今日は二十四節気でいうところの「白露」です。
いよいよ秋の気配が迫り大気が冷えてきます。
夜間に気温が下がり大気中の水蒸気が草花に朝露となってつくようになります。
光によって白く見える露ができ始める頃という意味で「白露」とされるそうです。
今朝は関東地方は台風の影響で雨風がそれなりに強いですが
北から風が吹き込んでいることもあって気温も一気に下がりました。
最高気温も25℃前後のようです。
こうして季節も一気に進んでいくのですね。
あのどうにも暑くてたまらない真夏が終わって一安心です。
気持ちよく過ごせて旬の果物もたくさんある
秋ができるだけ長く続いてほしいと思いますが
近年の傾向からみて今度はあっというまに
寒くなるのでしょうねぇ
個人的にも秋が1年の中で一番好きなのですが…(苦笑)
さてさて
本日は「ミノルタSR-1」のカメラ修理を行っています。
毎回「SR-1」のブログの際には書きますが
ネーミングから想像されやすい
いわゆるフラッグシップモデルではなく
中級機のポジションになるカメラです。
最初の「SR-1」が出たのは1959年ですが
そのときのトップモデルは前年に発売された「SR-2」です。
数字が大きいほうが上位モデル…というネーミングですね。
当時の「SR-2」から1/1000シャッターを省略し
差別化して発売されたのが「SR-1」です。
そのほかはほぼ当時のSR-2と同一です。
その後、トップモデルはSR-2→SR-3→SR-7へと
モデルチェンジを行い、モデル名も変わるのですが
「SR-1」は中身はトップモデルに倣って
モデルチェンジされてもモデル名は「SR-1」のままだったのですね。
そのため「SR-1」は同じモデル名でいろいろなヴァージョンが存在します。
中身が全く異なるので修理する立場としても少々ややこしいですね。
お預かりしている「SR-1」は
純正の外部露出計を装着するためのソケットがあり
そのため「SR-1」のロゴも巻き戻し側に刻印されます。
ロゴの色は黒ではなく緑色です。
フィルムカウンターは巻き戻しクランクの隣に配置されています。
以上の外観上の特徴から1961年前期のモデルかと思われます。
ベースとなっているのは当時の「SR-3」となります。
おそらくこの「SR-1」もかなり長い間
使われずに仕舞い込まれていたものと思われます。
各部の動きはかなり悪く
シャッタースピードの精度が出ていないのは当然ですが
巻上もかなり重く感じます。
レリーズ軸の動きもかなり悪いようで
巻上げてチャージしてもシャッターが切れなくなるような
症状が頻繁に発生します。
そして1/60より遅いいわゆるスローガバナで制御する
シャッタースピードに設定すると
全速でバルブ状態になりレリーズボタンを押している間
シャッターは開きっぱなしになります。
ボタンを離すと設定されたスローシャッターで作動して切れる感じです。
調速カム周りの部品の動きが悪いものと思われます。
装着されていたオートロッコールPF55mmF1.8は
レンズはそこそこキレイなのですが
絞り羽根が固着してしまっていて羽根が出てきません。
ボディ側、レンズ側ともに一通りの整備が必要な状態です。
確かに各部の動きは非常に悪い状態ですが
基本的には丈夫なカメラです。
どこか致命的な破損や故障があるわけではありません。
機械的な駆動部を隅々まで入念に動きを良くする清掃や
整備を行なった上で微調整を行えば
本来の状態に復帰できると思われます。
まだ取りかったばかりですが
これから各部点検整備一式を行っていきます。