月別アーカイブ: 2018年8月

ミノルタハイマチック7SⅡのカメラ修理

今日は「タクシーの日」だそうですよ。
サラリーマンだった頃は
いろんな付き合いの飲み会の帰りとかに
タクシーを使うこともちょくちょくありましたが
この仕事を始めてからは
全く乗ることがなくなりましたね。。。
あ、登山のときに登山口までのアプローチに
タクシー(乗り合いも含む)しか手段がないときに
これもごく稀に使ってたかな。。。
自分がめったに乗らないからそう思うだけなのですが
世の中にあんなにタクシーがたくさん走ってて
本当に儲かるのかな。。。って余計な心配をしてしまいます。。。
(単なる貧乏性ですね。。。(苦笑))

さてさて

本日は「ミノルタハイマチック7SⅡ」のカメラ修理を行っています。
過去にも一度、このブログに登場していますが
あまりモデル名に聞き覚えのない方も多いと思います。
それもそのはずでこの「ハイマチック7SⅡ」は
輸出専用モデルで国内では販売されていないのです。
発売開始は1977年なのですが
同じ時代に国内ではフラッシュ内蔵のハイマチックSが発売されています。
国内ではオートでフラッシュ内蔵の簡単操作のカメラのほうが
圧倒的に強かった時代ですね。
「7SⅡ」はハイマチックFほどのコンパクトなボディに
シャッタースピード優先AEを搭載し
マニュアル露出も可能なカメラです。(マニュアル時には露出計はオフになります)
コンパクトなボディにシャッタースピード優先AEというと
キャノネットG-ⅢやコニカC35FDが思い出されますね。
「7SⅡ」もコニカやキヤノンと同様
40mmF1.7の大口径レンズを搭載します。
大口径レンズでマニュアル露出も可能。。。
国内でも発売してほしかったですね。。。
確かに当時の国内では売れなかったかもしれませんが。。。
国内販売されていたらもう少し
現代でも手に入れやすいカメラになっていたかもしれません。

お預かりの「7SⅡ」はご依頼者様が苦労して
海外から取り寄せたものだそうです。
外観は非常にキレイなのですが
露出計が全く動かない(指針が見えない)ことと
絞り羽根がオート時もマニュアル時も最小絞りのままで
全く動きません。。。粘っている感じではなさそうです。
嫌な予感がゴンゴンしますねぇ。。。

ある程度、分解して露出計の全容が見えてくると
何とメーターから出ているはずの
ファインダー指針とオート挟み込み用の針が
両方ともありません。。。(折れてしまっている)
絞り駆動部分も組み間違いで動きません。。。。
明らかな分解品です。嫌な予感はあたりました(苦笑)

いろいろ加工も必要でしたが何とか普通に動作するようになりました。
こういう明らかな分解品で怖いのは
思いもかけない場所の部品の掛け違いとか
部品の紛失がある可能性があるので
通常以上に神経を使います。
今回のようにちょっと希少なカメラだと
部品取り個体も手に入らないので尚更です。
とはいえ、今回は露出計の針以外は破損している部分はなかったので
安心して使える状態になったと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

オリンパス35DCのカメラ修理

今日は8月4日ということで
「箸の日」だそうです!
日本人ですからね、箸は美しく使いたいですよね。
。。。といってる私もぱっと見には
そんなにおかしくないとは思いますが
本当に正しい持ち方をしているかというと
ちょっと自信ないです。。。(汗)
子供の頃に結構厳しく指導されたのですが
多分少しイマイチな持ち方をしていると思います。
それ以前に私、左利きなので
そちらのほうが見た目に違和感あるかもしれませんが。。。
ところで。。。牛丼屋さんとかで最近たまに見かけるのですが
丼モノを箸ではなくスプーンで食べる方、最近は多いのですね。
汁物は箸だと食べづらいっていうのもわからなくはないですが
かきこんでしまえばいいのではないかと。。。
お茶漬けだってやっぱり箸ですしねぇ。。。

さてさて

本日は「オリンパス35DC」のカメラ修理を行っています。
35DCも修理依頼の多いカメラですね。
1971年発売でレンズは大口径のF.ズイコー40mmF1.7を搭載します。
このレンズは現在でも非常に評価の高いレンズですね。
露出はプログラムオートです。
35DCは1971年に発売された前期型と
1974年に発売された後期型が存在します。
基本的なスペックに変わりはございませんが
後期型にはファインダー接眼レンズの脇に
バッテリーチェックランプが付いています。
使用電池は本来、水銀電池ですので
電圧変換型電池アダプタを使う方法もございますが
変換型のアダプタを使うと
バッテリーチェックランプは点灯しなくなります。
キヤノネットG-ⅢやキヤノンEFと同様ですね。

お預かりした35DCはご依頼者様との打ち合わせで
電圧変換型アダプタではなく1.5Vで使用されるとのことですが
どちらにしてもバッテリーチェックランプが
点灯しない状態でした。SWの接触不良が原因です。
さらにセルフタイマーレバーの破損、
露出計、オートはかなりオーバー気味
モルトは全滅。。。とやはり全体的にリフレッシュの必要な状況です。
おそらくかなり長い間使われていなかったと思われますが
ただし、保存環境はかなり良い環境だったようで
レンズ・ファインダーにはほんのわずかなカビしか見当たりません。

以前にも書きましたが、35DCのセイコー製シャッターは
機械制御でプログラムオートはいわゆる針挟み込みタイプです。
電源を必要とするのは露出計周りだけですが
光量不足時にはオリンパスでよくある「赤ベロ」ではなく
レリーズロックがかかります。
。。。ということは電池を入れて少しでも露出計の針が振れていないと
シャッターを切ることはできません。
ちなみにフィルム先端の空写し時に対応するため
レンズキャップをして露出計が振れていなくても
シャッターを強制的に切ることはできます。
(それでも電池は入っていないとダメです)
前期モデルの場合は底部にある「F」ボタン
後期モデルの場合はバッテリーチェックボタンを押すと
露出計が振れていなくてもシャッターは切れます。

フィルムカメラは一度基本的な使い方を覚えれば
どのメーカーのカメラでもたいていは使えるようになりますが
細かい部分はやはりモデルごとの特有な使い方も出てきます。
なかなか説明書までは手に入らない場合も多いので
そのあたりは慣れないとな少々難しく感じるかもしれませんね。

35DCは中身の構造もオリンパスらしく
なかなか独創性の高い作りです。
これから本格的に各部点検整備一式に取り掛かります。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

タローフレックスのカメラ修理

今日は「ハチミツの日」だそうですよ。
甘くてとろけるハチミツは子供の頃から大好きです!
。。。とはいえ、この年齢になると
調子に乗って大量に摂取するとろくなことにならないので(苦笑)
ハチミツ入りの何かを口にすることはあっても
ハチミツそのものを買うことはなくなってしまいました。。。
ちょっと高級なハチミツを常備して
飲み物や食べ物、いろいろなものに少しずつ使うと
美味しいし身体にも良さそうなのですが。。。
生活に余裕ができたら考えます。。。(笑)

さてさて

本日は「タローフレックス」のカメラ修理を行っています。
発売は1943年です。
古いカメラの修理が多い当店でも戦前のカメラは
ちょっとめずらしいですね。
メーカーは「日本光測機製作所」というところで
NKSブランドでレンズシャッターユニットの製造を
主に行っていた会社です。
後に「タロン」というブランドで色々なカメラを生産しています。
当時の二眼レフはまだまだあまり作りの良くないものも
多かった時代ですがこのタローフレックスは
高品質なことで定評があったとのことです。

。。。とはいえ75年前のカメラです。
定期的にキチンとメンテナンスがされていて
良い環境で保存されていたのならまだしも
色々な部分に問題が出ているのが普通です。
お預かりしたタローフレックスも
レンズはカビ・クモリが非常に多く
レンズボードの繰り出しはまっすぐに繰り出されず
シャッター羽根・絞り羽根には粘りがあり
スローガバナは固着
お決まりのファインダーミラーは既にほとんど
何も反射しないような状態でした。
動作部分の不調はほぼ全て
乾いて劣化したグリスや油が動きを妨げていることが原因です。
手に入らないような交換部品の破損がなかったことが救いで
ひたすら清掃と注油を繰り返すことにより
通常の動きを取り戻すことができました。

レンズにもともとあった多少のキズ、カビ跡は残ってしまいましたが
普通に写真が撮れる状態にまでは復活しています。
おそらくローライコードⅡあたりをお手本にしていると思われますが
時代を考えると非常によくできているカメラです。
フィルム装填は1枚目を赤窓で合わせ、以降は巻止めが作動するタイプです。
シャッターは自社ブランドであるNKSで最高速は1/200です。
セルフタイマーも装備します。
「TAROFLEX」の銘板の下に
「NIPPON KOSOKUKI SEISAKUSHO  TOKIO」とあったり
ピントリングには「MADE IN NIPPON」
この辺りも何とも時代を感じさせるところですね。
二眼レフは本当にいろいろな種類が存在しますね
今回の「タロー」もそうですが
これがまた魅力的なものが非常に多く
妙な物欲を刺激しそうで困ります(笑)

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

リコーキャディのカメラ修理

今日は「カレーうどんの日」だそうですよ。
6月2日が「カレーの日」で
7月2日が「うどんの日」、
そして今日、8月2日が「カレーうどんの日」だそうです。
カレーうどん。。。10年以上食べていないような気がします。。。
いやキライとかではなく好きなのですが
何となく機会がなかったというか。。。
昔は「ちから(広島のうどんとおはぎのチェーン店)」の
カレーうどんが好きでよく食べていました。
こっち来てから食べたことないかも。。。
近いうちにどこかで食べてみましょう。。。

さてさて

本日は「リコーキャディ」のカメラ修理を行っています。
発売開始は1961年で、
オートハーフより先に発売されたリコー初のハーフカメラです。
オートハーフにも採用される25mmF2.8レンズは
このモデルから始まったのですね。
ハーフ判で25mmなのでフルサイズに換算すると
約35mmで丁度良い広角レンズとなります。
セレン式の露出計を装備しますが
露出計とボディの連動はありません。
露出計が示すLV値を見てボディ側のLV値を設定するという
この時代のカメラによくあるパターンです。
マニュアルで使おうとすると少々わずらわしいですが
絞り、シャッタースピードも普通に設定することもできますので
もしセレンがダメだったとしても普通のマニュアル機として使用できます。

広角のハーフ判といえば
現在、非常に高価に取引されているペンWを思い浮かべますが
このリコーキャディという選択も十分にありだと思います。

お預かりしたリコーキャディは
外観もキレイで見た感じは非常に良さそうな個体です。
しかしながら、巻上が全くできず、もちろんシャッターも切れません。
原因は古いレンズシャッター機では定番の
油汚れによるシャッター羽根固着です。
心配されるセレンは全く問題がなく
露出計は非常に元気に精度もほぼ問題なく動作しています。

機械的な部分の清掃及び整備で
きちんと復活しそうですね。

写真は整備が一通り終わった時点でのものです。
オートハーフも非常に良いカメラですが
キャディも負けず劣らず良いですね。
撮影したわけではないので写りに関しては何もいえませんが
オートハーフと同じ形式のレンズですから
悪いわけはないと思います。
その上でマニュアル的にも使えるので
絞りやシャッタースピードを積極的にコントロールしたい場合は
キャディのほうが使い勝手が良いと思います。
なかなか魅力的な1台です。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。

ペンタックスSPのカメラ修理

今日は今年2回目の
「夏の土用の丑の日」でもあり
「水の日」でもあるのですね。
いつだって水は生きていく上で欠かせませんが
この季節は消費する水も非常に多くなりますね。
甘いもの好きでお酒の好きな私は
喉が渇くとついつい炭酸飲料やビールを手にとってしまいますが
それらだとまたすぐに喉が乾いてしまって
全く水分補給にはならないのですよね。。。
仕事中にビールはないですが
缶コーヒーやジュースではなくて
しっかり冷やした水で水分補給するようにしなくては。。。(汗)
でもですね。。。炭酸飲料は美味しいのですよ。。。
やはり美味いものは大抵、身体や財布に悪いものが多いです。。。(笑)

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
SPは一眼レフとしては比較的早い時期のカメラで
発売開始(1964年)から既に50年以上経過したカメラです。
当時はカメラ自体が高級品で非常に高価でしたが
それでもSPは比較的安価だったことと
十分以上の性能や使いやすさで
当時大ヒットしたカメラです。
そのおかげで現在も見かけることが多く
手軽なM42マウント機ということで高い人気を保っています。

。。。とはいえ50年以上経過したカメラなので
その状態は千差万別です。
当然、発売以来未整備のカメラはまともに動かないものも多いです。

今回、お預かりしているSPは
状態そのものは悪くなく、外装もキレイなものですが
さすがに各所油切れのようで
幕速はかなりバランスが崩れていて
高速シャッターの場合だとかなり露光ムラが発生します。
加えて定番のプリズム腐食が発生しています。
露出計も動作はしていますが精度は出ていません。

シャッター周り、ミラー駆動部、巻上部、ファインダー
露出計周り、プリズム交換。。。等々、各部点検整備一式を行いました。
巻上も軽やかでかなり快適に使える状態になったと思います。

少々久しぶりに黒のSPを整備しましたが
やはり引き締まった精悍なルックスで良いですね。
SPも腐食のない中古プリズムや
状態の良い摺動抵抗等はなかなか入手が難しくなってきました。
機械制御シャッターとはいえ
修理不能になる部分もいずれは出てくるかもしれません。
今、眠っているSPをお持ちの方は
なるべく早めに一度整備を行ったほうが良いかと思います。

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。