ニコンEMのカメラ修理

今日は「温度計の日」だそうですよ。
水銀温度計を発明し
華氏温度目盛りに名前を残す
ドイツの物理学者ガブリエル・ファーレンハイトが生まれた日に
由来しています。
ちなみにファーレンハイトの生まれた日付の5月14日は
ユリウス暦によるもので、グレゴリオ暦では5月24日となります。
規制の関連もあり目にすることの少ない
水銀温度計ですが子供の頃に実家にはありましたね…
赤液温度計を見慣れているせいかあの独特の
水銀の色合いが印象に残っています。
比較的、室内にいても屋外にいても
気温が気になる方なので
仕事場、自宅はもちろん携帯用の温度計も
持ち歩いていたりします(苦笑)
ところで今日の「温度計の日」の由来となっている
ファーレンハイトは「華氏温度」を作った人ですが
日本では摂氏温度(°C:セルシウス度)の導入が政府によって行われて
それが根付いているので華氏の感覚が全くわかりません…
今日の気温が80℉(26.7℃)と言われてもなんのこっちゃ…って感じですね。
英語圏の方だと逆の方も多いでしょうね

さてさて

本日は「ニコンEM」のカメラ修理を行っています。
1980年発売のカメラです。
ニコン初のエントリークラスのカメラです。
同年にトップモデルの「F3」も発売されていて
両者ともジウジアーロデザインの洗練された外装のカメラです。
この時代、各メーカーから絞り優先オート露出専用の
エントリークラスのカメラが物品税の関係もあり
押し並べて4万円で販売されていて
ニコンもこの熾烈な販売競争が繰り広げられる分野に
「EM」で参戦しました。
ただし…EMは先行発売された海外では好調だったものの
国内ではなかなか苦戦を強いられたようです。
それまでのニコンのラインナップは
トップモデルの「F一桁機」と中級機の「FE/FMシリーズ」のみで
「ハイアマチュア以上の方が使う高級機」のイメージが
既についていました。
それに対してエントリークラスの「EM」は
「ニコンらしくない」「あれはニコンではない」と
敬遠されがちになってしったようです。
「EM」単体で見るとこのクラスとしては安っぽさは少ないですし
電子制御機なのにメカニカルで電池ナシで動作する
「B」「M90」を装備するなど随所にニコンらしい
こだわりも見受けられ非常にニコンらしいカメラだと思います。
それでも当時はなかなかうまくいかなかったようです。
マーケティングって難しいですね…

お預かりしている「EM」は一通りなんとか動いていますが
電源が非常に不安定で露出計も安定しません。
加えてモルトの劣化が酷く
ファインダーの中がモルト屑だらけになっています。
オートの精度も随分オーバー目になってしまっているようです。
致命的な故障等ではないですが
やはり気持ちよく使うためには全体的なリフレッシュが必要です。

電子制御機なのでフレキに覆われていますが
この類のカメラとしては整備性は良好な方です。
シャッターユニットはFE/FM系のコパルではなく
セイコーMFCです。
分解しているといつも思いますが
中身もこの時代のニコンらしく
限られたコストの中ではありますが
随所にニコンらしい部分も見受けられます。
生産中止後に人気が再燃したカメラですが
確かに使い心地もよくスタイリッシュなので
もっと新品時にもっと大ヒットしても
おかしくなかったのになぁ…といつも思います。

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