オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は「焼き鳥の日」だそうですよ!
真夏の焼き鳥。。。いいですよねぇ。。。
最初の2、3杯はビールをジョッキでいただきながら
ガツガツ食べて、落ち着いたら
日本酒か焼酎でゆっくり味わう。。。
もちろん冷房のキンキンに効いた少し煙ったお店で。。。
焼くときのあの香ばしい香りがまたたまりませんよねぇ~
皮、もも、ささみ、ねぎま、ハラミ、ぼんじり、なんこつ、砂肝。。。
どのお肉も美味しいですが
カリカリに焼けた皮を塩でいただくのが一番好きかなぁ。。。
あぁ、まだ昼間なのに脳内が「焼き鳥モード」になってしまいます(笑)

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
世界初のハーフ判一眼レフとして1963年に最初のペンFが発売され
その3年後の1966年に発売されたのが「ペンFT」です。
基本的な構造や考え方は「ペンF」と同様ですが
TTL露出計を内蔵し、そのために「ペンF」は内部ミラーだった部分を
ハーフミラーに変更しCdSに光を取り込むようになりました。
さらに巻上もペンFの2回巻上から1回巻上に変更になり
巻上角は非常に大きくなっています。
他、ファインダースクリーン変更やセルフタイマーの追加等
多数に渡って変更が行われています。
露出計はTTLナンバーと言われる数値をファインダー内で指示し
レンズ側に刻印されているTTLなんばーを合わせる形です。
この方法のおかげで
レンズごとの開放F値をボディ側に伝達する必要なく
開放測光を実現しています。

お預かりしている「ペンFT」は巻上ロックしたままで
シャッターも全く切れない状態です。
ペンF系はミラーアップしたままの個体も非常に多いのですが
今回の巻上ロックも原因としては同じようなもので
ミラー駆動部に問題があるようです。
今回はお預かり時にはミラーを跳ね上げるバネのテンションが
全く抜けてしまっている状態でした。
とはいえ、単純にテンションをかけ直すだけでは
一時的には復帰するのですが
また少し動かしていると元の状態に戻ってしまいます。
どうもミラーチャージの位置関係がおかしいようです。
露出計は大幅にオーバーでこのままでは全くあてになりません。
どちらにしても大幅に調整を行わなければならないので
ご依頼者様と打ち合わせの結果
オリジナルの1.3Vではなく1.5Vで
正しい値が出るように調整します。
余談ですが1.3Vの水銀電池使用のカメラにそのまま
1.5Vの電池を使っても回路的にさしたる問題はありませんが
電圧調整等の全くない回路だと
カメラにもよりますが約1.5段ほどアンダーになってしまいます。
つまり0.2V電圧が高いため指針が振り過ぎてしまうわけです。
点検整備の際にはお使いの電池に合わせて
露出計を合わせていくこともできます。

写真は一通り整備が終わって少し様子見の段階です。
シャッター及び巻上は安定してスムーズに動作しています。
露出計の精度も問題ないレベルになりました。
ハーフ判一眼レフ。。。というだけでもすごいのですが
何と言ってもこの独特のデザインがいいですよね。
内部構造がかなり独創的なので
そのために必然的にこのスタイリングになっているのですが
大きくオフセットしたレンズマントに
ペンタプリズム部がなく平らな上カバー部、
ハーフ判ならではのコンパクトさ。。。
カメラ好きなら一度は欲しくなるカメラではないかと思います。

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