カテゴリー別アーカイブ: カメラ修理

オリンパスOM-1Nのカメラ修理

今日は「道の駅の日」だそうですよ。
103ヵ所の「道の駅」が
第1回登録された1993(平成5)年4月22日が由来となっています。
今では全国で「道の駅」の全国登録数は1173ヵ所もあるのだそうです。
(2020年3月時点)
クルマやバイクで遠出すると「道の駅」の存在はありがたいですよね。
休憩に持って来いですし
知らない土地に行くとその土地ならではの特産品が売っているところも
意外と見つけられなかったりするのですが
「道の駅」があると気軽に立ち寄れますし
食事だって気軽にできるところも多いです。
駐車場もわかりやすくて広さにも大抵余裕があり
立ち寄りやすいっていうことろが一番メリットかとも思います。
個人的には今はクルマも持ってないですし
そこまでメリットを享受することも少ないのですが…(苦笑)
身体も自由でクルマもあって元気もたくさんあった少し前は
山登りに長野や山梨に行った帰りに
あちこちの「道の駅」によって手土産を買って帰ってました。
本格的な登山はもう無理でもまたあの辺りには
近いうちにあちこち訪れてみたいですね!

さてさて

そんなちょっとした遠出のお供にも最適な
軽量コンパクトな一眼レフの代名詞、「オリンパスOM-1」の
カメラ修理を今日は行っています。
今回の「OM-1」は正確に言うと1979年に発売された
マイナーチェンジモデル「OM-1N」です。
機能的にはアクセサリーシュー4と専用フラッシュ使用時に
フラッシュ充電完了表示確認、フラッシュ適正発光表示確認が
ファインダー内で可能になったことくらいが変更箇所で
他の機能や操作系には全く変更はございません。
内部的にも基本的な構造に変更はございませんが
OM-1は「N」以前のものでも細かな内部変更は
数多くされいて「N」に変更なった際にも
かなりの細かな変更が行われています。
修理整備を行う立場で一番の変更箇所は
露出計SWの構造の変更ですが
これも正確に言うと「N」発売直前の「OM-1」でも
既に変更が行われていました。
他、露出計本体のアース箇所や
露出計・基盤・プリズムが載せられる樹脂性枠部分の構造にも
大きな変更がありこのあたりをしっかり理解していないと
露出計周りの修理にかなり戸惑うことになってしまいます。

今回お預かりの「1N」も露出計トラブルが最も大きなトラブルで
まずは露出計が電池を入れても全く動作しません。
こういったケースで一番に疑われるのが
電池室周りの端子や配線の不良ですが
今回はそのあたりに全く問題はなく
テスターであたっても基盤入り口までしっかり電圧は来ています。
…となると次に疑わしいのは露出計本体の異常で
本体がダメでメーター交換となるとOM-1の場合は
一気に手間が増えるのでできれば避けたいところですが
今回はメーター本体には特に異常は見受けられませんでした。
これもある程度分解してみないとわからないのが
なかなか難しいところです…
そうなってくると次に怪しいのはSW周りです。
OM-1は先述したように「N」になる直前に
SW周りに大きな構造変更が行われているのですが
従来タイプも新タイプも
SW周りのトラブルは正直言って「かなり多い」です。
今回も結局はSW接点の接触不良と
そこからの配線にも少々問題があって
電源が正常に露出計本体まで伝わらない状態でした。

原因がある程度確定したのである意味
「安心?」して整備修理に取り掛かります。
原因がよくわからないまま奥深くまで分解しながら
トラブルシューティングするのは
なかなか余計な神経を使うので
ある程度の段階で悪いところが把握できている…というのは
かなり助かるのです。
露出計周りだけでなくシャッターの精度やミラー駆動部にも
若干の問題を抱えているのが整備前のチェックで
わかっていますがそれらは単なる汚れ等による動作不良なので
通常の整備の中で改善して最終的に調整していきます。
ただOM-1はなかなかデリケートな部分も多いので
油断せずに慎重に慎重を重ねて整備を行っていきます。

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キヤノン7のカメラ修理

今日はピンとくる記念日がないですねぇ…
それでは…と過去の4/21にあった出来事を調べていたら
1934年4月21日にイギリスの新聞がネス湖で撮影された
ネッシーの写真を掲載しています。
これがネッシーの写真として長らく代表的な写真とされてきた
「外科医の写真」といわれるもので
私と同じくらいの世代の方は
ネッシーの写真と言えばこの写真をイメージされる方も多いと思います。
首長竜が水面に首をもたげているように見える写真ですね。
しかしながらこの写真、後の1993年に撮影者本人から
「トリック写真だった」との証言が出ているのですねぇ
かなり以前からトリックではないか?とは言われていたのですが…
ネス湖は長さが約35キロメートル、幅約2キロメートルで
非常に細長い湖なのですね。
大きさ的には琵琶湖のほうが圧倒的に大きいのですが
水深は最も深いところで230mもあるそうです。
(ちなみに琵琶湖の最深部は約100m)
まぁ小さな生物ならまだしもそんなに大きな生物であれば
さすがに見つかっていますよねぇ…
でもこういう話は真偽はさておきロマンがありますね。
ネッシーに便乗して日本国内でも「クッシー(屈斜路湖)」とか
「イッシー(池田湖)」とかの存在がまことしやかに噂されていました
懐かしい話ですねぇ

さてさて

本日は「キヤノン7」のカメラ修理を行っています。
1961年発売のLマウントレンジファインダーカメラで
数多くあるキヤノンレンジファインダー機の
完成形あるいは最高峰ともいえるカメラです。
それまでのキヤンLマウント機はモデル名に
ローマ数字が使われていたのですが
この「7」ではアラビア数字になりました。
セレン光電池使用の露出計が内蔵され
35/50/85/100/135mmの5種類のブライトフレームを
切り替え表示できる採光式ブライトフレームファインダーを搭載しています。
シャッター幕はキヤノンお得意のステンレス製で
P型で一新されたシャッター機構をベースにさらに改良が進んでいて
非常に安定した精度で動作する完成度の高いカメラです。
生産効率を高めることによるコストダウンも一気に進み
機能を考慮すると大ヒット作となった普及機「P型」よりも
お求めやすい価格に設定されました。
この「7」の発売で国産のレンズ交換式のレンジファインダー機は
まさにキヤノンの独壇場となりました。
しかしながら時代はレンジファインダー機から
一眼レフに移り変わる移行期でもあり
この「7」が発売されたあたりから
主流は一気に一眼レフへと傾いていきます。
皮肉なことにこの「7」のヒットがキヤノンの一眼レフ参入への
足枷となってしまうような結果になりました。

お預かりしている「7」は
比較的状態もよく一通りの動作はできるのですが
全体的に少々油切れ気味で
巻上やシャッターの動きに渋いところがあるようです。
そのため高速シャッターの精度は出ておらず
1/1000に関しては今にもスリットが閉じてしまいそうな感じです。
露光量は1/2000以下となってしまっています。
スローガバナは当然のごとくスムーズには動かず
1秒で作動させるとところどころで止まりながら
何とか切れるような状態です。
そんな状態なのでこちらの露光量は1秒時に2~3秒開いてしまいます。
心配されるセレンの状態は良好で
微調整のみで普通に信頼できる精度を確保できそうです。
セレンに関しては劣化して起電が弱いあるいは
全く起電しないものに関しては残念ながら当店では修理不可能となります。

相変わらずの最中構造ですが
バルナックタイプと違って裏ブタ開閉式なのは本当に助かります。
裏ブタのないタイプはSS測定するだけでも一苦労なので…
でも整備性は非常に良好なカメラで
最中構造の外枠を外せばシャッターや巻上の動きの詳細が
簡単に確認することができます。
ここからさらに分解を進めて
機械的駆動部分の清掃整備を一通り行っていきます。
もちろん上カバーも外してファインダーや
距離計の清掃整備調整も行います。
ダイキャストボディになってからもⅥ型あたりまでは
バルナックタイプの面影を内部構造に割と色濃く残していたのですが
P型以降は内部も一新されかなり現代的に進化しています。
機能的にも内部構造的にも完成形と言えるカメラだと思います。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「珈琲牛乳の日」だそうですよ。
神奈川県平塚市の守山乳業さんが
王冠で栓をした瓶入りの「珈琲牛乳」を
1923(大正12)年4月20日に
東海道線国府津駅で販売を開始したことが由来となっています。
コーヒー牛乳と言えば
駅というより銭湯のイメージですねぇ
私の生まれ育った家にはお風呂がなく
毎日のように銭湯通いだったので
お風呂上がりのコーヒー牛乳やラムネの美味しさは
記憶にしっかり刻み込まれてますねぇ(笑
さすがにコーヒー牛乳やフルーツ牛乳は
もう紙パックだったような気がしますが…
ラムネやコーラ、ミリンダやファンタは瓶でしたね
昔ながらの引き戸の冷蔵ショーケースで冷やされていて
その脇には栓抜きやラムネ用の玉押しが
紐で繋がれてぶら下がってました…懐かしいですねぇ
現在では「コーヒー牛乳」という商品はなく
正確には「コーヒー入り乳飲料」となり
実際の商品名には「カフェ・オ・レ」「カフェ・ラッテ」
「ミルクコーヒー」などの名称となっていますね
でもあの昔ながらのコーヒー牛乳って
今飲むとめちゃくちゃ甘すぎるのですよね
子供にはうける味だったとは思いますが…

さてさて

本日も昨日に続いて「オリンパスペンS」の
カメラ修理を行っています。
もちろん昨日とは別の個体です。
今度は「ペンS3.5」ではなく
Dズイコー3cmF2.8搭載のモデルです。
レンズ以外は昨日のペンS3.5と何ら変わりはありません。

今回のお預かりのペンSは
まずファインダー内のブライトフレームが
大きく傾いてしまっています。
ペンSはこのタイプのカメラで定番の
採光式ブライトフレームで
ファインダー光路の隣に
スリガラスを介した採光窓を配置し
そこにフレーム枠を設置して
そこを透過したブライトフレームをミラーで反射させ
ファインダー内のハーフミラーで結像させる方式です。
フレーム自体や結像している部分が傾ているわけではなく
ファインダー内へと反射させるミラーが
欠落しかかっているのがフレームが傾いている原因です。
実はこれもペンSで比較的多い症状です。

加えて別の問題で
巻上が一コマ分の巻上で止まらずに2コマ分進んでしまうことがあるようです。
これもここでも何度か書いている症状で
ペン系には多い症状です。
巻上機構側のトラブルではなく
シャッター羽根が粘っていてシャッターを切った後に
完全に羽根が最後まで閉じておらず
(見かけ上は閉じていて遮光もちゃんとされています)
巻き上げた際にシャッター走行が完了していないために
巻上が止まらずそのまま進んでしまうのです。
今回は巻き上げている内にそのちょっとした振動で
羽根が完全に閉じるため2コマ目には巻上が止まりますが
これが症状が酷いものだと
延々と巻上が止まらずにいつまでも巻上ができてしまう症状になります。
羽根清掃やシャッターユニット内の清掃整備が必要な状態です。

昨日と同じく分解時の画像を取り忘れました…
画像は整備完了後で非常に歯切れよく巻上もできるようになっています。
ブライトフレームはもちろんまっすぐくっきり見えており
ファインダー内もクリアです。
他、レンズ清掃、モルト交換等々
一通りの整備を行い快適に使える状態に仕上がっています。
これから最終テストを行い
問題なければ完成となります。

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オリンパスペンSのカメラ修理

今日は「良いきゅうりの日」だそうですよ。
「よ(4)い(1)きゅう(9)り」(良いきゅうり)の
語呂合わせからですね。
この記念日を制定した「西三河冬春きゅうり部会」では
通常は夏が旬のきゅうりを
温暖な気候と豊富な日射量
そして高い栽培技術を生かして
冬春キュウリの「三河みどり」を生産していて
そのアピールのための日なのだそうです。
イメージ的にはやはりきゅうりは夏ですが
今は1年中いつでも美味しく食べられますね。
全体の約95%が水分で「栄養素がほとんどない野菜」なんて
言われることもあるのですが
もともと野菜の多くは90%以上が水分ですし
淡色野菜の割には、ミネラル類を比較的豊富にバランスよく含んでいて
決して「栄養のない野菜」ではないと思います。
加えて非常に低カロリーなんですよね
生のまま味噌やもろみをつけてそのままかじれる気軽さもあり
味もよく食べ応えもあって個人的にも好きな野菜です。
やはり旬の通りに暑い季節に特に合いますよね!
…なんてことを書いていると
きゅうりの漬物とか食べたくなってきました(笑
帰りにスーパーで買って帰ります!

さてさて

本日は「オリンパスペンS」のカメラ修理を行っています。
「ペン」というとハーフサイズカメラの
代名詞とも言えるカメラですが
シリーズごとに特徴も異なっていて
セレン光電搭載の簡単撮影のEEカメラ
「ペンEEシリーズ」の人気が非常に高い一方で
露出計非搭載で少々玄人好みのシンプルな「ペンSシリーズ」も
根強い人気があり当店での修理依頼も多いカメラです。
最初に登場した「ペン」の高級版という位置づけで
1960年に発売開始されました。
シャッターは2枚羽根から5枚羽根になり
B、1/8-1/250秒の6速と進化しています。
その機能やスペックからしてある程度の撮影知識のある方だと
なかなか魅力的なカメラだと思います。

ペンSは当初Dズイコー3cmF2.8のレンズを装着して
発売されましたが1965年に
初代ペンと同じくDズイコー2.8cmF3.5搭載の
「ペンS3.5」が追加発売となっています。
今回お預かりしているのはその「ペンS3.5」です。
通常の3cmF2.8付と比べると少しばかり珍しいモデルです。
レンズの違い以外は通常のペンSと違いはありません。
シャッター羽根にお約束の羽根粘りがあり
レンズ・ファインダーにカビ・曇りがある状態です。
羽根粘りもありますがシャッターユニットの動きが
全体的にいろいろ悪い感じがします。
モルトはもちろん全滅です。

画像は一通りの整備が終わった状態でのものです。
貴重な純正フィルターが付いていますが
お預かり時にもそうでしたが
これ強く締めすぎると取れなくなってしまうことが
多々あるのでご注意ください。
固く締まっているものを無理に回して外そうとすると
絞りリングが一緒に空回りしてしまって
非常に厄介な状態になってしまいます。

シャッター周りの一部部品(バネ)が
欠落していたりとかがあったので
過去に分解歴のある個体かと思われます。
足りない部品は補充して動きの悪い部分も
入念に整備して羽根粘りも解消し
非常に快調に動作する状態になっています。

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ミノルタSR-1のカメラ修理

今日は「なすび記念日」だそうですよ
日付は「よ(4)い(1)な(7)す」と読む語呂合わせと
なすびが好物であった徳川家康の命日にちなんだものだそうです。
なすび美味しいですよねぇ~
品種によって料理も変わりますが
浅漬けもいいですし
麻婆茄子や焼きナス
煮びたしなんかもいいですよねぇ
その成分のほとんどは水分で
ミネラル分は少ないながらも
まんべんなく含まれています。
野菜の中でも低カロリーなものに分類されます。
またナスにはコリンという機能性成分も含まれているそうで
コリンは血圧やコレステロールを下げる、
動脈硬化を防ぐ、胃液の分泌を促す、肝臓の働きを良くするなどの作用が
認められ夏バテ防止の働きがあるのだそうです。
これはナスを積極的に食べなくちゃいけませんね(笑
元々好きな野菜なのでスーパーで見かけると買うことが多いのですが
これからもバランスよくいろいろな料理で使いたいですね!
(その前に自炊回数をもっと増やさないと…(苦笑))

さてさて

本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
初期のミノルタ一眼レフを代表するカメラですね。
そのモデル名からミノルタ最初の一眼レフで
トップモデルをイメージしてしまいますが
ミノルタ最初の一眼レフで当時のトップモデルは
1958年発売の「SR-2」なのです。
(当時は数字の大きいほうが上級モデル…という
ネーミングも多かったのですね)
「SR-1」はそれから9ヶ月後の1959年に
「SR-2」の普及モデルとして発売されました。
普及モデルとはいえ基本的な構造はSR-2と全く変わらず
差別化のためにSS・1/1000秒が省略され
最高速が1/500になっているだけの違いです。
トップモデルの「SR-2」はその後、モデルチェンジのたびに
モデル名も変わり「SR-3」、「SR-7」へと変化していきます。
「SR-1」もそれに伴って中身は変化していくのですが
モデル名に関してはずっと「SR-1」のままだったのです。
そのため「SR-1」は外観のボディ形状だけでも
4種類の「SR-1」が存在し、少々ややこしいことになってしまっています。

今回お預かりしている「SR-1」は
着脱式連動露出計ソケットが装備されており
さらにフィルムカウンターが巻上側にあることから
SR-7がベースモデルとなっている「SR-1」だと判別できます。
SR-7がベースモデルなので内部機構も
SR-7ならではのユニット化されたシャッター・ミラー駆動部が
搭載されています。
ちなみに中身がほぼSR-T系となる「ニューSR-7」をベースとした
「SR-1」も存在しこちらは「ニューSR-1」と呼ばれることが多いようです。
さらに1/1000をも搭載したSR-T101の普及版となる
「SR-1s」も存在します。
このあたりのミノルタ一眼レフのモデルもなかなかややこしいのです。
話が少しそれましたので元に戻ります。
お預かりの「SR-1」は何とか一通り動作はしているのですが
全体的にかなり動きが重く
やはりシャッタースピードの精度は全く出ていません。
お決まりのパターンで先幕後幕の幕速バランスも崩れており
何度かシャッターを切っていると
たまにミラーアップしたままにもなってしまいます。
スローガバナも少々粘り気味ですが
それ以上にセルフタイマーは完全に固着しており
セットしようにもレバーがビクとも動かないような状態です。
やはり全体的に動きを良くする整備が必要な状態です。
さらにファインダーや装着されている標準レンズにも
盛大にカビが生えている状態ですので
清掃も入念に行う必要があるようです。
どこかが致命的に壊れているわけではないですが
そのままでは普通には使えない状態です。

SR-1には露出計は装備されていませんが
元となるSR-7が外光式露出計を備えるため
そのための巻きもしクランク側のスペースが妙に
空いているのがわかります。
先代までのSR-1であれば
ここにフィルムカウンターがあったわけですね
例の独特のシャッターユニットの関係もあり
整備性に関しては少々やっかいな部分もあります。
いや、考え方によってはユニット化されていて
整備性は良いと思える部分もあるのですが…
画像ではまだ上カバーを開けて
プリズムを降ろしただけの段階ですが
これからミラー駆動部と一体となった
シャッターユニット部を分離して整備を行っていきます。

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コニカⅢのカメラ修理

今日は「エスプレッソの日」だそうですよ。
薫り高くて濃い味わいで美味しいですよねぇ
エスプレッソはエスプレッソマシンなどの
専用の器具で豆に蒸気による圧力をかけて
短時間で一気に抽出したコーヒーのことを指しますが
正確に言うと「エスプレッソ」あくまで製法のことなので
紅茶でも同様のものが可能で
「午後の紅茶」シリーズの一つとして
「エスプレッソティー」シリーズとかも発売されてますね
紅茶のエスプレッソ…飲んだことないのですが
これまた薫り高そうで美味しそうですね!
そういえば…以前、勤めていた会社の給湯室に
「来客用」のエスプレッソマシンがあり
そこで密かに毎朝エスプレッソ飲んでました…
苦みと香りでなんだかシャキッと目が覚めるのですよね!
家庭用のエスプレッソマシンちょっと欲しいかも…
でも本格的なものはお高いのですよねぇ(苦笑)

さてさて

本日は「コニカⅢ」のカメラ修理を行っています。
一般向けのコニカブランドとしての初のカメラ
「コニカⅠ」からの流れを汲む35mm判レンズ固定式
レンジファインダーカメラで
1956年発売のカメラです。
巻上方法が少々独特で
招き猫の手のように鏡胴のから根元から生えた
巻上レバーをダブルストロークで巻き上げます。
ダブルストロークで1回あたりの巻上量に無理がないこともあり
整備された個体では非常に軽快な巻上ができ
使っていて非常に楽しいカメラです。
この「Ⅲ」からセルフコッキングにもなっており
フィルム巻上と同時にシャッターチャージも行われます。
後のカメラでは当たり前のことなのですが
この時代はまだまだ巻上とシャッターチャージは
別々の操作のカメラが多い時代なのです。
今回の「Ⅲ」はいわゆる「L1」と呼ばれるタイプで
搭載シャッターはライトバリューに対応した
セイコーシャMXLです。
このセイコーシャMX系のシャッターは二眼レフ等でも
おなじみの高級シャッターユニットで
B・1S~1/500をカバーします。
最高速の1/500はこれまたおなじみの別バネ駆動です
ここでも何度も書いていますが
1/500にセットする際は必ずチャージする前にセットしておきます。
チャージ後はとても重くてセットできませんし
無理にセットすると故障の原因もなるので要注意です。
組み合わされるレンズはヘキサノン48mmF2です。

お預かりしているコニカⅢは
まずセルフタイマーがセットされている状態なのですが
そのセルフががっちり固着していて全く動きません。
レリーズはセルフと連動して半押し状態のまま、固まっており
当然ながら巻上不可の状態です。
後でわかったのですがそれとは別の原因で
シャッターもしっかり固着しており
セルフをとりあえず強制解除しても
シャッターは切れない状態でした。
さらにこれも巻上固着していたので
預かり時にはわからなかったのですが
巻上レバーを戻すためのバネが一部破損しており
巻上レバーが押し込むと
全く元の位置に戻ってこない状態になっていました。
破損したバネはストックしている部品取り個体から
移植するしかありませんが
他は大きな破損等はなく一通りの整備で何とかなりそうです。

セルフタイマーの固着は
とりあえずは応急処置で解除したのですが
これから本格的に整備を行っていきます。
並行してレバー駆動部のバネ交換を行っていきます。
ゴロンと転がっているシャッターユニットは
こちらも羽根固着が起こっているので
一通りの整備を行いスムーズに動作するようにしていきます。
もちろんレンズ・ファインダーの清掃調整も行います。
整備性は非常に良いカメラです。
私も個人的に好きなカメラで
今回の「Ⅲ」と全く同じ仕様のものを1台撮影用に持っています。
ご依頼者様にも存分に楽しんでいただけるよう
これからしっかり仕上げていきます。

ヤシカエレクトロ35GSのカメラ修理

今日は「いちご大福の日」だそうですよ。
もうこれを知った時点でいちご大福食べたくなってきました(笑
元来、甘いもの大好きな上に
餡子が特に好きなのですよねぇ…
だから「いちご大福」じゃなくても
普通の大福とか羊羹とか栗饅頭とか
かしわ餅とか最中とか二重焼きとか…
あげるとキリがないですねぇ(笑
そんな中でも確かにいちご大福は美味しいですよねぇ
ちょっと甘酸っぱいのがいいですよね
少し話がそれますが
最近、たまに無性にできたてアツアツもちもちふわふわの
「いが餅」が食べたくなるのです。
味が美味いのはもちろんですが
あの上に乗った色鮮やかなピンク・黄色・グリーン等々の
つやつやのもち米を視点でも楽しみたいのです~
私の生まれ育った地元だと秋祭りの日になれば
そこら辺中でできたてを食べられたのですが…
さすがにその日だけ呉に帰るのは難しいけど
今年の10月はいが餅だけのために呉に帰ろうかなぁ

さてさて

今日は「ヤシカエレクトロ35GS」のカメラ修理を行っています。
1970年発売のカメラです。
基本的な機能や構造は初代エレクトロ35と同様のカメラですが
レンズが新コーティングのカラーヤシノンDX45mmF1.7に
変更されています。レンズの構成や焦点距離に変更はありませんが
コーティングが変わると確実に写りに違いはあるはずです。
先述の通り基本的機構に違いはありませんが
細かな仕様変更は内部でいろいろ行われていて
やはり初期のエレクトロ35に比べると動作の安定性等は
かなり改良されていると思います。
エレクトロ専用と言えるコパルエレクのシャッターを搭載し
これまたエレクトロ専用と言えるHM-2Nの電池で駆動します。
(現在であれば4LR44+アダプタで代用します)
大口径レンズを生かして光量の少ない場面でも
簡単キレイに撮れることを目指したカメラです。
露出は絞り優先オート専用となります。
(電池消費しますが「B」も搭載されています)

お預かりしている「エレクトロ35GS」は
定番の電池室腐食もなく電池を入れて
背面のバッテリーチェックを押すと
ランプもまばゆく点灯します。
でも、肝心のシャッター制御ができないようで
電池が入っていないときと同じく
常に同じ速度でシャッターが切れてしまいます。
制御基板に電源がいっていないような感じの状態です。
電池室から配線は2本出ていて
片方はBC回路、片方は制御基板へ繋がっているような構造ですが
そのあたりに何か問題があるのかもしれません。
エレクトロ35はまれに基盤不良で修理不可な場合もあるのですが
この状態だとそれ以前の問題です。
まずは普通に電源が入るような状態にしていかなくては
それ以降の動作確認もできません。

時代が時代で初期の電子制御機なので
配線の多さがなかなかのもので何をするにも大変です。
制御不能の原因はやはり制御基板に正しく
電気が送られていないことが原因のようです。
エレクトロ35はどのモデルも
巻上レバーを少し巻き上げたタイミングで
レリーズの芯棒が戻る「カチン」という音がするのが
共通の特徴でレリーズ部のブッシュが劣化していると
この音がしなくなりオート制御不良の原因になります。
今回は「カチン」音はしていたのですが
開けてみるとレリーズ部のブッシュはボロボロで
よくもまぁこれで持ちこたえていたな…という状態でした。
もちろんこれも交換で対処していきます。
制御回路の動き自体は問題ない状態に調整できそうです。
他、レンズ・ファインダー清掃
巻上等の機械的駆動部の整備等も行って仕上げていきます。

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ミノルタSR-T101のカメラ修理

今日は「椅子の日」だそうですよ。
「よい(4)いす(14)」(良い椅子)と読む
語呂合わせからだそうです。
椅子は大事ですよ~
私もそうですが特に長時間座ったままで
作業や仕事をしている方には本当に大事です。
変な姿勢や座面の悪い椅子に座り続けていると
確実に体調に異変が表れます。
単純に一時期的な「お尻が痛い」くらいならまだ良いほうですが
慢性的にお尻が痛くなる…腰に違和感及び痛み
肩や首への違和感・痛み、頭痛…いろんなものの原因になりえます。
少しだけいい椅子を手に入れても
困ったことに座っているうちに
どんどん座り心地が変わっていくのですよねぇ…
クッションや座布団、ジェルシートを駆使して
何とか快適に座っていられるように
結構いつも試行錯誤しています(苦笑)
お尻や腰に違和感を感じないようにするのは当然なのですが
私の場合、最近、少し負荷のかかる座り方をしていると
夕方以降にやたら足がむくむのですね。
(座っている時間が単に長すぎる場合も…)
だから足がむくんでいるときには
何か座り方がおかしい…と判断していろいろ確認することにしています。
そろそろまた何かよさそうな椅子を探してみるかな…
お安くても
あ、その前にジェルシートがへたってきているので
買い換えないと…(苦笑)

さてさて

本日は「ミノルタSR-T101」のカメラ修理を行っています。
60年代半ばから70年代前半にかけての
ミノルタを代表するカメラだと思います。
ミノルタ初のTTL測光方式を採用した一眼レフカメラでもあり
ファインダー視野の上下を2個のCdS受光体で測光し
風景撮影の折などに空の強い明るさ等で
全体が露出不足になる傾向を補正できるミノルタで言う
「CLC」方式を搭載しています。
現在の分割測光の元祖ともいえる測光方式です。
ミノルタ初の開放測光機でもあり
開放測光に対応するためにレンズ群も絞り伝達機構を備えた
「MCロッコール」にモデルチェンジされました。
(マウントの形状そのものは変わっていないため
露出計連動を考えなければ従来のオートロッコールも装着は可能)
露出計周りに新しい機能が多くそこに注目が集りますが
基本的なシャッターや巻上も非常に丈夫にできていて
安定して動作するカメラです。
ロングセラー機である上にヒット商品なので
現存台数も多くその中には数十年放置されたままの
状態の良くない個体も多いのですが
それでも何とかシャッターは切れる…という個体も多いと思います。
とはいえ、経年劣化で動きの悪いものが
がんばって動いているだけとも言えるものが多いので
スムーズに本来の動きができるように
整備が必須のカメラともいえます。

お預かりしている「SR-T101」は
寒いときに頻繁にミラーアップしたままになってしまうということで
お預かりしましたが
充分に暖かい今の季節でも頻繁にミラーアップしたままになるようです。
ミラー駆動部の動きが悪いことも多少ありますが
大きな原因はシャッター幕の動きが悪く
幕走行完了後にミラーアップのレバーを
うまく蹴りだせないことが原因と思われます。
幕走行状態がそんな感じなので
測定機でSS測定しても高速シャッターの精度は全く出ていません。
やはり幕軸を中心に動きを良くする整備が
一通り必要な状態だと思われます。

プリズム上にCLCの特徴である
二つのCdSが装着されているのがよくわかりますね。
ちなみに今回は露出計も全く動かない状態でした。
原因はSW部の緑青による接触不良です。
もちろんこちらも修理で対応します。
加えて明るさによって露出計指針が
それ相応に変化していかなければいけないのですが
当初、それも反応はしていても変化が乏しい状態でした。
こちらの原因このカメラではたまにあるのですが
ハンダの劣化による接触不良が原因です。
見た目には全く劣化しているようには見えないのですが
ハンダを完全に吸い取って新しいハンダで付け直すと
明らかに状況が改善します。
これがあるのがわかっているので
このカメラの整備時には各要所のハンダは
いずれにしても付け直します。
他、巻上やミラー駆動部の整備
ファインダー清掃等々を行って
快適に使えるように仕上げていきます。

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オリンパス35DCのカメラ修理

今日は「パンの記念日」だそうですよ。
1842(天保13)年のこの日に
伊豆国の韮山代官において
西洋流兵学者の江川太郎左衛門英龍が軍用携帯食糧として
「兵糧パン」と呼ばれる「乾パン」を作ったのだそうです。
これが日本で初めて焼かれた「パン」と言われていて
これを記念した日なのだそうです。
私は基本的に朝もご飯なのですが
それでもなんだかんだでパンを口にすることは多いですね
サンドイッチだったり菓子パンだったり…
たまに無性にこんがりトーストした食パンに
マーガリンを塗りまくって
食べたい衝動に駆られることがあります(笑
あまり身体にはよくないでしょうがたまになので…
そのために少し前にトースターも
昔ながらのボップアップに買い換えたのですが
あまり活躍していなですねぇ…
でもこんなことを書いていると
無性にトーストが食べたくなってくるので
今日はヒサビサに食パンを買って帰りましょう!
あ、マーガリンもないから買わなくては…
(個人的好みで「ラーマ」派です)

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
「DC」はデラックスなコンパクトの頭文字です。
1971年発売のカメラです。
40mmF1.7の大口径レンズを搭載して
露出はプログラムオートで制御します。
シャッター自体は機械制御なのですが
露出計と連動してプログラム露出を行い
光量不足の際にはオリンパスお得意のシャッターロックがかかるので
実際は電池を入れないとシャッターの切れないカメラです。
シャッターユニットも少々独特なもので
シャッター羽根と絞り羽根が兼用されている構造です。
大口径レンズ搭載というと大口径ならではの
ボケ味を楽しみたくなると思ってしまいますが
このカメラの大口径はあくまでも日中から
少し薄暗い場面までをできる限りプログラムオートで
簡単に撮影するための大口径レンズです。
(当時のフィルム感度はASA100が主流ですし)
当時の大口径レンズ搭載のコンパクトカメラの
多数が同様の理由での大口径レンズ搭載だと思いますが
「35DC」の場合はプログラムオートでそのあたりを
かなり割り切った考え方のカメラなのだと思います。
それでも高級レンズ搭載なのは間違いなく
写りは非常に秀逸なカメラです。

露出計連動のプログラムオート専用機ということで
露出計がきちんと動作してある程度、精度も出ていることが
大前提となるカメラです。
お預かりしている「35DC」は露出計は一応動作しているのですが
その精度はやはり大幅にズレてしまっているようです。
それとは別の問題でオート制御にもズレが見受けられます。
露出計に関しては各接点やハンダ等の劣化が主な原因かと思われ
オート制御の問題は羽根の粘りが原因かと思われます。

それでも今回の「35DC」はかなりコンディションとしては
良いほうだと思います。
今回はもちろん大丈夫なのですが
露出計の本体のトラブルが多いカメラでもありますし
あとはASA設定リングが破損していることも多いカメラです。
(落下させてレンズ側にショックを受けると大抵ここが壊れます)
今回は一通りの整備と調整でかなり良い状態になると思われます。
フィルム室のかなり多めに使われているモルトも
当然ながら全滅ですのでそのあたりも含めて
しっかり仕上げて安心して使える状態にしていきます。

ペンタックスMEのカメラ修理

今日は「よいPマンの日」だそうですよ。
「Pマン」って何???何かのキャラクター???と思って調べたら
野菜の「ピーマン」のことだそうです(笑
「P」と「9」の形が似ていることから「よ(4)いP(9)マン」の
語呂合わせなのだそうです…いや…かなりまた強引な…(苦笑)
子供の嫌いな野菜のツートップとして
ニンジンと並んでこのピーマンもそうですよねぇ
私はどちらもそれほど子供の頃から嫌いではなくて
特にピーマンは火を通した時のあの独特の香ばしさと
ほのかな苦みが好きなほどでした。
今でも魚以外の肉類の付け合わせと思うとピーマンよく買いますねぇ
大人になってからはほとんど好き嫌いはないのですが
あまり得意ではないのは子供の頃から酢の物全般と
カボチャかなぁ…(笑
あのもさっとした触感がどうも…
話がそれました…最近は緑色のピーマンだけではなく
成熟した赤色や黄色、橙色のピーマンもたまに売られてますね
緑色のものは完全に成熟していないものだそうですが
成熟するまでに日数がかかるため、
効率よく採れる「緑色のピーマン」が一般的に販売されているのだそうです。
ま、彩りは二の次かな…安くて美味しければ文句ないので
緑色で充分な気もしますが…

さてさて

本日は「ペンタックスME」のカメラ修理を行っています。
一気に小型化された「ペンタックスMシリーズ」の
中核であり基本形ともいえるカメラです。
「Mシリーズ」として最初に発売されたのは
機械制御シャッター機の「MX」ですが
「MX」は「Mシリーズ」の中では異端児的なモデルでもあるので
その1か月後に登場した「ME」のほうが
「Mシリーズ」としては本命だと思われます。
絞り優先オート専用機ですが軽量コンパクトで
非常に使い心地のよいカメラです。

「ME系」の定番トラブルと言えば
「ミラーアップしたまま固着」というパターンで
原因はミラー駆動部のゴムブッシュの劣化です。
ただ今回は症状は「ミラーアップしたまま固着」なのですが
原因はミラー駆動部ではないようです。
…というのも「オート時」しかこの症状は出ず
機械制御の「100X」にシャッターを設定すると全く症状が出ないのです。
ミラー駆動部が原因であれば制御が機械だろうと電気だろうと
毎回出るのが普通です。
オート時だけ出るのであれば電気的制御の問題か?ということになりますが
どうやらそうでもないようです。
いろいろ測定しながら試して気が付いたのですが
どうも後幕(金属羽根)の幕即が異様に遅く
後幕の動作不良に起因するミラーアップのようです。
こういうパターンはMEではちょっと珍しいですね。


ただ電気的制御の問題ではなく
機械的なシャッター動作不良なので修理は可能です。
これからシャッターユニットの分離及び整備に取り掛かりますが
おそらくユニット内のブッシュか何かの劣化によるトラブルかと思われます。
露出計やオート制御的にも電子基板には何ら問題はないようです。
まだトラブルシューティングと並行して分解している状況ですが
何にしても原因をはっきりさせて
修理及び整備を行っていきます。

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