キヤノンⅢAのカメラ修理

今日の都内の気温は26度まで上がるそうです。
もはや初夏の気温ですね。。。
もしかしてこのまま暑くなっていくのですかね。。。
ここ数年、しみじみと感じるのですが
春や秋のいわゆる「過ごしやすい気温」の季節が
極端に短くなっているような気がします。
実際はそうでもなくて私の気温の感じ方が
年齢とともに変わっていっているだけなのかな。。。(苦笑)

さてさて

本日は「キヤノンⅢA」のカメラ修理を行っています。
いわゆるバルナックタイプのレンジファインダー機ですが
このカメラを預かったとき、1/1000があって、SSが倍数表示ではないから
「Ⅳsb」だと思い込んで受付票にも「Ⅳsb」と書いてしまったのですが
後でじっくり観察してみると
このキヤノンには1/1000はあってもX接点がありません。
もちろんコードレスフラッシュ接点もありません。
「あれ?」と思って資料を調べてみると
どうやらこのカメラは「ⅢA」だったようです。。。
シンクロ接点がなく、巻戻ノブのローレットが縦目、というところが判断箇所です。
(ちなみに縦目ではなく菱形だと「Ⅲ」)
この時代のキヤノンバルナックコピー機の区別は難しいですね。

今回、お預かりの「キャノンⅢA」、
シャッターが切れたり切れなかったりしています。
どうやら後幕の動きが非常に悪いことが原因のようです。
何故後幕の動きが悪いかというと
もちろん油切れも原因のひとつですが
今回の場合の最大の原因は「シャッター幕の硬化」です。
ガチガチに固くなっているため、スムーズに巻くこともできず
リリースされてもスムーズに出てくることができません。
こうなると幕交換しか対処方法はございません。
今回の個体は何らかの理由で先幕だけは一度張り替えられているようです。
(後幕と明らか幕の種類が違っている)
とはいえ、随分昔のことだとは思われます。
今回はもちろん、両方の幕を張り替えます。

まずはこの状態にしないとシャッター幕の様子も詳しくチェックできません。
シャッター幕そのもの以外にも
幕軸やスローガバナーは油切れのため固着気味です。
まずは幕の張替え・各部清掃注油を行って
その後、各部調整を行い、精度を出していきます。

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