ペンタックスSPのカメラ修理

今日は「民法テレビスタートの日」で
加えて「テレビCMの日」なのですね。
1953(昭和28)年8月28日午前11時20分、
日本テレビ(JOAX-TV)が民間放送として
初のテレビ放送を正式に開始したのだそうです。
そして日本初のテレビCMが放送されていて
初のCMは「精工舎の時計が正午をお知らせします」という
服部時計店(現:セイコーホールディングス株式会社)の時報だったそうです。
ただこの正午の時報…
フィルムが裏返しになっており、音も不明瞭だったそうで
正午に放送された初CMはわずか3秒で中止されるというハプニングがあり
同日夜7時に第2号CMとして30秒のCMが放送されたそうです。
70年前の出来事なのですよねぇ
70年「も」前のこと…とも言えるし
意外と「たった」70年前…ともいえますねぇ
上記の午後7時のCMはyoutubeとかでも見られますが
何だか趣あってなかなかいいものですよ…

さてさて

本日は「ペンタックスSP」のカメラ修理を行っています。
M42マウント機の代名詞のようなカメラですね。
1964年発売のカメラですが発売当時も
比較的お求めやすい価格と使いやすさが絶大な支持を集め
世界的に大ヒットとなったカメラです。
そのため現存台数も非常に多く
コンディションはいろいろな状態のものがあるものの
現代でも人気の高いカメラです。
シンプルなねじ込みM42マウントは
ユニバーサルマントでもあり
いろんなメーカーが様々なレンズを発売しているため
ペンタックス純正だけにとどまらず
豊富なレンズを使って楽しめるところも大きな魅力だと思います。
シンプルなねじ込みマウントでレンズ側の絞り値を
ボディ側に伝える機構がなうため
必然的にボディ内蔵の露出計は絞り込み測光となります。
開放測光に比べると多少使い勝手が悪い部分もありますが
慣れてしまえばそれほど使いにくいと思う場面は少ないかと思います。

お預かりしているSPは
おそらく長い間使われていない個体と思われ
各部の動きが悪くなっている状態です。
それに加え露出計は電池を入れても
全く動作しない状態です。
電池室自体は一見キレイなのですが
それでも過去に長らく水銀電池を入れたままで
放置されていた時期もあると思われます。
電池室裏側の端子は真っ黒に腐食していて
そこに繋がれる配線も中身まで腐食していて
電気を全く通さないような状態です。
端子はしっかり磨いて復活させ
配線はSW部まで交換が必要な状態です。
SW部にも動作不良の問題を抱えていて
通常はSWを押し上げると
絞り込みが行われ露出計がオンとなり
シャッターを切ると絞り込みも解除され
SWも自動復帰して露出計の電源も切れるわけですが
現状ではシャッターを切っても
SWは押しあがったままで電源も切れません。
SW連動部の固着が原因かと思われます。

絞り込み測光のため露出計連動部も少なく
電気関係の回路はシンプルです。
シャッターや巻上周りの構造もいい意味でシンプルで
非常に整備性も良いカメラです。
とにかく動く部分は徹底的に清掃整備を行い
本来の小さなバネ力でスムーズに動ける状態にします。
その上で微調整を行い精度的も問題ない状態にしていきます。

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