キヤノンデミのカメラ修理

今日は「国立公園記念指定日」だそうです。
1934年(昭和9年)のこの日に
内務省が、瀬戸内海・雲仙・霧島の3ヵ所を国立公園に指定し
日本初の「国立公園」(national park)が誕生したことが
由来となっています。
…小学校低学年の頃だったかな…
家の壁に貼ってあった中国地方の地図を眺めながら
「瀬戸内海国立公園」の文字を見て
「海と島しかないところだけど
きっとここにでっかい公園(ブランコや滑り台があるような)が
あるんだなー」と思っていた記憶が…(笑
2020年(令和2年)3月時点で
34ヵ所の国立公園が存在するそうです。
それに加えて国ではなく都道府県に管理を委託される
「国定公園」が58カ所存在しています。
いずれにしても日本の風景を代表する自然の景勝地ですね。
日本の国立公園の面積の約60%が国有地だそうです。

さてさて

本日は「キヤノンデミ」のカメラ修理を行っています。
デミ…「半分」という意味ですね。
その名の通りキヤノンのハーフカメラです。
1963年に発売されたカメラです。
ハーフカメラとしてはめずらしく
プリズムを使用した実像式ファインダーを搭載します。
ファインダー窓もレンズの真上に配置されます。
シャッターユニットはプログラムシャッターの
セイコーシャLです。
プログラムシャッターですが露出は追伸式のセレン露出計を
マニュアルで合致させて設定します。
レンズはSH28mmF2.8を搭載します。
これもハーフカメラでは少数派ですが
巻上はダイヤル式ではなく巻上レバーを装備しています。
加えてこの巻上レバーが非常に滑らかな動作で
ファインダーと合わせて使い心地の非常に良いカメラです。
「ハーフカメラ」といえばやはり「オリンパスペンシリーズ」が
現在でも人気が高く修理依頼も多いのですが
デミEE17等を含めた「デミシリーズ」も
コンスタントに修理依頼のあるカメラです。

お預かりしている「デミ」は正確に言うと
貼り革の色が変更された「カラ-デミ」です。
赤・青・緑の3種類が存在しましたが
お預かりしてるしているのは青い貼り革のモデルです。
初期のデミがベースとなっているのでボディは
真鍮製です。(デミの後期モデルのボディはアルミ製)
心配されるセレンの状態は問題なく
明るいほうにカメラを向けると元気に
露出計指針が反応します。
ただ全くシャッターが切れません。
巻上レバーもロックされたままになっています。
おそらくシャッターの固着だと思われます。
絞り羽根も相当粘っていて油滲みも見られます。
この状態で絞り羽根を無理に動かしていると
羽根を破損する危険性もあるので
プログラムシャッター設定リングは極力動かさず
分解整備に早急に取り掛かります。

画像は取り掛かったばかりの状態のもですが
お馴染みのモナカ構造です。
ここまででシャッターチャージが掛かったままで
レリーズしてもピクリともシャッターが動かず
チャージレバーが戻ってこないことが確認できます。
結構強力に固着しているようです。
無理に動かすことはせずここから分解を進めて
シャッターユニット整備及びシャッター羽根の洗浄を行っていきます。
ここには写っていませんが
せっかくの青い貼り革もかなりくたびれてくすんでいるので
仕上げの段階でできる限り汚れを落としていきます。

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