ウインザー35のカメラ修理

今日は「女性ドライバーの日」だそうですよ。
運転者に性別は関係ないとは思いますが
1917(大正6)年のこの日に
栃木県の渡辺はまさん(23歳)が
日本の女性として初めて自動車試験に合格し
運転免許を取得したことに由来しているそうです。
この時代ならたとえ男性でも運転免許を持っている方は
まだまだ少なかったでしょうし
男女格差は今では考えられないくらいあったでしょうね…
まぁ女性ドライバーはさておき
私ももう丸8年、クルマを運転してないのですよね(苦笑)
若い頃は年間2万kmは普通に運転していたのに
その頃の自分からしたら考えられないです。
今や所有していない上に都内にいると
自分で運転する必要性もないので
こうなってしまいました…
いずれにしても冷静に考えると1トン前後の物体を
時速40kmとかで側を人が歩いている公道で
運転するってめちゃくちゃ怖いですよね…
もしまた運転することがあったら
そのあたりを肝に命じたいと思います。

さてさて

本日は「ウインザー35」のカメラ修理を行っています。
1956年発売のカメラです。
1950年代には数多くのいろいろなメーカーが存在して
様々な二眼レフやレンズシャッター機が発売されていますが
「ウインザー35」もそんな時代のカメラのひとつです。
東興写真株式会社というメーカーから発売されたカメラです。
レンズは自社製と思われるColor Sygmar50mmF3.5という
テッサータイプですがレンズ製作に使われた
光学硝子が当時の日本光学から
提供されていたものとのことです。
シャッターユニットもオリジナルのVELEXとなっていて
お預かりの個体では1/200が最高速なっています。
(他に中期・後期モデルがあり1/300、1/400のシャッターがあるようです)
あまり当店では見ることのないカメラなので
分解前に全体像を記念撮影…

この時代に多い距離計搭載レンズシャッター機ですが
1950年代はまだまだセルフコッキング非搭載のカメラが多く
それが故にモデル別に操作方法が異なったります。
このウインザーもシャッターチャージ・レリーズは
はシャッターユニット側で行い
フィルム巻上は巻上ノブで行います。
巻上ノブにはコマごとの巻き止めと
巻き止め解除ボタンが装備されています。
そのあたりまではこの時代のカメラに慣れていれば
すぐ理解できるとは思うのですが
フィルム終端まで撮影後の巻き戻しがかなり独特です。
まず底部にある皿…というか皿状のネジを
めいっぱい緩めます。これでスプロケットがフリーになり
さらに巻き止め解除ボタンを押しながら
巻き戻しノブを回して巻き戻します。
これ予備知識ゼロだと初見じゃわからないでしょうね…(苦笑)
そしてこれはウインザーに限りませんが
ノブによる巻き戻し作業は時間かかって結構大変です。
巻き戻しクランクとロック式巻き戻しボタンの
偉大さが本当によくわかります(笑

今回のウインザー35はシャッター羽根の固着
チャージレバーの粘り、レンズカビ
ファインダー汚れクモリ、二重像がめちゃくちゃズレている…等々
この類のレンズシャッター機にありがちなトラブルが一通りです。
基本的にはシンプルなカメラですが
あまり手にかけることがないカメラなので
より慎重に一通りの清掃整備を行っていきます。

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