日別アーカイブ: 2024年1月27日

オリンパスOM-1のカメラ修理

今日は「国旗制定記念日」だそうですよ。
1870(明治3)年のこの日(旧暦)に
明治政府が日の丸を国旗とする太政官布告の商船規則により
国旗のデザインと規格を示したことが由来となっています。
国旗は元々は船の印としての旗で
徳川幕府が「日本総船印」として定めた
白地に日の丸を踏襲した「商船国旗」として定められたのだそうです。
当時の規格は、縦横の比率は7:10で
日の丸が旗の中心から旗ざお側に
横の長さの100分の1ずれた位置とされていました。
現在の規格は国旗の縦横の比率は2:3、
日の丸の直径は縦の長さの5分の3、
日の丸は旗の中心の位置。色地は白色、日の丸は紅色とされています。
そういえば太陽は実際は朝夕以外は少しも赤くないのに
太陽を赤く書くことが多いのは
やはり日の丸から来ているのでしょうかね?

さてさて

本日は「オリンパスOM-1」のカメラ修理を行っています。
今月もコンスタントにOM-1の修理依頼が入っています。
相変わらず機種別としては
圧倒的に依頼数が多いのがOM-1です。
軽量コンパクトな機械制御シャッター機となると
「OM-1」とペンタックスMXくらいしか当てはまるものがなく
その上、使い心地等も良く、よりシンプルなもの…となると
OM-1がこのジャンルを圧倒する理由がわかるような気がします。
ただそのコンパクトさを実現するために
通常の同時代の一眼レフとは全く異なる造りとなっている部分も多く
それ故に多少デリケートな部分も多いカメラです。
基本的には丈夫なカメラですが
定期的なメンテナンスはより必要なカメラだと思います。
それも整備依頼が多くなる理由の一つだとも思います。

お預かりしている「OM-1」は
まずは定番のプリズム腐食です。
プリズムの接眼側に遮光対策として貼られているモルトが
加水分解を起こしプリズムの蒸着を剥離していくトラブルです。
対策を行っていないOM-1ではほぼすべての個体で起きてしまう
トラブルだと思います。
当店では中古の腐食のないプリズムと交換することで対処します。
加えて高速シャッターには精度不良がみられ
低速シャッターはガバナの粘りで不安定な動きをします。
フィルムカウンターにもトラブルがあり
やはり全体的に汚れ等で動きの悪い状態です。
露出計は動作はしていますが
大幅にオーバーな値を示します。


まだプリズムを降ろしただけの状態です。
プリズムとモルトを貼られた部分をまたぐ
X接点のステー部にはボロボロのモルトが付着していると
予想していたのですが明らかにモルトは過去に交換されていて
比較的新しいものが貼られていました。
モルトを貼りなおした時には
既にプリズムはこの状態だと思われるのですが
モルト交換を行っただけで
その時点ではプリズムには対処を行わなかったのだと思われます。
プリズムは交換できるものがあれば
載せ替えること自体はたしたことではないのですが
先程も少し触れましたがOM-1はいろいろと
デリケートな部分も多く開けたからには
調整整備しないとならない部分も多く存在します。
いずれにしても現状では本来の動きではない状態なので
シャッターの精度も含めて各部しっかり整備調整を行っていきます。

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