ヤシカエレクトロ35MCのカメラ修理

今日は「引越しの日」だそうですよ。
引っ越す時って言うのは大抵の場合
環境が変わって新しい生活が始まるってことだから
やっぱり楽しいですよね。
私もなんだかんだ言って一人ぐらい始めてから。。。
おお、数えてみたら11回も引越ししてる(笑)
でも、もうこの仕事している限りはもう引越しはないかな。。。
いや、まだわかんないか。。。
引越しはもういいですが
呉の実家がなくなったから呉に別荘が欲しいかも。。。
古い空き家が結構あるみたいだし。。。
なんて。。。そんな余裕はありませんが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ヤシカエレクトロ35MC」のカメラ修理を行っています。
エレクトロ35シリーズにもいろいろな種類がありますが
シリーズ中、唯一の目測ピント機であり、最小のカメラが
今回のエレクトロ35MCです。
レンズのでっぱりが多少大きいですが
その大きさはハーフカメラくらいしかありません。
シリーズを通して共通の絞り優先AE機であることは同様で
レンズはヤシノンDX40mmF2.8を搭載します。

お預かりしているエレクトロ35MCは
まず電源が全く入りません。
エレクトロシリーズの一員ですから
当然シャッターは電子制御で電源が入らないと何もできません。
(シャッターは電池ナシも切れますが
何も制御されていない状態なので実質使用できません)
やはり電池が入れっぱなしの期間が長かったようで
電池室端子には緑青が付着しています。
おそらくその裏のハンダ付けや配線も腐食してしまっていると思われます。
エレクトロ35MCは電池室の腐食している個体の多いカメラですね。

他、モルトは全滅、シャッター羽根、絞り羽根には粘りがあるようです。
レンズ・ファインダーにもカビがありますので
全体的な整備を必要としている状態です。

まずは電池室を磨いてハンダや配線をやり直し
電源が入るように修理していくのですが
電源は入るようになったものの
上カバー部にあるランプが点灯しません。
このランプはレリーズボタンを半押ししたタイミングで点灯し
シャッターが動作している間、点灯したままになっているものです。
他のエレクトロシリーズではバッテリーチェックランプが
付いているのですがその代わりといったものです。
これがないと電池切れかどうかの判断もできなくなり
非常に使いにくいことになってしまします。
電球の球切れではないようなので
おそらくどこかの接点の接触不良だとは思いますが。。。。
まぁ落ち着いてひとつずつこれからチェックしていきます。

このエレクトロ35MC、その小ささと
ヤシカらしいギンギラなシルバーを気に入って
一時期、私も使っていたカメラです。
目測式のピントは慣れが必要ですが
なかなか良い写りをしていたことをよく覚えています。
いろいろあって手放してしまいましたが
整備しているとまた欲しくなってきました。。。(笑)

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コニカオートS2のカメラ修理

今日は「世界渡り鳥デー」なのだそうです。
地図も何もなしに自分の翼だけで
非常に遠いところに移動する渡り鳥ってすごいですよねぇ。。。
これからの季節の日本だと
北からやってくるカモやハクチョウ、ツルあたりが有名ですよね。
渡り鳥の中でもキョクアジサシ(北極圏と南極圏を白夜を求めて渡る)
ハシボソミズナギドリ(オートラリアから北太平洋を1周して戻ってくる)
とかになると1年の総移動距離が3万キロを超えるそうです。
すごいですよねぇ。。。
でも日本語の例えだと渡り鳥って「根無し草」と一緒で
あまり良い意味で使われないことも多いのが
ちょっと残念です(笑)

さてさて

本日は「コニカオートS2」のカメラ修理を行っています。
ベースとなった「コニカSシリーズ」にシャッタースピード優先AEを
搭載したカメラです。
最初に登場したのが「オートS」でその翌年(1964年)に
登場したのが今回の「オートS2」です。
レンズはヘキサノン45mmF1.8が装着され
受光体(CdS)はレンズの上に移動されました。
これによりフィルターを使った場合とかにも
露出倍数を気にしなくてよくなったわけですね。

お預かりしている「オートS2」は
巻上レバーはロックしたままの状態で
レリーズボタンを押してもうんともすんともいいません。
おそらくガッチリとシャッター羽根が
固着しているのではないかと予想します。
絞り羽根も同様で最小絞りのまま
絞りリングを動かしても全く羽根は動きません。
以前に何度も書きましたが
こういうときは絞りリングをこれ以上動かすのは危険です。
リングは最小絞りに合わせておいて作業に取り掛かりましょう
露出計も電池を入れても全く動きません。
バッテリーチェックも同様です。
露出計に関してはこういう場合は
電池室周りの腐食とか断線が最も多い原因ですが。。。。

まずは露出計不動の原因を探っておきます。
電池室は電池も抜いて保存してあったようで
キレイな状態です。
電池室周りのハンダ付けやSW類にも問題は見当たりません。
CdSも細かい精度はともかく抵抗値にさしたる問題は見当たりません。。。
。。。ということは。。。テスターを使って
露出計本体に直接電圧をかけてみますが
全く反応がありません。。。
うーん、メーター本体内部の断線のようです。
このタイプのカメラで露出計不動の原因の8割以上は
電池室からの電源が本体に供給されないことが原因なのですが。。。
最近、露出計本体のトラブルが妙に多いですねぇ。。。
今回は部品取用の個体からメーター本体を移植して対応します。
シャッター、絞りの不動は予想通り羽根固着のようです。
これからレンズボードを外して羽根清掃を行っていきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「ウィンクの日」だそうです。
「はーとおんうぇ~ぶ♪はーとおんうぇ~い~ぶ♪
あ~なたはこ~な~い~♪」ではなくて
片目をつむるウィンクのことですね。
あ、ちなみに私はWinkよりもBabeが好きだったので。。。
話を戻します(笑)
私、目が小さいのでウィンクあまり上手くないのですよねぇ。。。
片目だけつむっているつもりでも
「両方閉じてるよね?」なんて言われる始末です(笑)
おまけにきき目が左なのに左目をつむるウィンクしかできません。。。
まぁ、いいおっさんがウィンクできなくても全く問題ないのですが
カメラのファインダー覗くときには
片目つむりますものね。。。
左目しかつむれないので必然的に右目で見るクセがついています。
きき目も右目の人が多いので
カメラも右目で覗くほうが便利なように作られているものが多いようです。
(でも私は本当はきき目は左なのですが。。。(汗)
まぁ、きき目が左だから左で覗くと右はつむらなくても
ファインダーはよく見えます。。。あ、こっちのほうがいいのかな。。。(苦笑))

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
ニコン初の一眼レフ機であり
世界初のプロ用(特に報道写真において)一眼レフと言って良いと思います。
日本初の一眼レフは1952年に旭光学工業から出た
アサヒフレックスⅠ型が最初ですがまだペンタプリズムも持たず
クイックリターンミラーもありませんでした。
ニコンFの発売は1959年ですがこの頃から
35mm判カメラの主役はレンジファインダー機から
一眼レフへと移っていくわけですね。

お預かりしている「ニコンF」は製造番号から判断すると
1963年に製造されたものと思われます。
ご依頼者様が最近入手されたものとのことで
巻上レバーは指当てのある「ニューF」タイプのものに交換されています。
こちらのほうが指が痛くならなくて良いかもしれません。
一応、一通りは動作しているのですが
高速シャッターの精度は全く出ておらず
1/1000設定時に1/500も出ていません。
加えて先幕と後幕の幕速バランスが崩れていて
高速シャッターだと写真両端で露光量の差が気になるところです。
おそらくほとんどメンテナンスが行われていない個体だと思われますが
それでもそれなりに動いてしまうのは
さすが「ニコンF」と言ったところだと思います。
しかしながら重い関節をギシギシ言わせながら
無理矢理動かしいるような状況なので
整備することによって小さな力でもスムーズに楽チンに
動いてくれるように整備していきます。

写真は一通り整備が完了した状態で
装着しているのは当店のテストレンズです。
高速シャッターの精度も含め非常にズムーズに動作するようになりました。
ニコンFはプリズムの腐食しているものが多く
今でもたまに問い合わせをいただくことも多いのですが
残念ながら当店にも交換用のプリズムはございません。
今回の「F」もプリズムの腐食が目立つ状態だったのですが
ご依頼者様から腐食のほとんどないプリズムの
アイレベルファインダーをご用意いただいたので
今回はプリズムの載せ換えも行っています。
これで気持ちよく撮影に使える1台に仕上がったと思います。

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コニカC35のカメラ修理

今日は「お好み焼きの日」だそうですよ。
制定したのは「お好みソース」で広島県民には
とっても身近な存在のオタフクソースさんですね。
そういえばお好み焼きもまたしばらく食べてないなぁ。。。
何かの拍子でこうしてお好み焼きの味を思い出すと
やたらと無性に食べたくなってしまいます。
まぁ。こっち(東京)でも食べられるのですが
次回、広島に帰ったときには呉の細うどんや
呉冷麺とともにお好み焼きもたくさん食べるぞ!
お好み焼き屋さんなんて
どこにいたって数人しか入れないような小さい店が
そこらかしこにあってどこでも持ち帰りができるのが
当たり前だと子供の頃は思ってました。。。
持ち帰りは二つに折って緑色の紙に包まれて
さらにビニール袋に入れてくれるのです。。。
(これがとっさにイメージできるのは
同世代の広島県民だけじゃないかと。。。(笑))

さてさて

本日は「コニカC35フラッシュマチック」のカメラ修理を行っています。
言わずと知れた「じゃーに~コニカ」ですね。
「C35フラッシュマチック」は1971年の発売開始ですが
フラッシュマチック機構が追加された以外は
1968年に発売された初代C35とほぼ同じ内容です。
ヘキサノン38mmF2.8を搭載し
露出はプログラムオートでカメラ任せです。
絞り羽根はシャッター羽根で兼用されており
絞りをコントロールすることはできませんが
非常にコンパクトでどこにでも持って歩ける気軽さが身上です。
C35が大ヒットしたことにより
各社対抗して同じようにコンパクトなオート露出のカメラが
次々と発売されることになります。
コンパクトなカメラですが距離計はしっかり装備され
ピント合わせがしっかりできることも大きな魅力です。

お預かりしているC35フラッシュマチックは
電池を入れても露出計が全く動きません。
露出過多や露出不足に対する警告やシャッターロック機構を持たないため
露出計が動かなくてもシャッターは切れますが
常に開放・1/30で撮れてしまう為
シチュエーションにもよりますが
ほぼ真っ白な写真になってしまうと思われます。
シャッターそのものは動作していますが
やはり羽根の粘りは若干あるようです。
いつも書きますがC35の羽根粘りは羽根の油シミや汚れ付着であることは少なく
羽根を駆動する円盤部の動作不良が原因のことがほとんどです。

C35の露出計不動の原因は電池室の腐食や
電池室からの配線の腐食がほとんどで
酷い場合にはCDSの根元まで腐食していることもあるのですが
今回は配線に若干の腐食があったものの
電流が流れないほどではなく
「あれ?」と思い調べてみると今回はメーター本体内部の断線でした。
こうなるとメーターは交換が無難ですね。
今回は中古良品のメーターと交換で対応します。

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キャノネットQL17のカメラ修理

今日は「トラックの日」だそうですよ。
子供の頃に「トラック野郎」が流行っていて
私もトラックのプラモデルや
トレーラー(正確にはセミトレーラー)のラジコンとか持っていました。
湾岸エリアとかに行くとでっかいトレーラーやコンテナを
たくさん見ることができますが今見ても迫力あって楽しくなりますね。
今度、カメラ持って撮りに行ってこようかな。。。
トレーラーを運転している人に
昔、ちょっとだけお話を聞いたことがあるのですが
とにかくどこを走るにしたって神経を使って大変だ。。。と
おっしゃっていました。それは確かにそうですよねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL17」のカメラ修理を行っています。
1965年発売のカメラです。
後のニューキャノネット系やG-Ⅲに比べると大きく
初代キャノネットと同じくらいの大きさのカメラです。
初代キヤノネットはセレン光電池を使った露出計で
巻上も巻戻しも底部に配置されていましたが
この世代になると巻上や巻戻しは一般的な上カバー部に配置され
露出計もCdSを使ったものに進化しています。
キヤノンお得意のクイックローディングが採用され
フィルム装填は非常に楽チンです。
レンズは45mmF1.7の大口径で
シャッターユニットはコパルSVで最高速は1/500です。
少し大柄なボディのおかげで内部構造には余裕があり
整備性も非常に良いカメラです。

お預かりしているキャノネットは
まず電池室端子裏及び配線が腐食してして露出計が全く動きません。
加えて巻戻しフォークの片側が折れてしまっています。
上カバーや底カバーにネジのない部分も見られ
もしかしたら分解しようとしてフォーク部分を折ってしまったのかな。。と想像します。
他、距離計二重像ズレやレンズにカビも見られ
全体的に整備の必要な状況です。

まずは電池室の修復と配線を交換します。
写真真ん中に転がっているのが電池室です。
ハンダ付けは断線まではしていなかったのですが
電池室側端子とハンダまでの間が
腐食により全く導通しておらず露出計不動の最大の原因はここのようです。
初代キャノネットもそうですが
ボディダイキャスト側とレンズボードの間に配線はなく
(接点で電気的に繋がる構造)
非常に整備製の良いカメラです。
初代キャノネットではシャッタスピードの伝達機構が
なかなか個性的な作りでしたが
このタイプのキヤノネットになるとそのあたりも一般的なものになっています。
ちなみに使用電池はこの時代でも比較的めずらしいMR50です。
電池室の修理が一段落したところで
シャッターユニットの整備やレンズ清掃を行い
さらにファインダー清掃。距離計・露出計の調整等を行っていきます。

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オリンパスペンEES-2のカメラ修理

今日は「盗難防止の日」なのだそうです。
空き巣に入られたことはさすがにありませんが
車上荒らしにはやられたことがありますねぇ。。。昔の話ですが。。。
昔のクルマはロックしていても比較的簡単に
開けることもできましたしねぇ。。。
(何度もキーを閉じ込めて自分でも開けたことがある(汗))
今も昔もこういう被害はあるとは思いますが
やはり今のほうが何があるかわからないという点では怖いですね
昔だったら家にいるときはもちろん
ちょっとその辺までおつかい。。。ってときにも
家に鍵をせずに出かけることも多かったような気がしますが
今は家にいても鍵はかけておかないと不安ですものね
まぁ自宅には取られるようなものはありませんが。。。(笑)
盗難だけではなくていろいろと用心が必要な
世の中になってきてしまったのはちょっと悲しいですね。。。

さてさて

本日は「オリンパスペンEES-2」のカメラ修理を行っています。
「ペンEES」シリーズは「ペンEE」では固定焦点だったフォーカスを
ゾーンフォーカスにして目測とはいえちゃんと調整でできるようにしたものです。
十分な光量があって絞り込むような場面では
固定焦点でも全く問題はないですが
やはりできるだけシャープに撮りたいという場合には
フォーカス調整はできたほうが無難ですね。
初代EESはペンEEがベースとなっていましたが
同様にEES-2はペンEE-2がベースになっています
裏蓋は取り外し式から蝶番式になり
ホットシューが追加されました。
フィルムカウンターも自動復元式となり
フィルム感度もASA400まで対応になりました。
EESに比べるとかなり実用的に進化したモデルといえると思います。
基本的な構造はEEやEESと同じく2速切替のシャッターで
絞り羽根は独立して存在します。
セレン光電池で駆動する露出計の指針を挟み込んで
絞り・SSを決定する仕組みになっています。

お預かりしているEES-2はまず絞り羽根が固着しているようで
F8付近の大きさで固まったまま全く動きません。
露出計も動作していないようで
明るさが変わってもシャッタースピードも切り替わらないようです。
。。。となると心配されるのはセレン不良ですが。。。
まずは分解して確認してみることにします。

心配されたセレン光電池はきちんと起電しているようです。
ちょっと安心しました。
絞り羽根は予想通りガッチリと固着していて全く動きません。
露出計そのものは動作しようとしているのですが
指針が挟み込みの上部に引っかかっていて
ある程度振った位置から動けなくなっているのが
露出計不動の原因でした。
何度も挟み込まれているうちに
少し針が変形し挟み込み部に接触したままになってしまったようです。
ペンEE系に限らず、指針挟みこみ式のEE機だと
たまに見かける症状です。
さらにオリンパスEE機ではお馴染みの赤ベロも動作不良を起こしていました。
各動作部の清掃、調整で全ての問題がクリアできそうです。

セレン光電池が劣化しているともはや交換しかございませんが
基本的にはシンプルで修理の行いやすいカメラです。
一旦、整備してしまえばある程度使い続けている限り
トラブルの再発も起こりにくいカメラです。
ご依頼者差はお若い方でフィルムカメラ初心者だとお見受けしますが
このカメラでステキな写真をたくさん撮っていただければと思います。

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オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「石油の日」だそうですよ。
10/6をを「1=イ、0=オ、6=ル」と見立てて
並べ替えるとオイル(石油)となることが由来となっています。
うーん、なかなか強引な。。。(笑)
電気自動車の普及等もありますが
まだまだ私達の生活に欠かせないエネルギー源ですね。
ガソリンや軽油・灯油はもちろん
天然ガス、アスファルト等も精製されます。
私が毎日カメラ修理で使っている
クリーナーやベンジン、油、グリスなんかも石油からできていますね。
身の回りをみても石油からできているものは他にもたくさんあります。
話が少しそれますが。。。
クルマやバイクがみんな電気になったら
かなり寂しいものがありそうです。
趣味性の高いものだけでもちゃんと内燃機関が残ればいいですねぇ。。。
まぁ、私が生きている間は大丈夫だとは思いますが。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1948年から続く「オリンパス35シリーズ」の一員で
1971年の発売です。
1960年代後半から1970年代にかけての時期に
オリンパスは35シリーズで色々なカメラを出していて
35SP、35EC、35RC、35DC、35ED。。。
似通ったネーミングでちょっと困ってしまいますね(笑)
35DCは写りの評価の高いF.zuiko40mmF1.7の大口径レンズを搭載し
プログラムシャッターでオート露出で撮るカメラです。
大口径レンズを搭載している割にはコンパクトに作られていて
さすがは小さなカメラを得意とするオリンパスといったところです。
シャッターユニットはセイコー製で機械制御なのですが
露出計の針がある程度振れていないと
シャッターロックがかかるので
電池を入れないとシャッターは動作できません。

35DCには前期型と後期型があり
今回、お預かりしているのは接眼レンズ横に
バッテリーチェックランプのある後期型です。
「全く動かない」ということでお預かりしましたが
おっしゃられるとおり電池を入れても
バッテリーチェックも点灯せず露出計も動かないため
シャッターが全く切れない状態です。
電池室を開けると腐食した当時の水銀電池がゴロンと出てきました。
電池室の蓋も緑青だらけです。
緑青は落とせますが錆びてメッキの落ちた部分に関しては
残念ながら元には戻りません。
導通はしっかりでているようなのでできる限りの清掃でこのまま使います。
問題はマイナス側端子で電池室からの見た目はキレイなのですが
おそらく裏側で腐食断線しているものと思われます。

分解途中の写真で、ちょっとわかりにくいのですが
電池室裏にもびっしり緑青が付いているのが写っています。
もちろんリード線も腐食してしまっているので交換です。
これからシャッターユニット整備等々と合わせて修理・整備していきます。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「時刻表記念日」だそうですよ。
日本初の本格的な時刻表が
1894(明治27)年のこの日に出版されたそうです。
今や冊子の時刻表を見ることもすっかりなくなりましたねぇ。。。
路線検索で一発で乗り換えもわかってしまうし。。。
でも比較的最近(数年前)に
何度か「青春18きっぷ」を使って
東京から呉まで帰ったのですが(所要時間約17時間)
時刻表でちゃんと自分で調べると
路線検索より早く目的地に着く乗換えが実際にはあったり
乗り換えの路線や時間を調整して
途中の駅で食事時間を確保したりとか
臨機応変に自分の都合の良い乗換えができたりするのですね。
またそうやって自分で乗換えを考えるのが楽しかったりもしますが。。。
。。。ただ、普通に新幹線で行くのなら
ネットで路線検索したほうが間違いはないですね(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
1959年に発売されたニコン初の一眼レフカメラです。
現在まで続くニコンFマウントはこのカメラから始まりました。
過酷な環境での使用に耐えるように
非常に堅牢な造りをしているカメラです。
ファインダー視野率約100%、交換式ファインダー
ミラーアップ機構、他にも豊富なアクセサリーや
交換レンズ群が用意され
当時、考えられる様々なシチュエーションでの撮影に
対応できるように構築されたシステムカメラです。
豊富なレンズやアクセサリー群の中には
とても高価でそうそう手の出ないものも多いですが
カタログを見ているだけでも夢が広がります。
さすがに「F」の全盛期には私はまだ生まれていませんが
その後のF一桁機のアクセサリーカタログ等を
物心ついた頃に眺めていていろいろ考えていたことを思い出します。
Fが出る以前はニコンもライカに対抗して
レンジファインダー機を主に作っていて
その究極とされるのがニコンSPというカメラですが
ニコンFはSPをベースに作られています。
ちょっと乱暴に言えば
SPのボディを左右に分割し間にミラーボックスを追加した。。。という感じです。
レリーズボタンやシャッタスピードダイヤル周りを見ていると
SPの名残が色濃く残っているような気がします。

前置きが長くなりました。。。
お預かりしているニコンFはおそらくかなり長い間使われずに
眠っていたものではないかと思われます。
全体的に非常に動きが重く
特に巻き上げは巻き上げきったときの感触が
妙に「グニャ」とした感じでちょっとよろしくおありません。
高速シャッターの精度も出ておらず
低速シャッターはスローガバナとの連動部が粘っているせいで
1/30以下のシャッターは全て1/30で切れてしまう状況です。
それでも何とか動作してるのはさすがだと思いますが
動きの悪い関節をがんばって健気に動かしているようで
動作を見ているとちょっと切なくなってきます(苦笑)
アイレベルファインダーは残念ながらプリズム腐食が発生しており
これに関しては交換プリズムが入手不可なので
清掃は行いますが基本的には現状のままです。
付属している50mmと135mmのレンズも
修復不可能なコーティングの劣化もございますが
できる限りの清掃を行います。

まだ分解途中ですが
シャッター幕軸、SS調速カム、ミラー駆動部、巻上部
動作する部分は徹底的に清掃し注油を行います。
Fは基本的に非常に頑丈なカメラなので
動きの悪いところを整備してやれば
大抵の場合は復活します。
(無理な分解品や水没品、ショック品を除く)
整備完了してご依頼者様の元に戻れば
数十年ぶりにフィルムを感光させることになると思います。
少し間が空いてしまいましたが
再び時代を切り取る重要な任務を遂行していただきたいと思います。

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キヤノン7のカメラ修理

今日は「探し物の日」だそうですよ。
NTTの電話番号案内が「104」であることが由来となっています。
「失くしたものをもう一度本気で探してみる日」だそうです。
捉えかたによっては非常に深い意味になりそうですが
ここではそれは置いておいて日常的な意味で。。。(笑)
「捨てているはずはないのに見つからないもの」って
結構頻繁にありますよねぇ。。。
私もよく何かしら「おっかしいなぁ。。。どこに片付けたんだ???」と
探し物をしているような気がします。
あ、それよりも作業中にネジやバネをついつい落としてしまい
机の下を大捜索しているほうが多いかも。。。(汗)
昔よりは回数は減ったけど油断しているとすぐに落ちるのですよ。。。(苦笑)
いずれにせよ、失くしたものが見つかったときの
あの爽快感と安堵感は何ともいえないものがありますよねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1961年です。
1961年ということは既に一眼レフへの移行が進みつつある時期ですが
キヤノンのレンズ交換式レンジファインダー機は非常に人気もあり
需要も高かったことから発売されたという理由もあるようです。
この「7」と「7S」をまとめて「7シリーズ」ということもできますが
「7シリーズ」はキヤノンとしては
最後のレンズ交換式レンジファインダー機ということになります。
35/50/85+100/135mm と5つのフレームを切替で使用できます。
もちろんパララックス補正付で等倍ファインダーです。
セレン式露出計を装備しシャッタースピードダイヤルと連動し
絞り値を指示し、それに合わせてレンズ側の絞りを設定する方法です。
マウントはもちろんLマウントですが
当時、開発されたばかりの50mmF0.95という大口径レンズを
装着するための3本のツメがマウント外側に付けられています。

お預かりしているキヤノン7はまずシャッターが切れません。
シャッター幕の位置から考えるとチャージはされているようです。
加えてシャッタースピードダイヤルが125-250の間しか回りません。
さらに二重像は大幅にズレています。

もしかしたら分解品かな。。。とも思ったのですが
どうやらショック品のようです。
落下させてしまったものと思われます。
おそらく上カバー部から落下したと思われ
シャッターダイヤル基部が変形してしまったものと思われます。
大元のドラム軸まで歪んでいるようだと
修理不可能かと思われましたが
何とか修理可能な範囲内でした
SSダイヤルのトラブルもシャッターが切れないのもこれが原因でした。

上カバーの凹みもありましたができる限り修正しました。
落下の影響はあちらこちらに見られ
二重像が大きくズレていたのも落下の影響と思われ
フランジバックにも狂いが生じていました。
もちろん現在は問題のないレベルに調整されています。
やはりカメラ。。。というか精密機械は落としてはダメですね。
よく「落としても大丈夫だった」とかいう話も聞きますが
特にカメラはショックが加わることで思いもしないトラブルが発生することも多く
場合によっては修理不可能になることも多いので
極力、落とさないように細心の注意をしていただければと思います。

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スーパーカルムシックスデラックスのカメラ修理

今日は「登山の日」だそうですよ。
もはやすっかり山から遠ざかってしまいましたが
この季節の山は紅葉も始まっていいですよねぇ。。。
3000m級の山だともう朝晩はかなり冷え込みます。
降るような星と雲海から昇る朝日がまた見たいですねぇ。。。
時間的余裕と体力をもう少し復活できたら
テント担いで北岳あたりにまた行ってみたいとは思います。
北岳は肩の小屋でも北岳山荘でも
テン場から朝日も夜空もよく見えて快適なのですよねぇ。。。
まず体力を何とかしなくては。。。
今のままでは30kgくらいの荷物はとても担げません。。。(汗)

さてさて

本日は「スーパーカルムシックスデラックス」のカメラ修理を行っています。
いわゆるスプリングカメラ(フォールディングカメラ)です。
調べてもなかなか資料が少なくて詳細がはっきりしないのですが
日本光機というメーカーで1955年前後に作られたものだと思われます。
当時はマミヤシックスやコニカパール等の
国産スプリングカメラも非常に多く、メーカーもたくさんあったものと思われます。
モデル名が豪華ですね。スーパーでデラックスですもの。。。
レンズは東京光学製トーコー7.5cmF3.5で
シャッターはコパルMXを搭載します。SSは1/300~1秒・Bです。
フィルム装填はスタートマーク式のセミオートマットです。

お預かりしているカルムシックスは
おそらくかなり長い間、使われずに眠っていたものと思われます。
ファインダー、レンズともにカビやクモリが酷く
できる限りの清掃を行います。
シャッターも粘りが見られ各部点検整備一式を行います。

基本的な構造は普通のスプリングカメラです。
クモリやカビの酷かったレンズやファインダーは随分キレイになりました。
シャッターも最高速からスローまでスムーズに動作しています。
これであれば快適に撮影に使っていただけると思います。

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