電になったりすると本当にありがたさを痛感しますよね。。。
夜はもちろんですが昼間でさえ
今は電気が止まると普通に生活はできないですものね。
「あかりの日」が今日である由来は
エジソンが世界初の実用的な白熱電球を完成させた日とのことです。
1879年のことだそうです。
そういえば昔、部屋のあかりを全て白熱電球にしてた友達がいたなぁ。。。
今や、LED照明で色も調整できてしまいますが
タングステンのフィラメントが光る白熱電球は
やはりLEDとは違って何とも温かみがあって良いですよね。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
もはや毎回書きすぎてOM-1の成り立ちや特徴は
ここで書く必要もなくなってきたような気もしますが。。。(汗)
それまでの一眼レフの常識を覆す
小ささと軽さで大ヒットしたカメラです。

今回は同じご依頼者さまから2台のOM-1をお預かりしてます。
シルバーのモータードライブ非対応のOM-1と
ブラックのモータードライブ対応いわゆるMDモデルです。
OM-1も細かい変更を繰り返されながら生産されていたので
生産時期によって細かな違いがいろいろあるのですが
大きく二つに分けるとすれば
やはりMDモデルかそれ以前のモデルかといったところだと思います。
MD対応かどうかは底部の端子の有無でしかないのですが
それよりもミラーボックスの形状が微妙に異なっていたりするので
内部も結構違いがあったりします。

お預かりしている2台はどちらも非常にキレイな外観ですが
似通ったトラブルを抱えています。
まず、定番のプリズム腐食
高速シャッターの精度不良、露出計が不動、といった3点です。

まずはシルバーのMD非対応モデルのほうから取り掛かります。
露出計不動の原因はこれもOM-1でよくある
電池マイナス側端子を留めている絶縁樹脂ネジ破損と
その部分のハンダ付け劣化です。
電池室端子留めに樹脂ネジを使用している個体は
これも生産時期によるのですが
今回はブラックのMDモデルも樹脂ネジを使ったタイプです。
ただ、ブラックのほうは樹脂ネジもハンダも問題ない様子なのです。
もしかしたらメーター本体のトラブルかもしれません。
そうだとしたらちと厄介です。
取り掛かっているシルバーのほうは
メーター本体は元気に針が振れることを確認しているので
とりあえず一安心です。
プリズムは中古良品と交換で対応します。
シャッター精度の問題は幕軸の清掃や
底部三連ギアの清掃でおそらく解消できると思われます。
もちろん多少の微調整は必要です。
ちなみに今回はご依頼者様と相談の上
露出計は1.5Vで調整します。
先日も他のカメラのブログで書いたばかりですが
元々の1.3Vで正しい状態のところに
1.5Vの電池を入れて露出計を駆動すると
指針が振り過ぎておよそ1.5段アンダーとなってしまいます。
回路的には0.2Vの違いは問題ないのですが
1.5Vで使う場合にはそれに合わせて
調整していかないと正しい値にはなりません。
まずはこれから本格的にシルバーのほうの幕軸清掃や
ミラー駆動部の清掃あたりから取り掛かっていきます。

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ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は「頭髪の日」なのだそうです。
気がつけば白髪が随分増えてきました(汗)
親父やじいさんは60歳手前でかなり頭髪がなくなっていたので
私もこれからそうなるのかなぁ。。。
今のところは大丈夫そうですが。。。
まぁ、もはや今更髪の毛があろうがなかろうが
あまり関係ないのですが
髪を上げると随分老け込んで見えるので
なくなったら一気にじいさんっぽくなるのでしょうねぇ。。。
そういえば少し昔に
薬の副作用で髪の毛が一気に抜け落ちたことがあるのですが
髪をかきあげるたびに数十本抜けていったり
朝起きて枕元に抜けた髪の毛がたくさんあるのを見るのは
かなりショックでした(苦笑)
みるみるうちに薄くなった髪の間から頭皮が見えるようになってくるし。。。
まぁ、たいしたケアはしていませんが
なるべく頭髪も大事にするようにします。。。(笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tス-パー」のカメラ修理を行っています。
機械制御シャッターのミノルタ一眼レフはSRシリーズのみなので
その中でも非常に完成度の高い人気のモデルです。
大ヒットしたSR-T101の発展型といえるカメラで
スクリーンはスプリットに変更され
ファインダー内で絞り値が確認できるようになりました。
シャッタースピードはSR-T101の頃から
ファインダー内表示が既にあったので
このSR-Tスーパーで絞りもSSもファインダー内で確認できるようになり
露出の設定がファインダーから目を離さずに非常に行いやすくなりました。
SRシリーズ全般がそうですが
ポジション的には中級モデルなですが
非常に丈夫なカメラで当時から使われっぱなし未整備の個体でも
とりあえず動作しているものも多いと思います。
ただ、それはいつも書いていますが
動きにくくなった状態で健気に無理矢理動いている状態のものがほとんどなので
軽やかに動けるようにやはり整備をしてあげたいところだと思います。

お預かりしているSR-Tスーパーも
とりあえず一通り動作はしています。
しかしながら測定機を使って幕速等をチェックしてみると
やはり高速シャッターの精度は出ておらず
シャッター幕軸の動きは悪い状況です。
シャッター音にも油切れの兆候が見て取れます。
モルトはもちろん全滅で
ファインダー内にカビも見受けられます。
リフレッシュすることで現在でも
きちんとした撮影ができる状態になると思います。

SR-T101以降のSRシリーズは
露出計連動の糸があちこちにあり
少々注意が必要です。
今でこそSR-Tあたりの連動糸では何とも思いませんが
修理を始めたばかりの頃はその処理に苦労しました。。。
SR-Tシリーズは露出計に本来、水銀電池を使用します。
水銀電池の電圧は1.3Vなので
電圧変換型の電池アダプタも市販されていますが
今回はご依頼者様からとのお話で整備の際に
1.5Vで最適な値が出るように調節します。
0.2Vの違いではあるのですが
この時代の露出計は電圧調整とかもなく
電池からの電圧がダイレクトに露出計に入ります。
本来の状態の露出計に0.2V高い電圧がかかっても
回路的には全く問題はありませんが
露出計は1.5段ほどアンダーに振り過ぎてしまいます。
ネガであればともかくポジだと致命的な露出差となってしまいます。

ところで、SRーT系の露出計トラブルで
指針はかろうじて反応していても
明るさに対して変化が少なく大幅にオーバー傾向。。。といった個体を
たまに見かけます。
他のカメラであればCdSの劣化を疑うのですが
SR-T系の場合はまずCdSの足のハンダ付けを疑います。
見た目に何ともなくてもここのハンダ付けが劣化していて
上記のような状態になることが結構あるようです。
今回は症状はありませんが
SR-T系は分解整備でお預かりした場合、
必ずCdSの足のハンダは一度完全に除去して
再度ハンダ付けしなおします。

話が少し逸れましたが
これからシャッターやミラー駆動部の整備に本格的に取り掛かります。

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オリンパス35RCのカメラ修理

今日は「スウィーテスト・デー(Sweetest day)」だそうですよ
小さな親切やちょっとした思いやりに対して
感謝の印にキャンディーやグリーティングカードを送る日だそうです。
アメリカ・オハイオ州で始まった行事だそうです。
「sweet」って「甘い」という意味だけではなくて
「優しい」という意味もあるのですね。
生きている以上、いろんな人のお世話になっているので
感謝の気持ちを伝えるきっかけになる日だと思います。

さてさて

本日は「オリンパス35RC」のカメラ修理を行っています。
オリンパス35シリーズは1948年から始まる
35mm判レンズ固定式カメラのシリーズで
いろいろな種類があるのですが
1960年代後半からの各モデルはどれも非常にコンパクトで
今でも人気の高いカメラが多いですね。
RCは1970年に発売されたカメラで
そのモデル名から「リチャード」という愛称で呼ばれていました。
このタイプのレンズシャッター機にしてはめずらしく
上カバー場にシャッタスピードダイヤルが付いています。
レンジファインダー搭載の
シャッタースピード優先AEですが
マニュアル露出も可能です。
オート時には露出計が振れていないとシャッターロックがかかってしまうので
電池は必須ですがマニュアル時には露出計は連動しないので
電池ナシでも撮影可能です。
凝っているなぁ。。。と感心するのはファインダー情報で
オート使用時には連動する絞り値をファインダー内下側指針で指し
マニュアル時にはマニュアルで設定している絞り値を指します。
さらに設定しているシャッタースピードも
ファインダー内上側指針で指し示します。
本格的なサブカメラとしても使ってください!というメーカー側の思いが
伝わってくるようでなかなか好印象です。

お預かりしている「35RC」は露出計が全く動きません。
シャッター羽根の動きもイマイチなようです。
まずは露出計不動の原因を探っていきます。

電池室は一見、キレイなのですが
過去に修復した形跡が見受けられます。
端子裏のハンダと配線が腐食していたようで
配線は一部だけ継ぎ足しされています。
継ぎ足し部分は通電しているのですが
電池室側の端子と裏側のハンダ付け部分までが
全く通電しないようです。
端子を留めているネジとナット部分が腐食のため
通電しないようです。
配線もこの機会に継ぎ足し部分も撤去し張り直します。
その後、シャッターユニットやレンズ清掃等々
各部の整備も行ったのですが
仮組みしてテストしてみると通電状況は良いのですが
全く精度が出ない状況です。
抵抗やCdSの劣化があるのは年代を考えると当然なのですが
それにしても調整範囲を大きく超えています。
さて、どうしたものか。。。。
ちょっといろいろ試して解決策を探してみることにします。

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ニコマートFTnのカメラ修理

今日は「フラフープ記念日」だそうですよ。
1958年のこの日に日本で発売開始になったことが由来となっています。
さすがに私の生まれる10年以上前の話なので
リアルタイムで体験してはいませんが
社会現象といえるほど流行ったそうです。
当時の価格は子供用が1本200円、大人用が270円だったそうです。
人気絶頂だったフラフープですが
「腸ねん転になる」と噂がたち、急速にブームが終わったそうです。
ちなみにフラフープと腸ねん転は全く因果関係はないそうです。
そりゃそうですよね。腸って腸間膜や腹膜でしっかり固定されているのだから
フラフープくらいでねじれてたら大変です。。。
そういえばフラフープより少し前に
「ホッピング」も大流行しましたが
このときは「やりすぎると胃下垂になる」なんて噂がたち
ブームが沈静化したそうです。
この頃はこういうデマは多かったのでしょうね。。。

さてさて

本日は「ニコマートFTn」のカメラ修理を行っています。
ニコマートシリーズは構造をユニット化し
コストダウンを行いながらも高い品質を誇った
ニコン中級機のシリーズです。
機械制御シャッター機のFT系と電子制御シャッター機のEL系に分かれ
どちらもコパル製シャッターユニット「コパルスクエアS」を搭載します。
特にFT系はF一桁機に負けない堅牢性を持つと個人的にも思っています。
FTnは1967年の発売で開放F値補正操作(通称ガチャガチャ)を
採用したモデルです。
これでレンズ交換の際に露出計連動のための
開放F値セットがかなり楽になりました。

お預かりしているFTnはもともとはご依頼者様の
お父さまが使われていたものとのことです。
巻上レバー上には「A」マークのシールが貼られており
A型スクリーン(スプリット)が装備されいることを表しています。
A型スクリーン搭載モデルが追加されたのは1971年です。
これ、探すと意外と見つからないのですよね。。。
かなり長い間使われていないカメラと思われ
接眼レンズ、プリズム、装着されている50mmF2レンズ
あらゆるところにカビが大量に付着しています。
シャッターを切るとミラーが非常にゆっくりと上がっていき
レリーズにかなり遅れてシャッターが切れます。
その上、受付時に何度かシャッターを切ったところで
レリーズがロックしてしまいシャッターが切れなくなりました。
おそらくミラー駆動部の動作不良が原因と思われます。
露出計も何とか動作しているものの
指針が非常に不安定で同じ明るさをみていても
フラフラと落ち着きません。
さすがに全体的に手を入れなければ普通に使えない状態です。

さすが丈夫なコパルスクエアというところで
シャッターユニットそのものは汚れはともかくとして
それほど問題のある状態ではありませんでした。
レリーズロックの原因も予想通りミラー駆動部の動作不良が原因でした
とはいえ、この時代のニコン機なので
ミラー駆動にも強靭なバネが使われていて
そう簡単に動作不良にはならないのですが
さすがに年月には勝てない。。。といったところもあるでしょうか。。。
ミラー駆動部の整備はもちろん
シャッターユニットの整備・調整も並行して行います。
露出計不安定の原因は電池室裏のハンダ付け及び配線が
腐食して断線寸前だったためです。ここの配線は交換で対応します。

元々、非常に丈夫なカメラなため
しっかり整備を行えばきちんと使えるカメラとして
現在でも十分快適に撮影できるようになります。
一緒に預かった50mmF2レンズも清掃を行います。
おそらく十数年、眠っていたのだと思われますが
再びステキな写真をたくさん撮っていただきたいと思います。

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オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「カラオケ文化の日」だそうですよ。
最近、ちょっとご無沙汰ですがカラオケは楽しいですよねぇ。。。
私は一人でカラオケ行くこともたまにあるのですが
誰にも気兼ねなく自分の好きな歌を
思い切り歌うのはストレス発散になりますよ
採点機能なんかを使えばさらにゲーム感覚で楽しむこともできますし。。。
そういえばひとりカラオケ用に買った
マイクが最近はしまいこんだままになっています。
(DAMの精密採点がマイクの状態によってえらく採点に作用するので
安定した状態が欲しくて手に入れたのです(汗))
なかなかまとまった時間(ひとりで行くなら4時間はこもりたい)が
取れなくて行くことができないのですが
近いうちに思い切り歌ってくることにしましょう(笑)
何か新しい曲も覚えなくては。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
コンスタントに毎月、修理依頼のある人気の一眼レフです。
何と言ってもその魅力は同時代のカメラとしては
抜きん出た小ささとその使い心地だと思います。
個人的にはちょっとシャリっとした巻上感と
上品なシャッター音が非常に良いと思っています。
ただ同じ時代にこのコンパクトさが他メーカーにはできなかったということは
非常に独自性の強いところも多く
新品時には全く問題にはならなかったのでしょうが
長い時間を経過することによって
少々華奢に感じる部分もあるとは思います。
どのカメラもそうですが特にOM-1は
定期的にしっかりメンテナンスの必要なカメラだと思います。

お預かりしているOM-1は
写真の片方が黒くなることがあるということでお預かりしました。
ここのブログでもよく書いているように
シャッター幕(先幕・後幕)のバランスが崩れて
走行中に先幕が後幕に追いついて
閉じてしまう現象だと思われます。
原因はおそらく汚れによる幕軸の動作不良だと思われます。
さっそく現状のシャッタースピードのテストをしてみるのですが。。。
多少、バランスの崩れはあるものの
比較的まともに開いているのだけどなぁ。。。と思っていると
数回シャッターを切っているうちに
先幕のスピードがかなり不安定になり
1/1000だと完全に開かなかったり1/2000くらいになったり
1/500くらいになったりと切るたびに値が変わる状況です。
後幕の幕速は安定しているので
先幕の動きがとにかく不安定なようです。
他、露出計は全体的にアンダー気味なものの
多少の調整で問題ない状態になりそうです。
心配されるプリズムの状態はファインダーから見る分には
何箇所かシミがあり少し目立ちますが
定番の下部のもやもやとした腐食はありません。
でも上カバーを開けてみると
ベタベタになったモルトがプリズムにこびりついていました。
プリズムの外側塗装の一部は侵食されており
このままもう数年放置しておいたら間違いなく
内部の蒸着まで剥がれてしまっていたと思われます。
今回は外側塗装の補修だけを行いこのまま使用します。

加えて巻戻し軸のフォーク部分が片方折れていました。
上カバーを開ける際にここを固定しておいて
巻き戻しクランクを逆回転して外すのですが
固くて回らない場合には注意しないとこのように折れてしまいます。
巻戻しクランク部は明らかに弄った跡があり
持ち手を留めるピンも紛失したらしく
代用品が差し込まれていました。
この巻戻し軸のフォーク部分は意外に柔らかく華奢なので
扱いには注意が必要です。
今回のように折れなかったとしてもフォークが簡単に拡がってしまい
裏蓋を開ける際に妙に固いとか
巻戻しクランクが下がりにくくなってしまうとかの悪影響が出ます。
何事もそうですが力任せに無理をすると
大抵の場合、酷い結末を迎えます。。。
これから本格的に分解修理に取り掛かりますが
今日も焦らず慎重に丁寧に行っていきたいと思います。

ミノルタSR-Tスーパーのカメラ修理

今日は「ボスの日」ということみたいです。
経営者や上司と部下の関係を円滑にする日なのだそうです。
赤の他人が集まって仕事しているのだから
それでなくても難しいのに上下関係で立場が違えば
尚のこと人間関係は難しくなりますよねぇ。。。
。。。それでも大半の人は上手くやっていくのだから
本当に尊敬します。
で、どうにも上手くできない人がきっと私のように
個人事業主で細々と暮らしていくわけです(笑)
まぁ、普通に勤めず、特に一人で何かやっている人は
私も含めて変わった人ばかりですよ(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-Tスーパー」のカメラ修理を行っています。
大ヒットしたSR-T101の後継機となります。
(これまで面倒だったからSRTといつも書いていたのですが
今回はちゃんと正式名称で書いています)
基本的な構造はSR-T101をベースとしていますが
レンズに刻印された絞り値がファインダー内で読めるようになりました。
そのためもあってペンタプルズム周りのデザインも
SR-T101とは異なります。
他、スクリーンもスプリット+マイクロプリズムに変更になりました。
最初にSR-T101の後継機と書きましたが
SR-T101はSR-Tスーパーの登場と同時(1973年)に
小変更を行われて継続生産されています。
その後、SR-TスーパーはSR505に
SR-T101はSR101にモデルチェンジされ
これがSRシリーズの最終モデルとなるわけです。

お預かりしているSR-Tスーパーは
随分長い間、使われずに眠っていたようで
電池室には当時の水銀電池がまだ入ったままでした。
基本的にタフなSRシリーズですので
シャッターは切れますがシャッタースピードの精度は全く出ていません。
特に1/1000、1/500の高速域は問題で
ネガフィルム使用だとしても見逃せないレベルです。
露出計はやはり全く動作せず。。。といった状況です。

少々話が逸れるのですが上の写真にも写っていますが
ファインダースクリーンボックスの前面のプリズム接触部に
緩衝材を兼ねた遮光材が貼られています。
これがいわゆるモルトではなく腐食しない素材なのですね。
(ちなみにSR-T101の初期ではコルクが使われていました)
Xシリーズの時代になってもここだけは変えずにいてくれたら
プリズム腐食で修理不能なXEが
随分救えたのになぁ。。。と思わずにいられません。。。
話を戻します(苦笑)
露出計不動の原因は電池室配線のハンダ不良、
SWの接触不良等が原因でした。
露出計は精度はともかくすぐに動くようにはなったのですが
SWをオフにしても露出計が少し振れたままで
完全にオフになりません。
この症状、SR-T系にたまに見られる症状です。
SWそばのフラッシュ端子や電源端子が絶縁体を
挟んで設置されている部分あるのですが
そこで絶縁不良を起こしてリークしてしまっているのが原因です。
その部分も含めてこれから本格的に各部点検整備一式を行っていきます。

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コニカC35FDのカメラ修理

今日は「鉄道の日」だそうですよ。
乗り物としてバイクやクルマももちろん好きですが
鉄道って他の乗り物とはまた違う魅力があるのですよねぇ。。。
例えばバイクだとバイクそのものや
運転することに魅力を感じますが
鉄道の場合は車輌そのものも魅力的ですが
線路や駅とか付随する設備全てに
興味をそそられるのですよねぇ。。。
特にちょっと田舎を走るローカル線っていうのは
その沿線も含めて全てが魅力的に映ります。
あぁ。。。どこか遠くにローカル線に乗って旅に出たいですねぇ。。。
(妄想するだけでなかなか実現しないのですが(苦笑))

さてさて

本日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
じゃーに~コニカでお馴染みのコンパクトカメラ、C35をベースにして
38mmF1.8の大口径レンズを搭載し
C35ではプログラムオートのみだった露出を
シャッタースピード優先オートにしたカメラです。
C35ではプログラムシャッターということもあり
シャッター羽根と絞り羽根は兼用でしたが
C35FDでは絞り羽根はちゃんと分かれて存在し
シャッタースピード優先AEを上手く使えば
絞りをコントロールして撮影することもできるわけです。
とにかく簡単に撮れることを最優先した従来のC35に比べて
表現する自由度を拡げたカメラということもできると思います。
キャッチフレーズは「すご腕じゃーに~」
1973年の発売でC35シリーズでは
最後のレンジファインダー搭載機でもあります。

お預かりしている「C35FD」は
普通に撮影に使われていたものとのことですが
落としてしまい、レンズ鏡銅部分がグラグラで今にも外れそうになっています。
シャッターユニットから前の部分を繋ぐリングが外れてしまったようですが
さすがにこれだけのショックを受ければ
他にもいろいろと問題もありそうです。
今の状況ではシャッターユニット部分が外れかかっていることもあり
シャッターも切れない状況です。
何はともあれ一旦分解して点検整備しながら組み立てていくことにしましょう

ピント精度に影響するような大きな歪み等があると
修理不能な可能性もあると思っていましたが
肝心要な部分の歪みはないようでとりあえず一安心です。
レリーズやチャージの連動リングが外れてしまっているので
そのあたりも修正して組み込んでいきます。
もちろんせっかく分解しているので
シャッターユニットや絞りユニットの整備をしていきます。
以前に配線腐食を修理した形跡があり
配線が途中で継ぎ足しになっていたので
これも張りなおしておきます。
心配したのは露出計のメーター本体が
ショックで断線してないかと思っていたのですが
ここは大丈夫でした。
ただ、距離計はショックのせいか大幅に狂っていたので
組み立て後に調整しなおします。
やはりレンズ前枠に最も大きな力が加わったようで
SSや感度設定に連動して動く
受光体の窓大きさの調整を行うリング部分は
歪みによりほとんど動かない箇所が出てきていたので
ここは中古良品の部品と交換で対処します。

この時代のカメラは基本的に頑丈にできているものが多いですが
それでも精密機械であることに変わりなく
落下させると何らかのトラブルはあって当たり前だと思います。
不可抗力な場面も多々あるでしょうし
私も過去、何度もカメラを落として痛い目にあったことがありますが
極力落とさないように注意しましょう

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