オリンパスペンFTのカメラ修理

今日は9月9日ということで
「重陽の節句」ですね。
陰陽思想では奇数は陽の数で
陽数の極である9が重なることから
「重陽(ちょうよう)の節句」と呼ばれます。
旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれます。
菊の季節には新暦だとまだ早いのですよねぇ
幼い頃に菊祭りとか菊人形展とかに連れて行ってもらった
記憶があるのですがもっと秋の深まった頃だったと思います。
旧暦だと10月の半ばにあたるので
やはりそのあたりが菊の季節ですよね。
そして今日は「救急の日」でもあります。
これは語呂合わせそのままですね。
あまりお世話になりたくはないですが
いざというときには救急車や救急外来を
頼らざるを得ないことはありますものね…
特にこの歳になってくると
いつ何が起こるかわからないので
常日頃から気を付けるしかないですね。
あまり神経質になり過ぎると
ちょっとした体調の変化に過敏になり過ぎて
またそれはそれで困るのですが…

さてさて

本日は「オリンパスペンFT」のカメラ修理を行っています。
ハーフ判一眼レフというだけでも
数の少ないジャンルですが
単純に通常の一眼レフをハーフ判にしただけではなく
ハーフ判であることのメリットを最大限に生かそうと
いろいろと独自性の高いメカニズムを持つカメラです。
そういう意味ではまさに他に類を見ない孤高の存在だと思います。
最初に登場した「ペンF」、巻上をシングルストロークとし
露出計、セルフタイマーを内蔵した「ペンFT」
「FT」から内蔵露出計を省略した
「ペンFV」の3機種が存在します。
いずれにしてもロータリーシャッターを搭載し
ミラー駆動を横置きとしてポロプリズムを使用して
接眼レンズへファインダー像を導きます。
この構造のため通常一眼レフでは必ず存在する
ペンタプリズム部の出っ張りはなく
フラットな上カバー部となっています。
さらに構造上、レンズマウントは巻き戻し側に大きくオフセットされ
デザイン的にもペンFならではのものとなっています。

お預かりしている「ペンFT」はまずシャッターが切れません。
ペンF系でよくあるミラーアップしたまま固着…といった状態ではなく
ミラーは通常の位置なのですがレリーズは押せず
巻き上げもできず…といった状態です。
加えて「FT」のセールスポイントのひとつである
内臓露出計は電池を入れ替えても全く動作しません。
電池室は一見キレイなのですが
中には昔の水銀電池が入ったままになっていました。
おそらく裏側の配線やハンダは腐食してしまっているものと思われます。

ペンF系でシャッターが切れない場合の原因は
ミラーアップしたままになっている場合もそうですが
シャッターユニットよりミラー駆動に問題がある場合が多いです。
今回もシャッターユニット単体では
ガバナが少し粘っている部分もありましたが
シャッター自体は何とか動作しているようです。
ミラー駆動が完全に固着してしまっていて
ミラーが動かないためシャッターも切れないといった状態です。
シャッターユニットも含めて
ミラー駆動部、巻上機構部等の動作部分の整備を一通り行います。
並行して電池室の配線交換を行い
露出計の調整整備を行います。

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