コニカオートレックスのカメラ修理

今日はこれといってネタになるような
記念日がないですねぇ
で、過去の10月28日にあった出来事を調べてみると…
1972年に中華人民共和国との国交恢復を記念して
日本に贈られた雌雄2頭のジャイアントパンダ
「カンカン」「ランラン」が上野動物園に到着した日で
ちょうど50年の節目ですね!
さすがに当時、私は3歳なので詳しくは覚えていませんが
パンダと言えば「カンカン」「ランラン」で
連日テレビでも大ブームだったのは覚えています。
もちろん私はそのときは広島・呉在住ですし
東京・上野動物園なんて雲の上のような遠い世界でしたが…(笑
昨日から松坂屋上野店ではパンダ来日50年を記念して
当時と同じように記念のアドバルーンを揚げているようです。
30日まで揚がっているそうですよ。
アドバルーンも懐かしいですねぇ
えっと…現在の上野動物園のパンダは…
2005年中国生まれのリーリーとシンシン、
2017年上野生まれのシャンシャン
去年ニュースを賑わせた2021年6月生まれの
シャオシャオとレイレイですね。
言われてみれば上野動物園も20年近く行ってないなぁ…
平日空いてそうな日にフラッと行ってみなくては…

さてさて

今日は1965年発売の「コニカオートレックス」の
カメラ修理を行っています。
いわゆるARマウントの最初のカメラです。
これが後のFTAやオートレフレックスT3、Acom-1の先祖となるわけです。
外光式のCdS露出計を装備し
それと連動するシャッタースピード優先オートも装備します。
これを実現するためにレンズマウントは新開発となったわけです。
ARレンズの「AR」はオートレックスの頭文字でもあります。
さらにこのカメラの特徴的な機能といえば
やはり35mm判、ハーフ判を切り替えて使用可能な点ですね。
それもフィルムの途中でも切り替え可能です。
ただ、35mmフルサイズとハーフが入り混じった撮影済みフィルムは
現像はともかくスキャンやプリント時にはいろいろ制約もあるはずなので
写真屋さんに預ける場合には要確認だと思います。
コマ重なりを防ぐため35mm判→ハーフ判の変更は巻き上げてから
レバーで切り替え、ハーフ判→35mm判への変更は
レバーで切り替えてから巻き上げします。
ここには注意が必要です。
シャッタースピード優先オートはコニカお得意の
露出計指針挟み込み方式の為もあり、
シャッターレリーズのストロークがかなり深くなっています。
ここも少々慣れが必要な部分かと思います。

このオートレックス、いろいろな機能が満載で
面白いカメラではあるのですが
その分、いろいろなトラブルも起きやすいカメラだとも言えます。
特に露出計関連や巻上関連にトラブルの多いカメラです。
プラスチック部品の使用も意外と多く
その部分の劣化の為に部品入手不可で修理不能になる場合もございます。
搭載されるシャッタユニット・コパルスクエアは
他にもいろいろなカメラに搭載され
信頼性の高いユニットですが今回はそのシャッターにも問題があるようです。
今回のオートレックスはお預かりした時点で
ミラーアップしたまま固着した状態でシャッターは切れなかったのですが
ミラー駆動部の動作不良で固着している上に
シャッター羽根の錆や汚れもかなり酷く
できる限り分解してひたすら錆を落とし清掃する作業が必要でした。
さらに電池室のプラスチック部品は破損しており
接点の固定もままならない状態で
ここも何とか代用部品等で何とか機能する状態に改善していきます。
さらに装着されている52mmF1.8レンズのカビ・汚れも酷く
こちらも入念に清掃していきます。

細かく書き始めるとキリがないくらい
いろいろな処置を行ったのですが
何とかシャッターの精度も露出計の精度も確保できて
オート露出も安定して動作するようになりました。
巻上も切替も含めて問題なく動作します。
レンズや外観もできる限り清掃しました。
これであれば安心して気持ちよくお使いいただけると思います。
モデル名がペンタ部に刻印されているのは
それだけこのモデルにメーカー側にも思い入れがあるのだと思います。
コニカの記念碑的なカメラでもあるので
ご依頼者様には存分に楽しんでお使いいただければと思います。

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