ペンタックスMXのカメラ修理

朝、いつも「今日は何の日」かを調べるときに
何となく自分で予想してみるのですが
今日は3月7日。。。
「みんなの日」とか「さかなの日」かなぁ。。。と考えていました。
「みんなの日」はなかったですが「さかなの日」はありました!
子供の頃はお刺身以外の魚は苦手でしたが
今は焼き魚とかも含めて魚は大好きですねぇ。。。
焼き魚ならやっぱりサンマが美味しいですよね!
そういえば。。。
こっち(関東)ではまず見かけることはありませんが
西のほうだとギザミ(キュウセン)の塩焼きが美味しいのですよねぇ。。。
ベラの仲間だから見た目は派手で
あまり美味しそうには見えないかもしれませんが
赤ギザミでも青ギザミでもとても美味しいのですよ!
大きくて新鮮なアオギザミだったら刺身でも美味しいです。

さてさて

本日は「ペンタックスMX」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1976年です。
ペンタックスMシリーズの第一号機として発売されました。
Mシリーズ中唯一の機械制御シャッター機でもあります。
MXより4年ほど前に小型軽量とセールスポイントとした
OM-1が発売されていますが
MXはOM-1を相当意識して作られたらしく
縦・横・厚み、それぞれ0.5mm、OM-1より小さく作られています。
OM-1と同様にシャッター幕巻取りリボンには
通常のリボンではなく紐状リボンが採用されています。

MXの定番トラブルはやはり。。。
ミラーアップしたままになる、というトラブルでしょうか。。。
他の縦走りシャッターのMシリーズは
ミラー駆動部の動作不良が
原因でミラーアップしたままになりますが
MXの場合はSP等で見られる現象と同じく
シャッター幕動作不良が原因のことがほとんどです。
ミラーアップトラブルまで起きていなくても
未整備の個体は後幕の動作不良を起こしていて
シャッタースピードの精度が全く出ていないものが非常に多いです。

今回、お預かりしているMXは
ミラーアップ固着にはめったになりませんが
(それでも低速時にまれに起こる)
いずれにしても後幕の動きが非常に悪い状態です。
高速シャッターの精度は全く出ておらず
写真の両端で1.5段露出量が異なるような状況です。
加えて露出計が不安定で
シャッターダイヤルに軽く触れただけで
露出計がマイナス方向に振り切ってしまうような状況です。
今回の露出計のトラブルは
シャッターダイヤル下の抵抗の汚れが原因のようで
修理は可能でしたが
MXのようなLED式の露出計は制御部分が壊れていると
修理不可能なことも多い部分です。

写真は一通り整備が完了した後のものです。
(装着レンズは当店のテスト用レンズです)
いつものことですが
特に横走りシャッター機の幕軸清掃及び注油を行うと
幕速が安定するまで何日間か時間を置いてから
最終チェックを行います。
幕速トラブルの多いMXの場合は尚のこと入念に行います。
ご依頼者様はこのMXを入手したばかりで
本格的に使う前に
点検整備を行いということで当店にやってきました。
何とか春本番には間に合いそうなので
思う存分、楽しんでいただければと思います。

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オリンパスXAのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの
「啓蟄」ですね。
「大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃」ということです。
言葉だけ聞くと
土の中からあらゆる虫がうごめきながら
這いずり出てくる。。。というような
気持ち悪いイメージしかわかないのですが。。。(苦笑)
いよいよ春本番ということです!
昨日は定休日だったので
新宿御苑にカメラを抱えて行ってきたのですが
寒桜や河津桜にメジロやヒヨドリが集まって
早くも一部では春爛漫の雰囲気でした。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
オリンパスらしい独創的で非常に軽量コンパクトなカメラです。
その後、同じようなカメラもたくさん出てきましたが
レンズバリアーが装備された石鹸箱のような
愛くるしいデザインはXAが元祖です。
このスライド式レンズバリアのおかげで
レンジファインダー機でありがちな
レンズキャップを付けたまま撮影してしまうこともなく
ケースも不要なため、カバーをスライドするだけで
素早く撮影体制に入れます。
XAには今回の初代XAの他にXA1~4が存在しますが
レンジファインダー機なのは初代XAのみです。
(絞り優先AE機なのも初代XAのみです)
さらに35mmフルサイズカメラなのに
ハーフ判のペンと同じくらい小さく
またレンズの出っ張りもほとんどないため
本当にポケットにすっぽり収まってしまいます。
個人的にも定期的に欲しくなるカメラですが
何だか巡り合わせが悪くて
未だに手に入れてないカメラでもあります(苦笑)

お預かりしている「XA」は
ご依頼者様のご自宅に眠っていたものだそうです。
まずはシャッターが全く切れません。
もちろん新しい電池を入れても同様です。
ただし、電源が入っていないわけではなく
ファインダー内露出計は反応していますし
バッテリーチェックも作動しています。
こういう場合、軽く押すだけでシャッターが作動する
フェザータッチのシャッターボタンの接触不良が考えられるのですが
シャッターを切ろうとボタンに触れると
わずかにファインダー内露出計が反応するので
シャッターボタンは問題ないと考えられます。
分解してみてわかったのですが
ソレノイドに連動して動くシャッター軸の固着が原因でした。
XAは電子制御シャッター機なので
修理不能の場合も正直ございます。
(一例ですが明るさに関わらず
シャッターが一定速度でしか切れないものは修理不能です)
その他、電池室の端子の不具合や
露出計、オート精度の調整等々
一通りの整備を行い完了となりました。

ハードケース付です。非常に大事にされていたようで
外観はもともと非常に良い状態です。
専用フラッシュ(写真のA11が最もとよく見かけますが
A16、A9も存在します)も問題なく発光します。
フラッシュを付けると少しばかり大きくなりますが
あればやはり便利です。
普段は外しておいて軽快に撮り歩き
必要なときだけ取り付けるほうが良いかもしれません。
いずれにしても魅力的なカメラです。

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オリンパスペンFのカメラ修理

今日は3月4日。。。
「ミシンの日」、「雑誌の日」、「サッシの日」。。。等々
語呂合わせに由来する記念日が並びますが
そんな中に「差し入れの日」というものもありました。
差し入れ。。。嬉しいものですよねぇ。。。
いや、最初に間違いのないように言っておくのですが
差し入れを催促しているわけじゃないですよ(汗)
ただ、ここで散々、食べ物の話や
お酒の話を書いているせいもあるのか
「お酒好きで甘いもの好き」というのが
伝わってしまっているようで
差し入れもお菓子や日本酒が多いような気がします。
とってもありがたいことです。
先日も岩手からご来店いただいたお客様から
スイートポテトのお菓子の差し入れがありましたが
これがまたとっても美味しかった。。。
行ったことのない土地のお土産とかをいただくと
その土地のイメージが膨らんで
尚のこと美味しくいただける気がします。

さてさて

本日は「オリンパスペンF」のカメラ修理を行っています。
オリンパスのカメラは
他メーカーに比べると軽量コンパクトで
独創的なモデルが多いのですが
「ペンFシリーズ」はその中でも特に独創的なカメラだと思います。
「世界初のハーフ判一眼レフカメラ」ということだけでも
すごいのですが、その作りがまた独特で
ミラー動作方向を90度倒して配置し
レンズを通った光は横方向に導かれ
シャッターダイヤル裏側あたりに配置されたプリズムを通り
シャッターボタン後ろ側付近にあるミラーで
反射されさらに拡大用のレンズや小さなプリズムに導かれ
ファインダー接眼部にやってきます。
その構造のため一眼レフでは当たり前でもある
ペンタ部の出っ張りはなく
横に長くレンズがオフセットされた独特のフォルムとなります。
シャッターシステムもロータリーシャッターと呼ばれる
パックマン(死語?)のような形状の
チタン製のシャッターが回転することによって動作します。
こんな構造のカメラは他では見ることができません。

ペンFのトラブルといえば
ミラーアップとプリズム腐食、スローガバナ関係が多いのですが
今回、お預かりしているペンFは
巻上に少々問題があるようです。
ペンFはその後登場した「ペンFT」や「ペンFV」と違って
2回巻上でチャージ、フィルム巻上を行います。
これが2回で完了せず、2回とほんの少し巻かないと
チャージが完了しない状態になってしまっています。
このトラブルもペンFでたまに見かける症状です。
原因はシャッターチャージ部の長年の汚れや
巻上連動部のギアの磨耗などが考えられます。
清掃の上、調整することで改善します。
加えてスローガバナに粘りがあるようです。
ペンFはパックマンのような切り欠きがある
ロータリーシャッターを回転させているのですが
最高速の1/500以外のSSでは
スローガバナを使い一瞬、動きを止めて
SSを制御しています。
そのため普通のカメラなら低速時のみ動作するスローガバナーが
ペンFの場合、最高速以外の全てのSSに関わります。
(ということはスローガバナって呼ぶのは間違いかも。。。)
ガバナ本体及びシャッターユニットも
入念に清掃して整備していきます。

写真は一通り整備が完了した状態のものです。
巻上はもちろん正常な状態になり
フィーリングも良好になりました。
もちろん精度も申し分のない状態です。
ペンFといえばボディの花文字が特徴で
非常にカッコ良いですが
純正レンズキャップの花文字も文句なしにカッコ良いですね。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は3月3日、ひな祭りの日はもちろんですが
「耳の日」でもあるのですね。
目も耳も少しずつですが年齢とともに衰えています(汗)
耳だけでなく「五感」に関する部位は
特に大切にしなければいけませんねぇ
今日は「耳の日」なのは単純に語呂合わせからですが
サリバン女史がヘレン・ケラーに指導を始めた日でもあり
電話の発明者であるグラハム・ベルの誕生日でもあるそうです。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
ユニバーサルマウントであるM42マウント採用機として
最もポピュラーな存在で
60年代を代表するカメラと言っても良いと思います。
ところでSPというネーミングは「SPOTMATIC」の頭文字で
ボディの肩部分にも刻印されています。
SPの内臓露出計は接眼レンズ脇に
受光体(CdS)を装備した平均測光ですが
もともとは「スポット測光」を搭載する予定だったそうです。
ただ試作機の段階で変更が行われ
その時代の受光体(CdS)の精度の問題等もあり
一般的な平均測光に変更されました。
「SPOTMATIC」のネーミングは開発時の名残なのだそうです。
その後、スタンダードになる「開放測光」に慣れていると
SPの「絞込み測光」は多少不便に思われますが
レンズ側とボディ側の連動が少なくてすむ
「絞込み測光」だからこそ
世界中のいろいろなメーカーから発売される
M42マウントレンズを内蔵露出計で使えるわけなのです。

爆発的に売れたカメラなので
現存数も非常に多いですが
発売開始から50年を超えるカメラであり
トラブルを抱えている個体が非常に多いと思われます。
お預かりしているSPは
持病ともいえるプリズム腐食こそないものの
シャッター周り、巻上周り、ミラー駆動部等々
動作部の動きはやはり悪い状態です。
低速シャッター時にはミラーアップしたままになり
高速シャッターは先幕、後幕のバランスが崩れ
1/1000も何とか開いてはいるものの
写真の両端では露出量がかなり異なってしまう状況です。
加えてファインダーを覗くと
何かの部品がコンデンサレンズ上に落下しているようで
大きな部品の影が視野を遮っている状況です。

これからミラーボックスを降ろし
まずはシャッター幕軸の清掃から始めます。
幕速が狂っているからといって
単純に幕テンションをいじるだけでは根本的解決にはなりません。
まずは幕軸の古い油や汚れを落として
円滑に動作する状態にして
最後の微調整で幕速テンションの調整を行います。

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コニカC35FDのカメラ修理

今日は3月2日ということで
「ミニの日」ですね。
ミニチュアや小さいものを愛でようという日だそうです。
カメラや模型も小さくて精巧にできているものは
眺めているだけでも楽しいですよね。
。。。と言っている割には
私が個人的に使っているカメラは比較的大きなものばかりで
小さくてしっかり作られたものは意外とないのですよねぇ。。。
カメラはともかく小さなジオラマでも
気分転換に作ってみようかな。。。

さてさて

今日は「コニカC35FD」のカメラ修理を行っています。
これも小さくてしっかり作られたカメラですね。
通常のC35に比べるとレンズが大口径な分
少し大きくて重いですが
F1.8クラスのレンズを搭載するカメラとしては
やはり小さいカメラだと思います。
38mmという絶妙な焦点距離も魅力です。
さらに通常のC35はプログラムオートでしか撮れませんが
FDはシャッタースピード優先AEです。
使い方によっては絞りを意識的にコントロールすることもできるので
表現できる幅はやはり通常のC35よりも大きいと思います。
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500
もちろんレンジファインダー搭載機です。

シャッタースピード優先AE機のため
露出計が動作していないと
絞りは常に開放で動作してしまいますが
お預かりしているC35FDは
その肝心の露出計が動きません。
電池を新しく入れても同様です。
こういう場合、一番に疑うのは
電池室周りの接触不良や断線ですが
このC35FD、過去に電池室周りの
修理をしているようでそこに不具合は見当たりません。
テスターであたってもきちんと導通しています。
一番厄介なのは露出計そのものが
ダメな場合なので
次に上カバーを開けて露出計本体に
直接電流を流してみます。
すると露出計指針は元気に跳ね上がります。
。。。となると次に歌がわしいのは
レンズ上部に設けられた受光体(CdS)です。
レンズ前面の化粧枠を外しCDSを取り外します。
今回はCdSそのものが悪かったわけではなく
CdS周りのはんだ付けが劣化して
断線状態になっているようです。

露出計トラブルの原因はこれで解決しそうですが
他、シャッター羽根、絞り羽根の粘り
距離計のズレ等々、細かなトラブルも抱えているので
これから一通りの整備を行っていきます。
まずはシャッターユニットの整備から取り掛かります。

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ペンタックスMEのカメラ修理

今日、3月1日は「豚の日」だそうですよ。
豚肉。。。お安くて美味しくて庶民の味方ですよねぇ。。。
グリルにしてもソテーしても美味しいし。。。
豚しゃぶもいいですよねぇ。。。
でも、豚肉といえばやっぱりローストンカツかな。。。
昔から大好きなのですが
寄る年波には勝てないと言いますか
以前のようにトンカツをガツガツ食べられなくなりました(汗)
まぁ、二切れくらいでご飯1合くらい食べられるので
少しで十分なのですが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
軽量コンパクトな絞り優先AE専用機です。
発売は1976年です。
ME登場の少し後に各メーカーから
絞り優先AE専用のエントリーモデルで価格4万円弱という
モデルが出揃いましたが
コンパクトな絞り優先AE機というジャンルでは
やはりMEが先駆者的なモデルだと思います。
絞り優先AE機ということで
必然的に電子制御シャッター機ではありますが
電子基板関連のトラブルは少ないカメラだと思います。
発生するトラブルの大部分が機械部分です。
それもゴムや油脂類の劣化によるものが多く
修理・整備すれば改善するものがほとんどです。

今回、お預かりしているMEは
定番のミラーアップこそないものの
巻上げまわりにトラブルを抱えていて
言葉で書くと難しいのですが
巻き上げた時にそのままレバーがフラフラになってしまい
きちんと巻上軸が所定の位置に戻ってこないようです。
もちろん、その状態ではシャッターは切れません。
何度か巻上動作を繰り返すと
何かの拍子で軸ごと力強く戻ってきます。
それだけでなくたまにチャージ滑り
(チャージした瞬間にシャッターが切れてしまう)こともあるようです。
巻上軸周り部品の動作不良及び
ミラーチャージ部分にも動作不良があるようです。

トラブルの多いミラー駆動部の整備も含め
一通りの整備を行っていきます。
ところでMEスーパーの
「クリアーブライトマットスクリーン」に比べれば
MEのファインダーは多少暗く感じるのですが
ピントの山のわかりやすさや見え心地は
決して負けてないですね。
ちなみにMEはペンタ部に「AOCOマーク」の入った
最後のカメラとなります。
MEより後のカメラは「アサヒペンタックス」ブランドではなく
「ペンタックス」ブランドになるわけですね。

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ミノルタXDのカメラ修理

今日は「ビスケットの日」だそうですよ。
ほのかに甘いビスケット。。。美味しいですよねぇ。。。
ブラックコーヒーとも合いますし
3時になると食べたくなりますよねぇ。。。
ところで。。。
クッキーとビスケットの違いってなんだろう?と思って調べたら
両者に区別はないのですね。
イギリスでは両者ともビスケットと呼び
アメリカでは両者ともクッキーと呼ぶのですね。
他にもこちらは区別されていますが
クラッカーやラスク、サブレー、乾パン等も
ビスケットの1種なのですね。
どれもおやつに最適です(笑)

さてさて

本日は「ミノルタXD」のカメラ修理を行っています。
世界初の両優先AE(絞り優先、SS優先)を搭載したカメラです。
XDが登場するまでは絞り優先AE機と
SS優先AE機のどちらが優れているのか。。。と
カメラ雑誌等で特集されていたりしましたが
XDの登場によって両優先ともケースバイケースで
使い分けられるようになりました。
発売は1977年。翌年にはキヤノンから「A-1」が発売され
オート露出はマルチモードが標準的になっていきます。
XDにはプログラムモードこそ搭載していませんが
SS優先モード時には設定されているSSで適正露出が
得られない場合にはSSをシフトして
適正露出を得る「サイバーネーションシステム」が搭載されているので
プログラム露出的には使用できます。
前身となるXEに比べると随分と小型化され
デザイン的にも凝縮感・精密感があり
文句なしにカッコ良いと思います。
ミノルタらしく使い心地もよく
なんと言ってもアキューマットスクリーンによる
明るい上にキレの良いファインダーが
撮影そのものをより楽しくさせます。

そんな良いことづくめのようなXDですが
修理する立場としてはなかなか難儀なカメラです。
現行モデルとして発売していた頃から
電装トラブルは多かったようで
当店でも預かりはしたものの
結局は修理不能だったということも何度かあります。
特に基板内漏電が起きているものと
常に露出計が振り切ってしまっているものは
修理不能の可能性が高いです。
お預かりしているXDはまず電源が全く入りません。
電源の問題は電池室裏側配線の問題で
何とか解決し、動作はするようになったのですが
今度はレリーズに対するレスポンスが非常に鈍く
シャッターボタンを押してから実際にシャッターが切れるまで
妙な時間差があります。
加えて原因は関連しているのですが
マウント部のレンズ絞り混みレバーがミラーアップした際に
半分弱しか動きません。
今のところ何とかギリギリでレンズは絞り込めていますが
悪化すると絞り込めなくなると思います。
上記2点はXDでは定番のトラブルで
ミラーボックス下のエアダンパー等が粘っていることが原因です。

写真は一通り整備が完了した状態でのものです。
もちろん快適に動作するように整備いたしました。
このXDはご依頼者様が新品から使い続けられているものだそうです。
前期モデルの本革の貼り皮は
痛んでしまったり激しく縮んでしまったものが多いのですが
このXDは非常に良い状態をたもっています。
ご依頼者様が非常に丁寧に扱っていることがよくわかります。
少し時間を置いてから
最終チェックをして整備完了となります。

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ニコンFMのカメラ修理

今日は「国際ホッキョクグマの日」だそうです。
子供の頃に動物園で見た
ホッキョクグマの動きや歩き方がおもしろくて
帰宅してからも当分マネしていたのを思い出しました。。。
動物園で見ている分には
とっても愛嬌があり可愛らしく見えますが
クマの仲間で最も肉食性が強い種類なのだそうです。
おまけに大きいものだと体長250cm体重600kg。。。
アラスカにでも行かない限り
自然の中で会うことはないとは思いますが
日本国内(本州)の山で出会う可能性のあるツキノワグマとは
比べ物にならないほど大きくて凶暴です。
でもこうして書いているとホッキョクグマ見たくなってきました。
他のクマに比べて頭が小さくて首が長くて
何ともカッコ良いのですよねぇ。。。。

さてさて

本日は「ニコンFM」のカメラ修理を行っています。
1977年発売の中級クラスのモデルです。
適度にコンパクトで機械制御式シャッター機ということもあり
現在でも非常に人気の高いカメラです。
シャッターユニットはコパル製の金属羽根縦走りです。
FM(FE)はAi対応のカメラなので
Aiニッコールを使えば開放測光で普通に露出計が使えます。
Aiレンズ対応のカメラは通常はAi連動ツメが
干渉するため非Aiレンズは使えないモデルも多いのですが
FM(FE)はこのAi連動ツメが可倒式のため
絞込み測光とはなりますが
非Aiレンズも装着可能です。
ただしマウント部のAi連動ツメを必ず倒しておかなければいけません。
そのまま倒さずに無理に非Aiレンズを取り付けたりしていると
Ai連動ツメが破損してしまいます。
FM(FE)に非Aiレンズ装着の際はくれぐれもご注意ください。
ちなみにAi連動ツメが固定式の
FM2(FE2)は非Aiレンズの装着は不可能です。

お預かりしているFMは
シャッタースピード1/1000、1/500が開きません。
先幕の動きが非常に悪いようで
測定機で計測してみても先幕幕速が
先幕に比べて極端に遅くなっています。
長年の汚れの蓄積やシャッター羽根基部のブッシュ劣化等で
羽根の動きが悪いものと思われます。
縦走りシャッターの金属羽根は非常に薄く軽いため
ちょっとした抵抗があるとすぐに動作に影響します。
フィルム室から見て一見、羽根がキレイでも
動作させてみると動作不良ということも多々あります。
今回はシャッター羽根をしっかり清掃することで
おそらく正しい動きに戻ると思われます。
露出計等は問題なく動作しているようですが
巻上はたまに引っ掛かりがあり
スムーズに巻き上げられないことがあるようです。
もちろん巻上周りの清掃・注油も行います。

写真は一通りの整備を行った後の状態です。
高速シャッターの精度もしっかり出ています。
シャッター速度が不良の場合の修理は
整備後すぐは良くてもその後、症状が再発することもあるので
必ず何日か時間をおいて再度テストを行います。

今回は露出計周りは若干の調整のみで問題なかったのですが
FMのLED式露出計は分解時に非常に神経を使います。
特にこの季節、静電気を帯びた手でうっかりさわろうものなら
簡単に露出計が壊れてしまいます。
こうなるともう修理は不可能です。
(正確に言うと露出計周りをごっそり交換すれば可能ではありますが。。。)
たまにジャンク扱いのFMにどんなに明るい光をあてても
露出計がマイナス表示の個体を見かけますが
これも露出計制御が完全に壊れている状態です。
これからFMを手に入れようとお考えの方はご注意ください。

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ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「ヱビスの日」だそうですよ。
ここでいう「ヱビス」は「ヱビスビール」のこと
1890年(明治23)2月25日に
「ヱビスビール」が初めて発売されたことが由来だそうです。
個人的に市販のビールの中で
エビスビールが一番好きなビールです。
麦芽100%でどっしりした味わいで
明らかに他のビールと違いますものね。
お店でも銘柄が選べるときはなるべくヱビスにするし
スーパーやコンビニでビールを買うときも大抵ヱビスです。
あぁ。。。ビールといえば焼肉。。。
焼き肉食べながらヱビスを浴びるほど野みたいですねぇ。。。(笑)

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
ハイマチックシリーズは
ミノルタのコンパクトカメラを代表するシリーズですが
「ハイマチックF」は1972年発売のモデルです。
初期のハイマチックに比べると随分小さくなりました。
プログラムオート専用機で
シャッターユニットは電子制御のセイコーESLを搭載します。
レンズは写りの評価が非常に高いロッコール38mmF2.7です。
レンジファインダーを搭載したカメラとしては
コニカC35と並んで非常にコンパクトなカメラです。
ESLシャッター搭載機はレリーズのストロークが長く
好みのわかれるところですが
主観ですがこれはこれで個性的で良いと思います。
使用電池は本来NR52水銀電池で
市販の電池アダプタを使用するか
少し工夫してSR(LR)44を2個で使用します。

お預かりしている「ハイマチックF」は
巻上周りにトラブルを抱えていて
巻き上げた時に巻上レバーが戻ってこないことが多々あり
レリーズしても巻上ロックが解除されないトラブルも
頻繁に起こります。
巻上周りの部品の動きがかなり悪いようです。
測定機でオート露出を測定してみると
高輝度時に妙にオートが安定しません。
これはおそらく電気接点の汚れが原因と思われます。

一通り動作確認を行って現状のトラブルと
原因の予想がついたので
これから本格的に分解整備に取り掛かります。
電子制御シャッターで少々ナーバスなところがあるカメラなので
ここからはより慎重に作業を行います。
余談ですが構造の近いセイコーESFシャッター搭載機でも
「ハイマチックE」や「ミランダセンソレット」は
残念ながら当店では現在修理を行っていない状況です。
ハイマチックF。。。少し前に個人的にも使っていたのですが
気軽に撮り歩くお散歩カメラとして
なかなか面白いカメラです。
こうやって整備していると
自分用にまた1台欲しくなってきました(笑)

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ミノルタオートコードのカメラ修理

今日は「月光仮面登場の日」だそうです。
1958(昭和33)年2月24日に、ラジオ東京(現在のTBS)で
国産初のテレビ映画『月光仮面』のテレビ放送が始ったそうです。
さすがにリアルタイムでは体験していません。
私の生まれる11年前ですね。
幼い頃、見ていたヒーローものといえば
「ウルトラマン」や「ゴレンジャー」が定番ですが
ざっと今思い出してみると他にも
「ミラーマン」、「キカイダー」、「キョーダイン」
「レインボーマン」。。。とかかな。。。
かなりうろ覚えになってはきてますが。。。(苦笑)
そういえば「月光仮面」じゃないですが
小学校低学年の頃、月刊ジャンプで連載されていた
「けっこう仮面」を読んでたら
「おまえにはまだ早い!」って親父に取り上げられたな(笑)

さてさて

本日は「ミノルタオートコード」のカメラ修理を行っています。
ミノルタは国産メーカーとしては2番目に古いメーカーでもあるので
当然、二眼レフも早い時期から多くの種類を生産しています。
最初の二眼レフは1937年のミノルタフレックスⅠですが
ミノルタオートコードは
ミノルタ製二眼レフの集大成といって良いモデルだと思います。
発売は1955年です。
フィルム装填はスタートマーク式のセミオートマットで
セルフコッキングも装備していて非常に使いやすいです。
シャッターユニットはシチズンMXVで最高速は1/400
絞りレバー、SS設定レバーはレンズ両脇に振り分けられ
ビューレンズ上方にSS・絞り値が集中表示されます。
ピント合わせはオートコードの特徴でもある
振り子状のレバーで行います。
レンズは既に写りの良さで非常に評価の高い
ロッコール75mmF3.5を搭載します。
さらに特徴的なのはフィルムの平面性を確保するために
通常の二眼レフとは逆に「上から下」に巻き上げることです。
他の二眼レフを使っているとちょっと戸惑いますね。

オートコードは何度かマイナーチェンジも行われ
露出計の有無等でもいくつかの種類があるのですが
お預かりしているオートコードは
いわゆる「前期型」です。
各部点検整備一式でのご依頼ですが
受付時にご依頼者様からご指摘いただいている
明らかな不具合は「ピントレバーが重い」ということです。
ヘリコイドのグリス固着が原因と思われます。
今回はピントレバーが動かないほど
固着しているわけではないのですが
ガッチリ固着してるものも多く
またその状態で無理に動かしていると
ピントレバーが折れてしまうことが多々あります。
いわゆる「ジャンク扱い」で売られているオートコードには
このピントレバーが折れてしまっているものも多く見かけます。
折れてしまうと交換しか手段がないと思われますが
ここのレバーだけを入手するのは非常に困難です。
ピントレバーの重いオートコードは早めに対策を打つことをお勧めします。

ピントレバーの件に加えて
やはりシャッター羽根や絞り羽根には
若干の粘りが見受けられました。
他、二眼レフでは定番作業ですが
ファインダーミラーは
やはり腐食がそれなりにあるため交換いたしました。
レンズ清掃、巻上部の清掃・注油等々も行い
お預かり時より非常に軽快に動作するようになりました。
私も個人的にオートコードLを持っていて
たまに撮影に使っていますが
オートコードは使い心地も写りもよく非常に良いカメラです。

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