キヤノンA-1のカメラ修理

今日は11月4日。。。
1979年に日本シリーズで
広島東洋カープが近鉄バファローズを下し
初めて日本一となった日ですね。
忘れもしない3勝3敗で迎えた第7戦
4-3でカープ1点のリード
しかし無視満塁、一打サヨナラ逆転で
日本一は近鉄のものになるという場面
江夏投手が0点で抑えた「江夏の21球」で有名な場面ですね。
テレビ観戦していましたが
子供ながらにあんなに胃が痛くなるような
場面はなかったですね。。。
負けていたらトラウマになっただろうなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノンA-1」のカメラ修理を行っています。
「カメラロボット」と呼ばれ、
当時最新鋭の電子制御システムを搭載した高級機です。
露出モードも、プログラムAE、絞り優先AE
SS優先AE、実絞りAE、フラッシュAE、と
5モードAE搭載というセールスポイントもありました。
1978年発売開始で
キヤノンAシリーズの頂点に君臨するモデルです。

キャノンAシリーズの全てのモデルは
機械的部分のベースはAE-1です。
ということで機械的トラブルはAシリーズ全モデル
同じようなことが起きます。
その最たるものが「シャッター鳴き」で
今回お預かりのA-1にも発生していました。
シャッターを切ると「ギャイン」という
耳障りな音がなるというものです。
音が鳴るだけならまだいいのですが
症状が進むとミラーがゆっくりとしかアップできなくなります。
酷いものになるとミラーが動かず
シャッターが切れなくなる場合も有ります。
他にAシリーズで多いのは巻上鳴きや
オート絞りレバー動作不良によるオート不良あたりでしょうか

現在、出ているトラブルは当然ですが
懸念されるトラブル原因箇所も一通り対処して
組みあがったところです。
露出計やオート精度も調整しています。
これから最終チェックを行って完成になります。

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キヤノネットQL19のカメラ修理

明日は「文化の日」ですが
(当店も祝日のためお休みです)
11月3日といえば子供の頃、近所の神社で
秋祭りが行われる日だったのですね。
で、その前の日の夜は前夜祭みたいな感じで
「よごろ」と呼ばれるお祭りが行われます。
翌日の本番同様露店も出ます。
夜のお祭りということもあり
子供心に非常に楽しみにしていました。
「よごろ」って呼ぶのは広島あるいは呉だけかなぁ。。。

さてさて

本日は「キヤノネットQL19」のカメラ修理を行っています。
1965年に発売されたモデルです。
社会現象にまでなった初代キヤノネットをベースとし
巻上げレバーは底面から一般的な上カバー部へ
受光部はセレン光電池からCDSへ変更されました。
それから忘れてはいけないキヤノンお得意の
「クイックローディング」が搭載されました。
モデル名のQLはその頭文字です。

キヤノネットQL19(17)はその生産時期によって
使用電池が異なります。
どちらにしても1.3Vの水銀電池ですが
まず電池室のフタがバヨネット式のものは
他のカメラでもおなじみのMR9を使用するモデルです。
そして電池室フタがねじ込み式のものは
MR50を使用します。
今回お預かりしているQL19はこちらです。
現在のボタン電池1.5Vで対応できるように
調整いたしますが電池装着には一工夫必要です。

針挟みこみ式のSS優先オートを搭載しますが
これは電池を入れてある程度、露出計の針が振れないと
もちろんシャッターは切れません。
しかしながら今回はマニュアルでも全くシャッターが切れません。
定番のシャッター羽根の粘りも当然ありますが
それよりもシャッターロック機構の動作不良で
レリーズができない状態でした。

写真は整備後です。
露出計も不動でしたがもちろん動くようになりました。
コンパクトカメラと呼ぶにはちょっと大柄ですが
そのぶん余裕を持って作られていると思います。
一般的にはこの後に出てくる
ニューキャノネットやGⅢが人気ですが
初代や「S」、それからこの「QL19」や「QL17」の
余裕のあるしっかりした造りはなかなか魅力的です。

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ニコマートFTNのカメラ修理

今日から11月です。
「1(ワン)1(ワン)・1(ワン)」ということで
「犬の日」だそうですよ。
いつかは私も犬買いたいですねぇ。。。
小型犬もかわいいけど大型犬がいいなぁ。。。
なかなか実現しそうにないのですが。。。

さてさて

本日は「ニコマートFTN」のカメラ修理を行っています。
ニコンFの時代の中級機で1967年の発売開始です。
ニコマートFTシリーズの中でも
このFTNからいわゆる「ガチャガチャ」(絞りリングを往復させる)で
装着レンズの開放F値が自動でセットされるようになりました。
加えてFTNから露出計が中央部重点測光になりました。
ニコマートシリーズの中では最も見かけるモデルだと思います。
それだけ大ヒットしたわけですね。
シャッターはコパル製でこれも非常に丈夫にできています。
色々な箇所で当時のフラッグシップだった「F」に比べると
コストカットされている部分はありますが
非常にしっかりと造られているカメラです。
ニコンらしい質実剛健さに溢れているカメラだと思います。

今回、お預かりしているニコマートFTNは
ご依頼者のお父様のカメラだそうです。
詳細はお聞きしていないのですが
随分長い間使用されていなかったのではないかと思われます。
付属していたニッコールオート50mmF1.4には
相当のカビが付着しており
一部はレンズ表面を完全に侵食しています。
シャッターは何とか動作しますが
油切れあるいは汚れが原因で高速シャッターは精度がでておらず
露出計は全く動きません。

既に一通りの整備は完了しており
駆動部の油が馴染んだ頃に最終チェックを行い
整備完了となる運びです。
ニコマートFTNはシルバーもブラックもそこそこ見かけ
ブラックも精悍で非常にカッコ良いですが
シルバーが似合うよう気もします。

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ニコンFのカメラ修理

今日は「たまごがけごはんの日」だそうですよ。
熱々炊き立てのご飯にたまごをかけて少し醤油をたらし。。。
あぁ、美味しいですよねぇ~
朝ごはんにはもちろん、飲んだ後のシメにもいいですよねぇ
言われてみれば最近食べてないですね。。。
外食やコンビニ弁当が多いせいもあり
熱々炊き立てのご飯が疎遠になってしまっています。。。
たまには家でちゃんとご飯を炊いて
たまごかけご飯と漬物でお腹いっぱい食べたいですね!

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
発売開始から60年近く経とうとしているのに
未だに人気も高く、
もはや伝説のカメラと言っていい存在だと思います。
「F」は14年間もの間、
生産され続けたロングセラーでもあるのですが
生産された時期や製造番号で
小変更が何度か行われています。
「F」のこういった製造番号やそれに伴う変更等の
情報はネット上にもいろいろありますが
人気のモデルだけあって事細かに調べられています。
今回、お預かりしている「F」は
製造番号が730万台でいわゆる「ニューF」と呼ばれるモデルです。
巻上レバーやセルフタイマーレバーが変更になり
後のF2と同じ部品が使われるようになりました。

まずは整備前の状態ですが
一応、一通り動作してはいるのですが
全体的に油切れや汚れのせいで
動きの悪い部分が見受けられます。
特に後幕の動きが悪いようで
先幕に比べると幕速が随分遅くなってしまっています。

計測器ではシャッタースピード
(シャッタースピードに応じた露光量)を測る際に
A:走り始め
B:中央
C:走り終わり
上記3箇所を測定します。
今回の場合、1/1000の場合だと
走り始めはほぼ1/1000くらいの露光量なのですが
中央で1/700、走り終わりには1/400くらいの露光量になってしまいます。
後幕が遅いため、シャッター走行の間に
だんだんスリットの幅が開いていってしまうのですね。
長期間未整備の個体によく見かける状態です。
もちろん完全に合わせることはできないのですが
通常の使用で問題レベルには合わせていきます。
現在の状態だと明らかに写真の両端で
露出が変わってしまう状態です。

最終的には幕テンションで微調整を行いますが
幕軸の清掃・注油でかなり改善されます。
ところでいつも「F」を整備していると思うのですが
上写真にも写っている「Nikon」のネームプレート
分厚くて意外とずっしりしていて
妙に重厚感に溢れる造りです。
今だったら間違いなく軽量でペラペラに作られてしまうのでしょうが。。。
こういうところにも古きよき時代を感じますね。

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スーパーリコーフレックスのカメラ修理

今日は「ホームビデオ記念日」だそうですよ。
ソニー・松下電器・日本ビクターが
世界初の家庭用VTRの規格
「U規格」を発表した日だそうです。(1969年)
ビデオといえば高校生くらいの頃に
録画した「MTV」とか「ミュージックトマト」とかの
VHSビデオテープがまだ家にあるんですよ。
見たいのだけどプレーヤーがない。。。
シンディローパーの初来日ライブのTV放送を
録画したテープもあるなぁ。。。DVDに焼きなおさないと。。。

さてさて

本日は「スーパーリコーフレックス」の修理を行っています。
このリコーフレックスにも様々なモデルが存在しますが
この「スーパーリコーフレックス」輸出専用モデルです。
他のモデルとは全く雰囲気の違った銘板が特徴ですね。
発売は1956年。
シャッタースピードは10、25、50、100、300、の5速とバルブです。

作業は一通り完了していて最終チェックを行っています。
お預かり当初はお決まりのピントリング固着で
ほぼ回らない状態でしたが
現在は指1本でも軽々スムーズに回ります。
加えてこれも定番ですがミラーの曇りが酷かったので
交換で対応しています。

リコーフレックスはプレスボディならではの軽快さが魅力ですが
キレイに仕上げると高級感もあり
レンズコーティングの薄いブルーも
見とれてしまうほど美しいです。
使っても眺めていても楽しいカメラですね!

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リコーオートハーフEのカメラ修理

1972年のこの日(10月27日)に
中国との国交正常化に伴い
パンダの「カンカン」と「ランラン」が日本にやってきました。
これが日本の動物園に初めてやってきたパンダですよね。
「カンカン」と「ランラン」っていう名前が
既に非常に懐かしい感じがします。
つい先日、シャンシャン誕生のニュースが盛り上がりましたが
最初に日本にパンダが来てから45年が経つのですね。

さてさて

本日は「リコーオートハーフE」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判カメラの中では「オリンパスペン」と並んで
非常に高い人気を誇るカメラです。
四角い何ともレトロな佇まいがステキなカメラですね!
オートハーフシリーズもいろいろなモデルがあるのですが
今回の「E」が一番見かけることも多いのではないかと思います。
セレン式の露出計を内蔵し、オート露出で撮影するカメラです。
(フラッシュ時には1/30で絞りはマニュアルで選択)
使用レンズは25mmのF2.8
機能的なハイライトは何と言ってもゼンマイ仕掛けで行う自動巻上ですね。
しっかりバネを巻いておくと非常に軽快に巻上が行われます。
そのルックスとギミック的な部分が注目されがちですが
非常によく写るカメラとしても評価されています。

今回、お預かりのオートハーフは
このタイプのカメラの最大の弱点でもある
セレン光電池が劣化により起電しない状態です。
露出計が動かないと常に絞りは全開でシャッターは切れてしまい
大抵の場合は写真は真っ白になってしまいます。
今回は部品取りからセレンを載せ換えたのですが
起電されているのにまだ露出計は動きません。
調べてみると露出計本体も断線してしまっているようです。

写真は整備完了後に撮ったものです。
手前にあるのが交換したセレンと露出計です。
他、レンズ清掃、シャッターユニット整備
絞りユニット整備等々、各部点検整備一式を行いました。
非常に快適に動作する状態に仕上がったと思います。

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オリンパスSCのカメラ修理

10月27日といえば。。。
1986年の日本シリーズ第8戦(第8戦まで行ったのは史上初)で
我らがカープが西武ライオンズに負けて日本一を逃した日ですね。。。
このときのことはよく覚えていて
第1戦は9回にカープが追いついて延長14回引き分け
それからカープが3連勝し王手をかけたものの
まさかの4連敗で結局勝てなかったのですねぇ。。。
そのときの最高殊勲選手が現ソフトバンク監督の工藤選手。。。
できれば今年リベンジを果たしたかったのですが。。。(涙)

さてさて

本日は「オリンパスSC」のカメラ修理を行っています。
意外と見かけることの少ないカメラかと思います。
前モデルの「オリンパスS」はセレン式露出計だったのですが
この「SC」でCDSを使用した露出計になりました。
ただし、上カバーのモデル名は「OLYMPUS-S」のままなので
「オリンパスSC」と聞いて
すぐピンとくる方は少ないのではないかと思います。
発売は1963年。Gズイコー42mmF1.8のレンズを搭載します。
シャッターはコパル製で1秒~1/500です。

ちょっと写真ではわかりにくいですが
ファインダーやCDSの窓の部分に「ひさし」がかかっているようで
なかなか凝ったデザインです。

今回、お預かりしているオリンパスSCは
まず絞り羽根が1枚脱落してしまっているようです。
絞りを絞っていくと絞りの形がいびつな形になっていきます。
おそらく絞り羽根が固着気味なところで
動かしてしまい留めているピンが外れてしまったのだと思われます。
今回のお話ではないのですが
絞りリングの動きが重い場合は無理に動かすと
今回と同様に羽根が外れてしまったり
酷い場合には留めているピン(ダボ)が脱落してしまうこともあるので
無理をせずに修理に出すことをお勧めします。

加えてシャッター羽根にも少し粘りが見られるようです。
CDS使用の露出計はほとんど動かない状態です。

まずはシャッターユニット及び絞り部分の整備か始めます。
露出計制御のため絞り・SSリングと連動する摺動抵抗も
組み込まれているのですが
ここの劣化は激しく完全には直らないかもしれません。
できる限りの調整で対応いたします。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は「柿の日」ということですよ。
スーパーに柿が並び始めると
秋が深まってきたなぁ。。。という感じがしますね。
ちょっと意外なのですが
柑橘類よりもビタミンCを非常に多く含みます。
タンニンも含有しアルコールの分解を
助ける効果もあるとのことです。
いいことばかりですね!
早速今日の帰りにスーパーで買って帰りましょう(笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
当店のカメラ修理の中でも
依頼件数で1,2を争うカメラですね。
中級機ですが非常にしっかりと作られており
使っていても安心感の高いカメラです。
露出計の指針が2本あるタイプで
非常に視認性が高く、絞り値もファインダー内で
確認できるため、マニュアル時にも非常に使いやすいです。
電子制御シャッターであるが故に
基板関連の故障が多いと思われがちですが
意外と基板交換になることは少なく
丈夫なカメラだと思います。

今回お預かりしているFEは
元々ご依頼者様の親御様のカメラだそうです。
外観は非常にキレイで大切に扱われてきたことがわかります。
ただ、高速シャッターは調子が悪く
1/1000は1/2000で切れ
1/500は1/1000で切れているような状況です。
この症状がもう少し進むと
1/1000は開かなくなりそうですね。
幕速の状況から見ると先幕の動きが悪いようです。
まずはシャッター羽根の清掃を行い
その上で電気的にSSの調整を行います。

FEは1978年発売のカメラですが
この頃の電子基板はまだシンプルで扱いやすいほうですね。
これが80年代になると基盤を外すだけでも
かなりの手間がかかるようになっていきます。
これから本格的に各部分解整備一式に取り掛かります。

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オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「世界パスタデー」だそうですよ。
パスタといえばやっぱり「スパゲッティ」ですよね!
最近そういえばご無沙汰かも。。。
クリームソースの濃厚な
美味しいスパゲッティ食べに行きたいなぁ。。。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
1971年発売。搭載レンズは40mmF1.7です。
このレンズの評判がまた良いですよね。
露出はプログラムオートのみです。
シャッター制御は機械式制御ですが
針挟み込み式のオート露出で光量不足の場合は
シャッターロックがかかるので
電池を入れないとシャッターを切ることはできません。

今回は全くの偶然なのですが
別々のご依頼者様から立て続けに35DCの依頼をお受けしました。
なので今回は2台まとめてご紹介します。

1台は前期モデル、1台は後期モデルですね。
基本的な構造はほぼ同一です。
どちらも外装の状態もよくキレイな個体です。
2台とも各部点検整備一式を行いますが
現状、2台とも露出計周りにトラブルを抱えています。

まずは前期モデルのほうですが
一見露出計は動いていてシャッターは切れるのですが
明るさが変わってもファインダー内指針の位置が
なかなか変化しません。
何度かシャッター半押しをしているとようやく
正しい位置(と言っても随分アンダーにズレているのですが)に
落ち着きます。
どうやらボディ底部にある露出計の針が
どこかにひっかかるようです。
35DCは実際の露出計はボディの底部にあり
シャッター半押しで針を挟み込んだときに
挟み込み機構に連動したファインダー内指針が動作する仕組みです。
露出計のSWはありませんので
常に露出計は動作しているのですが
実際の値はシャッター半押ししたときに初めてわかるようになっています。

もう1台の後期モデルのほうも
随分露出計はアンダー目に振れているようです。
(ちなみにどちらも1.3Vでテストしています)
こちらは晴れた屋外のような明るい場所だと
まずまず動作するのですが
暗い場所にレンズを向けてもあまり指針が下がりません。
試しに薄暗い場所でレンズキャップをして試してみても
指針は「1/60 \f4」あたりを指しています。
「これも何か引っかかって下がらないのかな。。。」とも思いましたが
試しに電池を抜いてシャッターを半押ししてみると
指針はちゃんと下がってシャッターロックがかかります。
実際は分解してみてはっきりわかったのですが
受光体(CDS)の劣化が原因で
光が当たらなくても抵抗値が上がらないことが原因でした。
中古良品のCDSに交換することで対処します。

作業はもちろん1台ずつ行いますが
それぞれ分解を進めて
他にも不具合がないか
各部点検整備一式を行いつつ
不具合箇所を修理していきます。

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ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「霜降」ですね。
露が霜となって降り始める頃、ということですが
関東平野部ではさすがに霜にはまだ早いですかね。
とはいっても霜降になると
平野部でも本格的紅葉シーズンが始まる頃です。
どこにいつ撮りに行くのか考えなくてはいけませんね!

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
フォトミックAファインダーは従来のフォトミックファインダーを
Ai対応としたものですね。
F2が販売されていた時期は非AiレンズからAiレンズへの
過渡期にあたりますので露出計を備えた
フォトミックファインダーも非Ai対応のものと
Ai対応のものとがございます。
不変のFマウントではありますが
ボディによっては非Aiレンズを無理に装着すると
トラブルの原因になる場合がございますので注意が必要です。
この辺はフィルム時代のニコンユーザーなら常識なのでしょうが
馴染みのない方からするとわかりにくいところでしょうね。

今回のF2フォトミックAは
フォトミックファインダー最大のポイントである
露出計が全く動作しません。
F2の場合はその原因は多くの場合、ファインダー側ではなく
ボディ側であることが多いのですが
今回もやはりボディ側に原因がありました。
定番ではありますが
電池室の端子を支えるステーが折れてしまっています。
今回は折れているだけではなく端子根元部分が
完全に腐食してしまっていて断線してしまっています。
これでは電源は入りません。
さらに今回はそこだけではありませんでした。
F2は巻上レバーの出し入れで露出計をon/offしており
そのSWはボディ底部にあるのですが
そのSW部分が緑青で覆われてしまっています。
これも緑青を落とし通電するように修理していきます。

真ん中付近にぽつんと写っているのが
根元の折れてしまった電池室端子ステーですね。
右下に合成している写真はon/off・SW部分です。
これで何とか電源は入るようになったのですが
もちろんファインダー側も随分露出計がズレてしまっているので
調整が必要です。
ボディ側はシャッター幕軸・ミラー駆動部・巻上部等々の
清掃・注油を行った上での調整を行い
ファインダー部の点検整備調整へと作業を進めていきます。

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