オリンパスオートアイのカメラ修理

今日は8月19日…
語呂合わせで「バイクの日」「俳句の日」ってところが
有名ですが実は「世界写真の日」でもあるのですよねぇ
ダゲレオタイプの発明に関する記念日なのですが
日本国内では6月1日が日本における「写真の日」なのですよね
こちらは日本初の写真が撮影されたことに由来しています。
日本初の写真撮影もダゲレオタイプですが
今や写真は誰でも簡単にスマホで撮影でき
その場で撮影した写真を見られる時代です。
その場で写真が見られるってのは
私の世代でも昔では考えられないことですものねぇ
すごい時代になったものです…
私が今でも愛用し仕事にもしている
フィルム写真およびフィルムカメラを
取り巻く環境は年々確実に厳しい環境になりつつありますが
フィルムやカメラの選択肢は少なくなっても
何とか生き残ってほしいものですね…

さてさて

本日は「オリンパスオートアイ」のカメラ修理を行っています。
少し前に「オートアイ2」の修理も行いましたが
今回は初代の「オートアイ」です。
発売は1960年で「世界初の本格EEカメラ」と謳われた意欲作です。
シャッタースピード優先AEを搭載し
シャッタユニットはコパル、レンズはDズイコー4.5cmF2.8
何といってもファインダー表示の絞り値が
オート時にはレリーズボタン押し込み時に
くるくる回って表示されるという
何とも楽しいギミックが特徴のカメラです。
シャッタースピード優先AE機としては普通に使いやすいカメラです。
しかしながらこの「オートアイ」発売の翌年には
「より使いやすく」
「より明るいレンズを搭載し」
「よりお安い」
社会現象ともなった化け物カメラ「キヤノネット」が発売され
「オートアイ」は非常に苦しい販売成績となってしまいます。
それに対抗するために登場したのが「オートアイ2」だったのですが
それでもキヤノネットの勢いを止めることはできませんでした…
今となってはAE機として使う分にはそれほど大差はありません。
ただ正直なところ整備性はキヤノネットのほうが格段に良いです(苦笑)

お預かりしている「オートアイ」はシャッターが全く切れません。
この類のレンズシャッター機でシャッターが切れない場合は
まずシャッター羽根の固着・粘りを疑うのですが
どうやら今回は違うようで
巻上ができなくてチャージされないようですね…
巻上機構そのもののややこしいロック機構はないのですが…
原因究明はまずは後回しににして
それ以外にも露出計が全く動いていないようです。
オートで撮影することがメインであり
特にマニュアル時の操作がはっきり言って使いにくいこのカメラで
露出計不動は致命的トラブルです。
セレンがダメだと正直なところこれも厳しいのですが…

まずはある程度のところまで分解して現状を詳しく確認していきます。
やはりシャッタユニットには多少の動作不良と粘りはあるものの
大きなトラブルはないようです。
シャッターが切れない原因は巻上機構部の一部変形と部品脱落で
その脱落した部品が巻上機構に挟み込まれて
巻上が全く動けなくなっていたことが原因でした。
露出計はセレンの劣化も相当進んでいて厳しいのですが
露出計本体も内部断線で全く動作しない状態です。
これは少々困りましたねぇ
セレンも含めて少し部品取りを手に入れて
何かしらの対策を考えたいと思います。
少々時間がかかりそうですが何とか
普通に使える状態に仕上げたいと思います。

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