日別アーカイブ: 2025年12月27日

キヤノンデミのカメラ修理

この時期になると記念日の制定も
ぐっと少なるのですよねぇ…そりゃそうですよね…
過去のこの日に起こった出来事を調べてみると
1995年12月27日に東海道新幹線・三島駅で
駆け込み乗車をした乗客の指がドアに挟まれ
ホーム端まで引きずられてレールに転落し、
車輪に轢かれて即死という事故が起きています。
新幹線開業以来の初の旅客死亡事故だったそうです。
当時の車両の安全機構や確認の見逃し等の
いくつもの不運が重なった事故でもあるのですが
年末ということで外出している人も多く
バタバタと移動することもあると思いますが
こういうときこそゆっくり落ち着いて行動したいものですね。
特に普段の毎日のルーティンとは異なる動きをすることが
多い時期でもありますから
より注意深く何事も行う必要があると思います。
私も年末年始休業に入ったら
外出が増えますが何事もなく来年も普通に生活できるように
慎重に過ごしていきたいと思います。

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
1963年発売のカメラです。
「デミ」とは 「半分」や「部分的」を表す接頭語です。
ラテン語やフランス語に由来しています。
まさにその名の通りハーフ判のカメラです。
ハーフカメラといえばオリンパスペンや
リコーオートハーフが圧倒的に有名ですが
「デミ」もそこまでいかなくとも商業的に成功したカメラです。
ハーフカメラとして少々後発となってしまいまたが
巻上は主流のダイヤル式ではなく巻上レバーを備え
プリズムを使用した贅沢な実像式ファインダーを装備します。
またファインダーの対物側はレンズの真上に配置され
より正確なフレーミングが行えるつくりになっています。
オート露出こそ備えていませんが
シャッターはプログラムシャッターで
絞りとSSの組み合わせはシャッターユニットに委ねます。
セレン光電池使用の露出計指針に
プラグラムシャッター連動の追針を手動で合わせて露出を決定します。
搭載されるレンズはSH28mmF2.8です。

お預かりしている「デミ」は心配されるセレン光電池は
十分に元気で露出計もしっかり動作しています。
シャッターはとりあえず動作しますが
かなり長い間使われずにしまい込まれていたものとみられ
巻上や露出設定リングの動きがかなり重いです。
積年の汚れによるものと思われます。
特にシャッター設定ダイヤルの動きの悪さは問題ありで
シャッターを設定したいのにリングの動きが悪いため
ASA感度側が動いていしまう…という状態です。
これは思うように露出設定できません。
ファインダーは持病の曇りも少なく
比較的良好な状態なのですが
レンズにはかなり大きなカビがしっかり生えています。
全体的にリフレッシュが必要な状態です。

巻上のトラブルも比較的多いカメラなのですが
部品の変形等もなく動きの改善のみで問題ない状態にできそうです。
ハーフ判ではめずらしい巻上レバーは
本来はこのクラスらしからぬ非常にスムーズな感触で
使い心地も非常に良いカメラです。
しっかり整備してそのあたりもご依頼者様に
楽しんでいただきたいと思います。
まだ取り掛かり始めの段階ですが
これからしっかり分解整備を行っていきます。
蝶番式とはいえコンパクトカメラ等でありがちな
フィルム室にかぶせる構造の裏蓋なので
裏蓋には遮光用モルトが大量に使用されています。
当然ながら劣化で機能をはたしていない状態なので
そのあたりもしっかり対処していきます。

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