アイレス35ⅢCのカメラ修理

今日は1月11日で「鏡開き」ですね。
お正月に供えた鏡餅を下げて食べる日とされています。
やはりここは甘ーいぜんざいですよねぇ
こちらでは「おしるこ」といったほうが伝わりやすいのかな…
今年はお店用の鏡餅とかを特に用意しなかったのですが
ぜんざいだけは食べたかったですねぇ
あとでスーパーかコンビニでせめておしるこ買ってきます(苦笑)
ところで昔は武家では鏡餅を刃物で切ることは切腹を連想させるため
手や木槌で割る風習があったそうです。
また、「切る」「割る」という言葉は避けて
「開く」という言葉が使われたのだそうです。
だから「鏡開き」なのですね!
さすがにもうお正月気分は抜けていますが
年末年始に休んだ分、作業がまだ通常ほどの落ち着きがなく
大幅に遅れているような状況です。
こういうときこそ落ち着いて丁寧な作業を心がけます!

さてさて

本日は「アイレス35ⅢC」のカメラ修理を行っています。
カメラ自体のスペックより某世界的名機にそっくりなことから
注目されることの多いカメラですね。
ただそっくりなのは外観デザインのみで
そもそもこちらのアイレスはレンズシャッターで
レンズ固定式のレンジファインダー機です。
構造的に全く異なるからまた面白いかと思います。

搭載されるレンズは2種類あるのですが
今回の「35ⅢC」はHコーラル4.5cmF1.9を搭載するモデルです。
堂々の大口径レンズですね。
シャッターユニットは当時の国産最高級といえる
セイコーシャMXLを搭載します。
B・1s~1/500までをカバーします。
外観ばかりにどうしても目が行ってしまいますが
基本的なスペックも当時としては非常に優れたカメラです。

お預かり時にはシャッターも切れず
ピントリングも完全に固着していました。
長年の汚れや古い油脂で固着しているのもありますが
シャッターに関しては動きが悪いところへ
無理な操作を行ってスタックしてしまっているような状態です。
まずは全体的に動きの悪いあらゆる部分を
分解し入念に清掃して最低限の注油を行い
その上で調整を行って本来の動きを取り戻していきます。
汚れやカビの酷いレンズやファインダーも
並行して清掃を行っていきます。

外観も十分にキレイになりましたが
各部の動きが見違えるように軽くスムーズになりました。
シャッターはもちろん全速軽快に切れるようになり
巻上も軽くスムーズです。
整備前はシャッター羽根や絞り羽根にも
汚れや油脂が付着して
非常に動きが悪く絞りリングも重かったのですが
シャッターが軽快な上に絞りリングも絞り羽根も
非常に軽く動きようになっています。
もちろんピントリングも指1本で操作できるほどで
微調整を行いやすい適度な手ごたえを感じる軽さで調整されています。
レンズの状態はもともとわずかな拭き傷はありましたが
清掃してみるとかなりクリアな状態になり
かなりいいコンディションだと思います。
これであればご依頼者様にも存分に楽しんでいただけると思います。
これから最終的なチェックを行って
問題なければ完成となります。

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