ニコンEMのカメラ修理

今日は「のど飴の日」らしいですよ。
普段あまりのど飴なんて口にしないのですが
ここ1ヶ月くらいはよく舐めています。
というのも一ヶ月程前にちょっと風邪気味になり
咳が出始めてから
風邪はとっくに治ったのに咳だけがいつまでも止まらない。。。
で、気休めにのど飴をよく舐めているのですね(苦笑)
まぁ、しかし。。。怪我も病気もそうですが
治るまでに時間がかかるようになりました。。。
これも年齢のせいなんでしょうねぇ。。。
大体、風邪なんてここ20年くらいひいた覚えなかったのになぁ。。。

さてさて

本日はニコンEMのカメラ修理を行っています。
1980年にフラッグシップのF3と同時期にデビューした
絞り優先AE専用のエントリー機です。
ニコン初のエントリー機でもありますね。
当時の物品税の関連もあり
ボディの価格、40,000円以下のエントリー機が
この時期には各社から発売されていました。
これまでのニコン機といえば
質実剛健で信頼性が高いイメージではあったのですが
そのデザインも頑強さを前面に押し出したものが多かったと思います。
EMはそんなそれまでのニコンのイメージとは
全く違うスタイリッシュなカメラです。

EMはエントリー機であるが故に
さすがにコストを抑えた面も見え隠れします。
この頃のニコンのカメラは少々モルトが劣化しても
なかなか光線漏れが起こらないカメラが多いのですが
EMの場合はモルトが劣化すると確実に光線漏れを起こします。
特に裏蓋の蝶番部分のモルトから光線漏れが起こることが多いようです。
その他、高速シャッター動作不良、オート不良を
起こしている個体も多く見かけます。

今回、お預かりしているEMは
ご依頼者様が30年程前にお父上から譲り受けたお品だそうです。
状態としては悪くなく、一通り動作もしています。
ただ動いていない期間も長かったようで
オートや露出計にはそれなりにズレが見られ
高速シャッターも少々不安定です。
モルトはやはり全滅でいつ光線漏れが起こってもおかしくない状態です。
電子制御シャッター機ではあるので
突然電子部品がダメに可能性はわずかながらあるのですが
このあたりで一通り整備をしておくと
安心してまだまだ使える状態を維持できると思われます。。

シャッターユニット、巻上部、ミラー駆動部等々の整備を
一通り行い、ほぼ組み上げた段階です。
これから露出計、オートの調整を行います。
写真には写っていませんが
付属するシリーズE50mmF1.8には
レンズにカビが見られるので清掃を行います。

ジウジアーロデザインの優美なデザインは
さりげなく肩から提げて歩くだけでも絵になると思います。
そういえばオート専用のニコン一眼レフ機は
このEMだけなのですね。(APS一眼は除いて)
電子シャッター機ゆえに
電池がないとオート露出はできませんが
機械制御の1/90とバルブをしっかり装備している点が
非常にニコンらしいな。。。と感じるカメラです。

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