日別アーカイブ: 2025年1月20日

ミノルタXEのカメラ修理

今日は二十四節気でいうところの「大寒」ですね。
「小寒」から「立春」前日の「節分」までの
約30日間を「寒(かん)」や「寒中」「寒の内」と呼び
「大寒」はその真ん中にあたり一年で最も寒い時期といわれています。
この頃に各地で一年の最低気温が記録されることが多く
2023年(令和5年)12月時点で
「日本最低気温の日」は1月25日となっています。
ただ…今日の都内は昨日までに比べると
少しだけ暖かそうで最高気温も二桁を超えそうです。
「大寒」に関連して
「血栓予防の日」なんてのも制定されています。
日付は寒い時期に血栓が出来やすいことから「大寒」になることが多い
1月20日を記念日としています。
また、20日を「2(ツ)0(マル)」(詰まる)と読む
語呂合わせにも由来するのだそうです。
イヤな記念日ですねぇ(苦笑)
ちなみに私の頭の血管が詰まったのは5年前の2月11日で
この日も比較的それまでに比べると少しだけ暖かった日なのですよ…
まぁ寒い時期に血管が詰まりやすいのは事実だし
無駄に身体を冷やすことのないように気をつけます…
再発なんて起きると洒落にならないので…

さてさて

本日は「ミノルタXE」のカメラ修理を行っています。
1974年発売のカメラです。
前年の1973年に「Xシリーズ」の一号機であり
ミノルタ初のプロ仕様高級一眼レフカメラの「X-1」が
デビューしていてそれに続く「Xシリーズ」第二弾モデルとなります。
なんといってもハイライトは
ライツやコパルと共同開発したコパルライツシャッターの搭載で
このシャッターユニット搭載により
非常に滑らかな巻上を実現しています。
それ以外の使用感も非常に優れていて
スペックもさることながら「使い心地」の良いカメラとして
現在でも根強い人気のあるカメラです。
ただ、初期の電子制御機ということもあり
「X-1」ほどではありませんがトラブルの比較的多いカメラでもあります。
まずは現存する多くの個体で見られるプリズム腐食
そしてシャッターは動作してもシャッターは開かず
ミラーアップしてしまうようなシャッター関連のトラブル
さらに露出計のトラブルも多いです。
意外と修理可能な場合が多いのですが
プリズム腐食は当店にももはや中古良品のプリズムの在庫もなく
残念ながら対応不可となってしまっています。

お預かりしている「XE」はまず高速シャッターが開きません。
1/1000は完全に開かず、1/500も1/3くらいしか開かない状態です。
1/250からは開きますが当然ながら高速シャッターの精度は出ていません。
ただ、無条件にミラーアップしてしまうような状態ではないため
マグネットやシャッター羽根の清掃整備の上で
電気的調整で修理できるものと思われます。
そしてやはり露出計は全くダメです。
電源は入りますが少々の明るさや絞り・ASA設定に関わらず
指針が1/1000の上まで振り切ってしまうような状態です。
当然ながらこの露出計の値を元にオートも作動するので
オートも正常に作動しない状態です。
こちらはほぼ間違いなく巻き戻しクランク下の
摺動抵抗板の汚れが原因かと思われます。

画像にも写っていますが
抵抗版は本来はキレイな金色なのですが
汚れで黄土色というか茶色がかったくすんだ状態になっています。
これでもしっかり清掃するとキレイな金色になり
露出計の値も正常に近づくと思われます。
既に外したプリズムも転がっていますが
プリズムを降ろす際に前面に貼られた加水分解モルトと一緒に
蒸着が剥がれてしまう場合もあり
降ろす際には非常に神経を使います。
今回もやはり前面のモルトはベタベタに劣化していましたが
プリズムへの浸食はまだ少なく
何とか無事にプリズムを降ろすことに成功しています。
もちろんモルトはすべて剥がして腐食予防も含めて対処していきます。
その前にこれから分解を進めて
シャッター周りの整備を行っていきます。

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