キヤノンFTbのカメラ修理

今日は私にとって取り上げやすい記念日や
過去の出来事がびっくりするくらいない日ですねぇ(苦笑)
でもあきらめずにいろいろ調べていたら
今日は「寒の戻りの特異日」と言われているようです。
よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが
もう今日あたりは彼岸から1か月以上も経ってしまっています。
「特異日」というのは
「理由は不明ですがなぜかその現象が起こる日」なのだそうです。
他にも地域ごとに「晴れの特異日」とか「雨の特異日」とかがあるそうです。
単なる偶然と片付けるにはおかしいほどの確率で
その現象が起こる日ということですね。
で、「寒の戻りの特異日」は
「4月6日」、「4月23日」、「4月24日」なのだそうです。
私のわかる範囲で都内の気温は確かに
昨日今日と一昨日までの初夏のような陽気が一転して
肌寒い1日になっていて一昨日は「冷房入れようかな…」なんて
つぶやいてたのが今日は「腰と足にカイロ貼ろうかな…」と思うくらい
冷え込んでいます。すごいですね。当たってますね。
何にしても季節の変わり目で気温変化の激しい時期です。
ちょっとした油断で体調を崩すことも多い季節なので気をつけましょう。

さてさて

本日は「キヤノンFTb」のカメラ修理を行っています。
1971年発売の中級機です。
同年にキヤノン初のプロ向けフラッグシップ機の
「F-1」も発売されていて
同じ時期に開発されたFTbにもF-1との共通点も
内部構造に見られます。
機能的にはそれまでの主力中級機であった「FT」を
FDレンズの登場に合わせて開放測光に対応させたカメラです。
スタイリング的にも比較的新しいエッセンスを取り入れ
これまでにないイメージのF-1とは異なり
前身のFTからのスタイリングを引き継いだ
オーソドックスなものとなっています。
FTbは登場から2年後の1973年にマイナーチェンジが行われいて
それ以降のモデルを「FTb-N」と呼ぶこともあります。
今回のFTbはそのマイナーチェンジ後の「FTb-N」です。
それまでの「FTb」との違いは
外観的には巻上レバーやシャッターボタン、
そしてセルフタイマーレバーの形状変更です。
セルフタイマーレバーが正面から見て一目で違いが分かりやすいポイントです。
機能的にはファインダー内表示に設定シャッタースピードが
表示されるようになりました。
ダイヤルとの糸連動で動作します。
これ…正直言うと分解時にかなり邪魔になります(苦笑)
でもファインダー内SS表示は確かに便利です。
これで絞り値表示もされるとファインダーから目を離さずに
露出設定が非常に行いやすくなるのですが…
F-1と同じような構造の追針式露出計は
もともと視認性もよくかなり使いやすいので
SS表示でより使いやすくなった印象です。
他は内部構造的にも大きな変更はありません。

お預かりしている「FTb-N」は
全体的に動作部の汚れや油切れで
動きの悪い印象です。
巻上時の感触やシャッター音からもそれがわかりますが
実際にシャッタースピードを計測してみると
明らかに先幕後幕の幕速バランスは大きく崩れていて
特に高速シャッターの精度は写真に影響出るほどの状態です。
そしてスローシャッターではガバナの粘りが明らかで
1/2や1秒の設定だとときどきわずかに止まりながら
何とかシャッターが切れるという状態です。
さらに露出計SW部の接触不良もあり
露出計の動きが非常に不安定です。
たまにまったく指針が動かなくなることもあるようです。
どこかに致命的な破損等があるわけではないですが
一通りの整備をして本リアの動きを取り戻さないと
とても快適に使える状態ではありませんし
正確な露出で撮影に使用できる状態でもありません。

で、作業に集中していて分解時の画像を撮るのを忘れました…
画像は一通り作業が終わって再組立ても行い
幕速の微調整をこれから行うところです。
巻上のフィールからシャッター音を聞くだけでも
明らかに整備前とはことなりしっとりした良い感じになっています。
もちろん精度的にも問題ございません。
ただ、画像にはありませんが一緒に装着されていた
FD50mmF1.8s.cレンズにも汚れ等以外にも問題があり
こちらは絞り羽根が全く出てきません。
以前、分解品で羽根が出てこないな…と思って分解したら
そもそも羽根そのものがなかった!なんて酷いものにあたってから
羽根が全く出てこないレンズは思わず身構えてしまうのですが(苦笑)
今回はそんな妙な代物ではなく
単純に油滲みでがっちり羽根が固着していただけでした。
それにしてもベッタリと油が付着している状態でしたが
FD・FLレンズは比較的この症状が多いような気がします。
レンズ側もこれからしっかり羽根洗浄を行って
スムーズに絞りが開閉できるように整備を行っていきます。

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