リコーフレックスニューダイヤのカメラ修理

今日は「恋人の日」ということですよ。
去年もこれ「私には縁がないなぁ」って書いた記憶が。。。(汗)
ブラジル・サンパウロ地方ではこの日に
この日に写真立てに自分の写真を入れて交換する習慣があるそうです。
うーん、とりあえずセルフポートレート撮って
準備だけしておくか。。。(笑)

さてさて

本日は「リコーフレックスニューダイヤ」のカメラ修理を行っています。
「リコフレ」といえばプレスボディのタイプを
(ギアを回して前玉回転式でピントを合わせるもの)
イメージされる方も多いと思いますが
ダイヤシリーズはダイキャストボディのタイプです。
ピントもヘリコイド式で左右のレバーを使って操作します。
プレスボディよりは大きく重くなってしまいましたが
その分、造りはしっかりとしたものに進化したモデルです。
1956年の発売開始です。

今回お預かりしている「ニューダイヤ」は
ご依頼者様のお父様が使っていたものだそうです。
ご依頼者ご本人はこれを使ったことはなく
これを機会に是非フィルムで写真を撮ってみたいとのことです。
随分長い間動作はしていなかったとみえ
いろいろな部分で動きの悪くなった部分が見受けられます。
まずは現状を把握するために
テスト用の120フィルムを入れて
普通の撮影時の動作を一通り行ってみます。
ダイヤはセルフコッキングこそありませんが
フィルム装填はスタートマーク方式です。
スタートマークに合わせて
巻き上げていくとカウンター「1」が出たところで
巻上が止まって。。。あれ?止まりません。
カウンターは1で止まっているのですが
どこまでも巻上ができてしまいます。
巻止めが効かないようです。
他、レンズのクモリ、ファインダーの汚れ
スローガバナの粘り等々が見受けられます。

まず最初に巻止め不良から修理していきます。
巻止めの部品そのものはきちんと動作しているのですが
巻止めの爪先端部が磨耗していて
全くギアにかからないようです。
部品取用の別ボディから巻止め爪を移植して修理いたします。
巻上部が完了したところで
今度はボディ全面部のヘリコイド、シャッターユニット
レンズ、ファインダー等々の修理に取り掛かります。

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オリンパスペンFTのカメラ修理

今日、6月11日はいわゆる「入梅」であり
「傘の日」であり、「雨漏り点検の日」でもあるのですね。
都内は曇ってはいますが傘の出番はなさそうです。
毎年、この時期になると
ビニール傘じゃなくて
ちょっと持ってて嬉しくなるような良い傘が欲しいなぁ。。。と
思うのですが
そういう傘、買うとどこかに忘れてくるのですよね。
うーん、でも今度の休みに傘見に行こうかな。。。(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
孤高のハーフ判一眼レフである「ペンFシリーズ」ですが
「ペンF」発売から3年後の1966年、「FT」が発売されました。
最も大きな違いは露出計が搭載されたことだと思います。
他にもセルフタイマーが付き、スクリーンはマイクロプリズムとなり
巻上が2回巻上から1回巻上になりました。

今回、お預かりしたFTはミラー駆動部に問題があり
ミラーが完全に上がりきらないため
シャッターが走らない。。。という状態でした。
FTのセールスポイントである露出計は電池を入れても
全く動きません。

ミラー駆動周りのトラブルはペンFシリーズ全体に
よく見られるトラブルです。
何らかの理由で駆動部の動きが悪いことが多く
さらに長年の間に駆動バネのテンションが
抜けてしまっていることも多く見受けられます。
露出計は電池室からのリード線が腐食しているようです。

写真は整備完了後です。
この独特のフォルムも魅力のひとつですよね。
ペンFTは露出計を搭載するために
Fでは通常のミラーを使っている部分に
ハーフミラーを使っていてミラーの後ろに受光部を設置しています。
その影響で若干、Fに比べるとファインダーは暗いですが
実際に使う上では大きな影響はないと思います。
ロータリーシャッターといい
プリズムを多用したファインダーシステムといい
他のカメラには見られないメカが満載されたカメラです。
カメラに興味を持った方、誰もが一度は
欲しくなるカメラだと思います。

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ミノルチナSのカメラ修理

今日は「ミルクキャラメルの日」だそうです。
森永のミルクキャラメルですね。
今でもパッケージは昔のままというの嬉しいですね。
遠足といえば必ずミルクキャラメルが
間食に入っていたような気がします。
今でも山登りするときは
行動食として袋入りのミルクキャラメルを
持っていくことが多いです。
一袋、結構あっという間になくなりますが。。。
うん、何だか食べたくなってきた。あとで買ってこよう(笑)

さてさて

今日は「ミノルチナS」のカメラ修理を行っています。
当時、世界一、薄いレンジファインダー機を目指して
作られたミノルタの意欲作です。
発売は1964年です。
当時はAEカメラはともかく
マニュアルで撮影するような本格派のカメラは
大きくて当たり前。。という風潮もあり
ミノルチナは実際にはなかなか販売が伸びなかったそうです。
今の感覚だと当然同じ機能なら小さいほうがいいですよね。
少し小さめとはいえミノルチナは安っぽさは微塵もなく
40mmF1.8の大口径レンズを備えた高級コンパクトです。
今でも根強いファンが多いのもうなづけます。

今回、お預かりしたミノルチナは
シャッターは快調に切れており
心配されるセレンもまずまずの値を示しています。
一見、何の問題もなさそうなのですが
ファインダーを覗くと。。。二重像が全く見えません。。。
像が薄いとかいうレベルではなく全く見えません。
で、ブライトフレームは一応見えているのですが
大きく斜めに傾いています。。。
ファインダー内ハーフミラーの取り付けがズレている、あるいは
外れかかっているようです。

現状のファインダーを見てみると
やはりハーフミラーは接着が外れてグラグラでした
ハーフミラーそのものも蒸着剥がれが酷いため
今回はハーフミラーを交換いたします。

ファインダーの処置は後から行うとして
まずはこれから分解を進めレンズボードを外し
シャッターユニットやレンズの清掃から取り掛かります。

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コニカC35のカメラ修理

今日は6月9日ということで
「ロックの日」です。
音楽の「Rock」の日でもあり
鍵の「Lock」の日でもあるらしいです。
音楽のロックと言っても
そのジャンル分けも非常に曖昧な気がします。
一番、ロックらしいロックを聴いてたのは
やはり中学生~高校卒業するまでだったかなぁ。。。
基本的に一度購入した音楽ソフト(レコードやCD)は
処分せずにずっと持っているタイプなので
自宅には懐かしいレコードやCDが溢れています。
では今夜あたりは帰宅したら
何か懐かしいレコードでもかけて聴きましょう(笑)

さてさて

本日は「コニカC35」のカメラ修理を行っています。
「ジャーニーコニカ」で一世を風靡した
ベストセラーモデルです。
初代C35は1968年発売ですが
これをベースとして何種類かの派生モデルも作られました。
今回、お預かりしているのはC35E&Lというモデルで
ベースとなるC35から距離計とセルフタイマーを省略し
よりシンプルとなったモデルです。
目測で大体のピントを決めておいて
スナップをスピーディーに撮るには最適なモデルだと思います。

今回、お預かりのC35E&Lは
まずシャッターを切ったときに絞り兼用のシャッター羽根は
素早く開くのですが閉じるときの動作が
非常にゆっくりで、たまに少し開いたままになってしまいます。
これでは全ての写真が真っ白に露出オーバーとなってしまいます。
加えて露出計が全く動作いたしません。
露出計の指針によってオート露出を制御するカメラなので
これではとても普通に使うことはできません。

露出計不動は電池室裏でプラスとマイナスが
ショートしてしまっているようです。
シャッター羽根の動作不良は
C35特有の羽根を動作させる羽根車の動作不良が原因です。
どちらにしてもレンズボードを外して
全体的にも点検整備一式をこれから行います。

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オリンパスXAのカメラ修理

今日は「ヴァイキングの日」と聞いて。。。
まずはホテルとかの朝食でよくある
「バイキング」を真っ先に思い浮かべましたが
そうではなくて「北欧の海賊」のほうの「ヴァイキング」ですね。。。(笑)
どれだけ食い意地張ってるのやら。。。

さてさて

本日は「オリンパスXA」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1979年。オリンパスにはコンパクトで
独創的なカメラが多いですが
このXAも「クラムシェル」と呼ばれた
スライド式のレンズカバーが非常に特徴的なモデルです。
このカメラ以降、スライド式レンズカバーのカメラが
たくさん出てきましたね。

XAには今回の初代XAから
XA1、2、3、4とシリーズ化されるわけですが
この初代XAのみがレンジファインダー(距離計)を備えます。
やはり目測よりは距離計があったほうが便利ですよね
距離計を備えて、ハーフではなく通常の35mmフォーマットで
この大きさというのは本当に画期的だと思います。
同社のハーフ判カメラ「オリンパスペン」よりも
ほんの少し小さいほどです。

お預かりしたXAはピントレバーが固着してしまい
全く動きません。この症状、XAには比較的多いトラブルです。

ところでXAは絞り優先オートで露出を行い
現在、セットされている絞りに対応する
SSをファインダー内に表示するのですが
このファインダー内の露出計は
実際にオートを制御する露出計とは別物です
オートを制御のためのCDS(受光部)は別にあって
その抵抗によって変化する電流によって
シャッターユニットを駆動しSSを決定します。

オート制御に関しては調整がきちんとできる構造になっているのですが
ファインダー内露出計に関しては調整ができるようになっていません。

さらにこのファインダー表示用露出計?のためのCDS(受光部)は
ほとんどのものが劣化してしまっているようです。
(感覚的に5台チェックすると正常なのは1台あるかないか。。。)
正常なCDSを見つけることが非常に困難なため
この部分に関しては修理不能とさせていただいております。

今回お預かりしているXAもファインダー内表示は
1.5段ほどオーバーになってしまっています。
もちろんオートは調整いたしましたので
正しい露出では動作するのですが
ファインダー表示だけが少しズレている状況です。
不思議なことにオート制御用のCDSが劣化しているものは
あまり見かけません。
おまけにファインダー表示用とオート制御用のCDSは特性が違っているため
入れ替えることもできません。

ファインダー内表示の件は残念ですが
他の部分に関しては各部点検整備一式で
非常に快適に動作するようになりました。
デザインも良く、この大きさで
プログラム露出でなく、絞り優先AEが使え
距離計も搭載。。。。普段カバンに忍ばせて
常に持って歩くカメラとしては最適なスペックを備えていると思います。

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ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「緑内障を考える日」だそうですよ。
緑内障に限らず、目は本当に大事にしなくちゃいけませんね。
失明までいたらずとも目が見えにくくなって
手元が見えなくなれば、私もこの仕事やっていけなくなっちゃいます。
日頃から気をつけること。。。っていっても
なかなか難しいのですが
あまり過度な負担をかけないようにしなければいけませんね。

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
少々久しぶりの登場のSPですが
お手軽なM42マウント機ということで
現在でも高い人気を誇る一眼レフです。

発売開始は1964年
50年以上前のカメラですから
未整備のままだといろいろなトラブルが発生します。

今回、お預かりしたSPは外観はかなりキレイなブラックです。
しかしながらシャッターの動きはかなり悪くなっているようで
1/1000に設定しても1/500~1/350くらいで切れているようです。
それから露出計SWはオンにしていても
シャッターを切れば自動でオフにならなければならないのですが
ここも動きが悪くオンになったままです。

さらに露出計はSSダイヤル下の抵抗劣化が原因で
SSを1段動かすだけで必要以上に指針が変化してしまいます。
(ちょっと大げさに言うとF16・1/125で真ん中に合っている指針が
F16・1/60にすると上に振り切ってしまうような状態)

これでは例えば1/125で露出計を正しく合わせても
1/250では全く合わない。。。といった状況になります。
実はこれ、既に状態の良い抵抗が中古個体にも
かなり少なくなってしまっています。
今回は手持ちの中古部品の中から
なるべく誤差の少ないものを選んで移植することで対応します。

SPといえばプリズム腐食が定番ですが
今回は腐食は全くありませんでした。
まずはシャッター幕軸周りの整備から始めます。
これから分解を進めていきます。

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ニコンFEのカメラ修理

今日は6月5日ということで。。。
「老後の日」(6・5)だそうですよ。。。
私も50手前のおじさんだから
老後の心配しなくちゃいけないのでしょうねぇ
あまり長生きできないような気もしますが
生きている間は何とか元気でいたいですねぇ
とはいいながら。。。まだまだ老後どころか
今日1日のことで頭がいっぱいなのが現実かな(笑)

さてさて

本日は「ニコンFE」のカメラ修理を行っています。
1978年発売、電子制御シャッター搭載で
マニュアル露出はもちろん、絞り優先AEでも
非常に使いやすいカメラです。
露出計の視認性が非常に良く
マニュアル時には露出計のメーター指針と
シャッタースピード指針を合わせることによって
露出を決定します。
絞り値もファインダー内で確認でき
露出コントロールが非常にやりやすいカメラです。
後継のFE2では固定式となってしまった
Ai連動爪もこのFEでは可倒式で
非Aiレンズの装着も可能です。
個人的にも好きなカメラのひとつです。

今回、お預かりしているFEは昔からご依頼者様が
持っていたものですが、長い間使われずに
仕舞いこまれていたもののようです。
全体的に錆びによる固着であちこちのボタンが
動かなくなっており
まずはシャッターボタンを押しこむことが全くできません。
他、露出補正ロックボタンや巻戻しボタンも
固着して押し込めない状態です。
サビを落としたりボタンを磨いたり注油することによって
やっとシャッターボタンは押せるようになりました。
まずはシャッターの状態を見るために測定してみると
高速シャッターはほぼ開かない状態です。
シャッター羽根の根元等に汚れがあって
動きが悪くなっているものと考えられます。

上カバーまわりのみでなく
カバー内の基板にまでサビが拡がっていたら
修理はかなり困難だと思われましたが
基板は無事なようです。
余談ですが写真にも写っていますが
ニコンFE・FM系(ニコマートも)には
接眼レンズ下に座布団のようにモルトが貼ってあります。
当然のことですが今回もボロボロに腐食しています。
この腐食したモルトのクズがシャッターユニットに入り込むと
(入り込みにくいようにカバーリングはしてあるのですが)
色々なトラブルの基となります。もちろん今回も交換いたします。

現状が大まかに把握できたところで
これから本格的に分解整備に取り掛かります。

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ミノルタXEのカメラ修理

今日は6月4日ということで「虫(6・4)の日」だそうです。
今考えると、子供の頃はなんであんなに
虫(昆虫)が好きだったんでしょうねぇ。。。
カブトムシやクワガタはもちろん、蝶やトンボ、バッタやキリギリス
タガメやゲンゴロウ。。。年中色んな虫を追いかけてました。
今は。。。とても触れない。。。(笑)
山登りで昆虫を見かけても写真は撮りますが
とても手に取ろうとは思いませんねぇ。。。

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
巻上感触の素晴らしく使い心地の良いカメラです。
最近、XEの修理依頼が増えてきたような気がします。

今回、お預かりしているXEは
非常にキレイな外装のブラックボディです。
XEといえば最大の問題はプリズム腐食ですが
今回の個体にはプリズム腐食は見られません。
しかしながらプリズムを取り出してみると
モルトに接している部分の塗装が
かなり劣化していました。このまま放置しておくと
近いうちに蒸着面まで侵食されそうな状態でした。

ご依頼者様のお話では
「シャッターは普通に切れているようだ」とのことでした。
まずは現状を確認するため
SS測定から。。。1/1000、まずまず、いい値です。
1/500・・・「パシャッ」、シャッター開かず、ファインダー真っ暗
「あれれ???」
そうなんです。測定中にミラーアップしたままになってしまいました。
これ以降、機械的に動作するXとB以外は全てミラーアップです。
ちなみにこの状態でシャッターは切れても全く開いていません。
これもXEでよくあるトラブルです。
それまで普通に使えていても突然起こる可能性があります。
要はシャッターを制御するマグネットに電圧が不足することで起こります。
原因は1箇所に特定できずいくつか起こりうる原因箇所が考えられます。
場合によっては修理不能の場合もございます。
少々やっかいなトラブルです。

今回は何とか原因箇所も特定できて
修理することができました。
他、これまた定番の「露出計が振り切ってししまう」という
症状も出ていました。
これは以前も書いたような気がしますが
巻戻しクランク下の摺動抵抗の汚れ・劣化が原因です。

写真左にぶら下がっているのが問題の抵抗です。
今回は一見金ピカでキレイなのですが
汚れが付着しているようです。
見た目に真っ茶色に変色してしまっているものもありますが
そうなっていると交換しないと直らない場合も多いです。

各種調整も終わり作業は一通り完了です。
念のため、何日間か放置して
再度、最終調整とチェックを行う予定です。

ちょっと大柄で重いですが
XEは非常に良いカメラですね!

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ニコンFのカメラ修理

今日は何の日かな。。。と思って調べていたら
「ケロミンの日」。。。ケロミンって何???ということで
少し調べたら電子楽器なんですね。知らなかった。。。
そして。。。ケロミンって大きいんですね。
赤ちゃんくらいの大きさ、値段も結構な値段です。
でもこういう直感的に演奏できる楽器っていいかもしれませんね
ちょっと楽しそう。。。(笑)

さてさて

本日は「ニコンF」のカメラ修理を行っています。
「ニコンF」といえば、色々なエピソードとともに
今や伝説となっている一眼レフですね。
そのオーバークオリティともいえる頑強さや
ニッコールレンズの解像力の高さが
話題になることが多いですが
個人的には使い心地が非常に気持ちよいカメラだと思っています。
巻上のスムーズさやその感触
意外と音量も小さく耳障りの良いシャッター音
明るいとはいいませんがピントの山のつかみ易いファインダー
シャッターボタンの位置が使いにくいなんて声も聞きますが
私も長年使っていますがあまり使いにくさを感じたことはありません
(他のカメラと比べて初めて気づく程度)

そんな「F」ですが
今回、お預かりした「F」はご依頼者様が随分以前から
使われている個体のようです。
ご指摘をいただいている症状は
「スローシャッターが固着し開きっぱなしになる」
F、F2では定番のスローガバナーの固着です。
単に注油すれば直るというものでもなく
古い油や汚れ、サビを落としてやらないと
なかなか根本的な解決にはなりません。
長い間、未整備ということで動きの悪いとこは他にも多く
シャッタースピードも高速側では
走り始めと走り終わりにかなり露光時間差が出てしまっています。
シャッター幕軸等々の清掃・注油が必要な状態です。

写真は整備後でレンズは当店のテスト用レンズを装着しています。
スローはもちろん、シャッターは各速度、精度も出ています。
巻上もお預かり時よりスムーズになりました。
こうしてみるとやはり文句ナシにカッコ良いですね。

機械制御シャッターのカメラは
「修理すればいつまでも使える」といわれることもありますが
実際は部品の破損・変形等が発生すると
その部品、あるいは代替部品が用意できずに
修理不可能になる場合もございます。
長く使うためにはやはり壊れる前に
定期的に点検し必要があれば整備を行う、といった
予防策が必要だと思います。
とりあえず動作しているから大丈夫。。。という過信には
気をつけていただければと思います。

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オリンパスOM10のカメラ修理

今日は6月2日ということで
「路地の日」(六(ロ)二(ジ))らしいですよ。
カメラぶら下げて
小さな路地を歩くのって
楽しいですよね。
それがちょっと古めかしい路地だったらさらに楽しい。。。
なんてことを考えていたら
尾道に行きたくなりました。。。
レトロな小さな路地がたくさんあって楽しいのですよねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパスOM10」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1979年、当時各メーカーが販売していた
「絞り優先AE専用のエントリーモデル」です。
エントリーモデルとはいいながら
このOM10は基本的構造はOM-2をベースとし
部品点数を大幅に減らし機能を簡略化することで
エントリーモデルに仕立て上げたカメラです。
別売りのマニュアルアダプターを使用すれば
マニュアル露出にも対応できます。
巻上やシャッター音はOMシリーズ共通の上品なもので
なかなか使い心地も良いカメラです。

今回、お預かりしたOM10は
精悍なブラックボディで外装の状態もキレイです。

OM10は電子制御シャッターなので
電池がないとシャッターは切れませんが
電池が入っていれば電源SWはオフでも
シャッターは切れ、オートも働きます。
電源SWは簡単に言えばファインダー内露出計のSWということなのですね。
余談ですがOM10(OM-2もですが)は
TTLダイレクト測光のためオート時の露出は
ミラーボックス内のCDSで測光します。
しかしながらファインダー内表示の露出計は
ファインダー内で測光しているため
ファインダー内表示が正しくてもオートが正しくないトラブルが発生します。
今回の個体は問題ございませんでしたが
ダイレクト測光関連のトラブルは修理不能の可能性が高いです。

話が随分脱線しましたが
今回の個体はファインダー内露出計のオンオフが
うまく制御されません。
電源SWをオンにしてもファインダー内露出計が起動せず
起動したとしてもオートパワーオフが働いた後に
シャッターボタン周りの復帰ボタンを押してもなかなか復帰しません
原因はひとつではなく
電源SW部、オートパワーオフ復帰ボタン、
それぞれが接触不良を起こしているようです。

他オート調整、露出計調整、モルト交換、ミラー駆動部の点検整備
一通りの整備を行い、すっかり快適に動作するようになりました。

オリンパスらしいコンパクトでカッコ良いカメラですね。
これからフィルムカメラを始めるという方にも良いカメラだと思います。

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