キヤノンAE-1プログラムのカメラ修理

今日は「山の日」ですね。
山の日が祝日となり施行されてから3回目です。
基本的に8月11日なのですが来年はオリンピックの影響もあって
8月10日なのだそうです。
海の日も山の日も来年はオリンピックの影響を受けるのですね。
下界は尋常ではない暑さが続いていますが
標高2000m以上の山だと真夏でもかなり涼しいです。
少し前までは夏はとても下界にいられないので
ある程度の高さの山に毎週のように登っていましたが
ここ数年は全く気力がおきません(苦笑)
ちなみに南アルプス・鳳凰三山の山小屋、
鳳凰山荘(標高2382m)のツイッターによると
今朝の気温は13℃だそうです。
いいなぁ。。。気持ち良さそうですねぇ。。。

さてさて

本日は「キヤノンAE-1Program」(以下AE-1P)の
カメラ修理を行っています。
1981年発売で前モデルAE-1にプログラムオート露出が
追加されたモデルです。
キヤノンAシリーズは基本的な構造は最初に出た
「AE-1」がベースとなっていますが
AE-1PはAE-1から5年経過していることもあり
電子基板や回路はもはや異なる時代の物となっています。
ファインダー内情報もAE-1の指針式から
LED表示となりスクリーンも格段に明るくなりました。
デザイン的にもNewFDレンズ(1979年発売)が非常に似合う
洗練されたものになりました。

。。。とはいえ機械部分のベースがAE-1のため
「Aシリーズ」共通の持病であるシャッター鳴きは
やはり発生します。
今回、お預かりしている「AE-1P」も毎回ではないのですが
やはりレリーズしてミラーが動作すると
「ギャン」と耳障りな音が発生します。
一度出始めるとしばらく続く傾向があるようです。
今回のように音だけならまだ撮影そのものには
それほど支障はでませんが
シャッター鳴きが酷くなってくると
ミラーがゆっくりとしか動けなくなり
レリーズしてシャッターが切れるまでに明らかなタイムラグが出始めます。
そこまでいくとミラーが動かなくなったり
ミラーアップしたまま固着してしまったりして
撮影不可能な状態になるのは時間の問題だと思います。
今回はシャッター鳴きだけではなく
巻上時にも巻上部から同じような異音がしています。
油切れが原因ですがこれもAシリーズは多いですね。
さらにオート時に絞りを制御するマウント部にあるステーの動きが重く
オート露出の精度が安定してません。
同じSS(SS優先AE),同じ明るさでレリーズして
そこそこ良い値が出たかと思えば1.5段ほどずれたりしています。
これもAシリーズでよくある症状です。

シャッター周り、ミラー駆動部、巻上。。。等々
機械的に動くところは清掃・注油を行い
汚れやすい接点部分は清掃した上で
電気的な調整も行いました。
現在はシャッター鳴きもなくオートの精度も安定しています。
清掃・注油を行っているので
しばらく馴染むまで様子見を行って最終調整を行います。
少し話が逸れますが
今回のAE-1Pは接眼レンズの裏側にかなりカビが発生していて
もちろんキレイに清掃したのですが
外観がキレイなカメラでも意外と接眼レンズが汚れている
カメラをよく見かけます。それも大抵は内側でなく
表面が汚れていることが多いと思います。
接眼レンズはその名の通り
目の近くで覗くためのレンズなのでここはなるべくキレイにしておきまましょう。
カビはクリーナーでは落ちませんが
通常の汚れはレンズ用のクリーナーと専用のクリーニングペーパーで
簡単にキレイにできると思います。
間違っても綿棒やティッシュペーパーでは拭かないようにお願いします。
確実にキズになりますよ。

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