日別アーカイブ: 2024年1月19日

ニコンF2フォトミックAのカメラ修理

今日は「のど自慢の日・カラオケの日」なのだそうです。
1946(昭和21)年のこの日に
NHKラジオの「のど自慢素人音楽会」が始まったことを記念して
日本放送協会(NHK)が制定しています。
テレビ放送になったのは1953年からだそうです。
それにしてもこの番組、まだ今でも放送続いているのですね!
テレビ(地上波)って今や1日たぶん30分も見ていないから
(朝、準備をしながら少しつけるだけ、ほぼ見ていない(苦笑))
現在のテレビ番組なんて全く知らないのですが
私が生まれる前からずっと続いているってすごいですね…
そういえばじいさんばあさんがいつもこれ見てたなぁ
日曜日のお昼ですよね…なんだか懐かしいです。
私が知っているのは鐘で合格かどうかをお知らせするパターンですが
鐘が登場する前は司会者が口頭で合格者に
「合格です」、不合格者には「けっこうです」と告げていたそうです。
歌っている途中で「けっこうです」って言われたら
ちょっとショックでしょうね(笑

さてさて

本日は「ニコンF2フォトミックA」のカメラ修理を行っています。
F2系、特にフォトミック系の修理依頼は比較的多いので
毎度同じようなことを書いてしまいますが
F2フォトミックはF2のボディに
露出計内臓のフォトミックファインダーを組み合わせたモデルです。
フォトミックファインダーは前モデルの「F」の途中から
ラインナップされるようになり
F2では開発当初からフォトミックファインダー搭載が
前提とされて設計されています。
そのため露出計に必要な電池室もF2ではボディ側に配置されています。
デザイン的にもいかにも取ってつけたような「F」の頃に比べると
F2フォトミック随分と洗練されています。
それでも少し頭でっかちで独特の無骨さがあるのがですが
今となってみればF2フォトミックの無骨さは
この頃のニコンらしくて個人的には非常に魅力的に写ります。
フォトミックファインダーはF2デビュー時の
ノーマルなフォトミックファインダーに加えて
受光素子の違いや露出計が指針式からLED式に変更されたものも追加され
合計で5種類が存在します。
今回の「フォトミオックA」はノーマルのフォトミックをベースに
レンズとの連動がAi方式に変更されたものです。
受光素子(CdS)や指針式であることはベーシックなフォトミックと同様です。
ただAi方式に対応したため
ファインダー内絞り表示がレンズの刻印を直読するタイプに変更されています。
ここに関しては個人的には非Aiのほうが
文字が大きくて見やすかったような気がします。

お預かりしている「F2フォトミックA」は
一通りは動作している状態なのですが
やはり動きの悪いところもいくつか見られ
先幕・後幕の幕速バランスが少し崩れていて
高速シャッターの精度が出ていません。
幕軸の汚れ等が原因かと思われます。
低速シャッターは今度はスローガバナーの粘りで
非常に不安定です。こちらもガバナの汚れや古い油脂が原因かと思われます。
F2唯一の弱点でもある電池室マイナス側端子は
まだしっかりしていて問題なさそうですが
ファインダー内部の摺動抵抗にはやはるい汚れがたまっているようで
露出計の指針の動きは不安定です。
精度もオーバー気味で調整が必要です。
大きな致命的なトラブルはないのですが
やはり全体的に清掃整備調整が必要な状態です。
反対に言うとしっかりリフレッシュしてやれば
問題のない状態で安心してまだまだ使える個体かと思われます。

まだ取り掛かったばかりで
これから本格的に分解に取り掛かる状態です。
この時代のF一桁機なので
当然ながら分解整備を行い適切なメンテナンスを行うことを前提に
設計されているので整備性は抜群です。
かゆいところに手に届くような感じで調整機能もあり
しっかり整備調整して精度を出せるような仕組みになっています。
そして部品そのものの精度も非常に高く
整備された状態でゆっくり巻き上げて動きを確認してみると
その精密さにためいきが出るほどです。さすがの造りです。
ショック品や水没品とかで致命的な破損さえなければ
メンテを行いつつ
いつまでも使えるカメラではないかと思います。

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