キヤノンⅢAのカメラ修理

今日は「組立家具の日」だそうですよ。
ここでいう「組立家具」とは
昔はどこの家でも見かけた
「カラーボックス」のことだそうです。
1970年代から80年代にかけては
カラフルな赤・青・緑・オレンジ等々の
木製3段カラーボックスが爆発的に売れました。
私の実家の部屋にもありましたねぇ…
今でも3段カラーボックスは定番商品のようですが
ちょっと調べてみると昔のように
カラフルな色のものは非常に少ないようです。
ほぼほぼ白一択…という状況です。
あえてカラフルなカラーボックスを選んで
部屋にいくつかおいたら
なんだか80年代チックな感じがしていいような気がするなぁ…と
自宅の模様替えの妄想が止まりません(笑
それ以前に現状あまり片付いていないのですが…

さてさて

本日は「キヤノンⅢA」のカメラ修理を行っています。
1951年発売のカメラです。
「Ⅲ型」のマイナーチェンジ版といえるカメラです。
スペック的には同年の2ヶ月前に発売された
「Ⅲ型」と同様で1/1000シャッター搭載の高級機です。
「ⅢA」では巻上・巻戻しノブのローレットが
菱目から縦目になっていたりキヤノンお得意の
変倍ファインダーの切替レバーがスマートなデザインのものに
変更になっていたりします。
やはり外観のみ変更されたマイナーチェンジモデルです。

お預かりしている「ⅢA型」は
いつのタイミングかはわかりませんが
過去に明らかに幕交換も行われていて
シャッター自体は動作しています。
ただ、ご依頼者様からのご指摘は
「高速シャッター不良」とのこと。
おそらく1/1000や1/500がダメなのでしょうね…
いつもならすぐに測定機にかけて確認するのですが
バルナックタイプのカメラは
裏ブタがないためそのままではSS測定すらできません。
マウント側から目視しても
なかなか1/1000の不良は判別できません。
(これも少し手間をかければ
方法はあるのですがここでは割愛します。)

まずはこの状態にしてシャッターの状況を確認します。
この状態で光源に向かってシャッターを切ると
測定機にかけるまでもなくわかりました。
1/1000は1/3くらいしか開いていないようです。
走行途中で後幕が先幕に追いついてしまう状態です。
1/500も3/4しか開いていないようです。
そして改めて測定機にかけてみると
やはり明らかに先幕の幕速が遅いようです。
テンション云々より幕軸の清掃からまず始めます。
おそらくはそれで細かい精度はともかくとしても
まずは開くようにはなるのではないかと思います。
そのうえで最終的にテンション調整で細かい精度を調整します。
各駆動部の汚れや油切れがそれなりに見られます。
動く部分は入念に清掃整備を行っていきます。

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