日別アーカイブ: 2025年12月26日

オリンパスペンEE-3のカメラ修理

今日はいわゆる「御用納め」ですね。
官公庁で年末年始の休日を前に
その年の最後の事務を執ることを意味します。
また多くの民間企業でもこの日が「仕事納め」となります。
古くは1873(明治6)年から
官公庁は12月29日から1月3日までを休暇とすることが
法律で定められており
通常は12月28日が最後の業務日であり「仕事納め」となります。
で、今年は27、28日が土日なので
今日が「御用納め・仕事納め」になるわけですね。
ちなみに当店は日曜日まで営業しますので
28日が「仕事納め」となります。
今はいろんな休みの形態がありますし
年末年始も通常業務の方も
それなりにいらっしゃるとは思いますが
それでもやはり年末年始は少し特別な感じがしますよね。
…ってこんなこと書いていると
つられて「仕事納め」の気分になってしまいそうです。
私はもう少しあるので日曜日までしっかりがんばります!

さてさて

本日は「オリンパスペンEE-3」のカメラ修理を行っています。
1973年発売のカメラです。
ハーフカメラを代表するカメラであるペンシリーズですが
その中でも「ペン」といえば「EEシリーズ」を
イメージする方も多いと思います。
実際、現在でも使われている「ペン」で
最も多いのは「EEシリーズ」ではないかと思います。
「EE-3」はその名の通り「EE」としては3代目になるモデルです。
さらにこの後、フラッシュ内蔵になった「EF」も発売されますが
「EEシリーズ」のみならずフィルムの「ペンシリーズ」で
最も最後まで生産されたのがこの「EE-3」となります。
1986年までなんと13年間も生産され続けました。
生産終了の前年の1985年には一眼レフの世界では
既に「ミノルタα7000」が発売され
オートフォーカス機の到来へと大きく時代が変わった頃です。
同じオリンパスのコンパクトカメラの世界では
1983年に「ピカソ」が発売されいわゆる全自動カメラも
各メーカーラインナップされている時代です。
そんな中にセレン光電池使用のハーフカメラが
まだラインナップされていたことは
何だか不思議な感じがします。
それだけ基本設計に優れていて気軽に持ち歩け
簡単に撮れるカメラとして支持され続けてきたのだと思います。

生産時期が長いので細かい仕様変更は行われていますが
基本的には「EE-3」は発売同時から最後までほぼ変わっていません。
レンズはDズイコー28mmF3.5搭載で
セレン光電池を使用した露出計と連動し
プログラムオートで撮影するカメラです。
オート露出はSS2速切り替えで絞りも連動します。
ピントも固定焦点のシンプルなカメラです。

お預かりしている「EE-3」は
最近まで普通に使用できていたそうなのですが
突然シャッターが切れなくなったとのことです。
よくあるシャッター羽根の固着かな…と思ったのですが
少しチェックしてみるとそうではないようです。
レリーズボタンが押し込まれた位置で
どうやら固着していて内部の露出計指針も挟み込んだまま
固着してしまっているようです。
ちょっとめずらしいパターンです。

ある程度分解してもぱっと見には何が原因で
レリーズ軸が固着しているのかわからない状態でした。
よくよく調べてみると部品の一部が破損し
その欠片がレリーズ機構の奥のほうで挟み込まれて
動けなくなっていることが判明しました。
ペンEE系ではシャッターユニットのネジが外れて
いろんなところに挟み込まれるトラブルも多いのですが
今回はネジよりももっと小さな破片でした。
取り除いて破損部分の交換修復を行って
正常な動きを取り戻していきます。
他、やはり動きの悪い部分もあったので
露出計やオート調整も含む一通りの整備を行っていきます。

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