ペンタックスSLのカメラ修理

今日は「母の日」であるのは
だれもがご存じだと思いますが
それと同時に「紙飛行機の日」だったりします。
小学校低学年くらいまでは
良く作ってよく飛ばしましたねぇ
新聞の折り込みチラシで毎日のように作ってました
もちろん最初はじいさんに折り方を教えてもらいながらでしたが
かなり夢中になって作った覚えがありますねぇ
最初に作ったのはいわゆる「へそひこうき」でした
(こう呼ぶのを今回初めて知りました!)
この「へそひこうき」って大抵の場合
くるんと1回転するんですよねぇ~それが楽しかったなぁ
で、遠くに速く飛んでいく「やりひこうき」や
滞空時間の長い「いかひこうき」なんかをよく作りました…
で、今回これを書くために確認や名前を調べるために
「かみひこうき」について少し調べたのですが
私が知っているよりもたくさんの種類や折り方があって
ちょっと感動モノでした(笑
仕事の合間の気分転換にちょっと折ってみます!

さてさて

本日は「ペンタックスSL」のカメラ修理を行っています。
大ヒットした「ペンタックスSP」から
TTL内蔵露出計を省略したモデルです。
この時代にはまだ新機能であった内蔵型露出計を
敬遠するユーザーも多く
各メーカー、露出計内蔵のモデルと基本的には同じモデルで
露出計を省略したモデルを併売していることも多かったのです。
理由としては「実績のないカメラ内蔵露出計を信頼できない」とか
「多機能化による故障要因の増加を嫌う」なんてパターンですね。
気持ちはわからなくはないですよねぇ
前者は特に複数ボディを使いたい場合に切実だと思うのですが
この時代だと内蔵露出計によって特に視野内で輝度差が大きい場合に
その露出計によってクセというか出す値に傾向みたいなものがあって
特にデリケートな露出を必要とするポジだと
見逃せない問題になってきます。
それだと使い慣れてクセや傾向がわかっている単体露出計で
露出は算出してカメラ側にはいらないってことになります
私も昔の一時期この考えでした
ネガでしか撮らないのであれば全く問題ないのですが…
後者の言い分もわかるのですよねぇ…実際に露出計関連のトラブルは多いですし
シャッターに問題なくて撮影はできるのに
露出計の故障でいちいち修理に出すのがイヤだ…ってのもわかりますものねぇ
昔のテレビデオと一緒ですね(笑
加えて今となっては何十年前のカメラということになると
どうしても現在の最新の露出計に比べると信頼度はもともと低いですし
それならいっそないほうが…というのもわかります。

…という感じで露出計レスモデルは
ちょっと露出にうるさい上級者向け…という感じでラインナップされていました。
SLも典型的な例ですね。
もともとの基本構造がしっかりしたカメラですし
M42マウントで露出計内蔵のSPだとしても
少々使いこなしの難しい「絞込測光」なので
露出計ナシのシンプルなSLの選択は非常に良いかとも思います。

お預かりしているSLは
まずSPも含めて定番のプリズム腐食です。
SP系ではお馴染みの視野中央より少し下の横方向に
黒い帯が出現してしまっています。
これはプリズム交換で対処します。
もうひとつの定番であるミラーアップは今のところないのですが
シャッター幕軸はやはり動作的にかなり怪しい状態です。
やはり高速シャッターの精度は全く出ておらず
このまま放置しておくと近い将来に
1/1000や1/500で開かなくなるか
低速時にミラーアップしたままになる症状が出てきそうです。

露出計回路や電池室がないと
やはり構造的にはかなりシンプルになります。
整備性は文句ナシに良いカメラです。
プリズム交換はもちろんですが
ファインダースクリーン周りに多用されているモルトの交換や
巻上、シャッター幕軸、スローガバナー等の
比較的動作不良を起こしやすい箇所を中心に
動作部分は徹底的に洗浄、清掃、注油を行います。
こうして再組立てしたSLは
ファインダーが見違えるほどクリアなのは当然ですが
巻上やシャッターの動きもお預かり時とは
比べ物にならないほどスムーズに動作するようになりました。
これで当分、安心して使っていただけると思います・

↓ をクリックすると「東京フィルムカメラ修理工房」のホームに戻ります。