日別アーカイブ: 2020年10月8日

リコーオートハーフSEのカメラ修理

今日は10月8日で二十四節気でいうところの「寒露」ですね。
露が冷たく感じられる頃、ということですが
都内では露どころか朝から冷たい雨になっています。
語呂合わせの良い日なので他にもたくさんの記念日が制定されています。
私の好きな食べ物飲み物関係だけでも
ようかんの日、そばの日、焼きおにぎりの日、はらこめしの日。。。等々
そんな中に「角ハイボールの日」なんてのもありますねぇ
私は普段はビールか日本酒が多いのですが
居酒屋で焼き鳥なんか食べるとハイボールも飲みやすくていいですよねぇ
しかし角瓶なんて私が子供の頃からあるけど
(1937年発売だそうです。私が生まれる20年以上前です)
廃れないものですねぇ。。。
子供の頃、一緒に住んでいたじいさんは今の私と同じで
ビールか日本酒だったのですが
週末によく泊まりに行っていた親父の家には
ちょっとおしゃれなグラス棚の奥に
ダルマ(サントリーオールド)がいつも入っていたなぁ
その頃はいろいろゆるい時代だったから
一杯だけコークハイを作ってもらいよく飲ませてもらってました。
未だに「甘い酒」というと「コークハイ」が飲みたくなるのは
多分あの頃に刷り込まれたせいかな(笑)
角とかダルマとかレッドとかあの頃のサントリーウイスキーには
結構お世話になってますねぇ。。。(笑)
ダルマもまだ売っていますし根強いファンが多いらしいです
たまにはダルマを買ってきて7月に亡くなった親父のことでも
思い出しながら飲んでみるのも良いかもしれません

さてさて

本日は「リコ-オートハーフSE」のカメラ修理を行っています。
「SE」なので「E」にセルフタイマーが追加されたタイプです。
オートハーフの各モデルを念のため確認していて
気が付いたのですが、前面アルマイト板が貼られて
いわゆる最も有名な「オートハーフの形」になったのは
「オートハーフS」からなのですが。。。
その「S」からセルフタイマーを省略されたものが
「E」で「E」にセルフタイマーが追加されたものが「SE」。。。
なかなかややこしいですね。もちろんそんな表向きの機能だけでなく
内部部品はいろいろと変更されているので
全くもって「S」=「SE」ではございません(笑)
(SEにはオートスタート機能もありますしね)
ハーフカメラと言えばやはり「オリンパスペンシリーズ」が
一番の人気だとは思いますが
オートハーフだって負けてはいません。
何といっても魅力は個性あふれてバリエーションの非常に多い
そのデザインとゼンマイ自動巻上等の全自動化でしょうか。。。
ピントは固定焦点で露出もプログラムオート
巻上も自動とくればあとは本当に構えて撮るだけのカメラです。
現在のスマホカメラ等ではそれが当たり前でも
オートハーフは1960年代~70年代の:カメラです
その時代でそれだけ簡単に撮れるというのはかなり画期的なことでした。

お預かりしているオートハーフSEは
ご入り者様が一度フィルムを入れて撮影してみたのだが
何も写っていなかったということで
一通りの整備と修理をしてほしいということで当店にやってきました。
きちんと巻上はできていたようなので
他のカメラとは違い自動巻上のオートハーフで
フィルム装填ミスは考えづらい状況です。
(フィルム装填ミスがあると自動巻上ができないので
気づかないことはないと思われるため)
写らなかったフィルムそのものは拝見していないのですが
結果としては未露光のようです。
。。。となるとシャッター固着で開かなかったという可能性が高いのですが
お預かり時にはとりあえずは開いているのです。
ただ、粘りは多少あったので動かしているうちに
開くようになったのかな。。。という予想です。
シャッターの粘りも問題ですが
それよりも今回のこのオートハーフ
色んな所のネジがゆるゆるで
シャッタユニットもぐらついているような状態でした。
こちらが原因で何かおかしな:挙動になったとも考えられます。
心配されるセレンは少々起電力が弱いものの
なんとか調整で適正露出を得られる程度には
露出計を駆動することができそうです。

「SE」はこのシルバーのミラーっぽいデザインと
波紋パターンのものが一般的に販売されたデザインですが
このシルバーのオートハーフを見ると
なぜか昔、家にあった白黒テレビをイメージしてしまうのですよねぇ(笑
でも本当に当時の空気を感じることのできる
良いデザインだと思います。
一通りの整備を行って現在はお預かり時より
明らかに軽やかに動作しています。
シャッターもオートの精度も全く問題ございません。
レンズシャッター機はもともと小さなバネの力で
シャッターを駆動しますが
オートハーフのシャッターユニットは
通常のレンズシャッターユニットよりも
さらに小さなバネ力で動作しています。
ほんのわずかな油汚れでもあろうものなら
簡単に固着します。
そのためやはり定期的な整備・清掃が必要なカメラだと思います。
ただし基本的にはシンプルなカメラなので
しっかり整備を行えば当時とあまり変わらない状態で
撮影できるカメラだと思います。
60年代70年代の空気を感じながらオートハーフで撮るというのは
なかなかお洒落な行為だと思います。

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