日別アーカイブ: 2022年7月7日

ニコンEMのカメラ修理

今日は7月7日…言わずと知れた「七夕」であり
「小暑」でもありますねぇ
「梅雨明け」が近付き、夏らしい暑さが始まる頃なので
「小暑」とされるのですが
今年はとっくに梅雨明けしてしまいました。
でも今日もどんよりしていますが新暦の7月7日は
まだ梅雨真っただ中のことが多く
なかなか天の川も彦星織姫も見えないことが多いのですよねぇ
昔ながらの旧暦なら見える可能性も高いですし
気候的にも七夕らしいですよねぇ
七夕に関連する記念日も今日はたくさん制定されています。
「ゆかたの日」、「川の日」、「恋の日」、「ポニーテールの日」
「香りの日」…等々
そんな中に「七夕」とは関係なく「カルピスの日」が制定されています。
1919(大正8)年のこの日にカルピス株式会社の前身である
ラクトー株式会社が
日本初の乳酸菌飲料「カルピス」を発売したことが由来です。
100年以上経つのですねぇ~
そういえば最近カルピス飲んだ記憶ないですねぇ
子供の頃は必ず家の冷蔵庫にありましたねぇ…瓶のカルピス…
いろいろあって使われなくなりましたが
あの独特の「黒い人」のキャラクターが懐かしいですねぇ…
こっそりめちゃくちゃ濃いカルピス作っては
バレてばあさんに怒られたなぁ(苦笑)

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年に国内発売が開始されたニコン初のエントリー機です。
絞り優先AE専用機で外装もプラスチックを多用し
それまでのニコンらしくないといえばそうかもしれません。
国内市場ではこの「ニコンらしくない」という部分が
どうも受け入れられなかったようで
販売的には苦戦を強いられます。
ただしその前年から既に発売が始まっていた海外市場では
かなり好調なセールスだったようです。
ジウジアーロデザインの小粋なデザインと
使いやすさがかなり好評だったようです。
皮肉にもその良さが国内市場で理解されたのは
EMの生産完了後になってしまい
中古市場ではかなり人気のモデルになりました。
現在でもその人気は根強く
EMを今でも愛用されている方や中古で探している方も多いかと思います。

この時代、各メーカーが物品税の関係もあり
揃ってボディ本体4万円で発売していた
絞り優先AE専用機ですが
EMも含め、やはりエントリー機なので
耐久性はそれなりで発売から40年経過する現在では
使いっぱなしの個体をそのまま使うのは
なかなか難しいものがあると思います。
それでもEMはこのクラスの中では比較的しっかりできているカメラです。
ただしこの時代のプラスチック部品は経年劣化で脆くなっているものも多く
EMも巻き戻しクランクが破損した個体を多く見かけます。
今回お預かりしている個体はそこは大丈夫なのですが
分解時にどうしても取り外さなくてはいけない部分でもあり
下手に力任せに外そうとするとあっけなく割れるので
非常に注意が必要な部分です。

お預かりしているEMは
まずレリーズボタンを押してもミラーが上がるだけで
シャッターはうんともすんとも動きません…
電子シャッターだけではなくM90もBも同様です。
「EMにしてはめずらしいパターンだなぁ…」と思いつつ
いろいろ眺めていると
セルフタイマーが回されていることに気が付きました…
あぁ、なるほど…セルフが完全に固着しているので
シャッターが切れないのですね…
FE/FM等のニコン縦走り機でも同様ですが
セルフがセットしてあるとレリーズするとまずミラーが上がります。
そしてセルフが回り切るとシャッターが切れるわけですね
それが固着して動かないのでいつまでたってもシャッターが切れないわけです。
コパルのシャッターユニットなのでセルフタイマーは
シャッターユニットに組み込まれています。
まずはシャッターユニットを露出できるとこまで分解して
とりあえず強制的にセルフを動かすとシャッターは切れました。
これでとりあえずセルフを使わなければシャッターは切れるようになりました。
ただし、もっと重要な問題がこの後発覚しました。
オートが全く効いていないようで
露出計がどこを指していようと一定のシャッターでしか切れません…
これはちょっと厄介な状況です。
マグネットの問題か、電気接点の問題かとは思われますが…
EMは摺動抵抗関連のトラブルは多いのですが
それだと露出計も動かなかったり不安定になったりするので
今回はそうではないと思われます。

同じようなトラブルは過去にも
修理したことは何度かあるのですが
原因がいつも同じとも限らないのですよね…
まずは考えられる部分をひとつひとつチェックしていきます。
電子基板そのものがダメだと修理不能ですが
分解品でショートさせたりフレキを切っていない限り
おそらくその可能性は小さいと思われます。
多分何とかなると思いますが
まずは慎重に原因を探っていきます。

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