日別アーカイブ: 2020年6月12日

キヤノンデミSのカメラ修理

今日は「日記の日」だそうですよ。
ユダヤ系ドイツ人の少女アンネ・フランクが
あの有名な「アンネの日記」を書き始めた日なのだそうです。
実は「アンネの日記」読んだことないですし
日記もちゃんと付けたことはないのですが(汗)
日記とか写真とかいわゆる自分の記録を残すものは
ずっと後になってその時の気持ちというか
初心というか原点に戻るといった意味でも
非常に役に立ちますよね。
単純に「うお~懐かしい!」でももちろん楽しいですし(笑)
何にしても昔のことというのは
何もなければ記憶は薄れていく一方なので
こういう日記とか写真で残っていると
ガタついて空きにくくなった引き出しのカギになりますよね。
そうしてたまに思い出していれば
より深く記憶に刻まれて忘れなくなるのだと思います。
そう考えると一番いろいろなことがあった
高校生くらいから20代って写真から離れていたから
あなり残っていないのですよねぇ。。。もったいない。。。
カッコつけた写真とか人に見られることを意識した写真ではなくて
なんでもない日常をたくさん撮っておけばよかったと思います。
まぁ写真だけじゃなくて当時聞いた音楽とか
よく行った場所とかいろんなものが
思い出のカギになるからたまには
はるか昔のことを一生懸命思い出してみるのもいいと思います。

さてさて

要は「キヤノンデミS」のカメラ修理を行っています。
デミとは英語・フランス語で「半分」の意味で
その名の通りキヤノンのハーフ判カメラのシリーズ名です。
デミSは初代デミ、カラーデミに続いては発売されたモデルで
1964年の発売開始です。
初代デミではプログラムシャッターでしたが
デミSでは通常のマニュアル露出になりました。
絞り・SSも自由に選択できます。
初代デミと同じように追伸式のセレン露出計を搭載します。
機械的な追伸式なのでSS・絞りに摺動抵抗は存在せず
抵抗関係のトラブルとは無縁です。
ただセレンは劣化しているものが多いと思います。
レンズは30mmF1.7no大口径を搭載します。
ペンシリーズでいうところのペンDに近いポジションだと思います。
デミといえばハーフ判ではめずらしいレバー式の巻上ですが
その巻上フィーリングが何とも気持ちよいのです。
この点だけでハーフカメラの中でデミを選ぶと聞いても
おもわずうなづいてしまうほどのものがあります。
ファインダーもプリズムを使った贅沢なつくりのものですが
残念ながら接眼レンズが曇っているものがやたらと多く
せっかくの秀逸なファインダーも魅力半減となってしまいます。
この接眼レンズのクモリはレンズの変質によるもので
残念ながら清掃では全く状況は改善しません。

お預かりのデミSはまずシャッターが全く切れません。
よくある羽根の粘りで動かない。。。というパターンではないような気がします。
とりあえず前後のレンズを外してシャッター羽根を露出し
汚れで固着してるのかどうかを先の確認しようとしたのですが
やはり羽根固着ではないようで
レリーズしてもシャッターユニット側が反応できない感じです。
露出計は動作していますがやはり2段くらいオーバーな値を示しており
セレンの起電量が足りず露出計指針の振りが足りません。
ただデミの場合はセレンと露出計本体の間に
固定抵抗が入っていてこれを変更することで
多少の調整ができるのでsこのでできる限りの調整を行います。

初代デミのように完全なモナカ構造ではなくなっています。
ただ分割されただけで大差はないのですが。。。
まずはシャッターが切れない理由を調べなければと
この後でレンズユニットを外したのですが
その時にネジが1本転がり落ちてきました。
これがシャッターユニットリンク部に引っかかっていたようです。
とりあえずはシャッターは切れるようになりました。
この外れたネジがどこのものなのかは
まあゆっくり整備しながら調べていきます。
とりあえず原因がはっきりしなかったものがわかったので
後は通常の整備をきっちり行えばOKです。
シャッター及び駆動部分の清掃注油、
レンズ・ファインダーの清掃調整等々
一通りの整備を行っていきます。

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