ミノルタハイマチックFのカメラ修理

今日は「カラーテレビ放送記念日」だそうですよ。
1960(昭和35)年のこの日に
NHK・日本テレビ・ラジオ東京テレビ(現:TBS)・読売テレビ・朝日放送の5局がカラーテレビの本放送を開始しました。
これはアメリカに次いで世界で2番目だったそうです。
さすがに記憶の彼方にかすかにしか覚えていないのですが
私の生まれ育った実家でも最初は白黒テレビで
私が3歳くらいの頃にカラーテレビに買い換えられたのですよね…
1972年あたりか…登場当時は非常に高価だったカラーテレビも
東京オリンピック(1964年)でずいぶん普及して
この頃になると割と一般的な価格にまで下がってきてたはず…
まぁでもチャンネルダイヤルはガチャガチャ回していましたし
UHF帯だと別のチューニングダイヤルを回してましたねぇ
もちろんリモコンなんてまだないですよ。
いわゆる家具調テレビです。懐かしいですね。
ステレオも無駄にデカい4ch家具調ステレオでしたねぇ…

さてさて

本日は「ミノルタハイマチックF」のカメラ修理を行っています。
私の実家のテレビがカラーになった頃に発売された(1972年)カメラです。
前年に登場した「ハイマチックE」の下位モデルとして
発売されましたが
この当時は「コニカC35」の大ヒットもあって各社コンパクトな
F2.8クラスのレンズ搭載のコンパクトカメラの開発に
躍起になっていて「ハイマチックF」も「コニカC35」の
対抗馬としてのポジションでした。
搭載されるロッコール38mmF2.7、シャッターユニットは
「E」とはまた異なりセイコーESL電子制御シャッターを搭載します。
露出制御はプログラムオートで行います。
シャッタレリーズのストロークが長く
レリーズした際のシャッター音が「ジャキーン」といった感じで
少々独特なフィールのカメラです。
個人的にはこのシャッター音が妙に好きで
一時期、気軽に持ち歩くようで個人的にも使っていたカメラです。
非常にコンパクトな上にデザインも端正で
なかなか良いカメラだと思います。

「ハイマチックF」は電源周りのトラブルが多いのですが
お預かりしている「F」は電池を入れてみると
なんとか電源は入るようです。ただやはり不安定です。
電池室を見ると腐食跡も若干確認できるので
接触不良や配線の腐食もあると思われます。
加えてオート精度が非常に悪く
4段以上アンダーに制御してしまうようです。
さすがにこれでは写真が暗くなってしまいます。
さらにレンズ前面のASA感度設定盤が一部破損していて
ASA100から設定の変更ができない状況です。

電子制御シャッター機は機械的な駆動部も整備に加えて
各接点の清掃やマグネット吸着部の清掃整備が非常に重要です。
そのあたりも踏まえて整備清掃を入念に行っていきます。
もちろん並行してレンズ・ファインダーの清掃調整も行います。
一部破損してしまっているASA感度盤については
中古部品での交換で対応いたします。

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