キヤノンFTのカメラ修理

今日は「身体検査の日」だそうですよ。
まぁ、もう身長は縮むことはあっても
伸びることはないだろうし
体重は毎朝計っていますが。。。
うん、何とかしなくちゃいけませんね(汗)
本当にこの歳になると
少々運動したくらいでは体重は落ちません。。。
モチベーションを上げるためにも
病院でインボディで体組成も計ってもらいましょう
そういえば1年位前に計っていろいろショックを受けてから
計っていないや。。。いやあまり改善はされていないとは思いますが。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンFT」のカメラ修理を行っています。
発売は1966年です。
キヤノンFシリーズの中で比較的初期のモデルになります。
測光は絞込み測光です。
このモデルからコンデンサレンズに中にハーフミラーを埋め込み
コンデンサレンズの背後に埋め込まれたCdSで
測光する形になっています。
より正確に測光できることと中心約12%の部分測光になります。
この測光方式はその後、F-1にも継承されます。
フィルム装填はキヤノンお得意のQL(クイックローディング)です。
キヤノンらしい歯切れの良いシャッター音も心地よいカメラです。

お預かりしているFTはご依頼者様のご実家で
眠っていたカメラだそうです。
修理が完成した後に実際に使われるのは
ご依頼者様のお子さまだそうです。
発売当時、高価だったフィルムカメラが
ご家族で受け継がれていくのは
やはり何とも感慨深いものがありますね。

整備前の状況としては
全体的に油切れで動きが悪いです。
スローガバナは固着気味で1秒のシャッタースピードの場合で
5秒以上かかってやっとシャッターが閉じます。
そんな状況なので高速シャッターもやはりダメで
写真の両端でかなり露光量に差が出てしまっている状態です。
加えてたまにミラーアップしたままになってしまいます。
心配されるプリズムの腐食はほぼありませんでした。
(視野外にはあるのですが実際の使用には影響無し)
露出計は動作はしているのですが非常に不安定で
針が全く落ち着きません。
細かく見ていくといろいろありますが
どれも動きが悪くなっていたり接触不良が原因ということで
致命的なトラブルはありません。
しっかしお掃除して注油していけば良い状態になりそうです。

FTもFTbもそうですが上カバーを外した際に
シャッタースピードダイヤルと連動しているノコギリ歯の
位置がずれないように注意します。
これがずれると露出計の設定が狂います。
感度ダイヤルの設定によっては
シャッタースピードダイヤルが1/1000~Bまで
きちんと回らなくなってしまったります。
FTの場合はASA100・1/1000までは露出計が動作しますが
ASA50・1/1000では連動範囲外ということで
露出計はオフになってしまうのが正常ですが
このあたりもノコギリ歯の位置がずれると
おかしな動きになってしまいます。
余談ですがこの頃のキヤノン機は
バッテリーチェックを行う際に構造上
定められた感度・SSにしないと正しい値が得られません。
FTはASA100でSSは「X」
FTbはASA100でSSは1/1000
F-1はASA100でSSは1/2000です。
FTは巻戻しクランクの下の見えにくいところにそれが刻印されています。
FTbやF-1になると背面にシールで貼ってあるだけなので
剥がれ落ちているものも多く
説明書がないとこれを知らないまま使っていることも多いのではと思います。

これから本格的に分解を進め
各動作部の清掃・注油から取り掛かっていきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は特にこれといった記念日がないですねぇ。。。
ところでトップページには少し前から提示してあるのですが
12/30~1/4は年末年始休暇とさせていただきます。
30日はお店の大掃除かな。。。
それ以外は。。。何も予定が決まっておりません(苦笑)
毎年元旦恒例の丹沢登山には
よっぽど荒天でない限りは行こうとは思っていますが。。。
それ以外は結局、仕事してるかも。。。(汗)

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
意外と修理依頼の多いカメラです。
40mmF1.7の大口径レンズを搭載したコンパクトカメラです。
しっかりレンジファインダーも装備しています。
シャッターはプログラムシャッターで
絞り・SSの組み合わせはカメラ任せです。
ピントだけファインダーで合わせて
あとはシャッターを切るだけという操作の簡単なカメラです。
露出計がある程度振れていないと
光量不足と判断されシャッターがロックされます。
そのため露出計を駆動する電池がないと
シャッターは切れない構造になっています。
電池を入れないとシャッターが切れないため
電子制御シャッターかと思われることもあるかもしれませんが
シャッターそのものは機械式制御シャッターです。

35DCの修理は大抵の場合が露出計関連なのですが
今回の35DCも露出計がかなりオーバーに表示されています。
(+4段程度)オートもそれに伴って大幅にオーバーです。
いくらネガがオーバーに強いとはいえ
これはちょっとオーバー過ぎですね。
それも動作確認したのは1.5Vで行ってこの様子のため
本来の1.3Vだともっとオーバー傾向かと思われます。
お預かりしている35DCはバッテリーチェックランプの付いた後期型です。
全開のキヤノネットG-Ⅲもそうですが
35DCも電圧変換型の電池アダプタを使用すると
バッテリーチェックランプが点灯しなくなります。
それもあり今回は1.5Vで使用することを前提に整備を行います。

フラッシュマチックが搭載されているせいもありますが
針挟み込み式のAE専用機の割には
電気系がなかなかややこしいカメラです。
露出計のトラブルは単純にCdSの劣化であれば
まだ良いかと思っていたのですが
そんな単純な問題でもなさそうです。
電池室等は全く問題のない様子です。
まずはシャッターユニットの整備を先に行い
電気系のチェックを行いつつトラブルの原因を探ります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

キヤノネットQL17G-Ⅲのカメラ修理

今日は「プロ野球誕生の日」らしいですよ。
正確に言うとアメリカのチームと対戦するために
現存するチームの中では最古のチームとなる
大日本東京野球倶楽部(読売巨人軍の前身)が創立されたそうです。
だからジャイアンツの誕生日みたいなものですよね。
それにしても。。。来シーズンはどうなるでしょう。。。。
そう毎年毎年優勝できるとは思えないですが
日本シリーズで勝ててないですから
何とか来シーズンもがんばってもらいたいものです。
特に。。。開幕三連戦は気持ちよく勝ってほしいです。
まだ三ヶ月先の話ですが。。。(笑)

さてさて

本日は「キヤノネットQL17G-Ⅲ」のカメラ修理を行っています。
コンパクトで使いやすく、シャッタースピード優先AEだけではなく
マニュアルでも使える(マニュアル時は露出計が使えませんが)
初心者からベテランまで非常に間口の広いモデルです。
初代キヤノネットから一貫して
シャッタースピード優先AE+マニュアルも可という部分は変わっていません。
もちろん何も変わっていないわけではなく
各部非常に進化しており何と言っても非常にコンパクトになりました。
初代キヤノネット発売から11年後の1972年発売のカメラです。
このモデルがキヤノネットシリーズとしての
最終モデルにもなります。

お預かりしているG-Ⅲは
お決まりの絞り羽根粘りもありますが
何といってもファインダーの状態が酷く
二重像が全く見えないほど曇っています。
G-Ⅲでここまでファインダー雲っているのは
ちょっとめずらしいかもしれません。
曇っているのはハーフミラーの蒸着面です。
もちろん清掃ではどうにもならないので
交換が前提となります。

加えて露出計がかなり不安定で
バッテリーチェックが点灯しません。
以前にも書きましたがG-Ⅲのバッテリーチェックランプは
電圧変換型の電池アダプタを使用すると点灯しません。
今回は新品の1.5Vの電池を無変換で入れても
全く点灯しません。
原因を調べてみると電池室のマイナス側端子を
支えているプラスチック部分が破損していて
接触不良となっているようです。
プラスチックは劣化で脆くなりますから
こういうところはどうしても問題が起きますね。

先程、絞り羽根粘りと書きましたが
元々キヤノネットの絞り羽根はちょっと変わった動きをします。
文章で書くと伝わりにくいとは思いますが
例えばマニュアルモード時でシャッターはリリース状態と仮定します。
この状態で絞りリングを絞っていくと
当然、絞り羽根は絞って(閉じて)いきます。
ではそこから今度は絞りリングを開放方向に開いていきます。
絞り羽根は。。。絞ったままで変わりません。
巻上レバーを巻き上げれば絞りリングで設定された絞りまで開きます。
これで正常な動きです。
オート時にはリリース状態のときはその前にシャッターを切ったときの
絞り位置のままになっていて
巻き上げた時に開放になりシャッターを切るときに
露出計と連動して絞っていきます。
絞り羽根が粘っているというのはマニュアル時やオート時に
巻き上げた時に所定の位置まで絞りが戻らない状態です。
。。。。いや。。。。やっぱりわかりにくいですね。。。(苦笑)

これから本格的に分解整備に取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ミノルタニューSR-7のカメラ修理

今日は言うまでもなく「クリスマス・イヴ」ですね。
さすがに今日は他に記念日らしいものもないのですね(苦笑)
クリスマスは25日なのに何故24日のイヴも
祝うのかというとキリスト教会暦では
日没が1日の始まりであり
クリスマスは24日の日没から25日の日没までなのですね。
ちなみに「eve」は夜を意味する古語「even」が語源であり
正確な意味合いとしては先程の1日の始まりの話も合わせると
「クリスマス前夜」ではなく
「クリスマスの夜」という意味ということです。
あぁ。。。そんなことより誰か今夜プレゼント持って来てくれないかなぁ(笑)

さてさて

本日は「ミノルタニューSR-7」のカメラ修理を行っています。
発売は1965年です。この3年前に発売された「SR-7」の
マイナーチェンジ版です。
機能的には「SR-7」とほぼ変わりはないのですが
ダイキャストが一新されており少し小型化されました。
ちなみにこのダイキャストは後に出る「SRT101」のものと共通です。
中身の構造もSRT101に近いものに変更されています。
サイズ以外で外観でわかる変更点としては外光式露出計の感度切替が
背面からレンズマウント部に移動し
バッテリーチェックも底面のスイッチ部に組み込まれました。
接眼レンズはそれまでの伝統の丸形から角型に変更となりました。

お預かりしている「ニューSR-7」は
ご依頼者様がご実家で見つけてきたものだそうです。
やはりかなり長らく仕舞いこまれていたもののようです。
全体的にカビや油切れの症状があちこちに見られます。
それにしてもファインダー内には盛大にカビが発生しているのに
付属しているオートロッコール55mmF1.8は
少々薄クモリは見られますがカビは見られません。
レンズだけ一度、清掃しているのかもしれません。
それにしてはピントリングがかなり重いです。
ボディ側はとりあえずシャッターは動作していますが
やはり油切れで精度は出ていない状況です。
1/1000のSSで実質1/300しか出ていない状況です。
ミラー駆動部にも問題があるようで
たまにレリーズしてもミラーアップするだけで
シャッター幕が走らないことがあるようです。
加えて露出計はかなり不安定です。

露出計はCdSの劣化もあり、できる限りの調整となります。
普通にネガで撮っていただく分には
問題ないレベルにはなると思います。
後でわかったことですが付属する55mmF1.8レンズは
ピント精度が随分狂っていて
指標上5m付近で既に無限遠が出てしまっています。
ボディの整備の後にこちらも調製していきます。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ワルツエレクトリック2.8のカメラ修理

今日は天皇誕生日でもあり
東京タワーが完成した日でもあるのですね。
東京タワーは約4000トンもの鋼材が使用されたそうですが
その中でも特別展望台から上の部分には
朝鮮戦争後にスクラップされたアメリカ軍の戦車が使われているそうです。
当時の日本では良質の鋼材に恵まれず、
またアメリカもとっても戦争でボロボロになった旧式戦車を売却して
新型戦車を製造した方がメリットが大きかったためだそうです。
スカイツリーが完成してもやはり東京のシンボルは
東京タワーかなぁ。。。と思います。
そういえばスカイツリーは近くまで行ったことはあるのだけど
登ったことまだないのです。。。(苦笑)

さてさて

本日は「ワルツエレクトリック2.8」のカメラ修理を行っています。
ワルツといえばフィルターやフード等の
カメラアクセサリーでよく知られたメーカーですが
二眼レフのワゴーフレックス(ワルツフレックス)や
ワルツ35シリーズ等のカメラも1950年代に発売しています。
「ワルツエレクトリック2.8」はセレン光電池を使った露出計を搭載した
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
エレクトリックの名前から電子制御シャッター機をイメージしてしまいますが
機械式レンズシャッター機です。
発売は1960年です。
シャッターは他のカメラでもお馴染みのコパルSVを搭載し
最高速は1/500です。
レンズはWALZER4.5cmF2.8を搭載します。

お預かりしているワルツエレクトリック2.8は
かなり長い間、どこかに仕舞いこまれていたようで
最大の問題はレンズが真っ白に曇っていることです。
曇っている。。。というより濁っている。。。というほうが近い感じです。
通常、レンズのクモリは取れないことも多く
今回もご依頼者様には改善しないリスクもお話していたのですが
結果からいうと多少のうす曇りは残ったものの
何とか普通に撮影に使える状態にはなりました。
当然、通常の清掃では全く改善せず
なかなか苦労しましたが何とかなって一安心です。

レンズは何とかなりそうですが
他にも問題はたくさんあります。
絞りリング、SSリング、巻上等々、操作系が全て激重です。
さらにシャッター羽根、絞り羽根には粘り
スローシャッターは全く効かず全て高速で切れてしまいます。
セレンは生きているもの露出計は非常に不安定です。
フィルムカウンターも動作していないようです。
。。。とはいえ、この辺りの症状は
この年代のカメラであればよくあることで
分解してひとつひとつ、清掃・注油していけば改善すると思われます。
ただ、露出計は全く問題のない精度を出すには
ちょっと難しい状態かな。。。と予想しています。

まずはシャッターユニットの整備から取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパス35ECのカメラ修理

今日は「冬至」ですね!
北半球では太陽の南中高度が最も低く
1年の中で昼が最も短く夜が最も長い日です。
今日は北緯66.6度以北の北極圏全域で極夜となり
南緯66.6度以南の南極圏全域で白夜となります。
柚子湯に入る日でもありますね。
近くの銭湯、柚子湯やってるかな。。。
あとはかぼちゃを食べるだとか「と」の付く食べ物を食べるとか。。。
今夜は「とうふ」。。。うん、湯豆腐だな(笑)

さてさて

今日は「オリンパス35EC」のカメラ修理を行っています。
1960年代後半から1970年代にかけて
発売された「オリンパス35シリーズ」ですが
SP,DC,EC,RC,LE,ED。。。なかなかわかりにくいですね(笑)
35ECは電子制御シャッターによるプログラム露出機です。
最長4秒の露出制御が可能なモデルです。
レンズはEズイコー42mmF2.8を搭載し
シャッターはセイコーESFです。
他のコンパクトカメラでもおなじみのシャッターユニットですね。
ミノルタハイマチックEやF、リコーエルニカ、キヤノデート、
ミランダセンソレット等々、色々なカメラに使われています。
電子制御シャッターの宿命ではありますが
正直なところ場合によっては修理不能の可能性もございます。
ちなみにミノルタハイマチックEとミランダセンソレットについては
現状では当店で修理を行っておりません。

お預かりしている35ECはご依頼者様の
お祖母さんが使っていたカメラだそうです。
タンスの奥でかなり長い間眠っていたそうです。
地元のカメラ屋さんで一度、修理に出したそうなのですが
電池室の腐食が酷く修理不能ということで
戻ってきたのだそうです。
電池室周辺を開けてみると。。。うん、確かに。。。
電池室の端子はもちろん腐食して断線しています。
さらにその後に繋がる端子台も酷く腐食しています。
端子台のさらにその先でシャッターユニットに繋がるのですが
そこのハンダも緑青を噴いています。

まずはシャッターユニットに直接電圧をかけてみて
動作するかどうかを確かめます。
少々不安定ですがとりあえず動作はするようです。
不安定なのはおそらく接点等の汚れが原因だと思われます。
基板内のコンデンサ等の部品がダメな場合だと
正直なところ当店では修理は不可能ですが
この状態なら何とかなりそうです。

動作をある程度確認できたので
本格的にシャッターユニットの整備に取り掛かります。
他、レンズ、ファインダー等にかなりカビも生えているので
もちろんそちらもできる限りの清掃で対処します。

ミノルタSRT101のカメラ修理

今日は「回文の日」だそうですよ。
頭から読んでも後ろから読んでも同じ読みになる文のことですね。
さらに今日は「クロスワードの日」でもあるようです。
何だか言葉に関する記念日の多い日ですね。
こういう言葉遊びは結構好きなので
今回も何かおもしろい回文を考えて書こうかな。。。とも思ったのですが
ちょっと時間がかかりそうなので
また次の機会にでも。。。(汗)

さてさて

本日は「ミノルタSRT101」のカメラ修理を行っています。
SRT系のカメラは月に数台は修理を行っている
修理依頼の多いカメラですね。
修理依頼が多いからといって壊れやすいカメラなわけではありません。
それどころかかなり頑丈なカメラだと思います。
ミノルタ初の開放測光を採用したカメラで
丈夫で使いやすくロングセラーとなったカメラです。
後に出るSRTスーパーやSR505/101も
このSRT101がベースとなっています。
現存台数も非常に多いカメラで
家の押入れから出てきたのがSRTなんて話も多いと思います。
以前にも書きましたが
非常に丈夫なため何十年も動かさずに仕舞いこまれていても
とりあえずシャッターは切れる。。。という個体も多いと思います。
でも大抵の場合、油切れや汚れで
非常に動きにくいところを一生懸命動作している状態なので
精度が出ていないのはもちろん、そのまま無理に使っていると
大きなトラブルに発展しかねません。
SRTに限ったことではないですが何十年も動かしていないカメラは
まずは点検だけでもきちんと行っておくことをお勧めします。

お預かりしているSRT101は
やはりかなり長い間、仕舞いこまれていたもののようです。
ご依頼者様のお子様が使ってみたいということで
それであれば問題ない状態にしてから。。。ということで
当店にやってきました。
まずシャッターは何とか切れていますが
高速シャッターの精度はかなりズレてしまっています。
1/1000の場合で実際には1/400くらいしか出ていない状況です。
スローシャッターにすると何回かに1回の割合で
ミラーアップしたままになってしまいます。
やはり幕軸の汚れと油切れが原因かと思われます。
露出計はとりあえず電源は入るのですが
非常に不安定で動きが落ち着きません。
バッテリーチェックの際も同様です。
スイッチか電池室の接触不良をまずは疑いましたが
それよりもCDS周りのハンダ劣化が原因のようです。

写真は一通り整備が終わって少し様子見をしている段階です。
黒のSRT、カッコ良いですね。
時代的には初期のMCロッコールが当時の組み合わせですが
NewMDレンズも似合いますね。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスペンD2のカメラ修理

今日は「鰤(ぶり)の日」だそうですよ。
ブリ大根はもちろん、お刺身でも煮魚にしても
焼き魚にしてもとっても美味しいですよね!
何にしろ日本酒が進むのは間違いないな。。。(笑)
今でこそブリに限らずお魚は大好きですが
子供の頃は本当に苦手でした。。。
とにかく骨を取るのが面倒で
横着して適当に丸呑みすると骨が喉に引っかかるし。。。
いい思い出があまりありませんが
お刺身だけは子供の頃から好きだったし
特にブリのお刺身は好きだったなぁ。。。
あぁ。。。今夜は帰りにブリのお刺身と日本酒買って帰ろう。。。

さてさて

今日は「オリンパスペンD2」のカメラ修理を行っています。
大口径のレンズと最高速1/500のコパルシャッターを
搭載したペンシリーズの最上位シリーズです。
D2はその名の通り2代目のペンDで
露出計がセレン光電池を使用していたものがCdSに変更になりました。
32mmF1.9のレンズやシャッターユニットは初代ペンDと同様です。
露出計の構造も初代とD2はほぼ変わりなく
単純に受光体がCdSになり、それに伴って電池室が追加されたという構造です。
もともと非常にコンパクトでスペースに余裕のない
ペンDに電池室を追加するということでいろいろ考えたのだと思われますが
電池室はフィルム室内に設置されています。
ローライ35あたりもそうですが
もともと電池室のないコンパクトなカメラに電池室を追加すると
ここにするのが無難なのでしょうね。
フィルム装填中に電池交換をすることはあまりないとは思いますが。。。

お預かりしているペンD2は
まずシャッターが切れません。
レリーズボタンを押してもうんともすんともいわず
レリーズボタンを押さなくても
どこまでも巻上ができ止まりません。。。
まぁこれはシャッター羽根の固着が原因でしょう。
そして露出計もうんともすんとも動きません。。。
電池室に腐食の跡が見受けられます。
おそらく長い間電池を入れたままにしておいたと思われます。
当時の水銀電池(現在の酸化銀電池も)は
液漏れしなくてもガスが発生します。
そのためこの時代のカメラの電池室蓋には
ほとんどの場合、ガス抜きの小さな穴が開けてあります。
それでも長期間電池を入れたままだと
そのガスが原因で電池室端子やハンダ、配線を腐食させてしまいます。
今回も電池室裏側のハンダはもちろん
ボディ上部に繋がる電池室からのリード線と
それに繋がる露出計側の端子まで緑青が付着していました。
当然、リード線はまったく導通していない状態です。
もちろん交換で対応します。

今回、露出計は1.5Vで調整いたしますが
そのままだとアンダーになるのが正しいのですが
1.5Vでも2段オーバーな値を示しています。
最終的には抵抗の調整で適正な値に調整します。

まずはシャッターユニットの清掃・整備から取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「日本人初飛行の日」だそうです。
1910(明治43)年のこの日、東京・代々木錬兵場(現在の代々木公園)で
フランス製の複葉機を使って4分、3000mほど飛んだそうです。
全然関係ないけど「練兵場」って呼び名が懐かしいな。。。
私の通っていた高校の近くに昔の練兵場として使っていた広場があって
じいさんばあさんはそこを「練兵場」って呼んでました。
で、初飛行の話ですが本当は5日前に練習で飛んでしまっていたそうです。。。
ただ公式の飛行予定日ではなかったため
「滑走の勢いで誤って離陸」とされているそうです。

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
元祖軽量コンパクトな一眼レフですね。
現在でも非常に人気が高く修理依頼も多いカメラです。
今回は偶然立て続けに2台、修理依頼が入っているので
一気に2台整備してしまいます。

1台目のOM-1は定番のプリズム腐食、
これまた定番の電池室端子留めの樹脂ネジ破損による
露出計不動です。
プリズムは中古良品と交換で対応し
折れてしまった樹脂ネジは特殊なサイズのため
新たにダイスを使って切り出して作成し交換します。
樹脂ネジを使って絶縁しているのは
大抵モータードライブ対応のMDモデルなのですが
今回はMD未対応の中期モデルです。
(フィルム室にスタッドが2本のタイプ)
ここはもう新品時から交換されていないと
ほぼ間違いなく折れてしまう部品です。
今回は端子のはんだ付けも劣化しており
配線も断線していました。

2台目のOM-1はプリズム腐食は見当たらず。。。
とはいえ、上カバーを開けてみると
ベタベタになったモルトがしっかりと
プリズムに張り付いていました。
正直、よくこの状態で腐食が出ていないな。。。と関心するくらいです。
プリズム外側の塗装が多少傷んでいる程度で
蒸着までは何とか達していないようです。
外側の塗装は劣化モルト除去の後に補修しておきます。
こちらは露出計は精度はともかく動作はしています。
しかしながらシャッター速度が全くダメで
1/1000でも1/500~1/400しか出ていません。
幕軸の動きが悪いようです。

それぞれ、不具合のあるところは修理を行いつつ
今後、トラブルの出ないように一通りの整備を行います。
OM-1は使い心地もよく、基本的な丈夫なカメラですが
やはりその小ささを実現するために
多少、華奢な部分。。。というかデリケートな部分もございます。
定期的に整備を行っていれば問題ないのですが
何十年も動かさずに保管していた個体の場合
まずは一度整備して本格的に使うことをお勧めします。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパスワイドのカメラ修理

毎月17日は「いなりの日」なのだそうです。
もちろん「いなり寿司」のことですね。
ほんのり甘くてふわふわで美味しいですよねぇ。。。
スーパーで売ってるのを結構買っては食べています。
「いなり」の語源は稲荷神社の使いであるキツネが
大好物なのが「油揚げ」だから。。。というところから
来ているようなのですが
なぜキツネの大好物が
油揚げってことになったのでしょうね。。。
。。。と思ってちょっと調べてみたら
元々はお稲荷様にネズミの油揚げを供えていたものが
殺生は良くないということで油揚げに変わったことから
いつのまにかキツネの好物は油揚げ。。。ということになっているようです。

さてさて

本日は「オリンパスワイド」のカメラ修理を行っています。
それまでのレンズ固定型カメラというと
50mmあるいは45mmあたりのレンズを
装備しているのが普通だったのですが
このオリンパスワイドでは35mmレンズを搭載して
発売されました。
この時代にレンズ交換式カメラというと
かなり高価なものだったので
比較的お求め易い価格で広角レンズを装備した
オリンパスワイドは大ヒットし
後に続くワイドカメラブームへの火付け役となりました。
確かに日頃、撮り歩くには50mmとか45mmでは
少し狭い気がしますものね。もちろん好みもありますが。。。
ベースは既に発売されていたオリンパス35です。
オリンパスワイドも何種類か発売されていて
今回、お預かりしているオリンパスワイドは
ワイド2の後期型です。
巻上はノブからレバー式となり
シャッターユニットはコパル製で最高速は1/500です。
レンズはDズイコーW・F.C35mmF3.5です。
特徴は上カバー前面に大きくデザインされている「W」です。
ピントは目測式です。

お預かりしているオリンパスワイドは
とりあえずシャッターは動作しているものの
絞り羽根に油シミがかなり付いているのが確認できます。
シャッター羽根は一見キレイなのですが
この状況だと多少の粘りはあると思われます。
特にこれから寒くなってくるとシャッター、絞りの
羽根粘りは多発する傾向となります。
今回のように絞りに油がついて粘っている状態で
無理に作動させていると
絞り羽根がバラバラに外れてしまう可能性が高いです。
単に外れただけならまだ良いのですが
絞り羽根を留めているピン(ダボ)が破損してしまうと
かなり工数のかかる修理となりますので
絞り羽根に油が滲んでいるカメラは早めに整備されることをお勧めします。

この時代のオリンパス機はレンズの状態が悪いものも多く
曇っているものだともはや修理不可能なことも多いです。
しかしながら今回のワイドはレンズは非常に良い状態です。
清掃すると全く問題のないレベルにキレイになりした。
外装の貼り革も傷んでいる個体が多いのですが
今回は非常に良いコンディションです。
ご依頼者様は最近、入手されたそうですが
これは良いお買い物だと思います。

オリンパスワイドⅡ後期型。。。調べてみると
当時(1959年)の価格で11,500円なのですね。
「安い!」と思われるかもしれないのですが
60年近く前の価格です。
この時代のカメラとしてはお安いですが
それでも現在の価格に換算すると20万円以上の価格だと思われます。
もちろん、その価格に相応しく
しっかり造られた質感の高いカメラです。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。